妊娠糖尿病の検査方法

妊娠糖尿病の検査項目は?血糖値の上昇を抑える生活習慣

妊娠糖尿病の検査はどんなことをするの?検査をした人、検査を必要だと言われた人、もしかしたら妊娠糖尿病なのかもしれないと不安に思う人のために、かかる費用や、検査方法、検査にあたっての注意点、診断基準など今不安に思う気持ちを解消できる知識をまとめました!

妊娠糖尿病の検査項目は?血糖値の上昇を抑える生活習慣

妊娠糖尿病の検査内容と検査結果の基準値とは?

妊娠糖尿病は目に見てわかる病気ではないので、風邪やケガのように自ら病院へ訴えて治療をするということは非常に少ない病気です。そのため、多くの妊婦さんたちが、自分が気付かぬうちに妊娠糖尿病になっているのではないか、なってしまっていて気づかなかったらどうしようと不安を抱えていることと思います。

しかし、出産までに必ずお世話になる妊婦健診では、そんな可能性をいち早く気付くための検査を実施しています。妊婦健診では赤ちゃんの様子や自分の目に見える体の変化の話などで終わり「あ、聞き損ねた!」などということもあると思います。

ここでは、妊娠糖尿病はどのような検査でわかるのか、その内容と検査を受けたあとの検査結果について掘り下げていきます。

妊娠糖尿病の早期発見するための自覚症状

妊娠中の気になることを医師に相談する夫婦

妊娠糖尿病は早期に対策できていれば、当然無事に出産を迎えることができるのですが、特に、次のような妊娠糖尿病の症状は、妊娠の初期症状と似ているため、妊娠糖尿病に気づきにくいという特徴があるため注意が必要です。

  • トイレが近くなる
  • やたらとのどが渇く
  • 急に体重が増える
  • 疲れやすくなる

何か気になることや不安に思うことがあれば妊婦健診などで医師や看護師に相談するのは大事なこと。医師や看護師に話を聞いてもらい、経過観察をして、その結果検査に進めるなどして不安を解消するのも、妊娠中には有効な健康管理の一つです。

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妊娠糖尿病になってしまう原因、なりやすい要因、症状などをわかりやすくご紹介し、診断された人、小耳にはさんで予備知識として持ちたい人など、妊娠中のママさんたちの不安を和らげるためのお手伝いをします。

妊婦健診で行われる妊娠糖尿病の2つの検査

妊婦さんに多い妊娠糖尿病を早期発見するために、妊婦健診では次の2つの検査をもとに診断を行います。(注1)

1.尿検査・血圧測定

妊婦健診で妊娠糖尿病の疑いがないか調べるために、まずは血圧測定と尿検査を行います。血圧の上昇がないか、また、尿検査ではたんぱく尿や尿糖の有無を調べます。

この尿検査で糖が検出された場合は、妊娠糖尿病の疑いがあるとされ、タンパクがでた場合は妊娠高血圧症候群が疑われます。また、一度の検査で検出されただけでは様子を見ることもあり、母子手帳にも-、±、+と項目が分かれていることが多いです。

±とはプラスで出ているが、病気ではないと見越した陽性であるという印で、この段階では妊婦本人に特に通知しないこともあります。

2.血液検査

妊婦健診では、基本的に妊娠初期・中期・後期にそれぞれ血液検査を受けることで、見えないリスクを減らすことに役立ちます。

血液検査では、次のような項目について調べます。(注2)

血液検査の目的

・血液型
・不規則抗体
・血算
・血糖
・風疹ウイルス抗体
・HTLV-1抗体
・B型肝炎、HIVなどの感染症の検査

血液検査で血糖に異常がみられた場合、妊娠糖尿病の可能性が高くなります。

こんな自覚症状を感じたら医師に相談を

体重増加やホルモンの影響により、いろいろな体調変化が起こりやすい妊娠中ですが、足のしびれ・むくみ・こむら返り・めまい・呼吸が苦しい等の症状が頻繁にみられる場合は、妊娠糖尿病の合併症を引き起こしている可能性もあるのですぐに医師に相談しましょう。

妊娠糖尿病の検査ではどんなことを調べるの?

