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妊娠高血圧症候群の症状と対処

妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)とは?症状と予防&対処法

妊娠高血圧症候群とはどのような病気なのか、ママや赤ちゃんへの影響と症状、食事療法などの治療の方法や日常生活での注意点、入院時の助成金のことまで分かりやすく解説します。妊娠高血圧症候群とは何年か前まで妊娠中毒症と呼ばれていた病気ですが、かかるとどんなリスクがあるのでしょうか?

妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)とは?症状と予防&対処法

妊娠高血圧症候群とは?症状、原因、治療法や日常生活の心がけ

妊娠すると、やがて生まれてくる赤ちゃんとの生活に夢がふくらみますよね。そんな中でつわりが起こるなど、ママの体は大きく変化していきます。そして、母体とお腹の赤ちゃんのために、体調管理に気をつけなければならないことも増えてきます。

中でも、「かからないように」と産婦人科医も注意を呼びかける病気が「妊娠高血圧症候群」です。かつては「妊娠中毒症」と呼ばれていた病気ですが、なぜ注意が呼びかけられるのでしょうか。妊娠高血圧症候群にかかると、どんなリスクを負うことになるのでしょうか。症状、原因、治療法や日常生活の心がけについて、詳しく見ていきましょう。

出典:www.youtube.com

妊娠高血圧症候群とはどんな病気?

妊娠20週以降の妊婦さんと、産後12週までのママに高血圧の症状が現れたときに「妊娠高血圧症候群」と診断されます。妊婦のおよそ20人に1人が罹るといわれ、発症の時期としていちばん多いのは妊娠32週以降とされています。妊娠32週より前に発症した場合を「早発型」といいますが、早発型は重症化しやすいため、特に注意が必要といわれています。

妊娠高血圧症の診察をする医師

妊娠高血圧症候群という名称が用いられるようになったのは2005年4月からで、それまでは「妊娠中毒症」と呼ばれていました。

妊娠高血圧症候群は血圧測定で診断

妊婦健診では、毎回、血圧の測定をします。その値が、最高血圧140mmHg以上(160mmHg以上で重症)、最低血圧90mmHg以上(110mmHg以上で重症)の高血圧であるときに、妊娠高血圧症候群と診断されます。

さらに、尿たん白かむくみのいずれか、あるいは両方が見られる場合も妊娠高血圧症候群になります。むくみは自覚症状でも感じられるものですが、血圧が正常値であれば、妊娠高血圧症候群とはなりません。つまり、「高血圧であるか否か」が、この病気を診断する決め手なのです。

自覚症状ではわかりにくい

この病気の難しいところは、自覚症状ではわかりにくいことです。重症化しているのに、妊婦健診の血圧測定で異常が見つかるまで気づかないことも多々あるといいます。ですが、次のような症状がヒントといえばヒントになります。神経質になりすぎる必要はありませんが、知識として胸に留めておくとよいのではないでしょうか。

妊娠高血圧症候群の自覚症状として現れるもの

頭痛、めまい、倦怠感、眠気、尿量の減少、吐き気、黄疸、動悸やせきなど

妊娠高血圧症候群はママにも赤ちゃんにもリスクをもたらす

妊娠高血圧症候群が注意を呼び掛けられるのは、ママとお腹の赤ちゃんの命にかかわる合併症を引き起こす可能性が大きいからです。特に重症化すると、子宮や胎盤の血液が流れにくくなってしまいます。

おなかの赤ちゃんは、胎盤を通して酸素や栄養を受け取っていますから、血液の流れが悪くなると、赤ちゃんは栄養不足、酸素不足の状態になってしまうのです。そのために、お腹の中で大事に育ててきた赤ちゃんが死亡してしまうこともあるといいます。ママのリスク、赤ちゃんのリスクをもう少し詳しく見てみましょう。

ママのリスク

血圧や尿たん白、むくみが悪化するほか、子癇(しかん)と呼ばれるけいれんからのショック症状、脳出血、腎臓や肝臓の機能異常、HELLP(ヘルプ)症候群という肝機能障害などの合併症を引き起こす可能性があります。

赤ちゃんにもかかわるリスク

胎盤からの栄養がしっかり届かずに赤ちゃんの発育が悪くなる「胎児発育不全」、分娩前に胎盤が子宮壁からはがれて酸素が届かなくなる「常位胎盤早期剥離」、お腹の中で赤ちゃんが亡くなってしまう「子宮内胎児死亡」など、とても危険な状態になる可能性があります。

酸素や栄養が届かないまま出産に至った場合は、十分に育つことができなかったための「低出生体重児」となるケース、あるいは脳に影響を及ぼされて誕生してくる可能性もないとは言い切れません。そのほか、胎児の心拍に異常が見られる「胎児機能不全」、常位胎盤早期剥離でママが大出血を起こしてしまった場合などは、母子を救うために緊急の手術が必要とされます。

このように妊娠高血圧症候群は、ママにとっても赤ちゃんにとっても非常に危険な病気といえるのです。

妊娠高血圧症候群の原因はわかっていない

ある程度の仮説は立てられているものの、今の段階では妊娠高血圧症候群の原因はわかっていません。原因がわからないだけに予防をするのが難しいとされていますが、次のいずれかに当てはまる場合は、発症する確率が高いといわれています。

