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ビリビン値が高い原因・治療法

ビリルビンて何?高ビリルビン値の原因と症状・黄疸との関係

ビリルビンの種類や正常値を知っていますか?ビリルビンは生まれたばかりの赤ちゃんが健康に育っているか知らせてくれる数値のひとつです。ビリルビン値が異常に高くなった「高ビリルビン血症」になったときはどのような治療が行われるでしょうか?気になる原因や症状なども合わせて解説します。

ビリルビンて何?高ビリルビン値の原因と症状・黄疸との関係

ビリルビン値が高くなる理由、黄疸との関係とその他の症状

赤ちゃんは生まれてから退院するまでいくつかの検査を受けますが、その中の一つとしてビリルビンの数値を測定する検査があります。ビリルビンの数値が高い場合、どのような症状が出るのでしょうか?赤ちゃんが元気に育っているか私たちに教えてくれる大切な指標の一つ、「ビリルビン」について解説します。

ビリルビンとは?

生まれたばかりの新生児

ビリルビンは古くなった赤血球が破壊されるときに作られる黄色い色素です。通常、ビリルビンは肝臓で処理され、胆汁中に運ばれ、消化管の中に分泌されます。そしてうんちやおしっこなどによって体外に排出されます。
しかし何らかの異常が起きると、ビリルビンが血液中に漏れ出して「黄疸」という症状が出ます。

赤ちゃんの黄疸の原因はビルリビン?黄色くなる黄疸の仕組み
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赤ちゃんの黄疸の原因はビルリビンです。ビルリビンがどのように影響を与えているか詳しい原因を解説します。黄疸にも種類があり赤ちゃんにとっては危険が伴う黄疸について、治療法もありますよ。

ビリルビンの種類と正常値

ビリルビンには総ビリルビン、間接ビリルビン、直接ビリルビン、があります。それぞれどのような特徴があるのでしょうか。「数値が高いとどんな症状が出る?」「基準値は?」といった疑問にもお答えします。

総ビリルビン

総ビリルビンとは、直接ビリルビンと間接ビリルビンを合わせた名称です。血液検査では間接ビリルビンと直接ビリルビンを合計した、ビリルビン全体の量を表します。血中総ビリルビン値が5mg/dlを越えると「黄疸」があると認識されます。総ビリルビンの基準値は0.3~1.0mg/dlです。

間接ビリルビン

間接ビリルビンとは、肝臓で処理される前のビリルビンのことです。非抱合型ビリルビンとも呼ばれます。水に溶けにくい脂溶性で、間接ビリルビンの数値が高いと溶血性黄疸、新生児黄疸などが起きます。間接ビリルビンの基準値は0.1~0.8mg/dlです。

直接ビリルビン

直接ビリルビンは肝臓で処理された後のビリルビンです。抱合型ビリルビンとも呼ばれ、水に溶けやすい水溶性です。直接ビリルビンが血液中に増えてしまうと、肝内うっ滞性黄疸が疑われます。

直接型ビリルビン値が2mg/dLを越えると「黄疸」があると認識されます。直接ビリルビンの基準値は~0.3mg/dlです。値が低い場合は問題ありません。

ビリルビン値が異常に高い状態:高ビリルビン血症とは

高ビリルビン血症という言葉を聞いたことはありますか?高ビリルビン血症は新生児にはよく見られる疾患で、血液中のビリルビンの値が異常に高くなる状態です。どこからが異常値になるかは生まれてからの日数、早産か正期産か、赤ちゃんの健康状態などによって異なります。

血中のビリルビン値が高い状態が続くと、後遺症を残すこともありますが、正期産の場合は初期症状が見られても早期発見、早期治療されるケースがほとんどで重症になることはほとんど見られません。しかし赤ちゃんが高ビリルビン血症になったと先生から伝えられると心配になってしまいますよね。高ビリルビン血症の原因や、高ビリルビン血症になった場合どのような症状が出るか、診断方法や治療方法はどのようなものがあるか詳しく解説します。

高ビリルビン血症の原因

ママの母乳を飲む赤ちゃん

高ビリルビン血症は、生まれたばかりの赤ちゃんが外の世界に適応する過程で起きる生理的な原因で起こることがほとんどです。この生理的な原因以外でも、母乳が原因となっていたり、病的な原因でビリルビン値が高くなる場合もあります。

