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腸重積症の症状・見つけるサイン

腸重積症で泣き叫ぶ赤ちゃんからの4つのサイン

腸重積症とは、腸の一部が腸の中に潜り込んでしまう病気です。突発的に発症した赤ちゃんは激しい腹痛を訴えて号泣しますが、大人にはどうして泣いているのか判断ができません。そこで、腸重積症の疑いがある4つの症状をまとめ、高圧浣腸や手術などの治療方法、再発の可能性、予防について解説します。

腸重積症で泣き叫ぶ赤ちゃんからの4つのサイン

腸重積症とは?赤ちゃんの号泣の原因はこれかも?24時間以内が治療の鍵!

理由がはっきりしないのに、それまで元気だった赤ちゃんが急に激しく泣きだした。でも数分後には泣き止んで、10分~30分後にまた激しく泣く。よく見ると足をおなかに引き付けているような気がする。

もしかしたら、それは腸重積症(ちょうじゅうせきしょう)という病気かもしれません。腸重積症は主に0歳~2歳までの赤ちゃんや子供に発症する、腸の一部が腸の中に潜り込んでしまう病気です。

赤ちゃんの腸重積の症状や原因、早期発見の方法や手術、再発の可能性や予防策についてまとめました。赤ちゃんに上記のような症状が見られた人は、1度確認してみてください。

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腸重積症の症状とは?赤ちゃんの4つのサインを見逃さないで!

腸重積症でギャン泣き中の赤ちゃん

腸重積症(ちょうじゅうせきしょう)とは、腸の一部が腸の中に潜り込んでしまう病気です。中でも小腸の最後(回腸)が大腸の中に入り込むタイプが最も多くみられます。

激痛を繰り返しながら、腸がどんどん奥の方にまで入り込んでしまい、次第に腸に血液が流れなくなり 長期間放置すれば腸が壊死してしまう危険な病気で自然に治ることはありません。

子どもは「お腹が痛い」と訴えることができますが赤ちゃんは自分で説明することができません。赤ちゃんがいつもと違うと感じるためには普段から様子をしっかりと見ておくこと、そしてこの病気の特徴を知っておくことが早期発見につながります。

赤ちゃんの腸重積症・4つのサイン

腸重積症には他の病気と似ている症状もありますが、特徴的な症状もあります。腸重積症は、発症から24時間以上経つと開腹手術が必要になる可能性が増加します
腸重積症の4つの症状はすべてがすぐに現れるとは限らないので、不安や異常を感じることがあれば早期に病院に連れて行きましょう。

1.定期的な激しい腹痛

代表的な初期症状として約15分から20分おきに激しい腹痛を訴えます。「お腹が痛い」と言えなかったり上手く表現できない赤ちゃんの場合は動作やしぐさでサインを送ることがあります。たとえば痛みを和らげるために寝ながらでもひざを抱え込んで不機嫌に泣いたり、はいはいや歩いているのを突然止めてしゃがみこんでお腹を抱えたりします
また、痛みで不安になり常に部屋の中でもくっついてきてベタベタします。痛みが増すと、顔面蒼白となり火がついたように泣き叫びます。このような姿を見たら激しい腹痛を訴えていると判断してください。

数分間激しい痛みがあった後に15分から20分痛みが無くなり機嫌が良くなりますが、痛みの間隔が徐々に短くなりぐったりします。痛みが定期的にあり、痛む時間の間隔がだんだんと短くなっていないかをしっかりと見て判断してください。

2.嘔吐

代表的な初期症状です。嘔吐は、腸管の通過障害のために起こり時間の経過とともに回数が増えていきます。吐物は、はじめは胃の内容物(食べた物)ですが、症状が進行すると胆汁を含んだ黄色い液になります。
嘔吐は赤ちゃんによくある胃腸炎などでも起こる症状なので判断が難しいこともありますが他の症状と合わせて判断をしましょう。嘔吐が続くと脱水症状を起こしやすくなり重なっている部分の腸管が炎症を起こして出血を伴うのでショック症状が現れることもあります。

3.血便

便に血液が混じるのは、初期症状としては10%に見られます。発症して12時間以内に血便が自然に出ることは比較的まれで病院の浣腸により70~90%見られることが特徴的な症状です。また直腸診で見られることもあります。

血便は粘液が混じったイチゴゼリー状ですが、鮮血が大量にでるケースや少量の血液が混じるケースなどさまざまです。
赤ちゃんがオムツをしていて便に血が混じっていた場合には、オムツは診察時に持参しましょう。血便が出た時間はしっかりメモをして診察時に伝えましょう。

4.腹部に腫瘤(しゅりゅう)

診察の時、お腹にソーセージのようなしこりがあるのが触れるとわかり、その部分を触れると痛がるのが特徴です。しこりはママが触ってもわかることもあるので、泣き止んで落ち着いたときに触ってチェックしてみてください。触ってわかるしこりは腸が重なっている部分です。

腸重積症の原因。生後6ヶ月~2歳以下の男の子は特に注意!

