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赤ちゃんの百日咳ケアと予防接種

百日咳の症状や治療法とは?ワクチンとホームケアの予防方法

赤ちゃんを苦しめる百日咳の症状はくしゃみや鼻水からはじまり、生後5ヶ月までの赤ちゃんは入院が必要になるほど重症化することもあります。その症状や特徴を詳しく紹介し予防接種済みの大人でも感染する理由、赤ちゃんを百日咳から守る四種混合ワクチンの解説、ワクチン以外の予防策もお伝えします。

百日咳の症状や治療法とは?ワクチンとホームケアの予防方法

赤ちゃんの百日咳の症状と予防策!百日咳は予防接種していてもうつる?

「百日咳」と聞いて、なんとなく「咳が長引く病気」というイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。実際、その名の通り激しい咳が3ヶ月近くも続くこともあり、誰でもかかってしまう可能性がある病気です。特に、月齢の低い赤ちゃんがかかると重症化しやすく、命にかかわることもあるので注意が必要です。

そんな「百日咳」について、症状やうつってしまったときの対処法、予防策も含めて詳しく知ることで、百日咳から大切な赤ちゃんを守ってあげましょう。

赤ちゃんの百日咳の症状や特徴/治療法とワクチンについて
赤ちゃんの百日咳の症状や特徴/治療法とワクチンについて
赤ちゃんが百日咳になったといの特徴や症状や病院での治療法、百日咳を予防するための四種混合ワクチンの接種スケジュールや大人から赤ちゃんに感染させないための方法を解説します。

百日咳とは百日咳菌による感染症

百日咳とは、「百日咳菌」がのどや鼻などの粘膜に付着することで発症する感染症です。

百日咳で苦しむ赤ちゃん

咳やくしゃみなどの飛沫感染や接触感染で広がり、感染力が非常に強く、免疫がなければほぼ100%感染してしまうほどで、赤ちゃんからお年寄りまで誰でもかかる可能性があります。また、百日咳には、インフルエンザのような流行時期などはなく、年間を通して感染が確認されているため、いつどこでうつるかも知れません。

百日咳にかかってから最初の1〜2週間は、くしゃみや鼻水といった風邪のような症状なので区別がつきにくいのですが、だんだんと咳が激しくなり、「百日咳」にみられる独特な症状が出てきます。コンコンコン…と咳き込み、ヒューと音を立てて息を吸い込むのが特徴で、とても苦しい症状です。

赤ちゃんの百日咳は重症化しやすいので注意!

赤ちゃんは、百日咳の免疫をママからもらうことができません。そのため、新生児でもかかってしまう可能性があります。独特の激しい咳が長く続き、体力のない赤ちゃんにとってはとても苦しい病気です。1歳未満の赤ちゃん、特に生後5ヶ月までの赤ちゃんがかかると、合併症を引き起こすリスクも高くなり、入院が必要になるほど重症化しやすくなります。

通常、百日咳は生後3ヶ月から受けられる「四種混合ワクチン」で予防します。このワクチン接種により、百日咳にかかるリスクを80〜85%程度減らすことができるそうです。

予防接種してもうつるのはなぜ?

ここ数年、ニュースなどで「大人の百日咳の流行」と耳にしたことはありませんか?赤ちゃんのときにワクチンを打っているはずなのに、大人になってから百日咳に感染するのはなぜでしょう。

それは、ワクチンの効果が一生続くわけではないからです。実際に、免疫がなくなったとみられる年長児や大人の間で感染が多くみられ、海外では思春期に追加ワクチンを導入する国もあるほどです。

