ダウン症とは?染色体異常と症状

ダウン症とは?ダウン症候群の症状&染色体異常との関係

ダウン症とはどのような病気でしょうか?なんとなく、高齢出産や障害といったワードが関連するのだろうとは予想できても、詳しいことは知らない方も多いダウン症。ダウン症の原因となる染色体異常との関係や種類、出生前検査やダウン症をもって生まれた子たちの成長の仕方などについて解説します。

ダウン症とは?ダウン症候群の症状&染色体異常との関係

ダウン症とは何?『染色体異常』との関連と特徴的な症状

ダウン症は正式に「ダウン症候群」と言います。
言葉を聞いたことはあっても、症状や原因、診断される時期などを詳しく知っている方は少ないかもしれません。近年、日本では高齢出産が増加傾向にありますが、母体の年齢が上がるにつれて胎児がダウン症を発症するリスクは上がるため、高齢出産を控えるパパママにとっては、おなかの赤ちゃんがダウン症にならないか―――が一番大きな心配となることでしょう。

ダウン症は21番目の染色体が3本あること(21トリソミー)を主な原因とした、染色体異常に由来する一連の症候群です。ダウン症には典型的な症状があり、多くの子どもたちは共通した特徴を持っています。

それでは、ダウン症候群の原因や特徴は具体的にはどのようなものでしょうか?

赤ちゃんの頃から分かるダウン症候群の特徴的な症状

ダウン症の子どもと手を繋ぐママ

ダウン症には外見や内面などに共通する症状や特徴がいくつかあります。新生児の時期からいつくt科の特徴がみられます。
ちなみに染色体異常は正確には『病気』ではありません。ダウン症は細胞内の21番染色体の異常によって起こる先天性の疾患群ですが、本来は風邪と違ってそれ自体に重い軽いはありません。(※モザイク型を除く)

新生児期の特徴

ダウン症の赤ちゃんは筋力が弱く、『からだが柔らかい』といった特徴が挙げられます
それにより、口の周りの筋力が弱いため母乳やミルクを吸えなかったり、上手に飲むことができなかったり…。新生児の時期は指を触るとぎゅっと握る原始反射を行いますが、ダウン症の赤ちゃんは力が弱いため握ることができないという症状もあります。

顔立ちや耳の構造、手の指が短いといった体の特徴が現れる赤ちゃんも多いです。おとなしく、めったに泣かない、とも言われます。

体に現れる特徴

見た目でわかる身体的特徴としては、特有の顔立ちや手の短さがあげられます。

ほとんどの子は出生時から二重まぶた、つり上がった目、目と目の間は離れており、つぶらな瞳、幅広で低い鼻、小さく円形の耳、目頭を覆うひだ状の皮膚など特徴的な顔立ちが見られますが、出生時の外見の特徴はわかりにくいこともあり、その場合は乳児期になってから特徴的な顔の特徴が出て来るなど個人差はあるようです。
顔以外にも手指が短く、手は短く幅広で、身長が低いという特徴もあります。

精神面の特徴

ダウン症の子は全体的に発達がゆっくりで、中度の知的障害を合併することが多いです。IQの平均は50程度。言語の能力は苦手なことが多いですが、視覚的な認知処理は比較的得意とする場合が多いため、目から理解を深めるためにジェスチャーや絵、写真などを見せる働きかけの工夫を行うことで、言語を使わないコミュニケーションによって意思疎通を図る取り組みもあります

ダウン症のある子は陽気、頑固、などひとくくりにされることがありますが、実は性格だって人によって様々。成長に伴って変化していくこともあります。

ダウン症の特徴は?赤ちゃんの顔や手・症状の特徴
ダウン症の特徴は?赤ちゃんの顔や手・症状の特徴
ダウン症の特徴は顔や手など身体的なものと知的なものがあります。症状にも軽度・中度・重度なども区分もありその症状は様々です。新出生時前診断など胎児の頃のダウン症の検査方法とダウン症児に現れる特徴です。