妊婦さんのお腹の様子を検査するベテラン医師

妊婦健診の尿検査や血液検査で、妊娠糖尿病の疑いがあるとされた場合、妊婦健診とは別に次のような検査が行われます。(注3)

随時血糖検査

特に時間を決めず、通常の状態で血糖値を測る検査です。検査前の食事の制限もありません。妊娠糖尿病の診断や、血糖コントロールの目安に行われます。

空腹時血糖検査

検査当日の朝食を抜いた空腹の状態で採血し、血糖値を測る検査です。血糖値が最も低くなる状態で計測し、診断と治療結果が出ているかどうかの指標に使われます。

ブドウ糖負荷試験

ブドウ糖具負荷試験とは、ブドウ糖を口から摂取してその後の変化を調べる検査です。検査用の糖分が入ったジュースを飲んだあとで採血します。妊娠糖尿病かどうか判断するためには、次の2つの検査があります。

50gGCT(50gグルコースチャレンジテスト)

50gのブドウ糖を口から摂取した後で血糖値の測定を行います。この検査で陽性と判断された場合は、次の検査に進みます。

75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験)

75gのブドウ糖を口から摂取した後で血糖値の測定を行います。空腹時・摂取1時間後・2時間後の3回のうち、いずれかの血糖値が高い場合は妊娠糖尿病と診断されます。

妊娠糖尿病の検査を受ける時期

尿検査は、一般的に妊婦健診の度に行われます。また、血糖検査は妊娠初期(母子手帳をもらう10週前後が多い)と妊娠中期(24週から28週の間)にすべての妊婦さんが行います。

50gGCTは主に妊娠中期に行われるのに対して、75gOGTTは、50GCTで陽性が出た場合のほか、あきらかに妊娠糖尿病になりやすい体質と判断された場合は、妊娠初期でも行われることがあります。

妊娠糖尿病と診断される基準

聴診器でお腹の赤ちゃんの様子を見る医師

尿検査は母子手帳に毎回検査結果“-、+、±”を書く欄がありますので、自分でも毎回確認しやすいのですが、血液検査、糖負荷検査の結果ってどう見るの?と分からないままの人もいると思います。

ここでは検査の内容と判断基準値について解説します。(注3)

1.スクリーニング検査

妊娠初期の随時血糖検査で95mg/dl以上、妊娠中期の50gGCTで血糖値が140mg/dl以上だった場合、スクリーニングが陽性と診断されます。

スクリーニングとは、妊娠糖尿病かもしれない人とそうでないかを振り分けるために行う検査です。この検査で陽性と診断された場合は、次の検査に進めます。

2.妊娠糖尿病の診断のための検査

スクリーニング検査で妊娠糖尿病の疑いがあると判断された場合、75gOGTTを行い、検査前の空腹時に92mg/dl以上、1時間後180mg/dl、2時間後153mg/dl以上のうち、いずれか1項目以上が該当した場合、妊娠糖尿病と確定診断されます。

妊娠糖尿病の検査では、確定診断前の検査で陽性が出てしまう人が少なくありません。妊娠中のママの体はホルモンの関係で非常に血糖値が上がりやすい状態になっているので、食事の内容、または精神状況で血糖値が高いという検査結果が出てしまうことがあります。

再検査となってしまった場合は、決して悲観的にならずに自分にできることは何かを考えて実践していくことが大事です。

再検査までに心がけること

再検査まで、どのくらいの期間が開くかは、産院によっても異なるところですが、1週間前後の場合が多いようです。では、その1週間前後で、再検査に引っかからないために何ができるのでしょう?

血糖値をあげない生活が第一となるわけですが、そのために最も有効的なのは食事管理です。日頃、自分が何を食べているのか、そしてその食べているものが体にどう作用しているのかを考えながら食事をしている人は、それほど多くないと思います。

再検査までの間は、食事の量を極端に減らすことは避け、糖質と塩分を控えたメニューを食べましょう。

糖質は、ごはん、パンなど主食にあたるものが多いですが、極端にさけることはせず腹八分目にして、妊娠中に必要な栄養素を含む主菜などを多く摂取することが大切です。ついつい手が伸びがちな甘いもの、しょっぱいものを控えるだけでも妊娠糖尿病の予防には効果があります。

また、運動は血糖値を下げる効果があるため、運動不足が気になるママは積極的に体を動かすのも良いですね。

ストレスが検査結果に悪影響を与えることも?

人間の身体では、精神状況と身体状況が密接な関係しているため、ストレスを抱えると辛いと感じるのはもちろん、そのストレスに反応して交感神経が活発になり、血糖値を上昇させるホルモンを分泌させます。それにより、検査結果を陽性にしてしまうこともあるため注意が必要です。

なかなか難しいでしょうが、検査の前は過度のストレスを抱えないようにし、リラックスすることを心がけることも大事です。

妊娠糖尿病の検査費用

妊娠糖尿病の検査費用を貯金する妊婦さん

妊娠糖尿病の疑いがあると診断された場合は検査へと進みますが、妊婦健診では助成券を用いても何かと実費がかかります。生まれてくる赤ちゃんのための可愛い洋服や便利グッズなどいろいろそろえたいと思うと、費用が心配なママも多いのではないでしょうか。