いつもと様子が違う泣き方をする赤ちゃん

結論からいって、腸重積症の明確な原因はわかっていません。しかし、発症しやすいパターンや年齢、性別がありますので、理解しておきましょう。

男児の発生率は女子の2倍

腸重積症は9割が子供の発症です。さらに、腸重積にかかりやすい年齢は1歳未満の乳児が約58%で、生後半年から2歳までの子どもが1,000人中2~4人が発生しています。
3ヶ月未満の赤ちゃんと6歳以上の子どもは少ない、男児の発症率は女児の2倍といわれています。

風邪などの感染症にかかった後に発症しやすい

子どもの腸重積症の90%は突発性で原因が不明です。細菌やウイルスが原因となることもあり、便からアデノウイルスや腸管出血性大腸菌、腸管病原性大腸菌などが確認されています。
腸にあるリンパ組織が腫れて大きくなり、大腸に入っていくことケースは、風邪などのウイルス感染によってリンパ組織が大きくなることが原因とされています。そのため約4分の1の赤ちゃんや子どもに風邪の症状があります。

また、小腸にポリープ があったケース場合はこの部分から腸重積になることがあります。ママの胎内で胎児がこの病気になると赤ちゃんは先天性腸閉鎖症という小腸の一部が詰まった病気を持って生まれてきます。

腸重積症は明らかに発生する季節は認められないていませんが5~8月にかけてピークがあり、年末にかけて再び患者数が増加することが多く感染症と一緒に流行りやすい傾向にはあります。

ロタウイルスワクチンの副作用の可能性は?

ロタウイルスワクチンは、乳幼児のロタウイルス感染による胃腸炎を予防するためのワクチンです。ロタウイルスは感染力が強く、通常は胃腸炎をおこし下痢や嘔吐を引き起こします。

一説には、ロタウイルスワクチンの副作用として腸重積症を起こす可能性の増加が考えられていましたが、生後60日以内に初回のワクチンを接種した乳児では腸重積は起こらなかったという報告があり、生後3ヶ月までは腸重積は起こりにくいです。
生後6ヶ月以上になると腸重積になる可能性があるのですが、ロタウイルスワクチンを飲まなくても自然発症の腸重積症は年間約4,000例あることからロタウイルスワクチンで頻度が増えないという報告があります。

ロタウイルスは、重症化するとロタウイルス脳炎(脳症)という病気となり神経系の後遺症を残すこともあります。できれば生後3ヶ月になる前に、遅くとも生後14週6日(生後104日)までに行うように薦められています。

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腸重積症の診断方法。病気のチェックポイントを知っておく

何をやっても泣き止まない腸重積症の赤ちゃん

腸重積症は早期発見、早期治療を始めることが大切です。
早期に発見できれば、手術の必要がなく、重症化を免れます。腸重積を起こした腸は次第に血液が流れなくなるために組織が死んでいき ます。このような腸の状態になる前に病気を診断し,治療を急ぐ必要があります。

腸重積症の診断ポイント・診断方法

病院の診断では、以下の情報が役に立ちます。腸重積症の疑いがあるときはしっかり答えられるようにしておきましょう。

病院の問診で聞かれること

1.発症日時、発症から現在までの経過
2.腹痛の程度と間隔
3.発症前後の食事
4.嘔吐や粘血便の有無、腹部膨満(お腹が張る)の有無
5.水分の摂取と排泄
6.予防接種や感染症にかかったか
7.アレルギーの有無などを答えられるようにしておくと診断方法と重なる部分が多くスムーズに検査や治療ができます。

診断方法として、病院では以下の点を確認するはずです。

腸重積の診断基準

1.子どもの場合に腹痛はあるか、赤ちゃんの場合は機嫌が悪くないか
2.血便があるか、もしくは病院で浣腸をしてチェックする
3.お腹が張っていたりしこりの有無は触診によって調べる
4.嘔吐はあるか、頻度はどのくらいか
5.顔面が蒼白ではないか
6.ぐったりしていないか
7.ショック状態に陥っていないか

上記のような症状に当てはまり、医師が必要と感じた場合は以下のような検査を行います。

超音波検査

超音波検査は迅速で放射線被ばくがないので気軽に安全に活用できる機械なので利用される頻度が高いです。診断には熟練した医師が腸内を超音波で見て腸管が入り込んで腸重積を起こした部分を確認してから処置を開始します。

