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熱性痙攣の定義と自宅での対処法

熱性痙攣の対処法・痙攣時の重要な観察ポイントとは?

熱性痙攣とはどんな症状なのでしょうか?熱性痙攣の定義や発症する年齢、遺伝的要因や後遺症の有無を知り、子供が発症した際は周りの大人は冷静に対処する必要があります。痙攣中の適切な処置、救急車を呼ぶべき状態、その後の予防など、熱性痙攣が心配なママたちに向けた情報をまとめています。

熱性痙攣の対処法・痙攣時の重要な観察ポイントとは?

熱性痙攣とは?発症年齢は生後6ヶ月~6歳未満まで

熱性痙攣には定義があり、「生後6ヶ月~6歳までの乳幼児」にみられ、「38度以上の発熱後24時間以内におこるけいれんのこと」を熱性痙攣といいます。6ヶ月以下、6歳以上の子供の痙攣や、発熱後24時間たった後の痙攣は別の病気とされます。

日本国内では熱性痙攣は6歳までの子供のうち10~20人に1人が発症するといわれており、外国よりも高い確率で発症することがあります。
風邪やはしか、インフルエンザなどの感染症にかかった際に発症する場合があり、そのメカニズムはまだはっきりしていません。

出典:www.youtube.com

熱性痙攣には2つの種類がある

熱性痙攣は「単純型熱性痙攣」「複雑型(複合型)熱性痙攣」というものに分類されます。
単純型はあまり心配はいりませんが、複雑型は非常に注意が必要です。この2つの違いをまとめます。

単純型熱性痙攣

単純型熱性痙攣と判断されるポイントは

  • 熱性痙攣の症状が年に4回未満
  • 全身左右対称に痙攣の症状が見られる
  • 1回の痙攣が15分未満
  • 熱が38度以上の時に症状が見られる

といった場合です。
ほとんどの場合は単純型の熱性痙攣でおわるので、1度なったからといって心配はいりません。初めて発症した場合は落ち着いて対処してあげれば、重症化することはありません。

複雑型熱性痙攣

複雑型(あるいは複合型)熱性痙攣と判断されるポイントは

  • 年4回以上
  • 左右非対称に痙攣が起こる
  • 1回15分以上の痙攣の症状が見られる
  • 38度以下の熱でも症状が起こる

このような場合は複雑型熱性痙攣と判断されます。
複雑型熱性痙攣の場合、脳の神経異常が原因になっている場合があり、繰り返して熱性痙攣がおこると後々知能障害・運動障害などの後遺症が出る可能性があります。

また、複雑型熱性痙攣が続くと「てんかん」発症のリスクが高まるといわれているので早めの予防や治療が必要となってきます。病院での治療を受けることでリスクは減るのでしっかり受診・治療に努めましょう。

熱性痙攣の原因は?家族に熱性痙攣の発症者がいたら要注意

熱があり寝ている具合が悪い赤ちゃん

生まれて6ヶ月~6歳未満の乳幼児に置きやすい熱性痙攣。実は家族に熱性痙攣が起こったことがある人がいると起きやすいといわれています。

熱性痙攣の原因はいまだ不明のまま

熱性痙攣にはっきりとした原因というものはわかっていません。子どもの脳の発達が未熟なため、あるいは熱によって脳の神経系に異常が出たためなど諸説ありますがコレと断定できるものはわかっていません。

家族歴・遺伝が強く影響する

「熱に弱い」という体質は遺伝として残っていくことが多いようで、特に両親や兄弟に熱性痙攣がでたことがあるという赤ちゃんは熱性痙攣の症状が出やすいというリスクがあります。さらに、1度発症した場合の再発率も高いため、両親や兄弟で一度でも発症したことがある人がいる場合の赤ちゃんは高熱に注意してあげましょう。

熱性痙攣の落ち着いて様子を見る症状と緊急を要する症状の見分け方

体温計で赤ちゃんの熱をチェックするママ

熱性痙攣の目に見えてわかる症状をチェックしましょう。赤ちゃんが熱性痙攣になったことのある人はその時の様子を思い出しながら、心配だから知りたいという人は想像しながら確認していきましょう。

