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子宮外妊娠と生理の見分け方

子宮外妊娠と生理を勘違い?間違いやすい症状7つの違い

子宮外妊娠と生理はどう違う?どちらも下腹部痛と出血が見られ、時に発見が遅れて重症になる可能性があるこわい子宮外妊娠。生理と思っていたら子宮外妊娠だった…そんなことが無いように子宮外妊娠と生理の見分け方7つを把握しておきたいもの!子宮外妊娠の診断や治療方法についても解説します!

子宮外妊娠と生理を勘違い?間違いやすい症状7つの違い

実は間違いやすい?!「子宮外妊娠」と「いつもの生理」の違い

赤ちゃん待ちをしている方の中には、出血を見ると「あぁ、今月も生理が来てしまったなぁ」と残念な思いにかられることもあるでしょう。

でも、その出血は本当に生理でしょうか?いつもと違う症状はありませんか?生理と思っていた出血が、実は生理ではなく「子宮外妊娠」の可能性もゼロではありません。万が一子宮外妊娠であると、いち早く対処しないと命に係る重篤な症状を引き起こしてしまうことも。

そんな状況を招かないために、生理と子宮外妊娠の違いについてしっかり押さえておきましょう。

出典:www.youtube.com

子宮外妊娠と生理の症状、一致点と相違点

出欠が続き子宮外妊娠を疑る女性

子宮外妊娠と生理は、どちらも出血と下腹部痛があることから時に判断に迷うことがあります。相違点を知って、心当たりがあればすぐに受診するようにしましょう。

子宮外妊娠と生理の症状 ~一致点~

個人の生理周期にもよりますが、子宮外妊娠は生理と同じような時期に出血や下腹部痛が見られます。
普段生理痛がある人は特に、これら子宮外妊娠の症状を生理と間違いやすいのです。

子宮外妊娠と生理の症状 ~相違点7つ~

次に説明するのは、子宮外妊娠と生理の症状で異なる点です。ひとつでも当てはまるものがあれば、至急産婦人科を受診しましょう。

1.妊娠検査薬で陽性反応が出る

生理であれば当然、妊娠検査薬を使用すると陰性反応となります。

一方子宮外妊娠では、妊娠検査薬に反応するhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが分泌されるので妊娠検査薬は陽性反応を示します。

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2.基礎体温が下がりきらない

基礎体温がきちんと二相に分かれている人であれば、生理がくる直前に低温期に切り替わります。
しかし、子宮外妊娠の場合は基礎体温が安定せず、上下動を繰り返します。出血があっても基礎体温が低温期にならないという場合は子宮外妊娠を疑ったほうが良いでしょう。

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3.下腹部痛が徐々に強くなる

生理痛がある人は、生理が始まった日~生理3日目あたりに痛みのピークを感じることが多いですが、子宮外妊娠の場合は胎嚢が育っていき症状が悪化するので、下腹部痛は治まることがなく、徐々に強くなっていきます。

4.出血が長く続くことがある

子宮外妊娠では、出血が見られない人もいますが、逆に出血が続く人もいます。
普段の生理の出血期間と比較して長い、または極端に短いなどということがあれば、それは生理ではなく不正出血である可能性が高いです。

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5.眠気やだるさが治まらない

PMS(月経前症候群)のある人は、生理前に多く分泌される黄体ホルモンの影響で生理前に眠くなったりだるくなったりします。PMSの症状は人によって様々で、200種類以上もあると言われています(便秘、下痢、イライラ、集中力がなくなる、食欲がなくなる、吹き出物など)。
こうした不快な症状は、生理が始まると自然と治まっていきます。

眠くなる・だるくなる、その他不快な症状は、ホルモンバランスが急激に変化する妊娠初期にも見られます。子宮外妊娠では、生理によって治まるPMSとは異なり身体は妊娠している状態なので、出血が見られても眠気やだるさが続く、その他にも何となく不調だな…と感じる日が続きます。

6.鎮痛剤が効かない

いつもの生理痛の場合は、子宮内膜症など生理痛が非常に重くなる症状を持っている人を除き、鎮痛剤が効くことがほとんどです。
しかし、子宮外妊娠が進行している場合、鎮痛剤が効かないほどの痛みがあります。鎮痛剤が効かないほどの下腹部痛がある場合は、迷わず産婦人科を受診しましょう。

7.わき腹が痛む

子宮外妊娠では、下腹部全体が生理痛の時と同じように痛むこともありますが、時に右か左どちらかのわき腹が痛むことも多く見られます。

生理では子宮全体が収縮運動をするために痛みが発生するのに対し、子宮外妊娠では卵管や卵巣への着床によりこれらの器官を圧迫するため、生理の時とは異なる場所で痛みが発生することがあります。

