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赤ちゃんの黄疸・種類と症状

赤ちゃんの黄疸は心配ない?症状や治療が必要な黄疸の違い

赤ちゃんの黄疸はいつまで続く?赤ちゃんの肌や白目が黄色く見える黄疸の症状が長く続いたり色味が強くなったりしたら注意が必要です。心配の要らない黄疸と注意を要する黄疸の種類やそれぞれの症状・原因を解説。病院で行う治療方法に基づいた黄疸の症状が長引くときのホームケアについてもチェック!

赤ちゃんの黄疸は心配ない?症状や治療が必要な黄疸の違い

赤ちゃんの黄疸が心配!いつきれいな肌色に?

生まれたばかりの赤ちゃんは、ほとんどの場合真っ白つるつるのたまご肌ではありません。黄色かったり、赤かったり、浅黒かったりしているのが普通です。とくに、大抵の赤ちゃんは生まれて間もなく肌が黄色っぽくなるのですが、これを「新生児黄疸」と呼びます。

多くの赤ちゃんに見られる黄疸のほとんどが生理的黄疸なので、我が子に黄疸の症状が見られたからと焦ることはありません。しかし、一口に「黄疸」と言ってもなかには治療が必要な黄疸まで色々な種類があるので、その内容について知っておくに越したことはないでしょう。

この記事では、赤ちゃんの気になる黄疸について解説します。

赤ちゃんに起きる黄疸の種類|原因と経過

新生児黄疸が治りすやすや眠る赤ちゃん

赤ちゃんの黄疸の診断は、出産後の入院中に何回か皮膚の色を計測することによって行います。
胸やおでこに光を当て、皮膚の黄色味を測る測定器を利用して測ります。赤ちゃんに痛みはありません。

「新生児黄疸」…9割の赤ちゃんに起こる黄疸の症状

赤ちゃんが産まれて間もなく、大体生後3~4日目頃をピークに赤ちゃんの肌や白目が黄色く見える黄疸症状が起こります。この現象は、9割の赤ちゃんに見られ「新生児黄疸」と呼びます。

新生児黄疸の原因

この黄色みの原因は「ビリルビン」という黄色い色素が体内で増えること。ビリルビンとは古くなった赤血球が壊れて分解されるときに発生する物質。通常は肝臓において分解され、尿や便として排出されるものですが、生まれたばかりの赤ちゃんはビリルビンを代謝する肝臓のはたらきが未熟なため、分解・排出されなかったビリルビンが体内にたまり、皮膚や白目が黄色く見えてしまうのです。

ビリルビン値は、正常な大人で0.2~1.2 mg/dlですが、生まれたばかりの赤ちゃんでは12~15mg/dlにもなります。

黄疸症状が出るのはいつまで?

新生児黄疸の場合、生後2~3日から黄疸症状が出始め、3~4日頃にピークを迎えたあとは徐々にビリルビン値は下がっていき、生後2週間~1ヶ月くらいで徐々にきれいな肌色になってきます。

「母乳性黄疸」…完全母乳の子は黄疸が長引きやすい

完全母乳の赤ちゃんは黄疸症状が長引きやすく、生後1週間ほどはビリルビンの値が高いままになっていることが多くあり、これを「母乳性黄疸」と呼びます。

母乳性黄疸とは?母乳育児中のママが知っておきたい病気
母乳性黄疸とは?母乳育児中のママが知っておきたい病気
母乳性黄疸とはなにか?母乳性黄疸の症状や黄疸はいつまで続くと危険なのか、母乳性黄疸になってしまったら母乳はやめるべきなのか、症状や原因、治療法や母乳性黄疸と間違えやすい病気を紹介します。

母乳性黄疸の原因

これは、母乳に含まれる女性ホルモンがビリルビンを分解する肝臓の働きを弱めるためと言われ6人に1人の割合で新生児黄疸が長引く傾向があるのだそう。しかし、母乳育児を続けていると黄疸が治らないのかといえばそうではありません。

ビリルビンはたんぱく質と結びつくことによって肝臓で分解されるので、授乳量が増えてたんぱく質の摂取量が増えるにしたがいゆっくりと黄疸が治まって行きます。また、頻回に授乳を行うことで、便も出やすくなります。ビリルビンは便から排出されるので、便通を良くすることでも黄疸の症状は治まっていきます。

また、生後しばらくは母乳の出が少なかったりなど母乳不足にある場合黄疸が強く出ることがあります。

母乳性黄疸はいつまで続く?