高ビリルビン血症の主な原因として考えられる「生理的高ビリルビン血症」「母乳性黄疸」「病的な高ビリルビン血症」「血液の感染症」の4点について解説します。

生理的高ビリルビン血症

ママのおなかの中は外の世界に比べて酸素量が限られているため、胎児は酸素と結びつきやすい赤血球の割合を多くすることで対応しています。酸素が少ない高地に住んでいる人も赤血球が多くなっているのは、体の中に同じ仕組みが備わっていると考えられています。

生まれたばかりの赤ちゃんは外の世界で初めて呼吸をしてたくさんの酸素を取り込めるようになりますが、そのため赤血球が壊れやすくなっています。この壊れた赤血球が代謝される過程で多くのビリルビンが生まれますが、ビリルビンが体の中で多くなりすぎてしまうことがあります。しかし新生児の時期はまだまだ肝臓の働きが未熟です。

ビリルビンを処理しきれず、血液中のビリルビンが増えてしまうことによって、ほとんどの赤ちゃんに生後数日間「黄疸」の症状が出てしまいます。黄疸になると皮膚や白目の部分が黄色くなりますが、軽度のビリルビンの上昇は問題無いと判断されます。

生後数日間経つと授乳量が増えていくため、それに従ってビリルビンの値は下がります。ビルビリン値が高いと心配になってしまいますが、赤ちゃんの健康には問題ありません。

母乳性黄疸

産まれて1週間以内に起きる黄疸はごく一般的です。しかし、なかには1週間を過ぎても黄疸が続く場合があります。1ヶ月たってもまだ皮膚や白目が黄色いという赤ちゃんも。ビリルビンのレベルは危険レベルよりは低いのですが、顔や目がうっすら黄色いことがあります。その場合は母乳による黄疸が一般的です。

これは母乳に含まれる成分がビリルビンの代謝を遅らせる働きがあり、ビリルビンの処理が遅れるために起こると言われています。赤ちゃんの健康には全く害のない黄疸なので放置しておけばそのうち消えます。

生理的にビルビリン値が上がる新生児黄疸の次に多く見られる現象で、赤ちゃんが順調に成長している証拠でもあります。母乳による黄疸が脳に後遺症を残すことはないため、過度に心配する必要はない良性の黄疸です。

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病的な高ビリルビン血症

高ビリルビン血症のなかには、まれに肝臓の病気が関係している場合があるので注意が必要です。新生児の黄疸は主に間接ビリルビンが上昇することが多く毒性は低いですが、肝臓に原因がある場合のビリルビンは、直接ビリルビンの増加によって起きる黄疸です。生後2週間を過ぎてもまだ黄疸が残っている場合は、かかりつけの小児科で受診することをおすすめします。

血液の感染症

ビリルビン値の大幅な増加は、新生児が血液の感染症などにかかっている場合にも起こります。これはママと赤ちゃんの血液型が異なることから引き起こされる可能性があります。

血液型によって起こりうるビリルビンの増加タイプは主に2パターンです。ママがRHマイナスの血液型で、赤ちゃんがRHプラスの血液型であるときに起きる「Rh式血液型不適合」と、ママがO型で赤ちゃんがA型やB型の血液型をしている「ABO式血液型不適合」。これらの場合赤血球が急速に破壊されることがあり、この溶血によって高ビリルビン血症が起きることもあります。

高ビリルビン血症の症状

ビルリビンの値が少しだけ高い赤ちゃん

通常ビリルビンは肝臓から胆汁を介して体外に排出されますが、高ビリルビン血症になるとこの代謝がうまく行われなくなります。すると皮膚や白目の部分が黄色くなる「黄疸」の症状がみられます

黄疸はまず顔面に現れ、ビリルビン値が上昇するにつれて、頭から足の方へ広がっていきます。
血液中のビリルビンが異常に上昇して脳にまで影響が及んでしまうと、脳障害が起きる可能性があります。

診断方法

医師や看護師が赤ちゃんの皮膚の色を見て、黄疸が出ている可能性を視診します。ここで高ビリルビン血症が疑われる場合は血液検査を行い、ビリルビン値を測定します。検査は早いうちから行うことが重要なので、産後の入院中に測定が行われるのが一般的です。

ビリルビン値の目安は、予定日前後に産まれた健康な赤ちゃんの場合、生後24時間後で10mg/dL、48時間後で15mg/dL、そして生後4日で20mg/dLより低い値にあれば安全です。未熟児やその他の出生時の条件によって値は変わります。

ビリルビン値が下がらないときは注意が必要

新生児では一時的に黄疸が出ることが多く、ビリルビン値が急激に上昇しても特に問題のないことがほとんどです。しかし一度上昇したビリルビン値が下がらないときは注意が必要です。一度上昇したビリルビン値が下がらず、異常に高くなってしまう場合は、その根底に病気が潜んでいる可能性が疑われます。

