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赤ちゃんがやけどしたときの処置

赤ちゃんのやけどが水ぶくれでも跡に残さない適切な処置

赤ちゃんがやけどしたときの適切な処置の方法や、やけどの症状である「Ⅰ度熱傷」「Ⅱ度熱傷」「Ⅲ度熱傷」の3つのについて詳しく説明し、病院を受診する目安なども紹介します。赤ちゃんのやけどを未然に防ぐ方法や、アロエや味噌を塗るなどの間違った民間療法についても解説します。

赤ちゃんのやけどが水ぶくれでも跡に残さない適切な処置

突然のやけどでも慌てないための適切な処置

新生児のことは寝ている赤ちゃんが多いので怪我をすることが少ないですが、月齢を重ねるとおすわりや掴まり立ちを覚えてきます。ママが嬉しい赤ちゃんの成長ですが、何にでも興味を示すこの時期は赤ちゃんにとって危険がいっぱいです。

中でも赤ちゃんのやけどは思いがけず突然起こるので、驚き慌てるママも多いです。赤ちゃんの皮膚は非常にデリケートで、身体が小さいため適切な処置をしなければ重症化し、最悪の場合は大人になってからも跡に残ることもあります。

大人とは違う赤ちゃんのやけどの深刻さ、水ぶくれが破れた時の対処方法、跡に残らない適切な処置について、また赤ちゃんがやけどをしないための予防法や病院に行く目安やなどを解説します。やけどだからと言っても赤ちゃんの場合は重症化する可能性もあるので慎重に判断しましょう。

大人のやけどと違う、赤ちゃんのやけど

やけどと聞くと冷やした後には自然に治ると思っているママも多いですが、それは大人の基準の判断だと言えます。赤ちゃんのお肌は大人が思っている以上にとてもデリケートです。大人と比較して赤ちゃんの「表皮」は薄く、熱いものに触れる時間が短くても皮下組織まで広範囲に広がります。そのため大人のやけどの基準で考えていると最悪の場合、赤ちゃんのやけどは重症化する可能性があります。

やけどが完治して元気になった赤ちゃん

赤ちゃんは身体が小さいため命に危険が及ぶやけどの範囲も大人と違います。大人の場合は体表面積の20%以上で命の危険がありますが、赤ちゃんの場合は体表面積の10%で命の危険があります。赤ちゃんの体表面積の割合は以下の通りです。

  • 頭部で20%
  • 胴体の前面で20%
  • 胴体の背面で20%
  • 両腕で20%
  • 両足で20%

赤ちゃんの命に危険が及ぶやけどの範囲は10%以上なので、例えば右の腕全体がやけどした場合は命の危険があると判断できます。また胴体の前面に渡る範囲でやけどを負った場合は体表面積の20%を超えるため即死の危険性まであるのですぐさま救急車を呼び医療機関で対処しましょう。

また、抗体や免疫が弱い赤ちゃんはやけどの傷口から細菌が侵入し感染症などを発症することもあるので、傷口の様子を見て病院の判断を仰ぎましょう。

やけどの症状や病院での治療目安

やけどの酷さを表すことを「深度」と言い、この深度により「Ⅰ度熱傷」「Ⅱ度熱傷」「Ⅲ度熱傷」の3つに分類されています。深度毎に症状や適切な処置、病院での治療が必要かどうかの判断方法を見ていきましょう。

やけどしてあまりの痛さに泣きじゃくる赤ちゃん

「Ⅰ度熱傷」は表皮のみが損傷するやけど

表皮とは皮膚の表面の目に見えている部分で、やけどの損傷が表皮のみにとどまった場合は「Ⅰ度熱傷」となります。このⅠ度熱傷はヒリヒリした痛みと皮膚の赤い腫れが特徴で、通常約3日から4日程度で自然治癒します。水ぶくれややけどの傷跡も残らないこと、自然治癒することから病院での治療は必要ありません。日焼けも「Ⅰ度熱傷」に該当します。

「Ⅱ度熱傷」は表皮の奥の真皮が損傷するやけど

表皮の奥にあるのが真皮と言われる皮膚の層で、この真皮が損傷すると「Ⅱ度熱傷」になります。このⅡ度熱傷は真皮の上層が損傷する「浅達性」と真皮の深層まで損傷する「深達性」の2つに分けることができます。重症化する可能性や処置によっては跡が残ることもあるため、赤ちゃんの場合はこのⅡ度熱傷からが病院で診察を受ける目安と考えましょう。