一般的な熱性痙攣の症状:落ち着いて様子を見る場合

赤ちゃんや子供の熱性痙攣。パニックになってしまう気持ちはわかりますが、ぐっとこらえて状態を観察することがなにより大切です。

熱が出る

38度以上の熱が出ているときにおこりやすいのが熱性痙攣です。
基本的に高熱が出ているので厚着させるよりは、薄めの長袖長ズボンを着せ、無理に動かさないようにします。痙攣が起きてしまった場合は衣服を緩める必要が出てくるので、着せやすい・脱がせやすい服を選ぶようにしましょう。
万が一38度以下の熱で熱性痙攣の症状が出た場合は他の原因も考えられるためすぐに病院に連絡します。

痙攣する

全身にけいれんの症状が見られます。基本は全身、左右対称にどちらも痙攣が起こり体がこわばった状態になります。体がピンと張った状態になると服で体を絞めつけてしまいがちなので、けいれんがみられたらまず最初に服をゆるめてあげる、脱がせてあげるようにします。

けいれんが治まったかな?とおもったときは腕や足をまげてみましょう。もし曲げたときに突っ張ってくる感じがあればまだそれは収まっていないという証拠ですから様子を見ます。
左右対称でないけいれんや体のごく一部のけいれんが見られる場合は熱性痙攣以外の原因がある可能性があります。
病院には「全身・一部のどの部分が痙攣したか」「痙攣の始まりから終わるまでの時間」を伝えましょう。

白目をむいてしまう・意識を失う

白目をむいて意識を失ってしまう場合があります。2~3分ほど意識を失うというのも熱性痙攣の症状です。熱性痙攣で意識を失っても2、3分ですぐ意識を取り戻すことがほとんどです。意識を失ったからといって慌てず、病院や救急車を呼ぶ準備をします。

意識を失って呼吸をしていないといった状態が3分以上~5分まで続くようであれば救急へ連絡を入れます。救急隊の指示をうけて行動するようにしましょう。

血色が悪くなる・チアノーゼをおこす

痙攣中や意識がない間は息が止まることがあります。これによって血色が悪くなったり、場合によっては泡を吹いてしまう場合があります。
チアノーゼという症状を起こし、肌が青白くなったり、唇や爪の先などがとくに青~紫に変色してしまうのでおどろいて周囲の人が慌ててしまいがちです。落ち着いて対処することを忘れてしまわないようにしましょう。

症状が見られたら衣服の締め付けをなくしたら気道の確保をするため、顔を横に向けた状態で仰向きに寝かせ、すこし頭を後ろへそらせてあげましょう。
食事の直後や嘔吐があった場合は気道確保のため口の中にものが入っていないかをチェックし、何か入っている場合は掻き出します。

熱性痙攣の注意するべき症状:緊急での受診や救急車の要請が必要な場合

熱性痙攣が起きたとき、まずは落ち着いて対処することが大事ですが観察した中でもコレがあったら救急車・即病院へ!といえる症状をピックアップします。

初めて痙攣をおこした場合

生後6ヶ月~6歳未満の子で初めて熱性痙攣を発症した場合はかかりつけの小児科への連絡をします。
熱性痙攣は5分以内には症状が治まって、ケロッとしている場合もありますが、初めて発症した場合は念のため検査を受ける必要がありますので早めに連絡して小児科に受診させるようにします。

症状が10分以上続いている時は救急車を呼ぶ

発症してから10分以上の痙攣が続いている場合は救急車を呼びます。
痙攣が始まった時間、意識を失った時間などを測りつつ、衣服を緩めたり、気道の確保に努めます。その他、救急隊の指示をうけて行動しますが、無理に揺すったりはしないようにします。

症状が落ち着いても顔色が悪い・意識が戻らない

痙攣などの症状が落ち着いたのに顔色が悪い、意識の戻りが悪かったりボーっとしているといった場合も病院へ連れて行きます。
意識が戻ってこない場合は救急車に連絡を。それ以外の場合はかかりつけの小児科や地域の救急病院へ連絡して指示を受けましょう。