子宮外妊娠と生理、出血のメカニズムの違い

生理と子宮外妊娠の出血についてまとめる看護師

子宮外妊娠と生理では出血のメカニズムが異なります。子宮外妊娠は、その症状によって出血の原因も複数あります。

子宮外妊娠で出血するメカニズムと出血のタイミング

子宮外妊娠で出血するのは以下の3パターンがあります。

1.着床による出血

着床するときに根を張ることにより周りの細胞に傷をつけられ出血します。正常な妊娠の場合、着床まで1週間程度かけて子宮に移動し2~3日かけて子宮内膜に着床します。子宮外妊娠の場合は子宮にたどり着く前に着床してしまう現象。正常に子宮内膜に到着する前に卵管のどこかに到着しそのまま卵管に根を張り、出血が起こります。

子宮外妊娠の出血がおこるタイミング

生理周期が28日の人の場合は、排卵は前回の生理開始日から数えて14日前後で起こります。そのことを考慮してこの出血のパターンが起こるタイミングを計算してみましょう。

  • 排卵=前回の生理開始から14日前後
  • 着床場所までの移動=7日前後
  • 根を張る期間=2~3日

14日+7日+2日=前回の生理開始から23日後あたりに、出血が見られることが多いということになります。
生理周期が28日で安定している人であれば、いつもと違う出血であると気づきやすいのですが、生理周期が不安定な人にはわかりにくいタイミングでの出血です。

この場合の出血は、生理の時よりも少し薄い色の出血が4~5日続くことが多いようです。

2.ホルモンバランスの変化による出血

通常の妊娠では日を追うごとに増えていくhCGの値が子宮外妊娠では途中で下がります。このホルモンの変化により子宮内膜から出血します。
子宮外妊娠においては、hCGの値は下がる人と下がらない人(妊娠がどんどん進んでいく状態)がいますが、下がる場合は妊娠5週目頃で出血するケースが多いようです。

この場合は、生理の時に似た暗赤色の出血が少量みられます。出血期間が長引くことや、途中で止まって再び出血することなどがあります。

3.流産による出血

子宮外において一度妊娠が成立したものの、流産してしまうと胎嚢を含む組織が流れ出ます。一旦妊娠が成立してから起こることなので、日数としては着床した日より後になります。1.で説明した通り着床が完了するのは、子宮外妊娠の場合は前回生理開始日から23日前後と計算できるので、流産が起こるのはそれ以降になります。

この場合は、鮮血が大量に出ることや、胎嚢などの組織がかたまりになって出ることがあります。

生理の時に出血するメカニズム

妊娠に備えて、子宮内膜は徐々に厚くなっていきます。
生理の直後に1mmほどの厚みだった子宮内膜は、生理直前には1cmほどに厚みを増します。

子宮内膜は、赤ちゃんを包むふかふかのお布団のようなものですが、妊娠が成立しなければ不要のものとなるので子宮内膜の組織は壊れて排出されます。これが生理の時の出血です。
生理の時の出血は、チューブからマヨネーズを絞るように、子宮が収縮を繰り返して中の出血を絞り出します。この子宮収縮が生理痛の原因です。
子宮内膜の厚みにもよりますが、3~7日ほどで出血が終わります。

妊娠検査薬で陽性が出たら

妊娠検査薬を見つめる女性

妊娠検査薬で陽性が出て、出血または下腹部痛がある場合は、子宮外妊娠、切迫流産(流産しかかっている状態)、流産のいずれかの可能性が高いので、至急病院を受診しましょう。

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子宮外妊娠の診断の方法

子宮外妊娠の診断は、ベテランの産婦人科医でも非常に難しいといわれています。
診断の基本は、妊娠検査薬で陽性が出ている(病院においては、尿検査を行いhCGの数値で判断します)のに子宮内に胎嚢が見えないということです。

胎嚢が見えるのは妊娠4~5週目頃ですが、生理周期が不定期な人の場合は、週数もズレている場合があり、まだ見えない時期なのか子宮外妊娠なのかの区別が難しいのです。また、まれに子宮内に胎嚢に似た子宮内膜の組織が見えることもあります。

子宮内に胎嚢がないことを確認するのも難しいですが、子宮外で妊娠が成立していることを確認するのも困難なことです。卵管の周囲には腸があるなどして超音波エコーではよく見えないためです。

