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赤ちゃんの斜視・種類と治療

赤ちゃんが斜視?斜視の種類と治療・セルフチェックのやり方

赤ちゃんが斜視かもしれない?赤ちゃんの目の位置や動きから、斜視が心配になったらセルフチェックしてみよう!赤ちゃんに多い偽斜視と赤ちゃんの頃から発症する乳幼児内斜視、斜視の分類やおうちでできる斜視の見分け方をご紹介!斜視の治療はいつからできるのか治療内容や時期についてもご紹介。

赤ちゃんが斜視?斜視の種類と治療・セルフチェックのやり方

赤ちゃんの目つきが気になる。もしかして斜視?

赤ちゃんのお顔をじっと見ていると、何だか少し目が合わないような・・・?そんな違和感を覚えた場合、もしかしてそれは「斜視」かもしれません。

斜視は、早期発見・早期治療がとっても大切。斜視の見つけ方や治療法について学んでいきましょう。

斜視は「早期治療」が重要です!

仲良しのぬいぐるみ一緒に寝る乳児内斜視の赤ちゃん

「斜視は、見た目だけの問題だから手術は大きくなってからでも大丈夫」
「斜視は赤ちゃんの頃はよくあることで、大きくなったら自然に治る」

こんなことを言われた経験がある人もいるかもしれません。でもこれは、何れも大間違い!斜視は、早期発見・早期治療が基本です。
斜視は、自然には治りません。もし、周りにそういう経験があった、という人がいた場合、それは斜視ではなく「偽斜視」でしょう。

斜視は放置しておくと、斜視でないほうの目だけでものを見るようになってしまいます。特に、小さい子ほど、片方の目だけでものを見ることに早く慣れてしまいます。そうすると、使われなくなった方の目はどんどん視力が落ちてしまい「弱視」になってしまいます。

赤ちゃんに多い「偽斜視」

赤ちゃんはまだ鼻の骨が発達しておらず、目と目の間が広く鼻が低い顔立ちをしています。そのため、目頭のところの皮膚が、目の内側の白目を覆っている状態になっており、寄り目のように見えてしまうことがあります。
「蒙古ひだ」(目頭の皮膚)が厚い日本人やモンゴロイドには比較的多くみられる症状です。

偽斜視

蒙古ひだの厚みで鼻側の白目が見えにくい状態を「偽斜視」といいます。内斜視と心配する人が多くいますが、成長とともに目頭側の白目が見えてくるので心配ありません。

気になる場合は、目頭の皮膚を少し内側に引っ張ってみて(赤ちゃんが嫌がるので難しいかもしれませんが)白目が見えるかどうか確認してみましょう。

斜視の種類・黒目の位置や原因によって分類されます!

指をくわえ熟睡する斜視の疑いがある赤ちゃん

斜視と一口に言っても様々な種類があります。まず目の位置によって大別され、原因や症状によってさらに細かく分類されます。

目の位置による分類

片目が正常な位置にある時に、もう片方の黒目がどこを向いているかによって分類されます。

  • 内斜視:内側を向いている(片方がより目の状態)
  • 外斜視:外側を向いている
  • 上斜視:上を向いている
  • 下斜視:下を向いている

内斜視は発症時期によって分類される

内斜視は、いつ発症したかによって大まかに分類されています。

低月齢でも発症「乳児内斜視」

生後6ヶ月以内に発症した斜視のことです。次のような症状が現れます。

・片側の目が内側に寄る。内側の上の方になることもある。
・寄る目は右と左が変わることもある。
・片目を隠すと、隠していないほうの目が小刻みに揺れることがある。

乳児内斜視は、生後1ヶ月を過ぎてから症状が現れることが多いです。いつから症状が現れたのかということが診断の上で非常に大切になるので、生まれたばかりの赤ちゃんの目の動きは注意して観察するようにしましょう。

日ごろから赤ちゃんの目の位置がわかる写真を撮っておくとよいでしょう。

徐々に症状がはっきり出てくる「後天内斜視」

生後6ヶ月以降に発症した内斜視のことです。症状にはいくつかのパターンがあります。

・はじめは時々内斜視になる程度だったのが、徐々にいつも内斜視の状態になる。
・内側に寄る日と寄らない日が一日おきに現れる。
・はじめは内斜視の程度が軽かったのが、だんだん位置が内側にずれていく。

メガネで治る「調節性内斜視」

1歳6ヶ月~3歳の間に現れることが多い症状です。遠視用メガネをかけると内斜視が治ることが特徴です。
近くを見ている時に特に内斜視の状態になりやすく、症状が進行すると遠くを見ている時でも内斜視の状態になります。