生後2週間~1ヶ月程度で症状が治まる新生児黄疸に対し、母乳性黄疸は生後1か月以上症状が出続けます。退院後も黄疸症状が1ヶ月以上続く、黄疸が強くなるなど見られるのであれば、一度小児科を受診し、長引く黄疸症状が本当に「母乳性黄疸」によるものか黄疸が病的な理由で長引いているのかを確認するようにしてください。

黄疸の症状が母乳によるものか病的な原因による物かを判断するため、必要に応じてミルクに切り替え黄疸の症状の変化を見ることもあります。

退院後も黄疸症状が気になるときのホームケア

退院後も黄疸症状が長引くと気になってしまいますね。「病院では問題がないと言われて退院したけれど、まだ赤ちゃんの黄疸が気になる!」ときは赤ちゃんに日光浴をさせてあげると黄疸の治りが良くなります。黄疸の治療法である「光線療法」同じ理屈で、日光がビリルビン代謝が促進され黄疸を収める効果があるそうです。

ただし病院の光線治療では紫外線はカットされていますが、自宅で日光浴をする際には紫外線が心配です。くれぐれも赤ちゃんが直射日光にさらされないように注意したいもの。赤ちゃんを寝かせる場所を日当たりの良い場所に移動するときは、直接日に当たらないようにカーテン越しでかつ足元から日光を当てるように調節しましょう。

また、ビリルビンは尿や便から排出されるので、おっぱいをたくさん飲ませてあげることも効果的です。日光浴の後にはおっぱいをあげるようにしましょう。

「遷延性黄疸」…生後2週間以上長引く黄疸症状

黄疸がありママに心配される赤ちゃん

「遷延性黄疸」とは、生後2週間を過ぎても黄疸の症状が見られることを言います。
遷延性黄疸のほとんどは母乳栄養によって起きていることが多いのですが、まれに、次のような病気の症状であることもあるため、黄疸が長引く・黄疸症状が強い・黄疸以外の症状も見られる場合、かかとから採血し血液検査を行います。

甲状腺機能の低下

何らかの原因で甲状腺ホルモンの分泌が不足する病気で、3,000人~5,000人に1人の確率で発生します。黄疸以外に、おっぱいやミルクの飲みが悪い、便秘、元気がないなどの症状があります。

胆道閉鎖症

肝臓で作られた消化液の通り道が塞がってしまう病気で、10,000人に1人の確率で発生します。消化液が腸にたどり着かないため、ビリルビンが分解できずに身体にたまります。うんちが白っぽくなりますが、これはビリルビンが便の中に排出されないためです。

「核黄疸」長引く黄疸は要注意!危険な黄疸

ビリルビンの値が非常に高くなると、脳に重大な影響を及ぼします。体内で過剰になったビリルビンが脳に到達し脳基底核や脳幹核へ沈着すると脳性まひを引き起こしてしまうのです。これを「核黄疸」と言います。
ビリルビン値が非常に高くなる新生児以外の要因としては次のようなものがあります。