原因は染色体異常。ダウン症の種類や発生率

赤ちゃんと一緒に歩くママ

ダウン症の原因は、1959年にフランスのジェローム・レジューン氏らの研究によって染色体の異常であることが明らかになりました。卵子や精子がつくられる過程で、染色体がうまく分離されないことによって起こる異常がほとんどです。

通常は常染色体22組44本とXXまたはXYという性染色体2本の計46本を持ちますが、ダウン症の場合21番目の染色体が1本多い全部で47本になったことが原因で起こります。
ですが、これはあくまでも偶然起こるもので、両親は正常な染色体数を持っていることがほとんどです。

染色体異常の原因は何?

特に、卵子は生まれた後にすぐ…つまり、母体が赤ちゃんの頃に一生涯分生産されます。それが出産可能な年齢に達したときに、月に1度通常は一つずつ運び出されていきます。排卵され、生殖細胞のみが行う『減数分裂』をしますが、受精しなかったなら体から出される仕組みになっています。この減数分裂は、ときにうまくいかない場合がまれにあります。このときに分裂異常をした卵子が受精すると、ダウン症の子が生まれるのではと言われます

また、母体が赤ちゃんの頃に一生涯分生産された卵子は、幼少期から生涯にかけて徐々に減少と老化を始めますが、母体が高齢になるつれ劣化する卵子も出てくるため、減数分裂がうまくいかず分裂異常が起こりやすくなると考えられています。

高齢出産のリスクを乗り越える!何もしないよりした方がいいこと
高齢出産のリスクを乗り越える!何もしないよりした方がいいこと
高齢出産のリスクはどんなものがあるの!?障害や病気の確率が高まるって本当!?高齢出産には様々な心配や不安があるかもしれませんが、健診と規則正しい生活をきちんと送れば安全を目指せます!

染色体異常の種類

染色体異常は大きく、『標準トリソミー型』『転座型』『モザイク型』の3つの種類に分けられています。このため、ダウン症にも3種類があることになります。

21番目の染色体が3本ある一般的な染色体異常を『標準型21トリソミー』と呼び、これがダウン症全体の95%を占めています。このほかにも21番目の染色体が別の染色体にくっついている転座型、21番目の染色体が3本のものと2本のものが混じっているモザイク型というタイプもあります。

標準型21トリソミー

標準型21トリソミーは全体の90~95%を占めています。通常46本あるはずの常染色体が1本増えて47本と1本多くなります。両親は正常な染色体であることが多く、あくまでも精子や卵子ができるときの偶発的な分裂異常、受精卵発育初期の偶発的な分裂異常のいずれかが直接的な原因となります。

転座型

ダウン症のうち転座型は5~6%の割合です。転座型は21番目の染色体のうちの1本が別の染色体にくっついているために起こります。原因の半数は標準型21トリソミーと同様、受精卵の偶発的な分裂異常で、両親の染色体は正常です。残り半分は遺伝性転座で、両親のいずれかが転座型の因子を持っている場合もあります。しかし親はダウン症ではないことがほぼです。

モザイク型

ダウン症の1~3%と、まれに起きるモザイク型です。モザイク型は21番目の染色体が2本の正常な細胞と3本の細胞が混在するケースです。モザイク型は軽度のダウン症とも呼ばれており、ダウン症特有の症状があまり見られないため、外見からはダウン症とわからないことも多くあります。知能も正常に等しいとされています。受精卵の偶発的な分裂異常が原因で、通常両親の染色体数は正常です。

年齢で変化するダウン症の発症率

妊娠中で幸せを感じるママ

ダウン症は様々な染色体異常の中でも最も知られているもののひとつで、出生児における全体の発生率は約800人に1人の割合でダウン症が見られます。ダウン症は偶発的に起こることがほとんどで、出産する年齢にかかわらず誰にでも起こり得ることです。

決して年齢が直接的な原因となるわけではありませんが、女性が妊娠する年齢が上がるにつれてダウン症の発症率は高まります。ですが、母体の年齢を因果関係としたとき、ダウン症になる確率は、20歳が0.06%に対し、35歳は0.26%、45歳は3.3%となり、45歳の発症率ですら後述する『遺伝的要素』と匹敵するものがあります。

また、この確率に初産婦と経産婦の差はありません。また、性別や人種、経済状況なども関係なく、どの国にも約800人から1,000人に1人の割合で生まれます。

ダウン症は遺伝する?