外斜視は常に起こるものと時々起こるものがある

片方の目が外側を向いている外斜視は、時々起こる「間歇性外斜視」と、常に外斜視の状態になっている「恒常性外斜視」があります。

屋外で観察するとわかりやすい「間歇性外斜視」

斜視の中で最も多いのがこの「間歇性外斜視」です。間歇性外斜視では常に外斜視の状態が現れているのではなく、次のような時に外斜視が現れやすくなります。

・遠くの方を見ている時
・屋外で遊んでいる時
・起きた直後

間歇性外斜視では、外に出ている時に症状が出やすく、片目をつぶるしぐさをすることがあるので、気になる方は外で遊んでいる時に赤ちゃんを注意して観察してあげましょう。

また、初めは間歇性外斜視だったお子さんも、症状が進行し常に外斜視となる恒常性外斜視に移行することがあります。

早めの治療が必要「恒常性外斜視」

恒常性外斜視では、常に片目が外側を向いています。

外斜視で心配なのが、片方の目を使わなくなってしまうことです。外斜視ではピントが合わずにものが二つに見えることがあり、それを防ぐために無意識に片方の目でものを見なくなってしまいます。

両目で物を見ることは、立体感や遠近感をとらえる上で大切なことです。両目で物を見ることは6歳くらいまでに完成するので、早めの治療が必要です。

斜視の原因で多いのは「目を動かす筋肉の異常」

斜視の原因は様々あり、重大な病気が隠れているケースもあります。斜視かも?と心配になったら、早めの受診をおすすめします。

斜視の原因

・目を動かす6本の筋肉のバランスが乱れている(最も多い原因)
・目の神経の異常
・病気やケガで片方の目の視力が落ちる
・脳の病気
・近くが見えにくい「遠視」
・遺伝

目を動かす筋肉や神経に異常があったり、病気やケガで片方の目が見にくくなったりすると、両目でものを見ることが難しくなります。片方の目だけでものを見ることで、もう片方の目の位置がずれていってしまうのです。

斜視の診断はいつ頃?治療はいつからできる?

ママ手作りの帽子に大満足の赤ちゃん

斜視の診断は生後1ヶ月頃から可能ですが、その頃はママがまだ気づかないことがほとんどです。ものを目で追う・ママと目を合わせられるようになる生後3ヶ月頃に家族が違和感を覚えることが多いようです。

その頃はちょうど3~4ヶ月健診があるので、気になる場合は医師に相談してみましょう。

斜視の治療は、診断がつき次第すぐに行われます。斜視の手術をどのタイミングで行うのが良いのかについては医師によって見解が分かれます。

医師によってこんなに方針が違う!手術を行うべきタイミングはいつ?

・両目でものを見始めるのが1歳頃からなので、生後8ヶ月までに手術を行うべき。
・1歳未満では斜視の症状の見極めが難しいため2歳前後に手術を行うべき。
・治療が遅れると弱視が進んでしまうため、遅くとも2歳までに手術を行うべき。

このように医師によって判断が変わるので、別の医師から意見を聞くのも良いかもしれません。

斜視の診断と治療

ママの顔を凝視する内斜視気味の赤ちゃん

斜視の検査は、痛みを伴うものではありません。心配であれば早めに眼科を受診しましょう。乳幼児の診察に慣れている小児眼科にかかることができればなお良いでしょう。

まずはおうちでチェックしてみましょう

特に内斜視が気になる場合は、偽斜視かどうかをチェックするため、赤ちゃんの目の内側に白目が認められるかどうか、鼻の根元をつまんで両目頭を内側に引っ張ってみましょう。

内斜視が原因でより目になっている場合は、目の内側に白目が見えない場合が多いです。

赤ちゃんの顔写真を、フラッシュをたいて撮影する方法も有効です。フラッシュをたいて写真を撮影すると、黒目の中に光が白い点でうつり込みます。その位置が真ん中からずれていると、斜視の可能性が出てきます。

同様に、赤ちゃんにペンライトを見させる方法でも確認できます。ペンライトを見ると、フラッシュをたいた時と同様に、黒目の中に白い点を見ることができます。

眼科・小児眼科で行う検査内容

斜視が疑われる場合、小児眼科では次のような検査が行われます。検査は、0歳の赤ちゃんでも行えます。

  • いつから発症したかを診断するため、ママがとった写真を見て目の位置を確認します。フラッシュをたいてとった写真だとより診断がつきやすいです。
  • 赤ちゃん用の視力表を使って、「視力検査」を行います。赤ちゃん用の視力表は、大人が使うものとは異なり、絵や幾何学模様が描いてあります。
  • 目薬や機器を使って、目の屈折の状態を確認する「屈折検査」を行います。
  • 片目を隠してもう片方の目の動きや位置を確認する「眼位検査」を行います。
  • 目の動きに異常がないかを確認する「眼球運動検査」を行います。
  • どれだけ立体的にものが見えているかを検査します。特殊なメガネをかけて見た絵が、どう浮き出て見えているか、などを調べます。

