Loading

どうしよう!赤ちゃんのとびひ

赤ちゃんがとびひに感染してしまったら…うつる理由や予防法

赤ちゃんのとびひは、暑い季節には特に気をつけたいですね。でももし感染してしまったら、患部をガーゼで覆って、病院へ急ぎましょう。処方される抗生物質などの薬について、お風呂の判断などホームケアについて、詳しく解説します。「とびひ」を予防しながら、プールや外で遊ばせてあげましょう!

赤ちゃんがとびひに感染してしまったら…うつる理由や予防法

赤ちゃんの「とびひ」どう気をつけるべき?原因と対処法

赤ちゃんの皮膚は、大人の半分くらいの厚さしかなく、とても薄くデリケートです。また、皮脂の分泌やバリアー機能、免疫機能などが未熟なため、乾燥やちょっとした刺激が、トラブルを引き起こしてしまいます。

赤ちゃんがとびひにかかったときの処置

そして、赤ちゃんの皮膚の病気には、さまざまなものがあります。中でも気をつけたいのは「とびひ」です。「とびひ」は、感染力が非常に強いうえに、治りにくく再発しやすいという、とても厄介な感染症です。痒みがあるため、不機嫌の原因にもなってしまいます。
そんな「とびひ」の特徴や予防策を知って、赤ちゃんのすべすべお肌を守ってあげましょう!

全身の皮膚に広がる「とびひ」ってどんなもの?

とびひについて勉強する子育て中のママ

「とびひ」とは、正しくは「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」といい、細菌による皮膚の感染症のことです。患部に触れることで感染し、名前の通り、火が飛ぶように、急速に全身へ症状が広がってしまいます。
「とびひ」には「水疱性膿痂疹(すいほうせいのうかしん)」「痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん)」の2種類があり、原因菌や症状が異なります。

水疱性膿痂疹(すいほうせいのうかしん)

「黄色ブドウ球菌」が原因で、水ぶくれができ、びらん(ペロっと皮膚が剥ける)をつくる「とびひ」です。子どもに多くみられ、初夏から夏に多く発症します。

痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん)

「A群β溶血性連鎖球菌」が原因で、強い炎症と厚いかさぶたができる「とびひ」です。大人のアトピー性皮膚炎と合併する場合が多くみられます。季節に関係なく、急速に発症します。

赤ちゃんに多いとびひは「水疱性膿痂疹」特徴と原因

とびひに罹りギャン泣きする赤ちゃん

赤ちゃんや子どもに多くみられる「水疱性膿痂疹」について、詳しくみてみましょう。

いつ頃かかる?

「水疱性膿痂疹」は、0〜6歳の赤ちゃんや子どもに多くみられる「とびひ」です。
6〜7月の高温多湿の季節に発症しやすい傾向がありますが、1年を通じて、いつ発症してもおかしくはありません。そのため、年中注意が必要といえます。

どこにできやすい?

手が届く場所であれば、全身に症状が広がりますが、中でもいつも肌が露出され、かつ皮膚も薄い顔はもっとも症状が出やすい場所のひとつ。その他、腕などすぐに手が届いてしまう箇所や関節部分など皮膚が薄い場所に多く発症します。

どんな症状?

突然、痒みのある小さな水ぶくれが現れ、次第に膿みのように濁った色に変わります。この水ぶくれの表面の膜はとても薄く、触れただけでも簡単に破けてただれてしまいます。水ぶくれの内溶液には、菌がたくさん詰まっているため、掻き壊してしまうと、その周辺だけではなく、掻いた手で触れた部分にも水ぶくれが現れ、どんどんと全身に広がってしまいます

どうしてどんどん広がるの?とびひになる原因

とびひは言うなれば二次感染。もともとのアトピー性皮膚炎、虫さされ、あせもなどを手で掻いてしまうことで、傷口から菌が入り込み「とびひ」が発症してしまいます。
皮膚が「黄色ブドウ球菌」に感染し、菌が作り出す「表皮剥脱毒素(ひょうひはくだつどくそ)」という毒素によって、皮膚の表面に水ぶくれが現れます。

黄色ブドウ球菌とは

人の鼻や、皮膚の表面、便などに常に存在するブドウ球菌の一種です。健康な人に対しても、小さな傷口などから感染し、病気を起こしてしまうほど、毒性が高いのが特徴です。しかし、菌が少ない場合は、発症はみられません。

