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泣き入り・ひきつけの症状や特徴

泣き入りひきつけを起こしやすい子の特徴と正しい接し方

泣き入りひきつけは、乳幼児が激しく泣くことで呼吸が止まり、体が痙攣してしまう症状です。多くは生後6ヶ月~3歳未満の子に起こりますが、新生児でも発症の可能性はあります。泣き入りひきつけの原因やなりやすい性格、ママたちの対処法や予防のための心構え、病院受診のポイントをまとめました。

泣き入りひきつけを起こしやすい子の特徴と正しい接し方

生後6ヶ月~2歳までに多い「泣き入りひきつけ」

生後6ヶ月~3歳未満の乳幼児はひきつけ(痙攣)を起こすことがよくあります。
初めてその症状を見たママやパパはかなり驚き、慌ててしまう事でしょう。ひきつけの多くは命に別状はなく、1分以内で治まるようであれば発達への影響はなく、脳への影響もほとんどありません。

今回は赤ちゃんが大泣きしたときに起こる「泣き入りひきつけ」について紹介し、その原因と対処法を解説します。

泣き入りひきつけとは?

ギャン泣きでひきつけを起こしそうな赤ちゃん

主に生後6ヶ月から3歳くらいまでのこどもに起こる反射性の疾患の一つで、全体の4~5%のこどもに現れる比較的多い症状です。
何か怖いことや、痛いことなどがきっかけで激しく強く泣き出し、その後に呼吸停止や手足の痙攣、全身の痙攣、意識喪失などの症状が起こります。
全身を大きく後ろに反らせる「後弓反張」といった行動や顔色や唇の血色が青くなる「チアノーゼ」という状態にもなる場合もあります。

憤怒痙攣(ふんぬけいれん)ともいい、年齢が上がるにつれて自然とこのような症状は減少し、やがてなくなっていきます。脳波に異常も見られないため一過性の疾患だと言われています。

泣き入りひきつけの症状

泣き入りひきつけの症状は「青色失神」と「白色失神」という2つのパターンに分けられます。
どちらも発作の起こっている時間は1分以内で治まることが多く、脳や成長へ影響を与えることはありません。発熱などの症状もなく、脳波や画像検査をしても異常は見つかりません。

青色失神

泣き入りひきつけの症状のほとんどは青色失神です。
かんしゃくを起こして激しく泣くことで、呼吸が通常通り行われず無呼吸となってしまうことで、身体が硬直状態になったり、手と足を突っ張りガクガクと震えたり、反り返ったりする痙攣症状を引き起こします。

他にも、顔色が悪くなる、唇の色が青くなる、全身がぐったりとしている、白目をむいているなどの症状がみられるこどもあります。

白色失神

稀なケースとして白色失神があり、「怖がりな子」や「繊細な子」に多く見られます。
普段と違った大きな音を聞いたり、思いもよらないところでぶつかったなど、突然の出来事に驚いたり、強い痛みを感じた時に、恐怖心から興奮状態に陥ります。

興奮状態になったことで迷走神経反射と呼ばれる現象が起きます。これは自律神経のバランスが崩れたことにより血圧や心拍数が急激に低下する状態と言います。
この時、赤ちゃんはほとんど泣くこどもなく泣き入りひきつけを起こします。突然心拍が停止してしまったことで、脳血流が急激に減少するために全身に痙攣の症状が出てきます。

泣き入りひきつけを起こす頻度と症状の重さ

ひきつけ症状がひどく医師に相談するママ

泣き入りひきつけ起こす頻度はこどもにより個人差があります。
毎日のように泣き入りひきつけを起こす子もいれば、月に1度だけの子もいます。症状が激しくても回数の少ない子、症状は軽いが回数は多い子など、症状の重さと起こる頻度は比例していません。

新生児でも泣き入りひきつけを起こすことはある

生後6ヶ月からの乳幼児に多い症状ではありますが、新生児など6ヶ月未満の赤ちゃんでも泣き入りひきつけを起こすことがあります。
この場合、以下のような赤ちゃんの要求が満たされないときに起こることが多いようです。

