ダウン症で生まれる確率

ダウン症の確率を年齢別に解説~男性の年齢も関係する!?

ダウン症の赤ちゃんが生まれる確率は出産時の年齢によって異なり、高齢出産など年齢が上がるほどリスクは上昇します。ダウン症児を出産する年齢別の確率、経産婦と初産婦の確率の違い、男性の年齢による影響、ダウン症の赤ちゃんを出産する確率を下げる方法、出生前診断についてまとめました。

ダウン症の確率を年齢別に解説~男性の年齢も関係する!?

ダウン症の赤ちゃんを出産する確率は年齢によって異なります

妊娠をすると赤ちゃんがお腹に宿る喜びを感じると共に、元気に生まれてきてくれるか不安な気持ちを抱えてしまいます。ダウン症の赤ちゃんを出産する確率は全体で1000人に1人とも言われていますが、年齢とともに確率は高くなります。

特に近年では一般的に高齢出産と呼ばれる35歳を過ぎて、初めて子供を産むママが増えてきているため、心配も大きいですよね。多くのパパやママが気になっているダウン症の赤ちゃんを出産する年齢別の確率、初産婦と経産婦の違い、男性の年齢の影響などをまとめました。

【年齢別】ダウン症を出産する確率

超音波検査を受けている妊婦さんのイラスト

以下は、内閣府の資料より、女性の年齢と赤ちゃんのダウン症リスクをまとめたものです(注1)。出産する年齢が高齢になればなるほど、ダウン症の障害を持って産まれてくる確率は高くなる傾向にあります

しかし、どの世代でもダウン症の赤ちゃんを出産する確率はゼロではありません。

ダウン症を出産する確率

  • 20歳:1667人に1人
  • 25歳:1250人に1人
  • 30歳:952人に1人
  • 31歳::909人に1人
  • 32歳:769人に1人
  • 33歳:625人に1人
  • 34歳:500人に1人
  • 35歳:385人に1人
  • 36歳:294人に1人
  • 37歳:227人に1人
  • 38歳:175人に1人
  • 39歳:137人に1人
  • 40歳:106人に1人
  • 41歳:82人に1人
  • 42歳:64人に1人
  • 43歳:50人に1人
  • 44歳:38人に1人
  • 45歳:30人に1人
  • 46歳:23人に1人
  • 47歳:18人に1人
  • 48歳:14人に1人
  • 49歳:11人に1人

年齢が上がるにつれてなぜダウン症を出産する確率が上がる?

女性が一生のうちに作り出す卵子は、胎児期にすでに形成されており、出生後に新たに作られることはなく、年齢とともに減少し、閉経時にはほぼゼロとなります。

そのため年齢が上がるにつれて卵子は質・量ともに低下し、高齢出産の場合はダウン症を出産する確率が上がるのです(注2)。

また、例え母体の年齢が若くても約5割の受精卵には染色体異常があり、それが40歳以上になれば約8割にまで増加します。染色体異常があった場合はその多くが自然淘汰されるため、40歳を過ぎた妊婦さんは流産率も約3割と高くなります(注3)。

ダウン症などの染色体異常は妊娠継続の確率が低い

そもそもダウン症のような染色異常は妊娠継続そのものが難しく、人によっては妊娠そのものに気が付かないケースもあります。

人の染色体は1〜22番まで対になった44本の常染色体に、性別を決めるX、Yという2本の性染色体からなっています。染色体異常の代表的なものに対になっている常染色体が2本の対ではなく3本になる「トリソミー」というものがあります。

トリソミーは13、18、21番目に起きることが多いのですが、その中でも21番目の染色体が3本になることが「ダウン症候群」と呼ばれ、ダウン症の赤ちゃんのことを指します。

21トリソミーの場合、約8割がごく初期の段階で妊娠継続できず、ダウン症として出産される赤ちゃんはその他の約2 割にあたります。染色体異常にも関わらず無事出産時まで成長できるのは、よほど母体の環境が良かったと考える医師もいます。

初産と経産婦で確率は変わる?

妊娠しているママの大きなお腹に耳を付けて音を聞いている小さな女の子

初めての出産か、2日目や3人目の出産であるかについては、ダウン症の赤ちゃんを出産する確率は変わりません。1人目がダウン症の子どもでも2人目は健常児ということもありますし、もちろんその逆もあります。

ダウン症になるかどうかの確率は、あくまで偶発的なものであり、遺伝的要素は基本的には関係ありません。

ただし、経産婦の場合、初産時よりも年齢が上がっているため、高齢によるダウン症の確率が上がることは考えられます。

ダウン症の原因は?ママの年齢や遺伝による染色体の変化
ダウン症の原因は?ママの年齢や遺伝による染色体の変化

男性の年齢によってもダウン症の確率は上がる?