「とびひ」は他の人にもうつる

「とびひ」は非常に感染力の強い感染症で他の人にもうつります。直接肌が触れることで感染してしまうので、特に兄弟がいる場合は兄弟間での感染に注意が必要!お兄ちゃんお姉ちゃんがとびひになったなら、免疫力が弱い赤ちゃんや乳児に感染しないように気を付けましょう。

また、大人でも、ストレスや睡眠不足などで免疫力が低下しているときには、感染してしまう可能性も十分にあります。患部に触れない同じタオルを使わない、など感染を予防することが大切です。

完治まで

早く治療を開始できれば、3日ほどで症状が落ち着いてきます。
完治の目安としては、壊れた水ぶくれの後がかさぶたになり、そのかさぶたが自然に取れて、患部の赤みが引いたときです。

赤ちゃんが「とびひ」にかかってしまったら

虫刺されあとがとびひになり困り果てる赤ちゃん

赤ちゃんの体表にとびひと思われる小さな水ぶくれを見つけたら、掻き壊してしまう前に、ガーゼで患部を覆い、すぐに病院へ行きましょう。

全身や兄弟にうつる前に病院で診察を

水ぶくれの内溶液を培養し、黄色ブドウ球菌が検出されることで「とびひ」と診断されます。
「とびひ」と診断された場合には、塗り薬内服薬で治療が進められます。「とびひ」はとてもしつこく、治ったと思っても再発しやすいものです。そのため、完治させるには、菌を死滅させなければなりません。

自己判断で薬や通院を止めると、症状を長引かせてしまいます。必ず医師の指示に従って、治療が終わるまで、薬と通院は続けましょう。

とびひは病院で診察を受けるべき理由があります!

軽い「とびひ」であれば、自然治癒や市販の塗り薬で治るケースもあります。しかし、我慢や力加減がまだできない赤ちゃんの場合、患部を掻き壊して、重症化してしまうことも少なくありません。また、とびひを伝染させてしまう菌は市販薬が効かないことも…。これらのことから、とびひは自然治癒や市販の塗り薬には頼らず、必ず病院で診察を受けるようにするべきとも言えます。

■薬が効かない?!MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)

「とびひ」の原因となる黄色ブドウ球菌には、「メチシリン」という抗菌薬に対する耐性を獲得した、「MRSA」というものも多く存在します。
「メチシリン」とは、イギリスで開発された抗菌薬ですが、日本ではほとんど使われていません。実はこの「MRSA」は、メチシリンに限らず、非常に幅広い抗菌薬に耐性を持った多剤耐性黄色ブドウ球菌なのです。そのため、発症した「とびひ」にどの抗菌薬が効くのか、医師の適切な診断が必要となるのです。

赤ちゃんのとびひに処方される塗り薬について

抗菌薬が効かないこともあるとびひ…塗り薬はどのようなものが処方されるのでしょうか?
病院を受診すると症状に応じて、抗生物質抗菌薬の外用薬が処方されます。先ほどの多剤耐性菌の存在もあるため、とびひにはさまざまな種類の薬がありますが、代表的な塗り薬をご紹介します。
薬を塗ってから、リント布で患部が露出しないように、しっかりと覆いましょう。

■ゲンタシン軟膏

傷口の細菌の増殖を抑え、とびひ患部からの二次感染を防ぎます。皮膚の感染症から、掻きむしって化膿した虫刺され、赤く炎症を起こしたニキビなど、幅広い症状の治療に用いられます。
細菌を撃退する抗生物質の「ゲンタイマイシン硫酸塩」が配合されていて、ステロイドは含まれません。

■アクアチム軟膏

細菌の活動を抑え、皮膚の赤みや腫れをやわらげます。とびひ以外にも主に、皮膚感染症や、ニキビの治療に用いられます。
細菌の増殖を阻害する「ナジフロキサシン」が主成分の、新キノロン系の抗菌薬で、ステロイドは含まれません。

■テラコートリル軟膏

化膿をともなう皮膚の赤みや腫れを抑え、痒みや痛みをやわらげるためとびひの治療に使われます。細菌の感染による湿疹や皮膚炎の治療に用いられます。
炎症を抑えるステロイドの「ヒドロコルチゾン」と、細菌の増殖を防ぐ抗生物質の「オキシテトラサイクリン」が配合されています。

■リンデロン-VG軟膏

炎症による赤みや腫れ、痒みなどの症状をやわらげます。悪化した虫刺されやあせも、軽い火傷などの治療にも用いられます。
炎症を抑えるステロイドの「ベタメタゾン」と、細菌を撃退する抗生物質の「ゲンタマイシン」が配合されています。

薬をとびひ患部に塗るときはココに注意!