Rh式の血液型が合わないことによる「溶血性黄疸」

ABO式の血液型が合わない溶血性黄疸では、ほとんど核黄疸にまではなりませんが、Rh式の不適合は注意を要します。

早産の赤ちゃん

生まれた週数が早い・生まれた時の体重が小さいほど起こりやすくなります。

核黄疸の症状

核黄疸になると、段階を追って様々な症状が現れます。

生後数日

おっぱいやミルクの飲みが悪くなる、いつもうとうとしている、身体がだらんとしている。

生後数日~1週間

発熱、泣き声が甲高くなる、筋肉が緊張する、けいれんする、身体が後ろに反りかえる。

生後1年~1年半

手や足の指がくねくねと動く、難聴、知的障害

このような症状が出てしまうと治らないので、早期に黄疸の症状を発見し、核黄疸を予防することが非常に大切です。

「溶血性黄疸」…血液型不適合による黄疸

不機嫌で病院でギャン泣きする赤ちゃん

通常の新生児黄疸や母乳性黄疸では、いらなくなった赤血球が分解されたときに発生する「ビリルビン」が身体に溜まることで起こりますが、「溶血性黄疸」は、まだ必要な赤血球までもが壊れてビリルビンが発生することによって起こります。

溶血性黄疸の症状と原因

必要な赤血球が壊れてしまうので、皮膚が黄色くなるだけでなく貧血の症状も現れます。
原因はさまざまあり、毒素や細菌感染によって赤血球が壊れてしまうこともありますが、最も多いのはママと赤ちゃんの血液型が合わない「血液型不適合」の場合です。

血液型不適合ってどういうこと?

血液型とは、皆さんご存知の通り「A型」「B型」「O型」「AB型」の4種類がありますね。
これは、「どの血液型と混ぜると血液が固まるか」によって分類されています。

血液型の性質

・A型の血液は、B型、AB型の血液と混ぜると固まる。
・B型の血液は、A型、AB型の血液と混ぜると固まる。
・O型の血液は、A型、B型、AB型の血液と混ぜると固まる。
・AB型の血液は、どの血液型と混ぜても固まらない。

このように異なる血液型は相性が悪く、お互いを異物として攻撃してしまう性質を持っているのです。

通常、妊娠中から赤ちゃんの血液とママの血液は混ざることがないようになっているのですが、何らかの原因で妊娠中に赤ちゃんの血液がママの身体に入ってしまうことがあります。
そうすると、ママの身体は赤ちゃんの血液を異物と見なして攻撃します。この攻撃によって赤ちゃんの赤血球が壊されてしまうのです。

この反応が見られるのは主に、ママの血液型がO型で、赤ちゃんの血液型がA型かB型の時です。
ママがO型で赤ちゃんがA型またはB型となる確率は約2%ですが、そのときに溶血性黄疸を引き起こす確率は約0.03%とされています。

ABO式より注意が必要なRh式

血液型の分類には、ABO式以外にRh式があります。
Rh式には+と-があり、日本人のほとんどはRh+の型を持っています。Rh-の型を持っているのは僅か0.5%です。Rh式で血液型が合わなかった場合の溶血性黄疸は主に、ママがRh-で赤ちゃんがRh+の時に起こります。

この場合の血液型不適合はほとんどが2人目以降の出産に見られると言われ、Rh-のママがRh+の赤ちゃんを出産した後の妊娠で起こりやすくなります。

Rh式の血液型不適合による溶血性黄疸は、ABO式の場合よりも症状が重くなります。

黄疸が起こりやすい赤ちゃん

ママの指を掴み安心して眠る赤ちゃん

ほとんどの赤ちゃんに起こる黄疸ですが、特になりやすい・長引きやすい赤ちゃんがいます。

低出生体重児

予定より早く生まれてしまった赤ちゃんは、黄疸を起こしやすく、核黄疸に発展しやすい要因を複数持っているので注意が必要です。

低出生体重児の黄疸が悪化しやすい理由

・赤ちゃんの哺乳力が弱く、ママの母乳の出もまだ良くないので、ビリルビンを分解するための栄養素が不足してしまう。
・肝臓でビリルビンを分解する働きが未熟。
・有害な物質が脳に侵入するのを防ぐ働きが未熟。

吸引分娩により出生した赤ちゃん

吸引分娩をすると、多くの場合「頭血腫」といって頭にコブのような血のかたまりができます。このコブは放っておけば自然と治るものなので心配はいりません。

コブが治る際には、いらなくなった血液(コブの中身)が分解されます。ビリルビンは、いらなくなった赤血球が分解されると発生されるものなので、吸引分娩の赤ちゃんの場合、コブが治る過程でビリルビンが発生し、黄疸が出やすくなるのです。