ダウン症の原因に遺伝的要素がないのかも気になるところですよね。
ダウン症の中で最も多い標準型21トリソミーやモザイク型は精子、卵子、受精卵の偶発的な分裂異常が原因のため、遺伝は関係ありません。
転移型のうち約半数は遺伝が原因の可能性がありますが、ダウン症全体の2~3%。確率的に考えるとダウン症が遺伝することはまれだと考えていいでしょう。

兄弟でダウン症になる確率は?

ダウン症が親から遺伝する確率は全体の2~3%程度ですので、兄弟でダウン症になる確率は極めて低いと考えられています。

ダウン症が診断される時期

生まれてきた子がダウン症かどうか診断されるのは、ほとんどの場合は生後1ヶ月までの間にされるようです。

体の柔らかさなど独特の特徴や、筋肉量の低さなどの特徴により医師や看護師が気づき、出生後に赤ちゃんの血液で染色体検査をすることで診断が確定されます。モザイク型のダウン症は、ダウン症の特徴が表れにくいため、産後すぐにわからない場合もあり、ごくまれに生後数年たってからモザイク型のダウン症であるとわかるケースもあるそうです。

妊娠中の検査でもわかることがあります

ダウン症は早ければ妊娠中にわかることも多くあります。妊娠10~15週頃も超音波検査で、赤ちゃんに後頭部のむくみや、手足の短さなどが見られた場合、医師からダウン症の可能性を指摘されることがあります。
ですが、それらの症状だけでは確定できないため、医師が疑いに気づいた場合は確定診断検査を受けるかどうか確認されることがあります。希望によって行う羊水検査等である程度正確な診断ができます

出生前診断の受診と問題点

血液や羊水の採取によっておなかの赤ちゃんに染色体異常があるか調べることができますが、これらの検査によって赤ちゃんの異常が全てわかるではありません。

羊水検査では子宮に針を刺して検査を行うため、妊婦さんの体にも心にも負担がかかってしまいます。(通常の妊娠でも流産してしまうことはあるため)羊水検査との因果関係はないと言われていますが、300人に1人の割合で流産をしてしまうという事実もしばしば取沙汰され懸念されています。検査など一連のストレスは、流産に何等かの影響がないとは言えないのかもしれません。

出生前診断でおなかの赤ちゃんに染色体異常が判明したときにどのような決断を出すかも問題になるため、出生前診断を受けるかどうかは夫婦でよく相談して、納得した上で行う必要性があります。

ダウン症の赤ちゃんの判断は?代表的な身体的・性格的特徴
ダウン症の赤ちゃんの判断は?代表的な身体的・性格的特徴
ダウン症の赤ちゃんに見られる身体的・性格的な特徴を紹介します。新生児のころからダウン症の判断は可能なのか、ダウン症の発症率など赤ちゃんとダウン症の関係についてです。

ダウン症とともに歩く…その後はどのように育つ?

ママと一緒におでかけして嬉しい女の子

21トリソミーを持つ子が体や知能にダウン症の特有の症状が出るのは確かですが、基本的には個性豊かな普通の子どもです。そのため子育ても特別なことを行う必要はありません。普通よりも少しゆっくり、丁寧にすればいいのです。両親が愛情をたくさん持って接することで、明るく元気に育つでしょう。

ダウン症は治らない…?『染色体異常』と治療

ダウン症は染色体異常が引き起こしますが、原因となる染色体異常についての根本的な治療方法は見つかっていません。また二次障害として起こりうるダウン症候群のうち、治療の必要がある症状に対してはカウンセリングや投薬などの対症療法が行われることとなります。

お子さんがダウン症と診断された場合は、パパやママがダウン症に対する理解を深めることが大切です。現在行われている治療には家族の遺伝カウンセリングや社会的支援、知能に合わせた教育などがあります。ダウン症の症状や特徴には個人差があるため、お子さんに合わせたプログラムを組み、社会的なサポートを受けながら共に支えあっていくことが重要です。

ダウン症の子は病気になりやすいの?

