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百日咳に感染するとどうなるのか

百日咳に感染させないためにママができる感染対策

百日咳は感染すると激しい咳が長引く病気です。感染力も強く、赤ちゃんは重症化の危険もあり、感染予防と早期の対処がとても大切です。最近では自覚がない大人の百日咳による感染拡大が問題になっており、赤ちゃんを百日咳から守るためには、百日咳の特徴を知り、正しい感染対策をとることが重要です。

百日咳に感染させないためにママができる感染対策

百日咳の感染から赤ちゃんを守って!ママができる感染予防

大人でも長引くと辛い咳ですが、赤ちゃんにとって長引く咳はかなりの体力を消耗します。
百日咳はその名前の通り、100日間も咳が続くことからつけられました。約3ヶ月もの長い期間激しい咳が続く感染症です。
赤ちゃんから年配まで誰でも感染する可能性があります。大人は百日咳にかかっても2ヶ月ほどで自然治癒してしまう病気ですが、乳幼児がかかると重症化しやすく、注意が必要です。

赤ちゃんを苦しめる百日咳はかかるとどのような症状が起こるのか、その期間ごとの特徴、感染方法、予防方法、かかってしまった場合の対処方法をご紹介します。

百日咳は早期発見が難しい感染症

百日咳の疑いがありぐったり元気のない赤ちゃん

百日咳は流行する時期や季節も決まっておらず、年間を通して感染が確認されています。感染力も非常に強く、赤ちゃんの場合は合併症も引き起こしやすいため注意が必要な病気と言えます。症状や感染経路を把握することで早期の対応ができますので確認をしておきましょう。

百日咳の症状、潜伏期間から回復期までの流れ

百日咳は喉や鼻、気管、気管支などの粘膜に百日咳菌という細菌が付着して発症する感染症です。症状は経過により変化をしていきます。

潜伏期間

感染をすると、発症まで1週間程度(長い場合3週間の場合も)の潜伏期間があります。

カタル期

潜伏期間を経て、鼻水やくしゃみといった風邪の初期のような症状が現れ、その後咳が出始めます。咳は1~2週間くらい、人によっては3週間くらい続きます。時間の経過とともに咳の回数や激しさが増していきます。この期間に百日咳と診断をすることは難しく、他の感染症だと思ってしまうケースがとても多く、感染拡大の原因となっています。

 痙咳(けいがい)期

レプリーゼという百日咳特有の咳をし始めます。濃い粘液を気管支から排出するため、スタッカートと呼ばれる連続した速い咳発作が何度も起こります。
この時、息を吸い込む間もないほどの速さで軽い咳が起こり、咳の終わりに粘り気の強い痰が出て、その痰を飲み込んでしまうこともあるため赤ちゃんは呼吸困難に陥ることがあります。

咳の後、息を吸う時に「ヒュー」という笛のような音をするようになります。この「コンコン、ヒュー」という一連の咳発作を連続して繰り返すという特徴があります。

6ヶ月未満の赤ちゃんがかかると息を吸い込む力が弱いため、連続した咳だけで吸い込み音をしない場合があります。咳発作は1日に平均15回ほど起こり、夜間の方が起こりやすい傾向にあり眠れない状態にもなります。

基本的は発熱などの症状はないですが、咳発作後には嘔吐を伴うことがあり、激しい咳発作による体力消耗に加え、嘔吐による脱水状態や栄養不足となるなど程度によっては入院治療となるケースもあります。この状態が1~6週間、長い場合だと10週間続きます。発熱をしている場合は、肺炎などの合併症にかかっている危険があるので、急いで病院を受診しましょう。

回復期

激しい咳発作がだんだんとなくなります。咳が発作的には出なくなり、2~3週間程度で治まります。
全体で2~3ヶ月で症状は良くなりますが、呼吸器系の病気や風邪などをきっかけに咳発作が再度発生することがありますので、治ったと思っても数ヶ月~半年程度は風邪をひかないように注意が必要です。

百日咳の治療法・回復期間や早期発見のポイントは?
百日咳の治療法・回復期間や早期発見のポイントは?
"百日咳の治療のために、感染時の初期症状の特徴や回復までの期間、新生児と大人の症状の違いや感染によるリスクを説明しています。また、百日咳に感染しないための予防策やワクチン接種についても解説します。"

診断の難しさが百日咳感染を広げる原因

ボールで遊ぶ元気の良い赤ちゃん

百日咳の診断は難しいと言われています。それは、カタル期に受診をしても風邪の初期のような症状であることで風邪と診断されてしまうことや、一般的な感染症のように血液検査をしても菌を簡単には見つけられないことにあります。

