Loading

突発性発疹と病院受診の目安

突発性発疹は病院受診するべき?小児科受診のタイミング

突発性発疹は病院受診を急がなくても大丈夫!しかし熱が高くなることやその後の経過、またほかの病気の可能性もあることから高熱などの症状に対して素人判断は禁物!どのようなタイミングで病院を受診すると良いのか、受診の目安と家庭でできる赤ちゃんのケアについて説明します。

突発性発疹は病院受診するべき?小児科受診のタイミング

突発性発疹で病院に行くべきタイミングと特徴的な症状

ほとんどの赤ちゃんが生後6ヶ月~2歳の間に罹患すると言われている『突発性発疹』。突発性発疹にかかったときは病院にいくべきか、また、どのような症状のときは病院に行かないでも良いのか探っていきましょう。

症状と症状の出る時期推移

うつ伏せ寝で顔がつぶれる赤ちゃん

突発性発疹は、一般に罹患してからの潜伏期間は10日前後と言われています。突発性発疹の症状と、それぞれの症状が見られる時期、継続する期間等について見ていきましょう。

高熱

突発性発疹に罹患すると、最初に、突然、38~40度近くの高熱が出ます。この熱は2日~4日ほど続き、その後、熱が微熱~平熱に急激に下がります。高熱が出ている間、赤ちゃんは元気で機嫌が比較的良いことが多いのも突発性発疹の特徴です。

発疹

高熱が下がると、赤い発疹が顔面や全身に現れます。高熱が出ている間の赤ちゃんは比較的元気で機嫌も良いことが多いのですが、熱が下がって発疹が生じる頃になると、機嫌が悪くなって、一日中泣いたりぐずったり、夜になかなか寝なかったりすることも少なくありません。

発疹はかゆみがないとされていますが、赤ちゃんはかゆいのか単に不快なのかを上手に伝えられないので実際のところは分かりません。そのため、病院に連れて行っても、かゆみ止めの塗り薬や飲み薬が処方されないことがほとんどです。一般的には、赤ちゃんが目の周りや口周りを激しくひっかくなどするときのみ、ドライシロップ状の飲み薬が処方されるようです。

下痢

通常、突発性発疹の症状は『高熱』と『発疹』のみと言われていますが、罹患中、下痢症状が続く赤ちゃんもいるようです。普段よりも便が柔らかい時や量が多くおむつからはみでそうなときは、体内の水分が過剰に消費されていると判断できますので、積極的に水分を補給し、脱水症状にならないように注意しましょう。

脱水症状に注意

下痢症状がない赤ちゃんも、高熱のときは体内の水分を大量に消費しています。赤ちゃんは体が小さいので、大人ほど大量の水分を溜められません。そのため、大人よりも簡単に脱水症状に陥ってしまいますので、母乳やミルク、また月齢が充分な赤ちゃんなら湯冷ましや薄めた麦茶を与え、体の水分が不足しないように管理しておきましょう。

赤ちゃんの脱水症状に早く気付くポイント7つ&処置の方法
赤ちゃんの脱水症状に早く気付くポイント7つ&処置の方法
赤ちゃんの脱水症状に早く気付いて的確な処置を施してあげるのが深刻な状況を回避するカギとなります。脱水の状態を見分けるポイント7つともしものときの処置の知識は夏の健康管理の必須項目です!

突発性発疹が疑われるとき…病院受診の必要性

突発性発疹は予後がわりと良く、発熱が見られてから1週間後には発疹も治まり、赤ちゃんも何事もなかったように回復します。

家庭で突発性発疹と思われる症状に気づいても慌てて病院に行く必要はありませんが、突発性発疹かどうかの確実な診断を得るためには病院受診は大切です。

突発性発疹が疑われるときの様子の見方と知っておきたいこと

おくるみの中でママを見つめる赤ちゃん

突然の発熱(38度以上)が2~4日続き、解熱に前後して顔面・体幹部・四肢に発疹が見られるときは、『突発性発疹』と診断します。また、これらの症状が出なくとも、診察した医師が突発性発疹の罹患を疑い、病原体診断や血清学的診断により突発性発疹であると確認できた場合にも『突発性発疹』と診断します。

家庭で経過観察をするときは次のことに注意しましょう。

赤ちゃんの機嫌

突発性発疹は、高熱が出ている間も赤ちゃんが比較的機嫌よく過ごせる疾病です。にもかかわらず赤ちゃんの機嫌が悪いなら、熱以外が原因になっている可能性もあります。赤ちゃんの機嫌を観察しておきましょう。

赤ちゃんの顔色

酸素が充分に吸いこめていないときは、赤ちゃんの顔色が黒ずんでしまうことがあります。また、熱を出しているにもかかわらず、赤っぽいと言うよりは黄色みが強い時や青白くなっているときも注意が必要です。顔色が何か変だなと感じたら、すぐに病院に出向くようにしましょう。