真皮上層が損傷する「浅達性Ⅱ度熱傷(SDB)」

Ⅰ度よりも強いヒリヒリした痛みと赤い腫れが特徴で、水ぶくれができます。通常約2週間程度で皮膚が再生しますが、処置によっては色素が沈着して跡の残る可能性があります。やけどの傷跡は残らないケースが多いです。

真皮の深層まで損傷する「深達性Ⅱ度熱傷(DDB)」

真皮の深くまで損傷するため、赤い腫れと白い水ぶくれができますが、痛みは「浅達性」よりも弱いのが特徴です。治りが遅く完治するまでには2ヶ月以上を要すこともあります。治りが遅いため感染症の危険もあり、その場合は手術で皮膚移植しなければならないこともあります。残念ながら傷跡が残ってしまう可能性がとても高いです。

「Ⅲ度熱傷」は皮膚の全層が損傷するやけど

やけどの最も深いのが「Ⅲ度熱傷」です。皮膚の全層が損傷しているため痛覚がなく、肌の表面は壊死していることがあります。皮膚が白っぽく乾燥し硬くなり、水ぶくれはありません。皮膚が再生能力を失うので、自然治癒や薬での治療は不可能で、手術するのが原則となります。やけどの跡がはっきりと残ります。「Ⅲ度熱傷」になった赤ちゃんは大変危険な状態なので、すぐに救急車を呼んでください

家庭で治療できるのは「Ⅰ度熱傷」まで

紹介した3つの深度のうち家庭で治療できるのは「Ⅰ度熱傷」までになります。「Ⅱ度熱傷」の特徴の水ぶくれができるのを病院で診察する目安にできます。また赤ちゃんの場合はやけどが体表面積の10%以上になると命に危険があるため広範囲をやけどしたにもかかわらず「水ぶくれができてないから様子を見よう」などと思わずに病院で治療を受けましょう

家庭での適切な応急処置は「冷やすこと」

家庭での治療方法は何よりも「冷やすこと」を最優先にしましょう。最適な応急処置は患部を10℃から15℃程度の温度の水で20分前後冷やすことです。やけどは早い処置が重症化を防ぐため「熱傷」の度合いにかかわらず対処し病院へ行く準備をしましょう。

やけど治療に使われる蛇口から流れる流水

手足のやけどは流水で冷やす

手足のやけどは冷やしやすいことから、水道の流水で冷やしましょう。このとき水流が強すぎると赤ちゃんが痛みを感じるので優しく調整しましょう。20分前後の間、水で冷やすことになるので赤ちゃんの体温に気を配りつつ対応しましょう。

冷やしにくい箇所はタオルで冷やす

顔や耳など流水で直接冷やせない箇所は氷や保冷剤などをタオルで包み冷やします。無い場合は少し冷ための水をタオルに含ませるなどしても大丈夫です。注意点として氷や保冷剤で直接冷やすと凍傷になる危険性があるので絶対にやめてください。

服の上から冷やす

熱湯などで服の上からやけどした場合は服を脱がせず、そのままお風呂の流水で冷やします。これは服を脱がせたときに皮膚がくっつき損傷する可能性を防ぐためです。服の上から冷やすことでタオルの役目も果たすので赤ちゃんの保温にも役立ちます。

お風呂は赤ちゃんの様子を見て慎重に判断

やけどの症状は様々で一概にいつから入浴可能か、という明確な時期はありません。赤みが引かずまだヒリヒリしている様子があるときは入浴を控えタオルで拭いてあげましょう。やけどの箇所は皮膚が弱くなっているので痛みがひいたときも安心せず、1日ほど赤ちゃんの様子を見てから、ぬるま湯のシャワーで優しく流します。

やけどが治り久しぶりのお風呂に浸かる赤ちゃん

広範囲に渡っているやけどや「Ⅱ度熱傷」で水ぶくれができ病院を受診した場合は、通院先の医師に「お風呂はいつからはいれるか」聞いて判断に従いましょう

何科を受診するか迷った場合は小児科へ

赤ちゃんがやけどした場合「病院の何科を受診すればいいの?」と迷うことがあります。小児科か皮膚科か、それとも整形外科がいいのか、迷ったときはかかりつけの小児科に電話で連絡しましょう。多くの場合は小児科で対応してくれますが、対応してくれなくてもやけどの症状を詳しく説明することで適切な病院を紹介してくれます。