また、特徴的な咳が診断基準になるのですが、強く息を吸い込むことができない小さな赤ちゃんは特徴的な咳の症状が現れないことも診断が難しい要因のひとつです。

百日咳と診断をされると抗菌薬や抗生物質の投薬による治療となります。咳発作には鎮咳去痰剤や気管支拡張剤が使用されることがあります。
カタル期などの早期に治療をスタートすることができれば、重症化を防ぐことができ、5日以上続けて摂取することで菌自体の感染力を弱める効果が得られます。2週間程度内服をすることで百日咳菌を体外に排出することができます。

診断の難しい病気でもありますので、大人でも「咳がずっと続く」「いつもの咳と違う」など異変を感じたときは、受診する際に「百日咳かもしれない」と伝え、検査を行ってもらうようにしましょう。

百日咳の感染経路はママやパパ!?百日咳の感染力とは?

百日咳はどのように感染していくのでしょうか?また感染力はどの程度で、感染経路はどこなのでしょうか?

百日咳は感染力がとても強い!

百日咳の感染方法は飛沫感染と接触感染によるものが主になります。
百日咳菌はかなり高い感染性があり、百日咳にかかっている患者の咳やくしゃみなどと共に放出されたウイルスを喉や鼻から吸い込んでしまう飛沫感染による2次発病率は約80%と言われています。
風邪と勘違いされやすいカタル期に咳が出始めてから2週間以内が最も感染力が強く、3週間以降は感染力が弱くなります。そのため、熱もなく咳だけの症状から百日咳と気が付かず保育園や幼稚園、学校に子どもを通わせて集団生活の場で感染拡大が起こってしまいます。

大人から赤ちゃんへの感染が7割!

乳幼児の百日咳の感染源は55%が両親で、7割以上が成人の親類からの感染です。近年、子どものかかる病気と思われていた百日咳ですが、ワクチンの普及により乳幼児の感染は減少傾向にあるのに対し、大人の百日咳患者が増加傾向にあります。
それは、例え乳幼児期にワクチン接種をしたとしても、3~5年で抗体が下がることで免疫効果も下がり、10~12年で予防効果が無くなってしまうためです。

そのため、生後3ヶ月以降の乳幼児がワクチン接種を行っても、効果が減退する頃に百日咳に感染してしまい、大人は重症化せず、「コンコン、ヒュー」という特徴的な咳も出ないため風邪だと思って、普段と同じ生活をし、感染拡大をしてしまいます。

子ども同士の感染や送り迎えをするママやパパからも知らず知らずのうちに感染してしまうこともありますので、咳エチケットを行う環境整備の必要があります。

赤ちゃんの百日咳の症状や特徴/治療法とワクチンについて
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赤ちゃんが百日咳になったといの特徴や症状や病院での治療法、百日咳を予防するための四種混合ワクチンの接種スケジュールや大人から赤ちゃんに感染させないための方法を解説します。

咳エチケットとは

厚生労働省がインフルエンザの感染拡大を防ぐために呼び掛けている咳エチケットは百日咳の感染予防にも効果的です。

咳エチケット

1.咳・くしゃみの際にはティッシュなどで口と鼻を押さえて、周りの人から顔をそむけ1m以上離れる。


2.鼻汁・痰などを含んだ使用後のティッシュは、すぐにふた付のゴミ箱に捨てる。


3.症状のある人は、マスクを正しく着用し、感染防止に努める。


4.咳をしている時は周囲の人へうつさないよう配慮した行動をする必要があるということです。

百日咳に感染した際の通園・通学

百日咳が治り幼稚園に登園する男の子

「咳をしているだけなのに保育園に行ってはダメなのか」と悩むママはとても多いです。まだ初期の段階で「風邪かな」など百日咳にかかったという診断がされていない時は特に困ってしまいます。

しかし、百日咳は、学校保健安全法により第二種の感染症に定められています。これはインフルエンザや風しんと同じ種類です。

学校保健安全施行規則第19条で「かかった者については特有の咳が消失するまで又は5日間の適正な抗菌性物質製剤による治療が終了するまでは出席停止。ただし、病状により学校医その他の医師において感染の恐れはないと認めた時は、この限りではない」とされています。

他にも、家族で感染している人がいたり、感染症にかかっている疑いがあったりする場合も出席停止をさせる必要があれば指示を出すよう学校側に指示をしています。

「咳をしているだけ」と軽く考えていると学校中に感染をさせてしまう恐れがありますので、保育園や学校には「百日咳かもしれない」「診断はされていないが咳が長引いている」と伝えるなど相談をした上で判断をすると良いでしょう。

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百日咳の感染予防で最も有効なのはワクチン接種!