百日咳の症状と回復 特徴は「コンコンコン…ヒュー」

百日咳の咳はとても特徴的です。

症状が収まりすやすや眠る男の子

  • 「コンコンコン…」と渇いた咳が十数回続きます(スタッカート)。
  • 「ヒュー」と笛のような音を立てて息を吸い込みます(フーピング)。

このような咳を繰り返すので、とても息苦しくつらい症状です。

熱は平熱、もしくは出ても微熱程度と、発熱がないのも特徴です。もし、発熱があるときは合併症の疑いもあるので、すぐにかかりつけの病院へ行きましょう。

百日咳の感染から回復までの経緯

1.カタル期(約1〜2週間)

症状が出るまでの1〜2週間ほどの潜伏期間にあたります。最初は、くしゃみや鼻水など普通の風邪のような症状ですが、だんだん咳がひどくなってきます。

2.痙咳期(約2〜3週間)

百日咳に特有の「コンコンコン…」と短い咳を連続して、息を吸うときに「ヒュー」と肺の奥で音がする症状が出てきます。これが一番つらい時期で、特に夜から朝にかけて激しい咳の発作が起こります。

3.回復期(約1〜3ヶ月)

痙咳期を過ぎると、少しずつ咳き込む回数が減ってきます。しかし「百日咳」の名前の通り、咳の症状だけが長引くこととなります。

百日咳の診断

百日咳の診断はとても難しく、一般的な感染症のように、血液検査などをしても菌を簡単にみつけることができません。

診断の基準は、独特な咳の症状をみることになりますが、小さな赤ちゃんは「呼吸が弱い」、大人は「重症化しにくい」というそれぞれの理由により、独特の症状が出にくいため、特に初期のカタル期では、風邪と診断されてしまうことも珍しくないのです。このことが、百日咳の流行を生み出す原因にもなっています。

百日咳の治療

「百日咳菌」に有効な抗菌薬を使います。早期に治療を開始できれば、症状をやわらげるだけではなく、5日以上続けて摂取することで菌自体の感染力も弱めることができます。百日咳菌を体外に排出させるためには2週間ほど内服を続けます。しかし、症状が進んでしまうと、この抗菌薬だけの治療が難しくなり、月齢が低い場合には入院することもあります

市販されている咳止めでは効果の程は見込めないばかりか、呼吸抑制作用がある薬品もあり、赤ちゃんへ使用すると呼吸困難を引き起こし大変危険なので、自己判断での薬の使用はやめましょう。

百日咳の治療法・回復期間や早期発見のポイントは?
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百日咳の治療のために、感染時の初期症状の特徴や回復までの期間、新生児と大人の症状の違いや感染によるリスクを説明しています。また、百日咳に感染しないための予防策やワクチン接種についても解説します。

百日咳を予防する「四種混合ワクチン(DPT-IPV)」とは

百日咳を予防するために、生後3ヶ月になったら「四種混合ワクチン」を受けましょう。「四種混合ワクチン(DPT-IPV)」とは、ジフテリア(D)・百日咳(P)・破傷風(T)・ポリオ(IPV)の4種の病気を予防するワクチンです。

百日咳を予防するための混合ワクチン

2012年11月に導入された新型ワクチンで、以前は「三種混合ワクチン」「ポリオ」と別々のものだったので、上のお子さんのときと受け方が違う場合もあるのでご注意ください。

四種混合ワクチンで予防できる病気

「四種混合ワクチン」で予防するのは、「ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ」の4種で、低月齢でもかかる病気です。

「ジフテリア」は、ジフテリア菌がのどや鼻、目などの粘膜に付着することで感染し、呼吸困難や神経まひなどを引き起こします。「破傷風」は、土壌内にある破傷風菌が傷口から感染すると、けいれんや筋肉の硬直などが起こります。「ポリオ」はポリオウイルスが口から感染し、小児まひとも呼ばれる手足のまひを引き起こします。
いずれの病気も、重症化すると死に至るケースもあるため、時期になったらもれなく予防接種を受けしっかりと予防しておきたい病気です。

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1期の四種混合ワクチン

3回+追加1回の計4回を接種します。

1~3回目

生後3ヶ月から3〜8週間の間隔で3回接種します。

4回目(追加接種)