左右非対称の痙攣をおこす

左右非対称の痙攣や半身だけ、一部だけの痙攣が起きて止まらないときはかかりつけの小児科や救急病院へ連絡をします。
痙攣が全身でなく一部である場合などは熱性痙攣以外が原因となって怒っている場合があるため脳や神経系の検査が必要になる可能性あり、病院にどの部分がどのような痙攣をおこしているのかを伝える必要があります。

けいれんがおさまったとしても、けいれん個所が一部位のみ・左右非対称のけいれんであれば病院に連絡した方がいいでしょう。

6歳以上になってからの痙攣

熱性痙攣は6歳未満の乳幼児に起きる症状です。6歳以上の痙攣は熱性痙攣とは診断されません。
6歳以上になってからのけいれんの場合、熱があったとしてもほかの病気などが原因となってけいれんが起きてしまっている場合があるため、救急車を呼びましょう。

熱性痙攣への適切な対処法

熱があり虚ろな表情で寝ている赤ちゃん

実際に熱性痙攣が起きてしまったとき、慌てないでいいように対処するための順番を覚えておきましょう。

熱性痙攣が起きたときの適切な対処法

対処するときのポイントや病院への連絡の際伝える要点を押さえていきます。

1.痙攣した時間の確認

痙攣が始まった時間を覚えておきます。そこから痙攣が終わるまでの時間を計測し、10分以上痙攣が続くようであれば救急車を呼ぶ必要が出てくるので注意して計測します。
病院に行く場合でも伝える必要があるため、時間の計測はしっかりと。

2.横に寝かせ、気道の確保をする

仰向きに寝かせ、顔を左右どちらか横に向けてあげます。そのまま顔を上に向かせて口、喉、肺の気道がまっすぐになるようにします。

熱性痙攣の時は意識を失って呼吸が止まることがあるので、気道の確保はしっかりと。体がこわばっている場合は無理に動かすとかえって体を痛めるので顔を上に向かせて気道確保を。体が突っ張っている場合は服が体を絞めつけてしまうので、緩めたり脱がせたりして対処をします。

3.口や鼻の異物を除去する

熱の影響で嘔吐をしていた場合や食後などの場合はとくに口の中や鼻に異物が残りがちです。呼吸の妨げをなくし、気道確保をするためにも、口の中のものは掻き出す。鼻は拭いてあげるなどで対処をします。意識があり、吐き気がある場合は吐かせてしまいましょう。

嘔吐物を触る場合は家族内感染を防ぐためにもビニール手袋などを着用してから、なければビニール袋などを活用します。

4.痙攣個所の確認

意識があるなしにかかわらず、痙攣があるときはまず痙攣箇所を観察します。

  • 左右対称に痙攣しているか
  • 痙攣が治まりつつあるのか、つづきそうか
  • 手足をまげて突っ張る感じがあるかないか

左右対称の痙攣であればいいのですが、半身のみ、一部分のみの痙攣の場合は複雑性熱性痙攣か他の原因が起こしている可能性があるので病院に伝えます。
おちついてきて、「痙攣がおさまったかな?」と思ったとき、腕や足をまげさせてみて突っ張る感じがあるときはまだ痙攣が収まっていない証拠なので、10分以上続いていないかをチェックします。

5.病院への連絡や救急車の要請

初めて発症した場合や10分以上の痙攣がつづいたり、痙攣が治まった後でも顔色が悪い、意識が混濁している等、具合が悪そうにしている場合は病院へつれていきます。意識を失って戻りが悪い場合は救急車を呼び、対処や指示を受ける必要があります。
母子手帳や保険証の準備。子供の現在の状態などをつたえる必要があるので落ち着いて連絡を。

熱性痙攣、これはしないで!症状の悪化を招く誤った対処法

子供の熱が心配になりベッドで介護するママ

熱性痙攣が起こった時、ついまわりがパニックになってしてしまいがちな行動がありますがそれがかえって悪化させたり危険だったりします。

歯を食いしばっているときに無理やりこじ開けない

けいれん中は体に力が入り、口も固く閉じてしまいがちです。昔はこのときに舌をかまないようにと無理やりこじ開けて何かをかませるなどしていたようですが、逆に呼吸の妨げや無理にこじ開けることで顎を痛めるなどの危険があります。