・ママの年齢が35歳以上、または15歳以下である
・初産である
・双子など多胎妊娠である
・糖尿病、高血圧、腎臓病の持病がある
・前の出産で妊娠高血圧症候群にかかっている
・前回の妊娠から5年以上が経過している
・感染症(尿や歯周病)を持っている
・初診で妊娠がわかった際の血圧が高めに出ている
・BMIが25以上(肥満)である

BMIの値は、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で求めることができます。この数値が18.5以上25未満であれば標準とされています。妊娠前の体重を50kg、身長が160cmとして計算すると次のようになります。

160cm=1.6mだから、50÷1.6÷1.6=19.531→BMIは約20で標準

また、妊娠してから急激に体重が増えた、塩分過多の食事になっている、ハードワークやストレスの多い生活をしているといったことも、妊娠高血圧症候群の発症に関係のあることがわかっています。体重の増加については出産するまでに10kg以内、塩分量は1日当たり10g以下が望ましいとされています。

妊娠高血圧症候群の治療は状態によりけり

もしも妊娠高血圧症候群にかかってしまったら、どのような治療が行われるのでしょうか。治療法は、症状の重さや妊娠週数など、ママと赤ちゃんの状態によって変わってきますが、基本となるのは「食事療法」「投薬」「安静」です。軽症と診断された場合は、原則として投薬は行わず、通院しての「食事療法」を中心とするところが多いようです。

医師から絶対安静を言い渡された妊婦

重症の場合は、入院となることが多いようです。血圧を下げる薬や合併症をおさえる点滴注射で治療したり、赤ちゃんの状態によっては帝王切開で出産し、その後に高血圧症候群の治療を行ったりする場合もあります。

妊娠高血圧症候群にならないために日常生活で心がけたいこと

日常生活では、次のようなことに気をつけていきましょう。ただし、かかってしまったときには、病院の指導に従って治療してくださいね。自己判断で血圧を下げる薬などを飲むといったことは絶対にやめましょう。

生まれてくる我が子を楽しみにしている妊娠高血圧症罹った女性

食事内容は高タンパク・低塩分で

ふだんから、高タンパク・低塩分の食事を摂るように心がけましょう。カロリーも低めにおさえられるとベストですが、塩分・カロリーともに必要量は摂らなければなりませんので過剰に控えすぎないことも大切です。

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高タンパク・低カロリーの代表的な食べ物に、豆腐や納豆などのダイズ加工品があります。また、塩分を控えるには、素材の味を生かして料理する、ダシを利かせて味つけをするなどの方法があります。

甘い物を食べすぎない

甘い物はカロリーが高く、体重を増加させる要因となります。ガマンをしすぎるのもストレスになりますので、食べすぎないように気をつけていきましょう。ケーキやクッキーなどの洋菓子よりは、果物やヨーグルトなどがオススメです。ただし、果物も糖分は多いので、食べすぎには注意してくださいね。

軽く体を動かしてストレスを発散

ウォーキングやストレッチ、マタニティヨガやマタニティスイミングなど、軽く体を動かすと血行がよくなり、リフレッシュできます。妊娠すると、それまでと体質や生活パターンが変わりイライラすることも増えるかもしれませんが、そんなときには体を動かして発散させましょう。同時に、しっかり睡眠をとって体を休めることも忘れないようにしてくださいね。

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妊娠高血圧症、産後の経過はどうなの?

たいていの場合、出産して胎盤が出てくると、症状は改善されるといいます。ただし、重症だった場合は、産後も高血圧、尿たん白の症状が続くことがあり、その場合は治療を続けることも必要となります。万が一、産後84日以上が経過しても血圧や尿たん白に変化が見られない場合は、ほかの病気がないかどうかの検査をすることが望ましいとされています。

体調が悪く病院で診察を受ける女性

入院した場合の費用はどのくらいかかるの?

妊娠高血圧症候群で思わぬ入院となった場合「費用のことが気になる」という妊婦さんも多いと思います。実際にどのくらいかかるかは、病室(個室か相部屋か)や入院期間、治療方法によって変わってくるので一概には言えませんが、手術もするとなると、数十万という単位での費用がかかってしまいます。

入院費用に頭を悩ます臨月に入ったママとパパ

そんなときのために、自治体によっては入院医療費全額、あるいは一部を補助してくれる制度があります。例えば、妊娠中に次の病気にかかった人を対象とするケースが多いようです。

妊娠高血圧症候群

・妊娠糖尿病
・貧血
・妊娠、出産に関連する大量出血など

給付の基準や手続きの方法は自治体によって違いますので、ぜひ地域の保健所や役所の担当部署に問い合わせてみましょう。また、入院が保険適用で高額になった場合は高額療養費の対象になり、一定額が戻ってくることもあります。この場合の問い合わせ先は、加入している保険の窓口になります。

赤ちゃんのためにも妊娠高血圧症候群になるリスクを避けた生活を

ママにも赤ちゃんにも大きなリスクをもたらす妊娠高血圧症候群。原因はわからず、事前の予防法もないと言われていますが大切なことは必ず妊婦健診を受け、食生活に気をつけて体重管理と血圧管理をしていくことです。

もしも入院ということになってしまったら、かなりの費用もかかってしまいます。赤ちゃんに元気に生まれてきてもらうためにも、ストレスをためないように生活もコントロールして、妊婦生活を乗り切ってくださいね!