治療方法

光線治療を受ける新生児

黄疸そのものには健康に何の影響もありませんが、血中のビリルビンの濃度があまりに高すぎると脳の神経細胞に悪影響が出るので、ビリルビンの濃度が高くなりすぎないようにコントロールするための治療を行います。

生理的黄疸や母乳性黄疸や赤ちゃんに障害が残る心配はないので、母乳やミルクの量に気をつける必要があります。
黄疸に病気の可能性が潜んでいたり、血液の感染症が原因の場合は光療法や交換輸血を行います。

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生理的高ビリルビン血症の場合

生理的高ビリルビン血症の場合は通常問題ではなく、1週間以内に消失します。ビリルビンはうんちに混ざって排出されるため、生まれたその日からしっかりとおっぱいやミルクを飲ませて、たくさんうんちをさせることが大切です。

母乳性黄疸の場合

母乳性黄疸は母乳がビリルビンの代謝を妨げる役割を持っていることが原因で発生します。そのため、ミルクの使用頻度を増やすことによって、母乳黄疸を減らすことができる場合があります
予定日前後に生まれて早期母乳性黄疸のある赤ちゃんの場合、ビリルビン値が18mg/dLを超えるまで増え続けているときには、一時的に母乳からミルクに切り替えるのが適当だとされており、光療法も必要です。

母乳栄養の中止は1~2日でよいことが多いため、ママは赤ちゃんのビリルビン値が低下し始めたらすぐにおっぱいをあげられるように母乳を定期的に搾乳することがすすめられています。
しかし医師から特に指導がない限りは、授乳を中断する必要はありません。母乳性黄疸は赤ちゃんの成長と共に自然に治るので、基本的には特別な治療を施さないことが多いです。

光療法

ビリルビン検査の値が上限を超えていた場合は、光療法を始める必要があります。光療法というと少し怖い印象を受けるかもしれませんが、日焼けサロンと同じような原理です。過去に太陽光線に当てた赤ん坊の黄疸がよく消えるという発見をしたことをきっかけに、それ以来研究されて実用化された治療法です。

太陽光線の中の青色の成分が皮膚のビリルビンを分解して無毒化します。赤ん坊は保育器の中で裸になり、目にはアイマスクを付けて光線に当たり続けます。半日から1日治療した後に、ビリルビン値を測って安全なレベルまで下がっていることを確認できれば治療終了です。ビリルビンのレベルが継続して高いときはさらに数日治療することもあります。

交換輸血

赤ちゃんのビルリビン値について話す医師

交換輸血は重度の高ビリルビン血症において行われることがあります。光療法で改善しなかった場合にも交換輸血が行われる場合があります。

赤ちゃんの血液を少量採取し、部分的に溶血して抗体で覆われた赤血球を取り除き、抗体で覆われていない赤血球と交換します。輸血による感染症などのリスクが全くないわけではありませんが、核黄疸による後遺症を防ぐためには必要な治療です。

脳にビリルビン血症が蓄積することによって起きる「核黄疸」

通常、ビリルビンは脳へ行くことはありません。しかし高ビリルビン血症が脳の特定の部位に蓄積することによって、脳に沈着することがあります。この疾患を「核黄疸」と呼びます。核黄疸は様々な神経障害、発作、異常反射、異常眼球運動という回復不能な障害を引き起こす原因になります。
核黄疸を予防するには、生まれたての赤ちゃんのビリルビン値をチェックして、ビリルビンが多いときには早めに光療法や交換輸血を行うことが大切です。

赤ちゃんのビリルビン値が高いときにパパやママができること

生まれたばかりの赤ちゃんのビリルビン値が高いと医師から告げられると、心配でたまらなくなるでしょう。産後の不安定な気持ちも重なり、涙が出てしまう方もいるかもしれません。
しかしビリルビンの値を下げるためにもパパやママができることもあります。それはお医者さんの指導のもと、しっかりとミルクやおっぱいを飲ませてあげること。血液の循環量を増加させておしっこやうんちの量が増えれば、ビリルビンの排泄を促してビリルビンの数値が下がります。

もう一つ、退院後には窓際など光が入る場所に赤ちゃんを寝かせてあげることです。光療法と同じ考え方で、カーテン越しなどに太陽光が当たる場所に置くことでビリルビンの現象が期待されます。
近年では高ビリルビン血症によるは核黄疸の発症は著しく減っています。赤ちゃんを信じてパパやママができることを毎日行えば、成長に伴って皮膚や白目の黄色味が減ってくるでしょう。

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