RSウイルス感染症から守る方法

RSウイルス感染症とは?知っておきたい症状と予防策

RSウイルス感染症の症状と予防法をご紹介します。多くの赤ちゃんがかかるRSウイルス感染症はできるだけうつさないようにしたいもの。RSウイルス感染症予防法の他、RSウイルス感染症の症状、かかった時の治療について解説。赤ちゃんの気管支に炎症を起こすRSウイルス感染症は大人のケアで防ぎましょう。

RSウイルス感染症とは?知っておきたい症状と予防策

RS感染症とは?赤ちゃんの気管支に炎症が起きる原因と症状

赤ちゃんの気管支に炎症が起こる気管支炎。中でもRSウイルスの感染によって発症するRS感染症が広く知られています。RS感染症とは、どのような病気なのでしょうか。今回は、ほとんどの赤ちゃんが感染すると言われているRS感染症についてご紹介します。「風邪かな…」と思ってそのままにしていると、症状がどんどん進み赤ちゃんが苦しい思いをしてしまいます。RS感染症について正しい知識を身につけ、赤ちゃんをRS感染症から守ってあげて下さい。

赤ちゃんの気管支炎を引き起こす原因はウイルス感染

赤ちゃんの気管支炎を引き起こす主な原因はウイルス感染です。クラミジアやマイコプラズマなどの細菌も感染原因の一つですが、赤ちゃんが最も感染しやすいのはRSウイルスと言われています。生まれてから1歳までに半数以上、2歳までにはほとんどの赤ちゃんが感染します。赤ちゃんは抵抗力が弱いので、どんなに気をつけていてもウイルスに感染しやすくなるのです。(注1)

RSウイルス感染症の年別・年齢群別割合(2004年~2013年第36週)

RSウイルスはうつるの?

RS感染症を引き起こすRSウイルスはどこにでもいて、人に寄生して自分自身を増やしていきます。RSウイルスが赤ちゃんにうつる経路は次のふたつです。(注2)

飛沫感染咳

RSウイルスは、咳やくしゃみ、しゃべっている時に口から飛び出る唾を吸い込むことでうつります。赤ちゃんの前では、これらをしないように注意することが必要です。咳やくしゃみをする時は、赤ちゃんから顔をそむける、側から離れるようにしてください。

接触感染

RSウイルスがついた手で赤ちゃんに触れることでうつります。また、RSウイルスがついたドアノブ、スイッチ、おもちゃ、コップ、椅子などに赤ちゃんが触れることでもうつります。RSウイルスを家じゅうに巻き散らかさないように、常に部屋を清潔に保つように心がけましょう。

気管支炎を引き起こすRSウイルスに感染するのはいつ?

赤ちゃんがRSウイルスに感染しやすい時期は、空気が乾燥する冬です。しかし、最近では30週を超える7月頃から感染が増える傾向にあり、「夏だから大丈夫」と安心はできません。赤ちゃんがいるママは、暑い夏でも油断をしないようにしてください。(注3)

RSウイルス感染症の年別・週別発生状況(2003年第45週~2013年第36週)

RSウイルスが引き起こすRSウイルス感染症の症状

赤ちゃんがRSウイルスに感染すると、2~8日間の潜伏期間を経てRS感染症を発症し、次のような症状が現れます。(注4)

  • 熱が出る
  • 鼻水が出る
  • 咳が出る

最初は発熱と鼻水の症状が数日間続きます。多くの赤ちゃんはこの症状だけで快方へ向かいますが、症状が悪化すると咳がひどくなり、呼吸困難へと症状が進みます。さらに症状が悪化すると、気管支が炎症する細気管支炎や肺炎を引き起こす場合があります。

重症化しやすい赤ちゃんは?

低体重児または、心臓や肺、神経や筋肉に病気を持っていたり、体に入ったウイルスや細菌と戦う力が十分に働かない免疫不全がある赤ちゃんは、重症化しやすくなります。特に、生後1ヶ月未満の新生児は要注意です。発熱、鼻水、咳以外の症状が現れる場合があり、RSウイルス感染症の診断を難しくしています。「風邪かな」と思ったら早めにかかりつけ医を受診してください。早めの対処で重篤になる状態を防ぎましょう。

RS感染症はどんな治療をするの?

