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母乳性黄疸の原因や症状

母乳性黄疸とは?母乳育児中のママが知っておきたい病気

母乳性黄疸って知っていますか?生まれたての赤ちゃんの黄疸は珍しいことではありませんが、完全母乳の場合、黄疸が長引くことがあります。いつまで黄疸が続くと危険なのか、母乳性黄疸になってしまったら母乳はやめるべきなのか、症状や原因、治療法や母乳性黄疸と間違えやすい病気を紹介します。

母乳性黄疸とは?母乳育児中のママが知っておきたい病気

母乳性黄疸とは?完全母乳育児中のママに知っておいてほしいこと

「母乳性黄疸」という言葉を聞いたことのあるママはいますか?あまり馴染みのない言葉かもしれませんね。
それなら「新生児黄疸」はどうでしょう?
真っ赤な顔で生まれてきた赤ちゃんは、生後2~3日のうちに皮膚や目が黄色っぽくなることがあります。これは赤ちゃんにはよくある、心配のいらない症状で「生理的黄疸」ともいわれています。

しかし、母乳だけを飲んでいる赤ちゃんは、この新生児黄疸がなかなか治まらないことがあります。このような症状を「母乳性黄疸」と呼ぶのです。

赤ちゃんの黄疸が長引いて「母乳性黄疸」となった場合、どうするべきなのでしょうか?母乳は続けても良いのでしょうか?
黄疸が続いている原因や治療法について解説します。

母乳性黄疸は危険?新生児黄疸との違い・病院受診の目安

黄疸気味の赤ちゃんを抱っこするママ

母乳を与えることは、赤ちゃんの免疫力を高め、母子のスキンシップにもつながります。しかし、母乳のみで育てられた赤ちゃんは、まれに母乳性黄疸を引き起こすこともあります。
母乳性黄疸とはどのような症状で、赤ちゃんの体になにが起こっているのでしょうか?

赤ちゃんに黄疸が起こる原因

赤ちゃんはママのお腹の中にいるとき、胎盤から臍帯(へその緒)を通して体内に酸素を取りいれられていました。このへその緒による酸素の取りいれは、呼吸による酸素補給より機能的ではありません。そのため、より酸素の少ない状態で生きていくために、体の組織に酸素を運ぶ役割を持つ「赤血球」を多くすることで対応しています。

赤ちゃんが外の世界にでて自分で呼吸するようになると、多くの赤血球は不要になり、肺呼吸に適した赤血球に作りかえられていきます。
赤血球が壊れる過程で、「ビリルビン」という物質が発生するのですが、赤ちゃんは肝臓の機能が未熟なためビリルビンを上手く処理できません。ビリルビンは黄色い色素を持っているので、血液中のビリルビン濃度が高いと、肌などの表面が黄色っぽく見えるようになります。これが赤ちゃんに黄疸ができるメカニズムです。

新生児黄疸と母乳性黄疸の違い

新生児黄疸は、赤ちゃんが体内から外の世界に出て、肺呼吸をすることで起こります。そのため、生後2~3日からはじまり1週間がピークです。新生児の80%がかかりますが、その後は少しずつ減少していくので治療の必要がないことがほとんどです。ほぼ10日で自然な肌色になります。

しかし、完全母乳の赤ちゃんは黄疸が1~2ヶ月間まで長引くことがあります。
この黄疸を母乳性黄疸といい、かかるのは赤ちゃん全体の0.5~2.4%と割合は少なめです。

母乳性黄疸は母乳中に含まれるリパーゼという酵素が肝臓の働きを抑えるために起こります。赤ちゃんの肝臓はビリルビンを代謝するにはもともと未熟なので、リパーゼによって肝臓の働きを抑えられてしまうと、黄疸が長引いてしまうのです。
ちなみにミルクだけ飲んでいる赤ちゃんは母乳性黄疸にかかることはほとんどありません。