完全母乳で育っている赤ちゃん

母乳性黄疸の項目で書いた通り、完全母乳で育っている赤ちゃんは黄疸が出やすく、長引きやすい傾向にあります。

完全母乳の赤ちゃんに黄疸が出やすい理由

・ママの母乳の出が良くない場合、ビリルビンを分解するための栄養素が不足してしまう。
・母乳に含まれるホルモンが、ビリルビンを分解する働きを弱める。

母乳不足が気になるときは…

ママの母乳不足で黄疸が起きている場合は、ミルクを補うことによって黄疸が治っていきます。

赤ちゃんの1日の基礎代謝量は、体重1kgあたり約50kcalなので、3kgの赤ちゃんでおよそ150 kcalほどとなります。これに運動によるカロリー消費をプラスして、1日300 kcalほどはとってもらいたいところ。母乳でそれだけのカロリーをとれていない場合、その分ミルクで補ってあげるとよいでしょう。

母乳のカロリーは100mlで65 kcalほどです。300 kcalをとるには、460 mlほど飲む必要があります。

母乳の出があまりよくないママの場合、産後の入院中に授乳の前後で体重を測るよう指導されることがあります。授乳の前後で体重を測れば、母乳がどれぐらい出ているかわかります。

体重を測ってみて、母乳が足りないようであれば無理せずミルクを足しましょう。完全母乳を目指したい場合も初めはミルクを足していても頻回授乳を続けていれば次第に母乳の出が良くなり、徐々にミルクを足さなくてもよくなります。

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病院で行われる黄疸の治療方法

黄疸を治療するために光線療法を受ける赤ちゃん

ほとんどの場合、黄疸は自然に良くなりますが、中には重症化してしまうケースもあり、核黄疸に進行することを防ぐために治療が行われます。黄疸は、診断・治療方法が確立しているため、早期に発見し適切な治療を行うことが可能です。

光線療法

赤ちゃんを裸にして、全身に光を当てると、皮膚の下にあるビリルビンが排出されやすい物質に変化します。目に影響を与えないために目隠しをして、青白い光や緑の光を24時間赤ちゃんに当てます。最近では特に副作用の少ない緑の光を使うことが増えてきています。紫外線はカットされているので安心です。

医師の総合的な判断によりますが、低出生体重の赤ちゃんでビリルビン値が12mg/dl以上、正常な体重の赤ちゃんで15mg/dl以上ある場合に光線治療の対象になることが多いようです。
重症な黄疸でない限り、光線療法は24時間で完了します。ほとんどの場合、ママと一緒に退院できるか、入院が1日延びる程度ですみます。

交換輸血

光治療でもビリルビン値が下がらず、核黄疸などの危険な症状を引き起こす可能性が生じた場合、交換輸血が行われます。

交換輸血ではへその緒の切断面からカテーテルを入れ、ビリルビン値の高い血液を少しずつ抜いていきます。その代わりに、安全な血液を同じ量だけ赤ちゃんの身体に戻していきます。この治療により、赤ちゃんの血液の約85%が交換されます。

黄疸治療の副作用とリスク

光線療法は安全性が確立されている治療法で、副作用はほとんどありません。稀に、下痢や発疹、赤ちゃんの皮膚や尿が褐色になるブロンズベビー症候群という症状が現れることがありますが、自然に治るので心配はいりません。
交換輸血の場合は、一時的に赤ちゃんの身体の血液量が変わってしまうため心臓に負担がかかることや、傷口からの感染症にかかってしまうリスクもゼロではありません。

赤ちゃんの黄疸は心配しすぎないで

赤ちゃんの黄疸は、稀に重い病気に繋がるケースもありますが、現代の医療では診断・治療法ともに確率されており、危険な症状になることは滅多にありません。

医師の指示を仰ぎ、しっかりと治療を受ければ心配はいりません。赤ちゃんの顔色のことなので、どうしても気になってしまうママが多いことと思いますが、遅くとも生後2ヶ月頃には、色白お肌を見ることができるので、焦らずに見守りましょう。