  • とても眠たいけれど眠れない
  • お腹が空いているのにミルクがもらえない
  • 母乳の出が悪くて空腹が満たされない

生まれたばかりの赤ちゃんは泣くのが仕事というくらい泣きますし、赤ちゃんがどうして泣いているのか判断するのは新米ママたちにとってはかなりハードルが高く、「もしも泣き入りひきつけを起こしたら…」と考えたら不安な気持ちになりますよね。しかし、泣き入りひきつけは病気ではないので過度に恐れる必要はありません。

泣き入りひきつけを予防するためには、欲求不満の解消だけでなく、激しい泣きになる前に気を紛らわせてあげることも有効です。赤ちゃんが好きなおもちゃや遊びなどを見つけておくとよさそうですね。

泣き入りひきつけの原因と起こしやすい性格

泣くと過呼吸気味になる赤ちゃん

年齢と共に減少をするとしても、目の前で何度も泣き入りひきつけを起こす姿は見たくありませんよね。「泣き入りひきつけを起こすほど泣かせるなんて…」と自分自身を責めてしまうママもいますが、責める必要はありません。
泣き入りひきつけの起きる原因と起こしやすい性格について紹介します。

「自分の気持ちを伝えたい!」と泣くことがひきつけの原因に…

泣き入りひきつけは「憤怒痙攣」という呼び方もあるくらい、多くの場合は赤ちゃんが激しく泣いたときに起こるものです。
赤ちゃんは言葉の代わりに泣くことで自分の欲求を伝えており、これはごく自然なことです。

泣く強さは感情や不快感、欲求の強さにより変わってきます。不満や驚きの度合が大きい時にはその分、一生懸命泣いてママに訴えようとします。
しかし、激しく泣くあまり呼吸が上手にできなくなり、一過性の低酸素状態を招き、ひきつけをおこしてしまうのです。

また、産まれて間もない赤ちゃんの場合、脳の発達が未熟な状態にあります。そのため、脳が刺激に対処できず、脳細胞が異常に興奮をして痙攣が起こってしまいます。

泣き入りひきつけをおこしやすい性格

赤ちゃんや乳幼児は誰でも泣くことで自分の気持ちを伝えていますが、ひきつけを起こしやすい性格というのは存在します。

青色失神を起こしやすいこどもの性格として、感情の起伏が激しい、我が強い、かんしゃくを起こしやすいといった性格の傾向があります。
こういった子はママやパパに叱られた時などに泣き出し、かんしゃくを起こしても要求が満たされないとさらに強い泣きに発展し、泣き入りひきつけが発症してしまいます。

白色失神を起こしやすいこどもの性格として、怖がりであったり、臆病であったり、繊細なこどもに起こりやすい傾向にあります。大きな音に驚く、突然の痛みにビックリしたなどが原因でひきつけが起こります。

「かんしゃく」を起こすのは悪いこと?

かんしゃくとは、こどもの成長による変化に伴って起こる自己表現です。赤ちゃんは成長することで様々な欲求が芽生えてきます。

ママやパパの真似をして「やりたい!」「触りたい!」という欲求を「危ないからダメ」と離されたり、ママと遊びたいのに遊んでもらえなかったりと自分の欲求が満たされないとかんしゃくを起こしてしまいます。

かんしゃくは赤ちゃんの心が育っている証です。
泣き入りひきつけは確かに心配ですが、「我が強く、かんしゃくを起す子」が決して悪い子ではなく、直さないといけない性格ではありません。
言葉の発達とともにかんしゃくを起こすこともきっと減ってくるでしょうから、ママたちはどうか温かい心で見守ってあげてください。

泣き入りひきつけは遺伝する?