注腸造影検査

肛門からカテーテルを入れて造影剤を注入し、X線撮影する方法です。緊急時など超音波検査がすぐにできないときに利用され、診断は誤診の可能性が少ないので安心です。

血液検査

腸管の壊死がある場合は白血球が増多となりヘモグロビンは低値となり明らかにわかります。

腸重積症の治療法・高圧浣腸と手術の流れ

腸重積症の手術が終わりホッとした表情の赤ちゃんと医師

腸重積症の治療法は大きくわけると2つあります。腸重積にかかってから24時間以内に行なわれる高圧浣腸と24時間経過し重症化した場合に行なわれる手術です。

大人の腸重積症は手術を行なうことも多いのですが、赤ちゃんやその家族には手術はかなりの負担になってしまうので、早期に病院に行くことをおすすめします。

高圧浣腸(非観血的整復術)

この方法は診断と治療とをかねるものです。腸重積になったと思われる時間から24時間以内に肛門から太いチューブを入れ、水圧をかけて 腸重積を元の状態に戻すことができます。

赤ちゃんの場合は動くと危険が伴うので全身麻酔で処置を行うこともあります。この治療法により約90%の子は治ります。整復が成功した場合でも再発が起こらないかどうか入院して経過を観察します。腸重積の整復後に絶食と入院を勧められますが、これは腸重積を起こした腸管の病気の回復と再発の予防のためなのでとても大切です。

手術(観血的整復術)

発症から長時間経過していて腸の壊死が疑われる場合や、腸閉塞や全身状態が良よくないなどの危険を伴っている場合、すでに腹膜炎を合併しているなどの場合、高圧浣腸(非観血的整復術)で腸重積が元の状態に戻らなかった場合は手術が必要になります。

その他に腸重積を繰り返す子どもは腸のポリープなどの病気を持っていることが10%ほどあります。この場合は手術で病変部を切除する必要があります。腸重積にかかったとしても退院後は食生活の制限がないのが一般的です。

手術の場合の処置・入院期間はどのくらい?

手術になった場合の処置

まず、全身麻酔を行い、開腹後に重積腸管の先進部を押し戻す操作を行いますが、腸の組織に血液が流れない状態が長く続いた時には腸を切り取らなければなりません。
手術時間は整復のみであれば1~2時間程で、腸管切除が必要な場合は数時間に及ぶことがあります。

手術を受けるために必要な麻酔の事前検査をする時間がないことがあり、麻酔によって何らかの後遺症が現れる可能性があることを説明されることもあります。しかし、このままの状態で自然に治ることはないので家族は早い決断をしなくてはいけません。

術後の経過

重積した腸が整復されるので、血行障害や腸の内容物の通過障害から回復し全身状態の改善が見込めます。ミルクや食事は、手術に伴う腸の麻痺が回復した段階(腸切除なしの場合は数日、腸切除した場合は5~7日)で少しずつ可能です。入院期間は状況により個人差がありますが術後1~2週です。

再発の可能性はあるの?

高圧浣腸で治ったとしても10%の赤ちゃんや子どもは数日のうちに再発してしまい、再発しても高圧浣腸で治します。

再発は、高圧浣腸による整復例で5~10%にみられ再発の50%は初回整復後5日以内です。手術での整復後の再発は3.5%以下です。何度も再発を繰り返す子どもの場合は、基礎疾患があるのかもしれないので検査が必要となります。

腸重積症の予防方法は?

家庭でできる腸重積症の予防でにこやかになる赤ちゃん

子どもの腸重積はほとんどが原因不明なので予防することは難しいのですが、感染症の症状があった後に発症しやすいことからも、ロタウイルスワクチンの接種を早めにすることが大切です。また腸管出血性大腸菌感染症からまれに腸重積になることもあるので、子どもには生肉など感染の原因になりそうなものは食べさせないようにしましょう。
重症化しないように少しでも腸重積かもしれないと思ったらすぐに病院に連れて行く、胃腸炎や風邪とまちがわれることもあるので腸重積の可能性はないかを尋ねる、などの対策をしてみてください。

赤ちゃんの泣き方がおかしいときは腸重積症を疑ってみる

「夜間診療は大げさだと思われる」「1日様子をみてそれでもお腹が痛いようなら、病院に連れて行こう」などと軽視して悠長に構えていたらどんどん悪化してしまうのが腸重積症です。

通常ではない泣き叫び方などいつも赤ちゃんのお世話をしているママが「何かがおかしい」と異常や不安に感じることがあるようなら、夜間でも緊急外来を受診することをおすすめします。
赤ちゃんが原因不明の、いつもと違う泣き方をしているときは、もう一度4つのサインを確認してみてくださいね。