重度のやけど治療を行う医師

また夜間で病院が閉院しているときは救急センターに電話して症状を説明すると、対応方法や最適な病院の案内、場合によっては救急車を手配してくれます。やけどと言っても赤ちゃんの場合は大人と違い重症化の危険性があるため医師や担当者も親切に対応してくれます。

やけどを未然に防ぐ予防法

赤ちゃんのやけどは重症化する可能性があり最悪の場合は命にかかわる程の危険性があります。事前に予防することでこの危険性を最小限に抑えることができます。赤ちゃんがやけどをする可能性が高い、原因となるものを紹介します。

赤ちゃんが注意したい高熱をもつアイロン

高温の水蒸気をだすポットやヤカン

ポットやヤカンは高温の水蒸気を出します。その水蒸気が赤ちゃんに触れることでやけどをします。水蒸気は深いやけどにはなりにくいですが、やけどが広範囲に渡る可能性があるため軽く見ないよう注意が必要です。

低温やけどに注意したいホットカーペットやコタツ

ホットカーペットやコタツ、電気毛布は低めの温度で長時間熱を出します。しかし長時間の使用では大人でも低温やけどに注意する必要がある通り、赤ちゃんも低温やけどに注意が必要です。使用は短時間で赤ちゃんのお肌の様子をしっかり観察しましょう。

一瞬の接触でもやけどするアイロン

アイロンは140度から160度の非常に高い温度のため、赤ちゃんが一瞬触れるだけでもやけどをする可能性があります。育児だけでなく家事にも忙しいママですが、アイロンを掛けるときはどうしても赤ちゃんから目を離してしまいがちです。赤ちゃんがいない部屋でアイロンを掛ける、パパに相手をしてもらうなど、アイロンから赤ちゃんを遠ざける工夫をしましょう

赤ちゃんが届く距離の長いテーブルクロス

つかまり立ちを始めた赤ちゃんはどんなも物もつかんでしまいます。熱々のお味噌汁や鍋などママが食事の用意しているときにテーブルクロスを赤ちゃんが引っ張ってこぼしてしまった、なんてことになると大きなやけどを負う可能性があります。

抱っこしながらの食事は危険

抱っこしながらママが食事を取ることはとても危険です。赤ちゃんの動きは予想できないので、とっさの動きに手にした熱い食べ物を赤ちゃんにこぼすことがあります。また食事中は大人の気がそれるので、いつの間にか鍋に手を突っ込んでいた、ホットプレートを掴んでいた、という可能性があります。

間違ったやけどの対処法

赤ちゃんがやけどした場合の間違った対処法を説明します。予め方法を知っているといざ赤ちゃんがやけどしたときに冷静に判断、行動できます。ママの最初の処置がやけどの跡が残るのか残らないのか決めることもあるので赤ちゃんのためにもしっかり覚えましょう。

間違った民間治療で使われるアロエ

衣服の上からやけどした場合は脱がさず冷やす

やけどをしたからといって直に冷やすと思い込んでいる方もいるかもしれませんが、それは間違いです。正しくは衣服の上から冷やします。やけどの症状が重い場合、皮膚と衣服がくっついて傷を広げることになります。衣服の上から流水などで冷やすことで赤ちゃんの凍傷も防ぐことができます。やけどの処置は早ければ早いほどやけどの進行を防ぐことができるので、脱がすよりも冷やすことに時間を使いましょう。

アロエ、味噌、じゃがいもの絞り汁は使わない

民間療法として有名なのがアロエの断片や汁を、じゃがいもの絞り汁を、味噌を直接やけどした箇所に塗ると保湿効果や殺菌作用があると言われていますが、逆に細菌の増殖を促し感染症を引き起こす可能性が高くなります。また皮膚がかぶれ炎症を起こすことも考えられるので絶対に使わないでください。

家庭の消毒液は刺激が強い

やけど部分から細菌の侵入を防ぐために家庭用の消毒液を使う方がいますが、この家庭用の消毒液はやけどした皮膚には刺激が強いため症状が悪化する可能性があります。家庭では冷やすことに専念し、酷い場合には医師の判断に従いましょう。

馬油やワセリンは治療後に

やけどした場合はすぐに馬油で保湿するのは間違いです。やけどの治療には保湿が必要ですが、それは治療後の話で、まずは直ぐに冷やしやけどの進行を止めるのが先決です。