母乳性黄疸は危険?病院受診の目安

赤ちゃんの成長に伴い、体がビリルビンを処理できるようになると黄疸は自然に消えていきます。2~3日ミルクに切り替えると黄疸が軽くなっていきますが、だからといって母乳を止めて、ミルクに切り替える必要はありません。
黄疸が出ていても、多くの場合、赤ちゃんの健康状態には影響はありません。

ですが、黄疸が1ヶ月以上続く場合は1度医師に相談した方が良いかもしれません。母乳性黄疸は心配する必要のない症状ですが、もしかしたら他の病気が原因で黄疸がでている可能性もあります。
1ヶ月検診で医師に黄疸の状態を相談し、その後の経過を観察して、小児科を受診するのが良いでしょう。

母乳性黄疸の見分け方・赤ちゃんの症状とは?

スヤスヤ眠る赤ちゃんの表情

新生児黄疸、母乳性黄疸という病気について理解はできても、そもそも赤ちゃんの肌が黄色いとはどのような状態でしょうか?入院中に看護師さんや医師に「黄疸がでていますね」と指摘されても、実はよくわからなかったママもいるのではないでしょうか?生まれたての赤ちゃんを見る機会は限られていますので、どこまでが普通で、どこからが異常なのか、判断が難しいですよね。
そこで、観察のポイントをまとめました。

母乳性黄疸の症状は?肌の色以外の見分け方

母乳性黄疸の赤ちゃんは元気で黄疸以外にとくに症状が見られないことも多いですが、以下の症状が見られることもあります。

  • 体重がなかなか増えない
  • ときどき疲れやすくぐったりすることがある
  • 便が黄色
  • 尿が少し黄色っぽい

1番のポイントは目の色

黄疸の1番の見分け方として、白目が黄色がかっていることです。黄疸とは、肌や目の色が黄色っぽくなることですが、肌よりも目の方が見分けやすいようです。

出産後に医師から黄疸を指摘された、赤ちゃんの白目が少し黄色がかっている、上記にあげたような症状がある場合は赤ちゃんの目の写真を撮っておきましょう。
母乳性黄疸の場合は自然に治りますが、長引いたときは他の病気の可能性があります。定期的に写真をとって見比べると安心です。

母乳性黄疸の治療法・母乳はやめるべき?

ママの指を必死につかむ新生児の赤ちゃん

もし赤ちゃんが母乳性黄疸と診断されても心配が要らないことがほとんどです。治療をすることにより黄疸の症状はなくなります。

治療が必要となるヒルビリンの数値は?

黄疸が強い場合は、検査をしながら経過観察をします。検査は赤ちゃんの足の裏から採血して血液中のビリルビンの値を測定します。
血液中のビリルビンの値が異常に高くなる状態を高ビリルビン血症といい、血液中ビリルビンの値が1.2mg/dl以上・2.0mg/dl以上になります。高ビリルビン血症は、血液中のビリルビンによって、皮膚や白眼の部分が黄色になるなどの黄疸の症状が見られます。軽度の場合は特別な治療は必要ありません。

母乳をやめる必要はない

母乳性黄疸が軽度で、赤ちゃんが元気であれば、母乳を止める必要はありません。たしかに母乳性黄疸は2~3日ミルクに切り替えると黄疸が軽くなります。なぜならミルクだけを飲んでいる赤ちゃんに母乳性黄疸が起こることは非常にまれなことだからです。

しかし、ミルクだけを飲んでいる赤ちゃんと比較する必要もありません。母乳性黄疸にかかっても赤ちゃんの健康に影響はないので、肝臓が十分に働くようになると黄疸も自然に消えていきます。

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母乳が足りていない場合はミルクを足してもOK

母乳が足りずにミルクでお世話するママ

完全母乳で、母乳の量が足りない場合にも高ビリルビン血症となり、黄疸が長引きます。母乳があまり出なかった場合や赤ちゃんの飲み方が下手な場合です。

母乳不足でビリルビンの値が高かった場合には、便の回数や量が少ないために赤ちゃんの腸の中に排出されたビリルビンが便と一緒に体外に出ないで再吸収されて血液中を循環し続けます。
赤ちゃんが十分な母乳を飲めるようになると、ビリルビンが便と一緒に体外に排出され、ビリルビンの値も下がっていきます。

