赤ちゃんの痙攣した際の対処法

赤ちゃんの痙攣の原因は?新生児にみられる発作の症状とは

赤ちゃんの痙攣と一口にいっても、新生児特有のけいれんもあれば、発熱が原因のけいれん、大泣きによるけいれん等、原因はさまざま。ここでは、突然の痙攣に慌てないよう発作のタイプや対処の方法のほか、救急車を呼ぶ目安や小児救急電話相談について分かりやすく解説しています。

赤ちゃんの痙攣の原因は?新生児にみられる発作の症状とは

赤ちゃんの痙攣の対処法は?痙攣の種類や原因とは

赤ちゃんの痙攣は、大人よりも起こりやすいってご存知ですか?もし、赤ちゃんに痙攣が起こった場合、どのように対処すべきか、事前にシミュレーションしているというママは少ないのではないでしょうか。でも、赤ちゃんの痙攣は突然起こることから、いつでもスムーズに対応できるようにしておく必要があるのです。

そこで、ここでは赤ちゃんの痙攣をテーマに、見逃してはいけない症状のほか、原因や対応のしかたについて詳しく解説していきます。いざという時にパニックにならないよう、これを読んで、痙攣の対処法を学んでおきましょう。

痙攣(けいれん)とは?

痙攣の症状が見られる赤ちゃん

痙攣とは、自分の意志とは関係なく筋肉が収縮する症状のことで、全身で起こる場合もあれば、手や足などのように部分的に起こる場合があります。特に、赤ちゃんは脳の機能が未熟なことから、新生児期に痙攣を起こした際、症状が分かりにくい「微細発作」がみられる場合があります。(注1)

また、痙攣と似た言葉に「ひきつけ」がありますが、一般的に子供の場合、痙攣とひきつけは同じ意味で使われています。そのため、病院で診察を受ける際や電話で相談する際は、痙攣でもひきつけでもどちらでも通じるので、特に言葉を使い分ける必要はありません。

ひきつけが起こったら…知っておきたい子供の痙攣の対処法
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発作がおきたら確認すべき痙攣の症状

痙攣と聞くと、ピクピクと細かく震えるような症状をイメージする人が多いかもしれませんが、実は、一口に痙攣といってもいろいろな症状があります。ここでは、赤ちゃんにみられる痙攣の症状を4つ紹介します。(注2)

1.強直性痙攣(きょうちょくせいけいれん)

強直性痙攣とは、筋肉が収縮することによって、体が固まってしまったようにつっぱる痙攣のことで、全身のほか手足のように体の一部でも起こります。

2.間代性痙攣(かんだいせいけいれん)

間代性痙攣とは、筋肉の収縮と弛緩を繰り返す痙攣のことで、手や足を「ガクガク」「ピクピク」と震わせるのが特徴です。

3.強直間代性痙攣(きょうちょくかんだいせいけいれん)

強直間代性痙攣とは、強直性痙攣のあとで間代性痙攣がみられる痙攣のことで、強直性痙攣が起こった際に意識を消失する場合があります。

4.ミオクローヌス

ミオクローヌスとは、自分の意志とは関係なく突発的な運動が不規則に起こることをいいます。一瞬ピクッとなるのが特徴で、ミオクロニー発作とも呼ばれます。

赤ちゃんの痙攣の原因は?

痙攣がおさまった赤ちゃんの手

赤ちゃんの痙攣は、数分で治まる発作があれば、命にかかわるような発作もあることから、原因を特定することが重要です。赤ちゃんに痙攣がみられる場合は、主に次のような原因が考えられます。

新生児けいれん

新生児けいれんとは、新生児に多く見られる痙攣のことで、頭蓋内出血のような周産期脳障害以外に、感染症、低血糖などの代謝異常、遺伝子異常が原因のほか、良性家族性新生児けいれんのように原因不明のものがあります。(注1)

新生児けいれんでは一般的な痙攣発作のほか、微細発作がみられるのが特徴です。微細発作は、一点を凝視する眼球運動異常や、口をもぐもぐさせる口頬舌の運動異常、ボート漕ぎや自転車漕ぎのような運動異常など、症状が一見けいれんとは分かりにくいため注意が必要です。

熱性けいれん

熱性けいれんとは、38度以上の発熱が原因で起こるけいれんのことで、左右対称性の強直性間代性がみられるほか、白目をむいたり、顔色が悪くなったりすることがあります。10人に3人が再発するといわれることから、それほど頻繁に起こる痙攣ではありません。(注3)

風邪をはじめとする赤ちゃんがかかりやすい感染症は、発熱を伴う症状が多いことから、咳や鼻水などの症状がみられる場合や、ぐったりしている場合はこまめに体温を測り、38度以上になったらかかりつけ医を受診しましょう。

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憤怒痙攣(泣き入りひきつけ)

憤怒痙攣(ふんぬけいれん)とは、赤ちゃんが激しく泣いたり、びっくりしたりすることで無呼吸になる症状で、痙攣発作のほか最悪の場合は、体内に酸素が行き渡らなくなるチアノーゼや意識消失を引き起こすことがあります。

赤ちゃんのころに頻繁に憤怒痙攣を起こしていても、一般的に3~4歳になるとみられなくなります。

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てんかん

てんかんとは、脳内のニューロンと呼ばれる神経細胞の電気活動の異常によって起こる病気で、電気活動が勝手に起こることによりてんかん発作が現れます。てんかんには、強直性発作や間代性発作、ミオクロニー発作のほかに、体の力が抜ける脱力発作や意識を失う欠神発作などがあります。(注4)