その他病院受診を急ぐとき

突発性発疹に罹患した場合は、38度くらいの熱が数日出てスムーズに解熱していきます。発疹が全身に出ても赤ちゃんが機嫌よく過ごしていれば、慌てて病院に行く必要はありません。
ですが、次のような症状が見られるときは、すぐに病院に行き、適切な処置を受けるようにしましょう。

受診を急ぐべき突発性発疹の症状

・39度以上の高熱が続き、赤ちゃんがぐったりしているとき。
・嘔吐や下痢が1日に何度も見られるとき。
・熱性けいれんが止まらないときや、体が硬直しているとき。
・呼吸が苦しそうなときや、不規則に大きく吸い込んだりしているとき。
・顔色がくろずんでいるとき。
・生後3ヶ月未満のとき。

特に、生後2ヶ月までに突発性発疹に罹患すると、症状が重篤化することがあります。上記の目安に1つでも当てはまるときは、すぐに小児科に連れて行きましょう。

突発性発疹の合併症

高熱が出るときに、まれに『熱性けいれん』が見られることがあります。また、『脳炎』や『脳症』、『劇症肝炎』、『血小板減少性紫斑症』などの重篤な疾病を併発することもあるので、熱が続くときや赤ちゃんの機嫌が解熱後1週間を過ぎても良くならないときは、病院に連れて行って専門的な診断を受ける必要があります。

熱性痙攣の対処法・痙攣時の重要な観察ポイントとは?
熱性痙攣の対処法・痙攣時の重要な観察ポイントとは?
熱性痙攣を発症した時の対処法とは?熱性痙攣の定義や発症する年齢、遺伝的要因や後遺症の有無を知り、実際の症状をチェックしておきましょう。病院に伝える必要のある情報の要点。その後の予防策もまとめました。

突発性発疹以外のぶつぶつがでる病気

うつ伏せで思わず舌が出てしまった赤ちゃん

高熱が出て、発疹が出たとしても、突発性発疹ではなく他の病気にかかっている可能性もあります。突発性発疹と症状が似ている病気の中で、赤ちゃんがかかりやすいものをいくつか紹介します。

はしか(麻疹)

突発性発疹は主に体幹部や顔面に発疹が出ますが、麻疹は手足も含めた全身に発疹が出ることが特徴です。また、突発性発疹は赤い湿疹が数日できれいに治りますが、麻疹は暗褐色のシミになって残ることが多いです。


予防接種で防ぐことができますが、予防接種受診前に罹患すると症状が重く長引くこともありますので、手足にも湿疹が大量にできているときは、はしかの可能性も考えて見ても良いかもしれません。

風疹

同じく、予防接種で防ぐことができますが、予防接種受診前のときは注意が必要です。突発性発疹と異なり、発熱と同時に発疹が見られるケースが多いです。また、最初に顔に発疹が生じ、その後、体にも発疹が見られるようになります。

猩紅熱

発熱と同時に喉に痛みが現れ、舌が赤く腫れますので、赤ちゃんの機嫌が悪くなります。その後、全身に発疹が生じます。発疹が治まると、1週間ほどしてから発疹跡の皮がめくれます。

伝染性紅斑

頬に赤い斑点が生じますので、『りんご病』とも呼ばれます。手足に網目状の発疹が現れ、1週間~10日後に消滅します。

突発性発疹の治療

突発性発疹には、治療薬や予防接種はありません。下痢や嘔吐が見られることもありますが、症状が高熱と発疹にほぼ限定されますので、高熱が続くときやなかなか熱が下がらないときに解熱剤を処方するなどの対症療法のみ実施されます。

突発性発疹は誰でもかかる病気

夜に大人しく寝てくれる赤ちゃん

2~3歳までにほぼ全ての赤ちゃんは突発性発疹にかかります。高熱や発疹等の症状が出るのは6割~8割ですので、症状が見られなかったとしても、実際には罹患し、抗体保有者になっているのです。

すでに抗体を保有しているかどうかは、血清診断やPCR法によるウイルスDNAの検出、ウイルス分離等で調べることができますが、保険対象外の検査かつ特殊な専門機関でしか実施していない検査ですので、敢えて受ける必要はないと言えるでしょう。

赤ちゃんに多い

厚生労働省の国立感染症研究所の公式サイト『感染症発生動向調査週報』によりますと、突発性発疹に罹患した患者の99%が0歳児もしくは1歳児ですので、乳児にほぼ限定した病気と言えます。また、2歳~3歳の幼児に突発性発疹の抗体があるかどうかを調べると、ほぼ全ての幼児が抗体保持者となっていることから、突発性発疹にかかっても症状が出るのは60~80%だと言うことが分かります。

突発性発疹の原因

突発性発疹の原因は『ヒトヘルペスウイルス6型』もしくは『ヒトヘルペスウイルス7型』です。どちらに罹患しても一度感染すると抗体を保有して二度と感染することはありませんが、『ヒトヘルペスウイルス6型』と『ヒトヘルペスウイルス7型』は異なるウイルスですので、『ヒトヘルペスウイルス6型』に罹患しても『ヒトヘルペスウイルス7型』に感染してしまう可能性はあります。つまり、最大2回かかる可能性があるのが『突発性発疹』と言えるのです。