泣き入りひきつけは、遺伝的素因があるといわれています。
家族内での発生は約30%認められ、高い割合で発生していますので、もし赤ちゃんから見て遺伝的に近い人が乳幼児期に泣き入りひきつけを発症したことがある場合は、対処法などを予習しておいたほうがよいかもしれませんね。

泣き入りひきつけと自閉症の関係

自閉症のこどもは自分の気持ちや物事を上手く伝えられないことが多く、かんしゃくを起こしやすい傾向にあります。そのため、自閉症の子供は泣き入りひきつけを起こしやすい要因があると考えられています。

しかし、小さい頃は、自分の欲求と言語能力の差に対するもどかしさをほとんどの子供が抱えているものです。過度な心配する必要はありません。

てんかんとの大きな違いは痙攣が起こる状況

ひきつけを起こすとてんかんではないかと心配する方が多くいます。てんかんの発症は人口の1%程度と多くはありませんが、乳幼児期に発症することが多い病気です。
泣き入りひきつけとてんかんを見分けるポイントは、どんなときにひきつけ(痙攣)が起こったかです。

てんかんとは、発作を繰り返す脳の病気で、脳の神経細胞に突然発生する過剰な放電によって発作を起こします。
小児の頃に発症するてんかんには様々な症状や種類、原因があります。
激しいひきつけを伴う場合や体の一部がピクピクと動く程度のけいれんなど、年齢と共に症状が軽減するものから長期にわたって治療が必要な場合などがあります。
しかし、てんかんの場合、発作は激しく泣くときではなく、普通にしている時、寝ている時にも起こります。

泣き入りひきつけの対処法

ミルクが気に入らないためギャン泣きする赤ちゃん

成長、言語能力の発達に伴い、泣き入りひきつけを起こす回数や症状は自然に消滅していくので治療が必要になることはありません。
泣き入りひきつけを起こした際は、意識が早く回復するように対処をする必要があります。こどもを落ち着かせて、その後の様子を見守ることが大切です。

泣き入りひきつけを起こした際の対処法

泣き入りひきつけを起こした時は冷静に対処しましょう。泣き入りひきつけであれば1分以内に収まるので、時計を確認し安全な場所で身体を横にしてあげましょう。

  • 横になるなど安静を保つ
  • 顔色が悪い時は衣類を緩めてあげる
  • 子供の気持ちを落ち着かせるように優しく声をかける

対処の際の注意点

突然泣き入りひきつけを起こされると驚いてしまい、つい揺さぶったり、大きな声を出したりしてしまいますが、逆効果だったり悪化させてしまったりします。
過去にはひきつけを起こしたら「舌を噛んでしまわないように」と口の中にタオルなどを入れるといった考えがされていましたが、ひきつけを起こしている間は舌を噛むことはありません。注意点を紹介します。

  • 窒息の恐れがあるので、口元をおさえない
  • 頭蓋内出血になるので、泣き止ませようと激しく揺さぶらない
  • 泣き入りひきつけを起こしている間は口の中に食べ物や箸を入れない
  • 呼吸停止が起こっていても人工呼吸などの蘇生処置はしない
  • 意識を戻そうと大きな声を出して叩いてはいけない

泣き入りひきつけで病院を受診した方が良いケース

泣き入りひきつけは病気ではないので治療法はないのですが、やはり初めて泣き入りひきつけを見た時は心配ですよね。初めての発作があった時は、念のため1度病院を受診すると安心です。

問診の内容

  • 出生時に関する問診(出生体重/産まれてすぐ泣いたか/満期産だったかなど)
  • 成長に関する問診(発達の様子や時期/大きな病気の有無/熱性けいれんの有無など)
  • 発作の様子(発作の始まり方/発作中の様子や変化/発作の終わり方/発作後の様子など)

かかりつけ医に相談するべき症状

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次のような症状がある場合、泣き入りひきつけではない何か違う病気の可能性もありますので小児科に相談しましょう。

  • 泣き入りひきつけの時間が長い(1分以上続く)
  • 泣き入りひきつけの起こる頻度が急激に多くなった
  • 意識障害が起こる
  • 筋肉がピクピクと動くような症状が出ている

緊急性のある症状

泣き入りひきつけを起こしている子でも救急性を要する場合もあります。

  • 1分以上息ができていない状態
  • 顔面蒼白状態

このような症状が見られた場合は、救急車を呼んで病院受診をするようにしましょう。

泣き入りひきつけをする子の予防接種は可能どうしたら?

