ひきつけSOS!慌てない対処法

ひきつけが起こったら…知っておきたい子供の痙攣の対処法

ひきつけの意味をご存知ですか?痙攣やてんかんとは何が違うのでしょう?そんな、ひきつけについての疑問を解決するために、ひきつけの原因や症状のほか、発作が起こった時の対処法についてご紹介。すぐに救急車を呼ぶ必要がある場合と、そうでない場合の違いについても分かります。

ひきつけが起こったら…知っておきたい子供の痙攣の対処法

ひきつけの症状とは?とっさの時のひきつけ対処法

初めて子供がひきつけを起こしたという時、たいていのママは気が動転して、どうしたらいいのか分からなくなってしまうのではないでしょうか?そんな時、冷静に対処するためにも、ひきつけについての知識を身につけておくことが大切です。

そこで、ここではひきつけの原因や症状のほかに、どのように対処したらいいのか?また、病院に連れて行くタイミングなどについてご紹介。苦しんでいる子供を目の前にして、オロオロすることのないよう、ひきつけのことを詳しく知っておきましょう。

ひきつけの意味とは?痙攣やてんかんとの違い

赤ちゃんのひきつけの原因を調べるママ

子供がひきつけを起こした場合、すぐにひきつけと判断するのは難しいのではないでしょうか。というのも、ひきつけと似たような言葉に、「痙攣(けいれん)」「てんかん」があることから、どれがどんな症状なのかよく分からない…というママは多いことから、ここではまず、それぞれの意味の違いについて解説しておきます。

「ひきつけ」とは、一般的に子供にみられる症状を表す言葉で、全身で起こる痙攣を指すことから、多くの場合は痙攣と同義として扱われます。また、痙攣は自分の意思とは関係なく起こる、全身または体の一部の筋肉の収縮のことで、手足などの筋肉のほか、脳、せき髄、末梢神経などでも起こります。(注1)

それに対して「てんかん」とは、脳の神経細胞が異常な電気活動を起こすことによって、意識を失うなどの「てんかん発作」を繰り返す病気のことをいいます。てんかんは原因によって、頭部外傷や脳腫瘍のような何らかの脳の異常によって起こる「症候性てんかん」と、原因が特定できない「突発性てんかん」の2種類に分けられます。(注2)

ひきつけの5つの原因と症状

ひきつけでギャン泣きする赤ちゃん

ひきつけや痙攣について詳しく分かったところで、次になぜひきつけが起こるのか?その原因についてみていきましょう。それぞれの具体的な症状を知っておくと、いざという時に対処しやすくなります。

1.熱性けいれん

熱性けいれんとは、風邪などの感染症によって、38度以上の発熱がみられた際におこる発作性の病気です。全身のつっぱりの後、手足がガクガク震える「硬直性間代性けいれん」が左右対称に起こるのが特徴で、「白目をむく」「顔色が悪い」「意識を失う」などの症状がみられる場合もあります。(注3)

ほとんどの熱性けいれんは5分以内に発作が治まります。また、熱性けいれんの再発率は3割ほどのため、半分以上の子供は、熱性けいれんを起こすのが一回程度だといわれています。

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2.てんかん

てんかん発作のタイプによって、ひきつけの症状がみられる場合があります。てんかんは、異常が起こる脳の位置によって、目や手、全身などで、さまざまな発作がみられることから、ひきつけのように全身が硬直する硬直発作のほか、体の力が抜ける脱力発作、全身や一部の筋肉がピクッと収縮するミオクロニー発作が起こります。(注2)

子供が発症するてんかんには、限られた期間に発作がおこる良性の突発性てんかんのほか、重篤な高機能障害が起こる難治性の症候性てんかんがあることから、てんかん発作がみられる場合は、原因を特定することが大切です。

3.泣き入りひきつけ

泣き入りひきつけとは、激しく泣くことにより呼吸が正常にできなくなって、手足や全身の痙攣のほか、呼吸停止や意識喪失などの症状が起こることで、噴怒痙攣(ふんぬけいれん)とも呼ばれています。ほとんどの場合、発作は1分以内に治まることから、呼吸がしやすい姿勢にする、衣服を緩める、優しく声をかける等をして、子供が落ち着くのを待ちましょう。

ただし、1分以上呼吸をしていない場合や、顔や唇の色が悪くなるチアノーゼを起こしている場合は、すぐに救急車を呼ぶ必要があります。

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4.髄膜炎

髄膜炎とは、脳を包んでいる髄膜で炎症が起こる病気で、38度以上の高熱や痙攣症状、頭痛、嘔吐などの症状のほか、赤ちゃんの頭頂部の大泉門に盛り上がりがみられる場合があります。髄膜炎は、原因によって次の2つのタイプに分けられます。(注4、5)