早期発見・早期治療が大切!斜視の治療法

放っておくと視力が落ちてしまったり、両目でものを見ることが難しくなったりすることもある深刻な斜視。
手術が必要と聞くと不安になってしまう方も多いと思いますが、手術をせずに良くなるケースも多くあります。

■メガネで見え方を調整

遠視が原因の斜視の場合は、遠視用メガネで矯正することによって治療できます。
見えにくい方の片目を使わなくなることで斜視は悪化し、両目でものを見られなくなるため、視力を矯正することは斜視の治療において重要なことです。

正常な目と斜視の目で別のものを見てしまい、ものが二重に見える症状の場合は、両目で同じものを見られるようにする特殊なメガネ、「プリズムメガネ」をかけることで治療します。

ものが二重に見えると気持ちが悪いので、二重に見えないようにするため片方の目が使われなくなってしまいます。プリズムメガネでそのことを防いで、両目をきちんと機能させるようにします。

■斜視の目を積極的に使わせる「目隠し」

斜視の目はものが見えづらいので、自然と使われなくなってしまいます。そうすると斜視の方の目の視力が落ちて弱視の状態を招いてしまいます。そのことを防ぐため、片目を隠して斜視の目を鍛えます。

■早期に手術が必要になる場合も

目を動かす筋肉のバランスが悪く、メガネや目隠しなどの治療による改善が難しい場合は手術が必要になります。赤ちゃんの場合は全身麻酔で手術を行うことになります。特に、乳児内斜視で目の位置が大きくずれている場合には手術が必要になることが多くあります。

逆に、間歇性外斜視の場合は、あまり早期に手術を行ってしまうと、成長と共に元に戻ってしまうこともあります。間歇性外斜視は、手術なしでも良くなるケースが多いので、メガネや目隠しで状態を観察することが多いです。

斜視の気がかりQ&A

不思議そうに遠くを見つめる赤ちゃん

斜視に関しては周りからも何かと言われることが多いかもしれません。心配事について、明らかにしておきましょう。

斜視は遺伝する?

確率は高くないものの、斜視は遺伝すると言われています。特に、間歇性外斜視は1/2の確率で間歇性外斜視に関連する遺伝子が伝わります。

ただし、この「遺伝子」が伝わっても必ずしも発症するとは限りません。パパかママ、どちらかに斜視があったとしても心配しすぎないようにしてくださいね。

斜視になる確率はどのくらい?

斜視になるお子さんはだいたい100人に2人程度と言われており、それほど珍しい病気ではありません。街を歩いているとたまに片目を隠しているお子さんを見かけることがあります。

それほど珍しくはないとはいえ、学年に1人いるかいないか、という頻度の病気の場合、お友達に何か言われてしまうこともあるかもしれません。そんな時の心のケアについても、考えておく必要があります。

テレビやスマホの影響は?

テレビによる斜視への影響は今のところ明らかにされていませんが、スマホについては注意を呼び掛けている医師もいます。

ある調査で、スマホを見ている子どもの約10%が片目だけで画面を見ていることがわかったそうです。スマホの画面はテレビと比較して小さいので両目で見ることが難しい場合があり、無意識のうちに片目は画面の外を向いてしまっているとのこと。

片目が外側を向くのは「外斜視」の状態と同じなので、スマホを見続けていると外斜視を発症してしまう可能性もあります。

赤ちゃんのぐずりや泣き止ませなどで、スマホアプリを多用しているという方は注意しましょう。

日ごろから赤ちゃんの目をしっかり見てあげよう!

斜視の早期発見のポイントは、ママの観察力。

赤ちゃん、目の動きや位置になんとなくおかしいところはないかな…ものを見る時にみづらそうにしていないかな…など、違和感を言葉にできない赤ちゃんだからこそ、わずかな異変に気付いてあげる必要があります。

赤ちゃんのお世話は忙しく、つい急いでこなしてしまいがちですが、目を見て話しかけることは愛情を伝えるだけでなく、異常を見つけるためにも大切なことです。
是非、日ごろから目を見ることを心がけましょう。