けいれん中は無理にこじ開けるようなことはしないようにしましょう。

大声で呼んだり、ゆすったりしない

はじめて熱性痙攣を目の当たりにすると、意識がなく、けいれんするわが子をついあわてて子供を抱きかかえて声をかけたり、ゆすったりしてしまいがちですが、それは逆効果。

けいれん中にさらにゆするなどをすると、けいれんがなかなか収まらなくなり子供の体の負担が増すばかりになってしまいます。けいれんが治まった後も、突然スーッと寝てしまう場合がありますが無理やり起こさずに寝かせてあげましょう。
痙攣で疲れた脳や体を休めている睡眠です。寝ている間に病院や救急への連絡などをしましょう。

病院に連れていくときや救急車を呼ぶときに伝えるべき症状や要点

病院につれていくときや救急車を呼ぶ時、慌ててしまいがちな熱性痙攣ですが何よりも親が落ち着いていなければ対処のしようがありません。連絡するときには要点をおさえて、冷静に病院や救急へ伝えます。

  • 現在の状態(意識の有無・痙攣の有無・熱が何度あるか)
  • 痙攣が始まった時間(何時頃~何時まで、現在まで)
  • 痙攣した部位(全身・左右どちらか、一部位等)

そのほか、病院側から聞かれた症状はできるだけ細かく答えるようにします。

熱性痙攣の予防はできるだけ高熱を出させないこと

熱で疲れている赤ちゃんの体温を図る母親

熱性痙攣は体質や遺伝などさまざまな因子があり、発症する原因もはっきりしていないためこれという予防法はありません。
ただし、1度熱性痙攣を起こしたり、熱性痙攣が起こりやすい体質という診断をもらうと「予防用の座薬」を処方されることがあります。使うタイミングや量は子供によって違うためお医者さんの指示をしっかり聞くようにします。

熱性痙攣は高熱によって引き起こされるので、風邪をひきにくい体質づくりをするため運動や栄養バランスを考えた食事をとるなどの健康を意識した生活こそが予防になるともいえます。

ちょっと待って!それって熱性痙攣じゃないかも!?

熱があり苦しくて毛布から顔を出す赤ちゃん

以下の場合、熱性痙攣と似てるけど全く違う病気だった!ということも…。熱性痙攣の定義の勘違いからおきやすい別の症状をみていきましょう。

熱が出て数日後に痙攣が起きた場合

熱性痙攣は発熱して24時間以内に起きたものをいい、それ以降のけいれんは違うものが原因とされています。

38度以上の熱が出て数日後に痙攣が起きる場合があります。これは脳炎や脳症といったものが原因となっている可能性があるので熱があるから熱性痙攣と判断せず病院へ受診するようにします。

熱がない時に痙攣が起きた場合

脱水症状や発熱で体内の水分バランスが崩れたときはけいれんが起きやすくなっています。
嘔吐下痢やロタウィルス感染症による脱水症状が起きているときは注意しましょう。

そのほかの状態でのけいれんは脳症・神経系の異常や子供の誤飲等のさまざまな原因が考えられるため、病院へすぐに連絡し、早めに受診をするようにします。
症状によっては救急に連絡する必要があるのでその時の状態観察を怠らないようにします。

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熱性痙攣には強い心を持って向き合っていこう

熱性痙攣は1度発症した後はなかなか再発しないとされていますが、まれに再発してしまうという場合もあります。
その子の体質や遺伝などさまざまな要因が絡んでくるため、1度熱性痙攣を経験した後の風邪等による発熱には注意してあげましょう。万が一再発してしまった場合でも、落ち着いて病院へ連れて行けば座薬などの予防薬を処方してもらえるため安心です。

熱性痙攣を発症したお子さんを見て、ママやパパは精神的なショックを受けるかもしれません。また発症したらどうしようと心配でたまらない方もいるでしょう。
でも、大事なわが子を守れるのはママたちだけです。家族で支え合い、強い心を持って、熱性痙攣と付き合っていきましょう。

心配なことはかかりつけ医の先生に聞きて、熱性痙攣を経験したことがあるママたちなどに相談することで、勇気をもらってください。