予防接種の問診票には「1ヶ月以内に痙攣をおこしたか」の記載があります。
痙攣の内容によっては2~3ヶ月の期間を空けなければいけない場合もあります。しかし、泣き入りひきつけを頻繁に起こすような子の場合、間隔を空けることが難しいこともあります。また、予防接種を嫌がるあまり、その場で泣き入りひきつけを起こす可能性も考えられます。
医師にとっては泣き入りひきつけはよくある、心配のいらない症状です。かかりつけ医の先生と相談して、予防接種のタイミングや方法を検討しましょう

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泣き入りひきつけの予防策・ママやパパの心がけ

子供に優しく接するパパとママ

泣き入りひきつけは心配のいらない症状とはわかっていても、できるなら防ぎたいもの。
予防法はあるのでしょうか?

叱り方に注意して!

泣き入りひきつけを予防するためには、ひきつけが起こるほど激しく泣かせないという方法があげられます。

まずは、叱り方に注意をしましょう。
大人にとっては「悪いこと」でもこどもにとっては「遊びの一環」であったり好奇心から起こした行動であったりする可能性が高いものです。そのため、突然大きな声で怒られることはこどもにとっては予期せぬ出来事で、ひきつけを起こしやすくなります。
落ち着いた声で目を見て「それは危ないから触っちゃダメだよ」と叱るのではなく、伝えることで注意をしましょう。

また、言語の意味が少しずつ理解できるようになってくると、繰り返し責められるような言い方をされると傷つきパニックになることもあります。
もちろんどんなときにかんしゃくやパニックを起こしやすいかは個人差がありますので、こどもの様子を見ながら対処する必要があります。

過保護や甘やかしはNG

泣き入りひきつけを起こさないために、とにかく泣かさないようにしなくてはと考えた結果、過保護や甘やかしになってしまうケースがあります。わがままだと分かっていながらも、泣かせないようにしようとするあまり許してしまったり、注意をしなかったりします。

しかし、これは結果的に泣き入りひきつけを悪化させる場合があります。
こどもは普段から何でも許され、何でも聞いてもらえるものと学習してしまい、「泣けば自分の主張が通るもの」と思ってしまうのです。

ママやパパには許されるこども、保育園や学校の同世代の子達には許されなかったり、先生に叱られたりしてこどもは「何がいけないのか」理解ができず、社会への適応も遅れてしまうこともあります。

激しく怒鳴りつけたりすることはNGですが、必要以上に甘やかすのではなく、こどもにどうしてダメか伝える、理解させるという根気を持ちましょう。

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保育園・幼稚園選びは「泣き入りひきつけの対応」も考慮

何が引き金になって起こるのか分からないので、保育園や幼稚園への入園が心配なママやパパは多いでしょう。
最初は見慣れない場所に泣いてしまったり、預けている間に泣き入りひきつけを起こすこどもあるかもしれません。経験の浅い保育士の場合は、まだ症状を見たことが無い場合もあります。

入園前の面談の際に「泣き入りひきつけを起こすことがある」ときちんと伝えましょう。頻度や症状、起こしやすい状況を伝えることで保育園や幼稚園側も対処がしやすくなります。

保育園や幼稚園の選び方として、保育士の目が届きやすいような施設、家庭と環境が似ている施設、対処の経験のある保育士がいるかなど、「泣き入りひきつけの対応」も選び方の基準に加えて検討してはいかがでしょうか。

泣き入りひきつけを起こしてしまった子の気持ちに寄り添おう

1分ほどで治まると理解をしていても、泣き入りひきつけは見守ることしかできないママにとっても辛い症状です。

「苦しそうで何とかしてあげたい」「育て方が悪いのか」など不安でいっぱいになってしまいます。しかし、赤ちゃんは大好きなママに自分の気持ちを一生懸命伝えようとした結果として、泣き入りひきつけを起こしてしまっただけなのです。

慌てないで冷静になり、症状が治まった赤ちゃんに優しく声をかけてあげましょう。