赤ちゃんを感染症から守るためのワクチン

百日咳感染の原因の多くがパパやママなどの身近な大人によるものだと聞き、ショックを受けた方もいるのではないでしょうか?ですが、小さな赤ちゃんの健康を守るためには、ママやパパたちの協力がかかせません。
百日咳にかからないためには、どのような感染対策をすると良いのか見ていきましょう。

生後3ヶ月になったらすぐに4種混合ワクチンを受けさせる

4種混合のワクチンに百日咳が含まれています。定期摂取のため費用はかかりません。ワクチンは生後3ヶ月から接種が可能なので、3ヶ月になったらなるべく早く接種することをおすすめします。3~8週間の感覚で3回接種を行い、3回目の摂取後1年が経過したら4回目を摂取します。

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このワクチンを接種することで、百日咳にかかるリスクは80~85%程度減らすことができます。小さな赤ちゃんは重症化するとたいへんなので、必ず接種してください。

妊娠中にワクチン接種をするメリット

百日咳は妊婦と子どもが特にかかりたくない病気です。大人は重症化しなくても、百日咳は長引く病気で感染力も高いため、もし出産間際にかかったら、新生児のお世話はどうしようか、うつしてしまうのではと悩むママも多いでしょう。

百日咳のワクチンは生後3ヶ月からしか受けられないので、妊娠中にワクチン接種をすることで、母体が免疫を得ると胎盤を通じて胎児へと移行します。産まれたばかりの赤ちゃんへの有効性も認められ始めています。
つまり、母体を百日咳から守ることは産まれてくる赤ちゃんも一緒に守ることになるのです。極めて稀なケースとして重篤な副反応が見られますが、ママたちが赤ちゃんの感染源となってしまわないためにもワクチンの接種をおすすめします。

百日咳の感染予防!ママやパパができること

百日咳を早めに知るために病院で受診する赤ちゃん

百日咳には生後3ヶ月以降のワクチン接種での予防が有効ですが、それまでの期間にお家でできる感染対策を紹介します。新生児期はあまり外出もしないと思いますが、祖父母など生まれた赤ちゃんを見にやってくる方も多いでしょう。お家の中に百日咳菌を持ち込まないように、ママやパパは気を付けましょう。

手洗い・手指消毒の徹底

接触感染でも百日咳は感染するため、手洗い・手指消毒は有効的です。百日咳菌は加熱や消毒剤に弱いので、80%エタノールによる消毒を普段から心がけましょう。帰宅をしたら赤ちゃんの手もしっかりと洗ってあげましょう。

百日咳の疑いのある人に近づかない

百日咳にかかっている患者や風邪の症状の出ている人には赤ちゃんを近づけないことが大切です。ママ自身もなるべく近づかないようにすることで感染する危険性を減らしましょう。

マスクの着用

赤ちゃんはマスクをすることができませんが、ママなどの近親者が感染し、ママから赤ちゃんへ感染してしまうことを避けるためにも外出時にはマスクの着用を心がけると良いでしょう。

消毒をする

赤ちゃんが触れるオモチャなどはしっかりと消毒をしましょう。赤ちゃんは何でも口に含んでしまうため、オモチャ以外にも触ってしまいそうなものはきちんと消毒をし、家庭内での感染を防ぐようにしましょう。

うがいをする

ママやパパは帰宅をしたらうがいをするようにしましょう。赤ちゃんはうがいができませんが、白湯を飲ませることで喉に潤いを与え、ウイルスの付きにくい粘膜となります。

百日咳の感染予防は家族みんなの協力が大切

小さな赤ちゃんは咳をするだけでもかなりの体力を消耗します。「風邪かな」で簡単に考えてしまわないようにしましょう。もしも咳が長引く、どんどん激しくなっているなどの症状が出ていたら病院を受診しましょう。早期の対処をすれば症状は軽症化します。

赤ちゃんの咳が長引くときの対処法&注意したい咳の特徴
赤ちゃんの咳が長引くときの対処法&注意したい咳の特徴
赤ちゃんの咳が長引くとママたちは心配ですよね。そんな時は赤ちゃんの咳の音や特徴をよく観察しましょう。そして、どんな咳をしたら病院を受診するべきかを知り、正しいホームケアの方法も身につけましょう。

また、ママやパパなど身近な大人から赤ちゃんにうつしてしまわないように注意や予防を普段から心がけておくことが大切です。育児でたいへんな時期かと思いますが、赤ちゃんだけでなく、自身の体調にも十分に気を配り、異変を感じた時は病院を受診しましょう。
ママやパパ、家族みんなで大切な赤ちゃんが快適に健やかに過ごせるよう気をつけながら過ごしてくださいね。