1.細菌性髄膜炎の原因
  • 新生児~生後3ヶ月:B群レンサ球菌、黄色ブドウ球菌、リステリア菌など
  • 生後3ヶ月~5歳頃:ヒブ(ヘモフィルス インフルエンザ菌b型)、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌
  • 6歳頃~20代前半:肺炎球菌、ヒブ、髄膜炎菌

リステリア菌は、生ハムやスモークサーモン、殺菌処理していないチーズ、明太子、たらこなどで増殖することから、妊娠中の妊婦さんはそれらの食品を控えることで母子感染を防ぎましょう。

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2.無菌性髄膜炎の原因

エンテロウイルスやインフルエンザなどのウイルス、細菌、カビ、マイコプラズマ、寄生虫、川崎病など

エンテロウイルスは、子供に多い手足口病やヘルパンギーナの原因となるウイルスのため、感染にはくれぐれも注意が必要です。また、髄膜炎の原因となるヒブや肺炎球菌、麻疹・風疹、水痘などの病気は、予防接種で防ぐことができるため、規定の月齢・年齢に達したら忘れずに受けましょう。

5.脳炎

脳の周りの髄膜で炎症がみられる髄膜炎に対して、脳炎とは脳に炎症が起こる病気で、38度以上の高熱や痙攣などのほかに、意識障害や高次機能障害などがみられるのが特徴です。エンテロウイルスやアデノウイルス、インフルエンザなどのウイルスのほか、マイコプラズマなどのさまざまな病原体が脳炎の原因になります。(注6)

その中でも、蚊によって日本脳炎ウイルスに感染して起こる日本脳炎は、感染すると重篤化することから、生後6ヶ月から公費でワクチンの接種が受けることができるのです。特に、東南アジアなど地域は感染の恐れがあることから、現地を訪れる場合は早めに予防接種を受けて、感染を防ぐ必要があります。

突然のひきつけ!周りの大人がすべきことは?

赤ちゃんを抱っこしてなだめるママ

小さな子供が初めてひきつけを起こしたら、びっくりしてパニックに陥ってしまうママやパパは多いはず。しかし、特定の病気が原因でない限り、数分程度のひきつけなら後遺症の心配はいらないことから、次のような手順で冷静に対処することが大切です。

1.まずは落ち着く

大切なことは、周りの大人が絶対に慌てないことです。ひきつけは5分程度で治まることから、ひきつけが治まったらすぐにでも対応ができるように、心の準備をしておきましょう。

2.仰向けに寝かせて顔を横向きにする

次に、子供を安定した場所に寝かせて、顔を横向きにします。その際、発作によって暴れる可能性があるため、ケガをしないよう周囲の物はどかす必要があります。そして、洋服の首元やお腹のあたりを緩めて、呼吸しやすい体勢を整えましょう。その際、舌を噛まないようと口に物をくわえさせる必要はありません

3.ひきつけの症状をチェックする

子供がひきつけを起こした際、「何かしないと!」と焦って抱き上げたり、体を揺すったりするのはNGです。外から刺激を与えて症状がひどくなる場合があるので、あえて何もせず、病院で診察を受けた時に子供の様子をきちんと説明できるよう、次のようなことを書き留めておく必要があります。

ひきつけが起こった時の確認ポイント
  • 呼吸の状態、顔色、目の動きを確認する
  • 手足の動きは左右対称か?非対称か?
  • ひきつけが続いた時間はどれくらいか?
  • 意識はあるか?朦朧としているか?
  • 痙攣後に嘔吐や頭痛などの症状はないか
  • ひきつけが治まった時の体温は何度か?

4.吐いたら体を横向きにする

もし吐いてしまったら、吐いた物が気管をふさがないように、すべて吐き出させる必要があります。口の中に異物が残っていないか確認し、口の中を濡れたガーゼで拭いてあげるといいでしょう。また、吐いたら後は楽な姿勢をとらせ、呼吸の状態を確認します。

もしも、感染症に感染している恐れがある場合は、家族への二次感染を防ぐために、汚れた衣類をビニール袋に入れ、汚れた場所をきれいに消毒しておくと安心です。

5.ひきつけがおさまったら熱を測る

ひきつけがおさまったら、発熱の有無を確認するために体温を測っておきます。病院で診断を受ける際に、熱性けいれんかどうかを判断するための要素になるのです。そして、意識がはっきり戻ったか確認して、優しく声をかけてあげましょう。

ひきつけで病院に行くタイミングとは

赤ちゃんのひきつけの原因がわからないママ

ほとんどの場合、ひきつけの発作は5分程度でおさまりますが、次のような症状がみられる場合は、2時間以内に医療機関を受診する必要があります。(注7)

  • これまでに何回もひきつけを起こしている
  • 発作が治まった後も不機嫌
  • ひきつけなのかよく分からない
  • 病院で処方されたダイアップなどの座薬が切れた

救急車を呼ぶ基準は?