男性の加齢によってもダウン症の赤ちゃんが生まれるリスクが高まることがわかっています。アメリカの研究によると男性も35歳を過ぎると精子の質が悪化するため、遺伝子変異のリスクが高くなるのです(注4)。

最近になって男性の高齢化がもたらす妊娠への影響について少しずつ研究が進み、自閉症や発達障害に関しても年齢とともにその発症率が上がることがわかっています。しかし年齢を重ねても若々しく見える男性が増えたり、高齢の有名人が子を宿して幸せそうな姿をニュースで見かける機会が増えたりして、男性の年齢が出産に及ぼす影響はあまり気にされない風潮があります。

まだまだ男性の年齢と障害の関係についての研究自体が急激に進んでいるとは言えず、分からないことも多いですが、子供を望む男性は、女性と同じように自分自身の年齢について意識するべきでしょう。

出生前診断の確率~非確定的検査は的中率100パーセントではありません

2016年の7月に「新型出生前診断」を受けた人が3年間で3万人を超えたことがわかりました。海外で行われた調査によると、おなかの中にいる赤ちゃんがダウン症であると診断された女性は92%が妊娠継続を希望していません。

ニュースなどでも取り上げられている出生前診断ですが、全容がわかりにくいのも事実です。そして検査の正しさが100パーセントではないこともあまり知られていません。妊娠中や妊娠前に、女性・男性に関係な、く正しく知っておきたい出生前診断の知識についてご説明します。

出生前診断とは

出生前診断は妊婦の血液から胎児のダウン症などを調べる検査のことを指し、胎児の発達や発育などの問題も調べられます。出生前診断には主に「非確定的検査」と「確定的検査」の2種類あり、それぞれ検査方法や受けられる妊婦さんの条件、時期、体への負担や精度などが異なります。

ダウン症の検査方法は?非確定検査と確定検査の内容
ダウン症の検査方法は?非確定検査と確定検査の内容

非確定的検査

コンバインド・テストを受けている妊婦さん

非確定的検査は染色体異常のある可能性をはかる検査を指します。妊婦さんの血液を検査する「クアトロテスト」「コンバインド・テスト」や、ほとんどの妊婦さんが受ける超音波検査もこの中に含まれます。

中でも「クアトロテスト」は全国で普及していますが、陽性的中率の低さが指摘されています。非確定的検査の結果が陽性の場合、一般的に確定的検査に進んで結果を確定させる流れを取ります。

確定的検査

確定的検査には羊水や絨毛を採取し、染色体疾患全般のはっきりした可能性を調べる「羊水検査」や「絨毛検査」があります。腹部に針を指して羊水や絨毛を採取するため、「羊水検査」では0.3%、「絨毛検査」では1%流産の確率があります。

出生前診断を受ける?受けない?

女性を対象とした出生前診断に関するアンケートによると、出生前診断を「受ける」と答えた人は39パーセント、「受けない」と答えた人は38パーセントでした。両者はほぼ同数で、意見が二極化しています。残りの4人に1人は「わからない」と答えました。

受ける人は不安な気持ちを抱えていることも

出生前診断を受けると回答した人の中には「障害を持って生まれた赤ちゃんを育てられるかどうか自信がない」という不安な気持ちが見え隠れていました。

特に高齢出産の方はダウン症の赤ちゃんを産む確率が高くなるため「妊娠中ずっと不安な気持ちを抱えたまま過ごすことに耐えられそうにない、おなかの赤ちゃんがダウン症だった場合「自分たちが世話をできなくなったときの心配」を感じている方もいました。

ダウン症の赤ちゃんを産んだ場合にどのような生活が待っているのか、どのくらい大変なのかといった生活に密着した情報が少なすぎるのも不安な気持ちを増幅させる原因といえるでしょう。

受けない人は検査のリスクを心配

ソファーに座ってお腹に手を当ててリラックスしている妊婦さん

出生前診断は母体や胎児にとって100%安全というわけではありません。特に検査を受ける人が多い35歳以上の方は妊娠の確率も低いため、やっとおなかに宿った赤ちゃんに対する安全性を心配している方も見られました。