赤ちゃんのてんかんは、生まれて5日目ころに起こることから「fifth day fits」と呼ばれる、良性特発性新生児けいれんのような再発しないタイプのほかに、点頭てんかんのように発達障害を伴うタイプがあることから、痙攣の発作が見られる場合はかかりつけ医に相談しましょう。

新生児破傷風

破傷風とは、破傷風菌に感染することによって起こる急性の細菌性感染症で、菌の毒素の影響により、強直性痙攣のほか、口が開きにくくなる開口障害がみられるのが特徴です。人から人にうつる病気ではなく、傷口から破傷風菌が入った場合や、お母さんが免疫を持たない場合に発症します。(注5)

破傷風は、四種混合ワクチンで予防することができるため、生後3ヶ月になったら必ず予防接種を受けましょう。

また、これらの原因のほかに、髄膜炎や脳炎、脳症、脳腫瘍、頭部外傷などによって痙攣を起こしている可能性があることから、なかなか症状が治まらない場合は、できるだけ早く医療機関を受診する必要があります。

こんな時はすぐに救急車を呼びましょう

救急の現場に向かう救急車

赤ちゃんの痙攣で次のような症状がみられる場合は、命にかかわる可能性があることから、できるだけ早く199番で救急車を呼ぶ必要があります。(注6)

緊急受診が必要な痙攣の症状

  • 痙攣が止まらない
  • 痙攣を繰り返す
  • 意識が戻らない
  • 顔や唇が紫色
  • 痙攣が左右非対称・不規則
  • 興奮して暴れる
  • 最近頭をぶつけた

また、救急車を呼ぶ際は次のような手順で、落ち着いて必要な事項をオペレーターに伝えましょう。

  • 火事ですか?救急ですか?:「救急です」
  • 住所を教えてください:「○○区○○x丁目x-xです」
  • どうしましたか?:「子供が痙攣を起こして意識がありません」
  • おいくつですか?:「1歳2か月です」
  • あなたの名前と電話番号を教えてください:「○田△美です。電話番号は03-xxxx-xxxxです」

もしも、夜間や休日に赤ちゃんの痙攣が起こった場合、医療機関を受診するべきか、救急車を呼ぶべきか迷ったら、#8000の小児救急電話相談に電話をかけて相談してみましょう。

小児救急電話相談(#8000)とは?

小児救急電話相談とは、全国どの地域からも短縮番号#8000に電話をかけるだけで、住んでいる自治体の相談窓口に電話がつながり、専門家から子供の急な病気・ケガについての対処や病院の受診などのアドバイスが受けられるという、厚生労働省が進めている事業です。

実施されている時間帯が自治体によって異なるほか、#8000でつながらない場合があることから、事前にホームページで詳細を確認しておくといいでしょう。ネットで「○○(お住まいの自治体)□小児救急電話相談」と検索すると分かります。

赤ちゃんが痙攣を起こした時の対処法

痙攣症状の赤ちゃんを抱えるママ

突然、赤ちゃんが痙攣を起こした場合、ママが一番にすべきことは落ち着くこと。後遺症が残るような痙攣なのか、危険な病気が原因なのかを判断するために、冷静に赤ちゃんの様子を観察する必要があるのです。

そして、呼吸しやすいように衣服を緩めて、嘔吐した時にのどに詰まらないよう、頭をやや低くした状態で横向きに寝かせて様子をみます。その際、赤ちゃんから目を離さないように、そばについていてあげる必要があります。(注3)

また、医療機関を受診する際に、痙攣の様子を聞かれる場合があるので、痙攣が起こったら落ち着いて次のようなポイントを確認しておきましょう。

赤ちゃんが痙攣を起こした時の確認ポイント

  • 痙攣が続いた時間と回数
  • 体全体の痙攣か?部分的な痙攣か?
  • 痙攣は左右対称か?左右バラバラか?
  • 体温は何度あるか?
  • 嘔吐したか?
  • 意識がはっきりしているか?朦朧としているか?
  • 痙攣の前に頭を打っていないか?
  • 痙攣の後、機嫌はいいか?悪いか?

赤ちゃんが痙攣を起こした時にやってはいけないこと

ママの抱っこに落ち着く赤ちゃん

赤ちゃんに痙攣の症状がみられる場合、よかれと思ってついやってしまうことがありますが、次の2つは逆に悪影響を与える恐れがあるため、くれぐれも注意が必要です。

外部からの刺激を与えないようにしましょう

痙攣を起こした際は、赤ちゃんを抱き起こしたり、揺さぶったりすると、症状を悪化させる恐れがあるため注意しましょう。中には、光や音、触覚などによって、発作が誘発されるてんかんがあることから、大声で名前を呼んだり、直接明かりが当たらないようにして、安静を保つことが大切です。(注2)

タオルや割り箸を噛ませないでください

子供が痙攣を起こした際、舌を噛むのを防ぐために割り箸やタオルなどを噛ませた方がいいと思われがちですが、口の中に物を入れることで呼吸が妨げられるほか、口の中を傷つける可能性があるので、絶対にやめましょう。(注3)

痙攣について不安がある時は迷わず医療機関を受診しよう

赤ちゃんの痙攣は、子供なら一度は経験する熱性けいれんのようなものから、てんかんや破傷風のような直ちに対応が必要なものまで、さまざまな原因で起こります。時には、急いで救急車を呼ぶ必要があることから、ママには赤ちゃんに痙攣が起こった時に冷静な対処が求められます。

そのため、痙攣の症状や対処法などについて正しい知識を身につけておき、赤ちゃんが発するサインを見逃さないよう、普段から見守ってあげることを心がけましょう。

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