塗り薬は、とびひ患部へ直接塗り込むことになりますが、塗った時点で指にも菌が付着してしまうため、その指で、他の患部に塗るとせっかく治りかけた部分でも再発してしまう恐れが…。
とびひに薬を塗るときは、使い捨てのビニール手袋を使うのが便利!指1本につき1ヶ所を塗って、5ヶ所塗ったら裏返して捨てます。

とびひは内服薬が処方されることもあります!

とびひの症状が重い場合には、塗り薬と併せて内服薬も処方されます。以下は、その代表的な内服薬です。

■セフェム系抗生物質

さまざまな病原菌に効果のある、ペニシリン系に近い抗生物質です。気管支炎や中耳炎、ものもらい、熱やのどの痛みを伴う風邪など、幅広い症状の治療に用いられます。安全性が高く、副作用も少ないため、ケフレックス、ケフラール、フロモックスなど、汎用例が多くみられます。

■パセトシン細粒

発熱や痛み、腫れなどの炎症を引き起こしている細菌自体を殺菌する、ペニシリン系の抗生物質です。皮膚、呼吸器、眼科、歯科、耳鼻科、泌尿器など、広い範囲の感染症の治療に用いられます。

■ホスミシン

細菌を死滅させる、ホスホマイシン系の抗生物質です。他の抗生物質が効かない感染症に用いられます。呼吸器感染症の適応はありません。ブドウ球菌のほか、サルモネラ菌などの腸内細菌にも効力があるため、食中毒やO-157の治療などにも用いられます。副作用がほとんどなく、安全性が高い薬です。

とびひは悪化させないことが大切!

家庭でとびひを治療するためのガーゼ

「とびひ」は、医師の指示のもと、完治するまでしっかりと治療を続けることが大切です。安易な自己判断をすると、症状を悪化させてしまい、完治まで時間が掛かってしまうこととなります。

とびひが悪化すると…「SSSS」(ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群)とは

とびひが悪化するとSSSS(ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群)を引き起こします。黄色ブドウ球菌が作り出す毒素により、全身の皮膚が火傷のように剥けてしまう疾患です。発熱から始まり、目・鼻・口の周りが赤くなり、水ぶくれが現れ出します。そして、首や脇の下などが腫れて赤くなり、それが全身へ広がり始めます。

乳幼児に多くみられ、かつては命の危険がある病気でしたが、良く効く抗生物質ができたため、重症化せずに済むようになりました。しかし、早期発見することが重要です。症状がみられたら、大至急病院で治療を受けるようにしましょう。

悪化を防ぐ!やってはいけないこと2つ

■絆創膏などを患部に貼らない

患部に安易に絆創膏を貼るのはNG!ばんそうこうは貼ればよいものではなく、とびひの場合は乾燥しないことにより菌が増殖してしまい、症状を悪化させ被害が大きくなってしまうこともあります。水ぶくれに触れなければ良い、という判断で絆創膏を貼ることは間違いです。

■手持ちの抗菌薬を安易に塗らない

市販の抗菌薬で治せる場合もありますが、原因菌が「MRSA」の場合には、全く効果がないこともあります。手持ちや市販の抗菌薬を素人判断で安易に使って効果を得られずに、症状を悪化させてしまう、SSSSなど回避できるはずだった症状に発展させてしまうなどの可能性も大きいのが、とびひの恐ろしさでもあります。

特に、ステロイドを含む薬は薬を塗っているつもりが、ステロイドをエサに菌が増殖症状を悪化してしまう場合があるので注意が必要です。病院でステロイド剤を処方されることもありますが、症状が重い場合などで、ステロイド剤を使用するメリットがあると判断されたときです。