RSウイルス感染症の治療法に驚く赤ちゃん

RS感染症は、通常7~12日で快復します。入院したとしても3~4日程度です。残念ながらRSウイルス感染症に効く特効薬はありません。したがって、熱や鼻水、咳などの症状を和らげる対処療法がおこなわれます。症状に苦しむ赤ちゃんを見ているのは辛いですが、多くは数日間で快方に向かいます。快復を信じて、できるだけ赤ちゃんの側に寄り添ってあげて下さい。(注5)

RS感染症を予防するワクチンはあるの?

RS感染症を予防するワクチンはありません。現在は、ワクチンを開発するための研究がつづけられている段階です。しかし、2002年、抗体の遺伝子を組み替えて作られた「パリビズマブ」という注射薬が承認されました。重篤な症状を抑えるために月1回のペースで投与します。注射ができる対象患者は次の通りです。赤ちゃんのRSウイルス感染症が気になったら、かかりつけ医に聞いてみるといいでしょう。(注6)

  • 在胎期間28週以下の早産で、12カ月齢以下の新生児及び乳児
  • 在胎期間29~35週の早産で、6カ月齢以下の新生児及び乳児
  • 過去6カ月以内に気管支肺異形成症の治療を受けた24カ月齢以下の新生児、乳児及び幼児
  • 24カ月齢以下の血行動態に異常のある先天性心疾患の新生児、乳児及び幼児
  • 24ヵ月齢以下の免疫不全を伴う新生児,乳児および幼児
  • 24ヵ月齢以下のダウン症候群の新生児,乳児および幼児

家でできるRS感染症にかからない予防策

RSウイルス感染症の治療が終わった赤ちゃん

RS感染症にかかりやすいのは圧倒的に赤ちゃんです。統計上からも分かるように、多くの赤ちゃんがRS感染症にかかっているので、「絶対にかからない」のは難しいかも知れません。それでも「かからないようにする」努力は大切です。ここでは、赤ちゃんのRS感染症予防に効果的な対策をご紹介します。赤ちゃんが苦しい思いをしないように、大人が気をつけてあげましょう。

手を洗う

外から帰ったら、すぐに手を洗いましょう。RSウイルスはどこにでもいます。RSウイルスがついているかも知れない手で赤ちゃんに触れると、赤ちゃんにRSウイルスが感染してしまいます。手洗いは、石鹸をつけて丁寧に洗い流して下さい。また、ご飯を作る時、鼻をかんだ後に手洗いをすることも効果的です。赤ちゃんがいる家庭では、みんなで手洗いを心がけましょう。

うがいをする

うがいを習慣にしましょう。赤ちゃんに話しかけた時に、口から唾が飛んでRSウイルスが赤ちゃんに感染してしまうかもしれません。こまめにうがいをすることで口の中を清潔に保ち、感染を防ぐことができます。もちろん、外で口の中に付着したRSウイルスを洗い流すことにも役立ちます。赤ちゃんとの会話を安心して楽しめるように、家族みんなで気をつけましょう。

マスクをする

RSウイルス感染症は、新生児の発症率が高いです。1歳未満の赤ちゃんとおしゃべりをするときは、特に注意が必要です。感染しやすい冬の季節だけでも、外出する時、赤ちゃんと顔を近づけておしゃべりをする時は、マスクを着用するよう心がけるといいでしょう。外からのRSウイルスの持ち込みと、赤ちゃんへの飛沫感染を防ぐことができます。

おもちゃを消毒する

赤ちゃんが触れるおもちゃ、コップ、椅子、机、ドアノブなどは、常に消毒をするようにしてください。おすすめはアルコールや塩素系の消毒剤。RSウイルスが付着しているかもしれない家族の手が触れるところは、赤ちゃんにとって感染しやすいところです。ママの掃除の手間が増えてちょっと大変ですが、RSウイルスは赤ちゃんの大敵です。知らない間にRSウイルスが赤ちゃんに感染しないように消毒のひと手間を惜しまないようにしてください。

タオルの共用はしない

RSウイルス感染症予防に限ったことではありませんが、家族で同じタオルを使うことは避けましょう。誰かが持ち込んだRSウイルスが、タオルを媒介してあっという間に広がり、家族ごとウイルスに感染する可能性を高めてしまいます。タオルは、一人一人専用のものを使ってください。また、いつも清潔に保つように、こまめに洗濯をすることも忘れないでください。