3回目の接種から6ヶ月以上の間隔(標準的には12ヶ月〜18ヶ月)をあけて、追加で1回接種します。

2期の四種混合ワクチン

11〜12歳(小学6年)から「二種混合ワクチン」を1回接種します。「二種混合ワクチン(DT)」とはジフテリア(D)・破傷風(T)の2種の病気を予防するワクチンです。この2期では、百日咳を予防するワクチンは含まれていません

副反応にみられるのは赤い腫れやしこり

接種部位が赤く腫れたり、しこりのようになる場合があります。接種回数を重ねるごとに副反応が出やすくなる傾向にありますが、ほとんどの場合問題になることはありません。もし接種部位の痛みや発熱が続くようであれば、念のため受診してみてください。

赤ちゃんが百日咳にかかってしまったら気をつけたいこと

1歳未満の赤ちゃん、特に生後5ヶ月までの赤ちゃんが百日咳にかかってしまうと、呼吸困難や無呼吸の発作を起こしやすく、「チアノーゼ」といって全身が紫色になったり、ときに、けいれんを引き起こすこともあります。また、肺炎や脳症などの合併症を引き起こし、重傷化してしまうこともあるので注意が必要です。

予防の効果があり百日咳にかからずに済んだ赤ちゃん

月齢の低い赤ちゃんは症状の変化に注意!再診も考えて

小さな赤ちゃんは気管支が細く、息を吸い込む力が弱いため、百日咳の症状がみられない場合があります。一度病院で風邪と診断されても、次の症状がみられたら、すぐに再診を受けましょう

  • 咳がどんどん激しくなる
  • 嘔吐をくり返しぐったりとする
  • 発熱がある
  • けいれん発作がある

特に発熱がある場合は、肺炎などの合併症も考えられます。上の例だけでなく、少しでも普段と様子が違うなどの心配があれば、すぐにかかりつけの病院へ相談しましょう。

保育園へは特有の症状がなくなってから

百日咳は「第二種学校感染症」に指定されているため、独特の咳の症状がなくなるまでは、保育園・幼稚園・学校への出席はできません。

自宅でのホームケア

苦しい咳が続き、ママだけではなく赤ちゃん自身も不安になっているはずです。つらい咳をやわらげて、少しでもリラックスできる環境を作ってあげたいですね。では、ご家庭でできるケアにはどんなものがあるのでしょうか。

窓際に置かれた氷が入っている水

1.水分摂取でのどに潤いを

ひどい咳は、水分を与えることでラクになります。ただ、哺乳瓶やコップなどで飲ませるとむせてしまうので、のどを湿らせる程度の少量を、スプーンで数回に分けて飲ませてあげてください。

また、オレンジやグレープフルーツなど柑橘類の果汁は、酸味がのどを刺激し、咳がひどくなってしまうので与えないようにしましょう。

2.咳が止まらないときは上体を起こしてあげる

咳が出ているときに横に寝かせると、余計に咳き込みやすくなります。激しく咳き込んでいるときは、抱っこで背中をやさしくトントンと叩いてあげましょう。呼吸がラクになるだけではなく、ママのぬくもりを感じて、赤ちゃんも安心しますよ。

咳が落ち着いてから寝かせるときは、背中の下にクッションやタオルを入れ、上半身を少し起こしてあげると呼吸がラクになります。

3.加湿でのどにやさしい空気づくりを

乾燥した空気もまた、荒れてしまったのどを刺激し、咳が出やすくなります。加湿器を使ったり、濡れたタオルを吊るすなどして、赤ちゃんが過ごす部屋の湿度は50%を保つようにしましょう。