母乳不足によって母乳性黄疸が引き起こされている場合、母乳は与え続けて構いませんが、状態を見てミルクを足すのも方法のひとつです。

また、小児科によっては、母乳が原因で黄疸の原因かどうか検査のために赤ちゃんに数日間、母乳を与えずビルビリンの値を調べることもあります。

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光線治療で高ビリルビン値は下がる

中程度の高ビリルビン血症は光線療法で治療をすることが多いです。
治療法は赤ちゃんを裸にして、光で眼が損傷を受けないように眼は目隠しで覆います。そしてビリルビンを下げるための光線の機械の下に寝かせます。この光を当てると、光化学反応によって赤ちゃんの皮膚にあるビリルビンが水溶性に変化し、肝臓と腎臓によって迅速に排出されるように変わります。尿や便によって排出されるので早期治療法として使用されています。

黄疸がなくなっても血中ビリルビン値が上昇したままのことがあるので、その値が下がるまで繰り返し検査する必要があります。光線治療を受けることによって赤ちゃんは脱水になりやすくなるので頻繁に水分補給をしてください。

自宅では日光浴

自宅でも、光ファイバー製の「ビリブランケット」の上に赤ちゃんを寝かせて明るい光にあてるという方法で治療ができますが日光浴が一般的です。
直射日光は赤ちゃんにとっては負担がかかるので避けましょう。赤ちゃんを連れてお散歩をしたり、自宅でカーテン越しの明るい場所に寝かせてみるのをおすすめします。
ただし、皮膚の弱い赤ちゃんもいるので長時間の日光浴は避けましょう。

母乳性黄疸が治らない場合は、別の病気の可能性

黄疸が治らず違う病気の可能性があり診察を受ける赤ちゃん

母乳性黄疸は通常1~2ヶ月間に見られる症状で、危険な黄疸ではないため別の黄疸を引き起こすことはありません。しかし、期間黄疸の症状が続く場合は別の病気の可能性もあり注意が必要です。

母乳性黄疸と区別がつきにくい病気

母乳性黄疸と症状が似ている病気を紹介します。

胆道閉鎖症

母乳性黄疸と同じように皮膚や目が黄色っぽくなる病気として胆道閉鎖症があります。
胆道閉鎖症は、肝臓と十二指腸を繋ぐ管がなくなってしまう病気です。本来、肝臓で処理されるはずのビリルビンや毒素が十二指腸から排出されることがなくなり、肝臓内に溜った結果として黄疸を引き起こします。1万人に1人の割合で発症し女の子は男の子の2倍多いです。

症状として

1.白っぽい色の便
2.濃い黄色の尿
3.お腹の右上に肝臓が硬く触る

などがあります。早期に手術が必要になる病気なので、気になる症状がある場合は小児科医を受診しましょう。

核黄疸

血液中のビリルビンが異常に多くなりすぎることによって脳の組織にビリルビンが沈着します。ビリルビンが脳組織に沈着すると神経細胞が破壊され脳性麻痺や命の危機となります。
しかし、日本では母子の入院中にビリルビンの検査が行われていますので、非常にまれな症状といえるでしょう。

母乳性黄疸は心配のいらない病気

母乳性黄疸は怖がりすぎず、油断しすぎず、気になる症状は産科や小児科の先生に相談しましょう。赤ちゃんの異常を見逃さないためにも、1ヶ月検診は必ず受診し、赤ちゃんの様子を伝えてください。

母乳は赤ちゃんの免疫力をアップさせ、ママとのスキンシップにもなります。母乳性黄疸はまれな症状ですし、母乳を与えることは大きなメリットがありますので、母乳育児中のママはぜひ母乳を与え続けてくださいね。