赤ちゃんがいるところでタバコを吸わない

RSウイルスの感染源の一つとして、「タバコの受動喫煙」があります。(注7)1歳未満の赤ちゃんが肺炎や気管支炎を発症する確率は、タバコを吸わない両親の赤ちゃんと、タバコを吸う両親の赤ちゃんを比べた時、2倍になるという研究結果があるのです。(注8)

赤ちゃんがいる家庭では、タバコを吸わないようにしてください。そして、できるだけ禁煙をしてください。タバコの煙が赤ちゃんに与える影響は計り知れません。そのことを心に深く留めておきましょう。

RS感染症が流行っている時は赤ちゃんに大人を近づけない

愛らしい赤ちゃんの笑顔に癒されたいのは誰しも同じです。しかし、生後6ヶ月以下の赤ちゃんがRS感染症になると、入院が必要になるなど深刻な状態になる危険性が高まります。特にRS感染症が流行する時期は、できるだけ赤ちゃんに大人を近づけないよう配慮をしてください。

「赤ちゃん見に来たよ」とおじいちゃんおばあちゃん、友人が遊びに来ても、少し離れたところから見てもらうようにしましょう。もちろん、風邪をひいている大人が赤ちゃんに触れてはいけません。赤ちゃんをRSウイルス感染症から守るには、「RSウイルス感染症になったら大変だから赤ちゃんに触らないで」ときっぱり周りの人に説明することが大切です。

RSウイルス感染症かも知れないと思ったら病院へ行きましょう

RSウイルス感染症の疑いがあり病院にかかる赤ちゃん

どんなに気をつけていても、RSウイルス感染症に感染するときは感染します。赤ちゃんの様子がおかしいと感じたら、すぐにかかりつけ医を受診しましょう。RSウイルス感染症の症状は、風邪の初期症状に似ています。「風邪だから」とママが安易に判断して病院に連れて行かないのは危険です。

病院に行ったら、赤ちゃんの状態をちゃんと医師に説明してください。できるだけ詳しく説明するには、日頃から赤ちゃんの状態をチェックし、記録をとることを習慣にするといいでしょう。ここでは、医師に伝えたい赤ちゃんの状態をご紹介します。

症状はいつから

赤ちゃんの様子がおかしくなった日、時間を伝えましょう。受診した日から症状が始まったのか、前の日から始まったのか、医師にとっては大切な情報です。症状の始まりを知ることで、この先の症状の進み具合を推察することができます。記録をとっていないと思い出しにくいことなので、ぜひ、日々の赤ちゃんの様子を記録にすることを習慣にしてください。

熱・鼻水・咳の様子

RSウイルス感染症になると現れる発熱、鼻水、咳の様子を伝えることは最も大切です。いつ熱を測り熱が何度だったのか、鼻水の色は白いのか緑なのか、また水のようにサラサラしているのか粘りがあるのか、咳はゴホゴホなのかコンコンなのか、出るタイミングは朝なのかずっとなのか、出る頻度は多いのか少ないのかなど、情報が詳細であればあるほど診察に役立ちます。

おしっこ・うんちの様子

おしっことうんちは、赤ちゃんの健康を見るうえで重要なバロメーターになります。色、量、回数、うんちは柔らかいのか硬いのか、できるだけ分かりやすく医師に伝えてください。

ミルク・おっぱいの様子

ミルクやおっぱいの飲み方に変化があれば、医師に伝えてください。あまり欲しがらない、飲む量が半分になった、飲んでもすぐ吐いてしまうなどの情報は、医師が病気を判断するのにとても参考になる情報です。合わせて元気にしている日頃の状況も伝えると、さらにより良い情報となるでしょう。

赤ちゃんがRSウイルス感染症にならないように気をつけよう

赤ちゃんの気管支に炎症を起こすRSウイルス感染症は、赤ちゃんにRSウイルスがうつって発症するまえに防ぎたいものです。しかし、多くの赤ちゃんがかかるので、予防は難しいと言わざるを得ません。それでも、できるだけ症状を軽く抑えるためには、周りの大人がいつも気をつけてあげる必要があります。

ご紹介した予防策は特別な事ではありません。ほんのちょっとの気遣いが赤ちゃんのRSウイルス感染症を防ぎます。いつも可愛い元気な赤ちゃんでいてもらうために、家族みんなでRSウイルスから赤ちゃんを守りましょう。

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