ダウン症の子は合併症にかかりやすいと言われますが、一般の子どもたちよりも少し病気の頻度が上がる程度と言われています。

病気に対して神経質になりすぎる必要はありませんが、病気にかかった場合は早期発見や適切な治療が重要になってくるため、かかりつけの病院を作っておくことは大切です。
何かおかしいと感じたときにすぐに診察することが重要であることに関しては、普通のお子さんと変わりません。

進学、そして就職にハードルは…

英語の勉強中の子ども

ダウン症の子どもたちももちろん学校に通います。地域の小中学校か、特別支援学校に通うかは選べるようです。高校には特別支援学校へ進むお子さんが多く、子供に合わせ教育や集団生活を送ることができます。

義務教育や高校過程を終えたあとは、社会に出て働いているケースも多く、19歳以上の人の74.5%は一般企業や作業所などに勤務して働いています。仕事内容は施設や作業所での軽作業を行っている方もいますし、飲食店や小売業など様々な会社、組織で活躍できます。

ダウン症を抱えつつも人生を楽しむ子は増加傾向に!

最近ではファッションが好きだけどおしゃれをする機会があまりないという問題を抱えていたダウン症の子どもたちのためにファッションショーが企画されるなど、クリエイティブな分野で活躍するなど可能性を広げています。こうした社会生活の中なら、障害と付き合いながらも友達を作って人生を楽しんでいけますよね。もともと、明るくて優しい性格をしたダウン症の子たちは、学校でも職場でもうまく溶け込めることが多いのです。

ダウン症を抱えても、本人もご家族も楽しく前向きに暮らしています

厚生労働省が2015年に行ったダウン症を持つ人を対象とした初の大規模なアンケートによると、9割以上が「毎日幸せに思うことが多い」と回答がありました。また、「父母や周りの人が自分のことを大事に思ってくれていると感じる」と答えた人は94.4%もいます。
アンケートを行った京都大学の教授は、「ダウン症のある人が楽しく前向きに生活している実態を知ってほしい」と想いを語っています

障害により日常生活の中で苦労することはもちろんありますが、ダウン症のお子さんが生まれたからこそ今のような幸せな家庭を築けたと感じているパパやママも多く、ダウン症は本人や周りの方に幸せを届けてくれるのかもしれません。

ダウン症の正しい知識を持つことが大切です

日本では高齢出産が増加していることから、ダウン症をはじめとした赤ちゃんの染色体異常を心配するパパやママが増えている中、おなかの中にいる頃から染色体異常の検査を受けることはできても、異常がわかったあと両親の決断に対して議論されることも増えています。
『ダウン症』とともに生きることが人生の足かせとなるか、というと、何も障害を持たないで生まれてくることと比べると、そうなってしまうことは多いでしょう。だからこそ両親は心配し、不安を抱えてしまうとも言えます。

覚悟は必要ですが、ダウン症は決して『ダメ』のレッテルではありません。
ダウン症を持っていると基本的に発達はゆっくりですが、両親の愛情や丁寧な関わり合いの中で、発達が促されることもあると言われていますし、それぞれ得意なことや、好きなこと、個性があり、それを活かして本人は人生を、両親は子育てを楽しんでいるケースはたくさんあります。

『障害』という負のイメージだけではなく、ダウン症はどのような原因で起こり、どのような症状や原因があるのか、ダウン症の子どもたちはどのような生活をしているのか…正しい知識を持つことが何よりも大切だと言えるでしょう。

おすすめコンテンツ