突発性発疹の感染経路

突発性発疹が治り赤ちゃんとおでかけするママ

突発性発疹の感染経路は主に『飛沫感染』と『経口感染』、『接触感染』と言われています。一度罹患すると一生抗体を保有することになりますので、周産期にも罹患する可能性があることが分かっていますが、赤ちゃんの頃に突発性発疹に罹患したお母さんの母乳から感染するケースは、まだ報告されていません。

飛沫感染とは、感染者の咳やくしゃみから感染することで、突発性発疹自体は咳やくしゃみなどの症状が出る疾病ではありませんが、罹患した赤ちゃんが何かの拍子で咳やくしゃみをすると、他の赤ちゃんや幼児に感染することもあります。

経口感染とは、感染者の唾液が非感染者の口内に入って感染することです。赤ちゃんの時に突発性発疹に罹患した大人も、体内にはまだ突発性発疹の抗体が存在しています。そのため、お父さんやお母さんの唾液から赤ちゃんが突発性発疹に罹患してしまうこともありますので、注意が必要です。

また、接触感染は、感染者の皮膚や粘膜が非感染者に触れることで感染することを指しています。直接皮膚や粘膜が触れなくても、手や物を媒介として間接的に接触することでも感染することがあります

突発性発疹に罹患したときの登園

日本小児科学会の見解や厚生労働省の『保育園における感染症対策ガイドライン』によりますと、熱が下がって1日経過し、赤ちゃんの様子が元気そうなら、保育園に登園しても問題はないとされています。ですが、保育園によっては独自の登園に関するガイドラインを定めていることもありますので、保育園の規則要項やお便り帳などをチェックし、登園の条件に当てはまることを確認してから登園させるようにしましょう。

家庭で行う突発性発疹のケア、気を付けること

赤ちゃんが突発性発疹にかかっているとき家庭ではどのようなケアを行えるのでしょうか。

熱が上がり続けているときのケア

突発性発疹で寝込む赤ちゃん

突発性発疹の場合、高熱時でも赤ちゃんは機嫌の良いことが多いですので、すぐに熱があることに気付かないかもしれません。赤ちゃんの体やおでこを触ってみて熱があるようでしたら、すぐに体温計で熱を測り、脱水症状に陥らないように水分を与えましょう。

38度以上あるときは、熱冷まし専用の冷却シートやガーゼ等で包んだ保冷剤を使って、首の前側とわきの下、脚の付け根の部分を冷やします。赤ちゃんの手足の裏が冷たい時はまだまだ熱が上がる可能性がありますので、体温チェックと水分補給を続けます。

赤ちゃんの体温の測り方|暑い?寒い?体温調節のコツ
赤ちゃんの体温の測り方|暑い?寒い?体温調節のコツ
赤ちゃんの体温を把握しよう!体調の変化に気づくためにも、毎日測定しい赤ちゃんの体温。測り方のコツ、病院を受診するべき体温の上昇や平熱が低い赤ちゃんの心配事、快適な体温を保つポイントとは?

汗で体を冷やさないように注意

普段も汗かきの赤ちゃんですが、高熱時はいつも以上に汗をかきます。汗で体を冷やしてしまうことがないよう、こまめに汗を拭いたり、下着を交換したりしましょう。また、硬く絞ったタオルで全身(頭部も)を拭いてあげるのも良いですね。

高熱が出ているときは、赤ちゃんの体力消耗も激しくなっていますので、お風呂に浸かって汗を流すことはやめておいた方が良いでしょう。硬く絞ったタオルで体を拭くか、ぬるめのシャワーで簡単に汗を流すようにします。

熱が上がりきったときのケア

手足の裏が温まってくると、いよいよ熱が下がり始めるサインです。熱が下がり始めたと言っても、赤ちゃんはたくさん汗をかきますので、水分補給をし続けなくてはなりません。

下がり始めて機嫌が悪くなったら

仲良しのしまじろうと一緒に寝る赤ちゃん

急激に熱が下がることで悪寒を感じる赤ちゃんもいますので、いつも快適に過ごせているか赤ちゃんの様子から的確に判断し、エアコン等を使って室温を調整するようにしましょう。ただし、足の裏からたくさん汗をかきますので、室内では靴下は履かせない方が良いでしょう。

熱が下がると、発疹が出るのと同時に機嫌が悪くなることがあります。発疹をひっかかないように爪を切り、赤ちゃんができるだけ不安を感じずに過ごせるよう時間が許す限り抱っこしてあげましょう。

突発性発疹が疑われる場合でも高熱時には油断しない

突発性発疹自体は、特に心配する必要のない病気ですが、高熱によりけいれんが起こることや、脳炎や劇症肝炎などの合併症が出ることも稀にあります。突発性発疹だからと言って安心してしまうのではなく、高熱時には油断をせずに赤ちゃんの体調観察と管理に努めましょう。