正しく診断してもらうために

診断が難しい時は、問診が役に立ちます。
先の項で「子宮外妊娠と生理の相違点」について説明しましたが、そこで当てはまる症状があればその症状について先生に説明するだけでも、診断の助けになります。

病院で診察を受ける際、内診でいつも以上に痛みを感じる場合は、我慢せずにその旨を医師に伝えてください。内診で強い痛みを感じた場合は、子宮外妊娠の症状が進んで腹腔内に出血をしている場合があるためです。このことも、子宮外妊娠の診断の手掛かりとなります。

子宮外妊娠は、早期に発見するほど身体への負担が軽く済みます。赤ちゃん待ちをしている人は、普段から生理周期が何日か把握する、基礎体温をつけることを継続するなどして自分の身体のことを把握しておくようにしましょう。

子宮外妊娠の治療の方法

子宮外妊娠の治療について説明する医師

子宮外妊娠の治療には、大きく分けて次の3つがあります。

  • 待機療法
  • 薬物療法
  • 外科療法

1.待機療法とは

子宮外妊娠の発見が早期で、症状が軽い場合は治療をせずに様子を見る場合があります。何もしなくても、卵管内で自然流産してしまったり、胎嚢が吸収されてなくなってしまったりすることがあります。ただし、このような経緯で自然に子宮外妊娠が治癒するのは、胎児の心拍が確認できない場合や、hCGの値が低いなど、妊娠反応として弱い場合に限られます。

待機療法を医師から指示された患者さんのうち、70%はこのような経過で自然治癒するという調査結果があります。

2.薬物療法とは

子宮外妊娠の発見が比較的早期であっても自然治癒が難しい場合(既に胎児の心拍が確認されている場合など)は、薬物療法が選択されます。使用されるのは抗がん剤の一種で、MTX(メトトレキセート)というお薬です。このお薬で、成長していく胎嚢を消滅させるよう働きかけます。

卵管を傷つけることがないので、今後妊娠できる確率を下げることなく治療が行えます。抗がん剤特有の副作用(吐き気や口内炎など)はありますが、外科的治療ではないので会社を長期に休むことなく治療が行えます。

3.外科療法とは

胎嚢が大きく育ってしまった場合や、薬物療法の効果が見られなかった場合などには手術が行われます。多くの場合、腹腔鏡手術で卵管を切除する、或いは卵管に穴をあけて中の妊娠組織を取り出すという方法がとられます。胎嚢が大きく育ち卵管破裂の危険性がある、または既に破裂してしまったなど緊急の場合は、開腹手術が行われます。

卵管に穴をあけて妊娠組織を絞り出す方法の場合は、卵管が保存できる一方、組織が少し卵管に残ってしまう可能性もあります。その場合、卵管が狭くなってしまうので再び子宮外妊娠を発症する可能性があります。

治療が遅れた場合

卵管内で胎嚢が大きく成長すると、柔軟に伸びることができない卵管は破裂してしまいます。
卵管は、細いところではわずか1ミリしかありません。それに対し、胎嚢は1日1mmのスピードで大きくなっていくのです。

個人差はありますが、週数ごとに胎嚢は次のような大きさに育っていきます。

  • 妊娠5週目:1cm~2cm
  • 妊娠6週目:1.5cm~3cm
  • 妊娠7週目:2cm~4cm
  • 妊娠8週目:2.5cm~4.7cm

卵管が破裂すると、腹腔内に大量に出血が起こります。破裂して数時間以内に、2Lから3Lもの出血を起こすこともあります。大量の出血を起こすと急に血圧が下がり、ショック状態になります。
2007年には、愛知県で子宮外妊娠の診断が遅れた妊婦さんが卵管破裂による腹腔内出血により自宅で倒れ、命を落とすという大変痛ましい出来事がありました。

治療後の妊娠可能性

子宮外妊娠後に通常妊娠した女性

待機療法(自然治癒)や、薬物療法が成功した場合はこれまでと同様、何ら変わらず自然妊娠することができます。子宮外妊娠をしてしまったほうの卵管を切除した場合でも、もう片方の卵管が残っていれば自然妊娠することは可能です。

子宮外妊娠を複数回くりかえし、両方の卵管を切除した場合は自然妊娠することはできませんが、治療によって再び妊娠することは可能です。

子宮外妊娠と生理の違いを知って早期発見につとめましょう

子宮外妊娠は、赤ちゃん待ちをしている方なら誰でも起こりうる病気です。しかも、普段の生理と間違いやすいという怖い側面を持っています。自分の身体を良く知ることが、発見を早める一番のポイントです。基礎体温の計測を継続し、妊娠検査薬を家に常備しておくと安心です。