そのほかにも「自然にまかせたい」「ダウン症だと知っても産みたいので検査をする必要がない」という意見もありました。

「わからない」という気持ちが本音

アンケートの中には出生前診断を受けるかどうかわからないと答えた方もいました。「自分がその立場になってみないとわからない」「出産したら意見が変わるかもしれないので、自分がどう感じてどう判断するのかを想像するのが難しい」といった声です。

実際にダウン症の子どもを持つママが、他のママが出生前診断を受けると聞いて「そんなかわいそうなことをするんだ…」と感じたものの、いざ自分がふたり目を妊娠したときに初めてそのママの気持ちがわかったという経験談もあります。

アンケート時には出産するときの「年齢」や「心境」がわからないため、はっきりした回答をまだ出せないという気持ちが本音なのでしょう。

ダウン症の赤ちゃんを出産する確率を下げるためにしたいこと

高齢出産になればダウン症の赤ちゃんを出産する確率が上がりますが、その確率を下げるためにできることはあるのでしょうか。

それは、妊娠前から葉酸を積極的に摂取することです。妊娠を希望している方や妊娠初期の妊婦さんは普段の食事や補助食品などで意識して取り入れるようにしましょう。

なぜ葉酸が必要?

葉酸はおなかの赤ちゃんが正常に発育するために必要な栄養素です(注5)。遺伝情報通りに細胞を作るよう指示を出す核酸(DNA、RNA)という物質があり、葉酸はこの核酸の合成にかかわっているため、葉酸が不足すると正常な細胞が作られなくなります。ダウン症はDNAの異常によって起こりますが、葉酸が不足するとDNAの異常が起きやすくなるのです。

葉酸を摂取したい時期

ダウン症の原因となる染色体異常の多くは妊娠初期に発生するため、妊娠してから積極的に葉酸を摂るのも必要ですが、妊娠前から摂取していた方が効果的です。

特に必要な時期は妊娠の1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月までです。この時期は赤ちゃんが健全に育つためにも、子どもを考えている方は葉酸を始めとした、ビタミンなどを多く含む食生活を心がけましょう。

葉酸の摂取量

葉酸のサプリメントを飲もうとしている妊婦さん

葉酸は普段の食事に加えて400µgを摂ることが望ましいです(注6)。まずは葉酸を多く含む食品を意識したバランスの良い献立を心がけ、それにプラスしてシリアルや加工食品など葉酸が強化されたものを上手に利用するといいでしょう。

サプリメント活用するもの良いですが、品質や規格が一定ではないという問題点もあるため、特に妊娠初期の妊婦さんにはおすすめできない現状もあります。つわりがひどく、食事を十分に摂れないときなどにサプリメントを活用するという順番で考えると良いでしょう。

摂取し過ぎるリスクはある?

葉酸を摂取しすぎることによって起きる病気は特に知られていません。そのため、バランスの良い食事を心がけていれば過剰症を心配する必要はないでしょう。

しかしサプリメントを摂取している方は指定されている目安量を超えて長期的に服用してしまうと、過剰症の心配もあるため注意が必要です。

妊娠中に葉酸を摂って神経管閉鎖障害&つわりのリスク低減
妊娠中に葉酸を摂って神経管閉鎖障害&つわりのリスク低減

ダウン症の赤ちゃんを産む確率は年齢によらず誰にでもある

年齢が上がるにつれて、ダウン症の赤ちゃんを出産する確率が高まることは事実です。そして、倫理的な問題もありますが、医学の発展が進んだ現在では、出産前に検査を受けて、赤ちゃんがダウン症かどうか調べることは可能なのです。

35歳以上の初産、一般的に高齢出産と呼ばれる年齢に入ると、出産に関する様々なリスクが高まるため、不安な気持ちを抱くでしょう。また、ダウン症の赤ちゃんを出産する確率は、どの年齢においてもあり得ることです。

30歳で1000人に1人、34歳で500人に1人、40歳で100人に1人。自分が「その1人」となる可能性は誰にでもあり得ます。

パパやママになる前に一度「出生前診断を受けるかどうか」「検査の異常がわかった場合にどうするか」など、日頃からパートナーとダウン症の赤ちゃんを産む可能性がゼロではないこと、そして赤ちゃんがダウン症だった場合にどのような生活を送るかなど、きちんと向き合う時間を持ちましょう。

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