ここでは、そんな気になる妊娠糖尿病の検査費用について解説します。

尿検査の費用

体重測定やエコーなどとあわせて助成券を使って1,000円から2,000円以内でおさまることが多いです。特別な検査がなければ、自治体によっては無料になるところもあるので、心配なママは問い合わせてみましょう。

糖負荷試験の費用

2,000円から5,000円の間での、3,000円前後が一般的なようです。万が一、妊娠糖尿病の疑いがあって、ブドウ糖負荷試験を受ける場合は保険の適用になります、安くなる傾向があります。

しかし、スクリーニング検査などの場合は自由診療となりますので、病院や地域によって金額が異なります。産院に問い合わせれば教えてもらえるので、試験の前に効いておくのがベターかもしれません。

妊娠糖尿病で入院が必要になるケースとは

最初の糖負荷試験自体は、入院して行われることはあまりありませんが、妊娠糖尿病の確定診断でもある75gOGTTで陽性が出た場合は、詳しい血糖検査を管理入院の元で行うことがあります。

より正確な数値を測るために、病院の用意したカロリーを調節された食事を摂って、検査をします。2~3日の入院が一般的で、こちらも保険が適用されます。平均的には5万円以内におさまるケースがほとんどです。

もし、検査入院から治療を目的とした入院になり、日数が伸びる場合は「限度額認定証」の申請をしておけば、自己負担額が高額になった場合でも、入院費を低く抑えられます。入院と聞くと気も滅入るかもしれませんが、出産に向けて万全の態勢で挑むための機会と考え、病院の食事を参考にするなど、退院してから活かせることを前向きに考えましょう。

検査前の食事の注意点

尿検査、血液検査の場合は、特に食事について言及されませんが、検査の前日の夕食によって結果が陽性か陰性か分かれることがあるため、血糖値をあげる食材を控えた方が無難です。特に、妊娠中はつわりや好みの変化で栄養が偏りがちになるので、甘い物やファストフードなどは控えましょう。

妊娠糖尿病と診断された場合の処置について

妊婦さんのお腹回りの検査をする看護師

残念ながら妊娠糖尿病と診断された場合、ショックを受けてしまうかもしれませんが、生まれてくる赤ちゃんを安産で迎えられるように、ここで紹介する改善方法を試してみましょう。

1.食餌(食事)療法

病院から指導してもらった食事管理を徹底的に守りましょう。基本的には糖質を減らして、自分に必要なカロリーを遵守しつつ、食事を1日に5~6回に分ける分割食が推奨されています。

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2.運動療法

妊娠中の運動療法としては、負担が軽いウォーキングがおすすめです。食事が終わった30分後に15分間程度ウォーキングをすると、食後の血糖値上昇を抑えることにつながります。パパや妊娠中のママ友とお話ししながら、楽しく血糖値を抑えましょう。

3.薬物療法

妊娠中は胎児への影響を考えて、血糖値をコントロールするためにインスリンを使った治療が行われます。自分でお腹にインスリン注射をするのが一般的ですが、チクッとする程度なのでそれほど痛くはありません。

食餌療法や運動療法だけで数値が改善する人もいれば、薬物療法と並行していく人もいます。自分の担当のお医者さんと十分に話し合って、適切な治療を受けましょう。

放っておくと難産のリスクが高くなることも

妊娠中に血糖値が高い状態が続くと、お腹の赤ちゃんが高血糖になることで巨大児になる可能性があります。巨大児とは出産時の体重が4000g以上の赤ちゃんのことで、巨大児の出産では分娩に時間がかかる、赤ちゃんの肩がひっかかって出られないなど、難産のリスクが高くなります。

また、妊娠糖尿病の合併症により早産の可能性も高まることから、産院とコミュニケーションをとりながら治療を受けて、健康な赤ちゃんを無事に出産することを目指しましょう。

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数字を意識するだけでなく体調の変化に気を付けた自己管理が大切

妊娠糖尿病の可能性がある場合や陽性と診断された場合、どうしても血糖値の数字が気になって、食事を極端に減らしたり、無理に運動をしてみたりと、数値を下げることを意識しがち。それにより、好きなものを好きなように食べられないストレス、数字が下がらないストレスなどを抱えると、更に血糖値をあげかねない状態にもなります。

また、行き過ぎた食事制限や運動療法は、ママの体だけでなくお腹の赤ちゃんにも悪影響を与えることから、無理をしすぎていないのか、体調の変化はないかなど気にかけることが、健やかな妊娠生活には欠かせません。

治療や検査の数値はもちろん大事ですが、まずは一番大事な自分の体の声に耳を傾け、産院とコミュニケーションをしっかり取りながら、出産というゴールを目指していくことが大事です。

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