4.こまめな換気で新鮮な空気をキープ

閉め切った部屋のこもった空気では、息苦しくなり気分も淀んでしまいます。どんなに寒い日でも、2~3時間に1回は窓を開けて空気を入れ替えるようにしましょう。

5.元気ならお風呂もOK

咳の症状が軽くなり、食欲もあって元気であれば、お風呂に入れても大丈夫です。ただし、湯冷めをしないよう、室内は20℃くらいを保つようにしましょう。浴室や脱衣所も暖めてあげましょう。もし、お風呂に入れるのが心配であれば、ガーゼで体を拭いてあげてください。

赤ちゃんの百日咳を予防する普段からできるちょっとした工夫

手洗いにも利用される台所の水道

百日咳菌に、いつどこで触れるかわかりません。そのことを頭において、日々のケアやちょっとした工夫で、十分に予防することができます。ここでは、ワクチン以外で百日咳から赤ちゃんを守る方法をご紹介します。

1.保菌者はもちろん、風邪症状の人には近付けない

百日咳は赤ちゃんのみならず、誰でもかかる病気です。ちょっと咳き込んでいる年長児や大人が、「実は百日咳禁の保菌者だった」なんてこともありうるのです。そのため、少しでも疑わしい症状がみえたら、赤ちゃんを近付けないようにしましょう。人ごみなどへの過度な外出も控えたいですね。

2.マスクを着用

ママやパパに少しでも風邪のような症状がみられたら、マスクをして赤ちゃんにうつるのを防ぎましょう。また、外から菌を持ち込まないように、外出時にはマスクをする習慣をつけるといいですね。

赤ちゃんに症状が見られた場合も、赤ちゃんから菌をもらわないように、ママやパパ、上のお子さんもマスクをしましょう。小さな赤ちゃんは、まだ上手に呼吸ができないので、マスクができません。市販されている赤ちゃん用マスクもありますが、1歳6ヶ月から使用できるものが中心のようです。

3.手洗いうがいはしっかりと

外から帰ってきたら、手洗いうがいは基本です。ママやパパだけではなく、赤ちゃんの手もしっかりと洗ってあげましょう。

しかし、赤ちゃんはまだうがいができません。代わりに、白湯やほうじ茶などを飲ませてあげてください。うがいには、菌を洗い流すというイメージが強いのですが、実は、のどに潤いを与えることで粘膜を守り、ウイルスが付きにくくする作用が大きいのです。

4.赤ちゃんが触れるものは消毒して清潔に

どれだけ気をつけていても、百日咳菌が家へ入り込んでしまう可能性はあります。赤ちゃんが触れるもの、口にするものはしっかりと消毒し、家庭内で感染することは避けましょう。

百日咳に感染させないためにママができる感染対策
百日咳に感染させないためにママができる感染対策
百日咳に感染するのは子どもだけではありません。現在は、自覚がない大人の百日咳によって感染が拡大しています。ママやパパが赤ちゃんの感染源にならないためにも百日咳の特徴や感染予防を理解しておきましょう。

赤ちゃんを百日咳から守るためにワクチンのスケジュールを立てよう

乳幼児期に受けるワクチンは、種類も回数も多く、悩ましく思っているママも多いのではないでしょうか。しかし、百日咳から赤ちゃんを守るには、3ヶ月になったら四種混合ワクチンを接種することが一番有効です。病気にかかりにくくするだけではなく、かかったとしても軽度で済む働きをしてくれるからです。

より早く効果的に、病気に対する免疫を赤ちゃんにつくってあげるためにも、他のワクチンとの同時接種をとり入れたり、スケジュールをしっかりと立てて計画的に接種しましょう。

赤ちゃんは、いつ突然熱を出すかもわかりません。それにより、予定通りにワクチンを接種できないことも多々あります。そうなった時でも慌てずに、スケジュールを組み直せば大丈夫ですよ。

ワクチンのことで、少しでも分からないことや不安なことがあったら、自治体の窓口やかかりつけのお医者さんに相談してみてください。しっかりと納得した上で接種したいですね。大切な赤ちゃんを病気から守ってあげられるのは、何より、ママやパパなのです。