子供がひきつけを起こした場合、発作が30分以上続く「痙攣重積」を防ぐ必要があることから、5分以上続く場合は、救急車を呼んだ方がいい場合もあります。また、次のような場合はすぐに救急車を呼ぶ必要があります。

緊急受診が必要な子供の状態
  • 呼吸をしていない、脈がない
  • 冷たくなっている
  • 意識がない
  • 呼びかけに応じない
  • 顔色や唇の色が紫色になっている
  • 冷や汗をかいている
  • 最近、頭を強打した
  • けいれんが止まらない
  • けいれんが左右非対称
  • 興奮して暴れている

救急車を呼んだら、お金のほか、保険証、診察券、お薬手帳、母子手帳を用意しておきましょう。そのほかに、紙オムツ、タオル、飲み物等を持っていくと役に立つかもしれません。

子供がひきつけを起こした日の過ごし方

大の字になり泣く赤ちゃん

ひきつけを起こした日はいつものように過ごしても大丈夫なのでしょうか?
特に症状が安定しないうちは、誤った過ごし方でまたひきつけが起きるのでは?と不安になることもあります。気になる食事、お風呂、日中の過ごし方などについて解説します。

食事

ひきつけを起こした日でも意識が戻って、機嫌が良ければ、いつもと同じように食事をさせても構いません。しかし、食欲がないようであれば、無理に食べさせるようなことはせずに、おかゆやうどん、プリンーなどの、のどごしがいい物を食べさせるようにしましょう。

特に、嘔吐や下痢がみられる場合は、脱水症状をおこさないよう水分補給が必要です。

遊び

熱が引いて子供の機嫌が良ければ、外に散歩に行く程度なら問題ありません。しかし、あまり激しい運動は控えたほうがいいため、発作が起きてから1~2日は、お家の中で安静に過ごせるような環境を整えてあげましょう。

お風呂

熱が下がって2日程度経ち、下痢や嘔吐がおさまったらお風呂に入れても大丈夫でしょう。その際は、体への負担を抑えるために、熱いお風呂は避け、短時間で入浴を済ませる必要があります。また、寒い季節は湯冷めしないように、十分注意しましょう。

保育園や幼稚園

発熱や嘔吐、下痢などが続くようなら、ひとまず休ませましょう。また、登園させる際には、ひきつけを起こしたことをきちんと伝え、発熱したときには早めに連絡をもらえるように頼んできましょう。また、病院から薬が処方された場合は、薬を預けておくなどして、園で対応してもらえる体制を整えておくと安心です。

ひきつけが起った後の注意点

ママにしがみつく赤ちゃん

一度ひきつけを起こすと、また起こるかもしれない…と不安になってしまいますね。そんな時は、家族やかかりつけ医としっかり相談して、次のような対処法を決めておくといいでしょう。

薬を処方してもらう

子供が一度ひきつけを起こしたら、熱性けいれんの再発を防ぐために、かかりつけ医に小児用抗けいれん剤の座薬を処方してもらうと安心です。抗けいれん剤は、子供の体温が37.5度を超えた場合に使用することで、熱性けいれんを防ぐことができることから、熱があるかな?と思ったら、こまめに体温を測りながら、様子をみる必要があります。

予防接種のスケジュールを見直す

1歳前後は予防接種のスケジュールが目白押しですが、ひきつけを起こした場合は予防接種をしばらかくの間、控えなければなりません。厚生労働省の「予防接種ガイドライン」では、熱性けいれんと診断された場合は、予防接種を受けるまでに2~3ヶ月の観察期間が必要だとされていることから、もしも、予防接種の予定を立てている場合は、少なくとも2~3ヶ月は先送りにする必要があります。

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子供がひきつけを起こしたら冷静に対処することが重要

子供がひきつけを起こすことは、決して珍しいことではありませんが、いざ我が子がひきつけを起こしてしまうと、びっくりして慌ててしまうことでしょう。だからといって、ただオロオロとして何もしないというわけにはいきません。

パパやママが慌ててしまうことで症状が悪化してしまうため、いざひきつけを起こした時に冷静に対処できるよう、正しい対処方法を身につけて、スムーズに対応できるようにしておきたいですね。

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