ホームケア

家では、医師の指示通りに塗り薬や服薬を続けるだけではなく、「とびひ」を悪化させない広げないことが重要になってきます。

清潔に保つ

寝具、肌着、タオルなどは、こまめに洗濯し、清潔を保つようにしましょう。気付かないうちに菌が付着しているかもしれませんし、汗が刺激となって痒くなることもあります。

お風呂について

患部を清潔に保つことは大切ですが、とびひのときは湯船に浸かるのは避けぬるめのシャワーを使いましょう。症状の悪化や、家庭内での感染が考えられるからです。他の兄弟姉妹を先に入浴させてから、最後にシャワーを浴びるようにします。
バスタオルからの感染も避けるため、使用済みバスタオルはすぐに洗う…など他の家族や兄弟に触れないように管理しましょう。

赤ちゃんの爪を切る

「とびひ」は、赤ちゃんにとっては痒くて不快なものです。気になって、手で触ってしまうのは、ある程度は仕方がないことです。水ぶくれを掻き壊して、「とびひ」が広がらないように、爪は短く切っておきましょう。

保育園登園や園でのプールはいつから?

とびひは伝染性の皮膚炎であるため、他の子や特に免疫力が低い赤ちゃんや乳幼児たちにとびひが感染しないよう注意してあげる必要があります。

保育園や学校へは行ける?

「とびひ」は、学校保健安全法で「学校感染症、第三種(その他の感染症)」として扱われています。他の子どもにも感染してしまう恐れがあるので、病院で治療を受け、患部を露出させないように、リント布やガーゼ、包帯などで覆っていれば、登園・登校の許可が得られます。
全身に症状がみられる場合は、休ませて治療に専念させましょう。

プールには入れる?

「とびひ」が完治するまでは、プールへ入るのは禁止です。
プールの塩素などが刺激になり、症状が悪化してしまうだけではなく、他の子へ感染が拡大してしまう恐れがあるからです。プールの水で感染することはありませんが、肌が触れることで、次々に感染してしまいます。

園での対応としてNGとしているところも多くありますが、プールは「他の子に感染させない」ように自粛するべきことと言えます。とびひが治り感染の影響がないと主治医が判断するまで指示にしっかり従いましょう。

赤ちゃんもつらいとびひを予防するには

とびひで辛い赤ちゃんを慰めるママ

赤ちゃんが「とびひ」になると、痒くて不快なだけではなく、生活にもさまざまな制限が出てきてしまいます。そうならないためにも、日頃からできる工夫で「とびひ」を予防しましょう。

清潔に!

「とびひ」だけに関わらず、基本的な予防策ですが、清潔を保つことはとても大切なことです。
外から帰ってきたら、手洗いうがいは日課にし、特に暑い季節は、昼間でも汗をかいたらシャワーで流して、こまめに着替えるようにしましょう。
また、小さなすり傷や虫刺されなどを掻かないように、常に爪は短く切っておきましょう。

二次感染の原因をつくらない!

赤ちゃんが掻いて「とびひ」になる、虫刺され、あせもなどをつくらないのが一番の予防になります。外へ遊びに行くときは、虫に刺されないように、肌の露出を抑えるなどの虫除け対策をし、関節部分にはベビーパウダーを使うなど、あせも対策もしましょう。
できてしまった、アトピー性皮膚炎、すり傷などは、早く治すようにしましょう。

鼻を触る癖を止めさせる!

鼻には、黄色ブドウ球菌をはじめ、さまざまな菌が存在しています。指で鼻を触る癖があると、手に簡単に菌が付着してしまい、実際、鼻の入り口から「とびひ」に感染する例も多くみられます。
赤ちゃんや小さな子ほど「キタナイ」が分からず、簡単にはやめさせられませんが、鼻をいじるのは「気になる」サインでもあります。

「とびひ」を防ぐために赤ちゃんが鼻をいじりだしたら、はなくそをとってあげるなどむずがゆさなどを解消してあげ、なるべく鼻はさわらせないようにしましょう。

「とびひ」は広がらないうちに早めに病院へ!

「とびひ」は、とても感染しやすい病気です。しかし、しっかりと予防してあげれば、防げる病気でもあります。もし、「とびひ」の症状を見つけたら、患部には触れずにガーゼで覆って、急いで病院へ行きましょう。何よりも、症状を広げないことが大切です!

赤ちゃんのもっちりすべすべのお肌を「とびひ」から守り、暑い季節には、プールや外で思う存分遊んで、楽しい思い出をたくさん作ってあげてくださいね!