赤ちゃんの血便の原因や症状

赤ちゃんの血便の原因は?病気が疑われるうんちの色や硬さ

赤ちゃんの血便に、表面に鮮血が付着している場合のほか、粘液が混じった粘血便、タール便、イチゴゼリー便など、色や性状はさまざま。特に心配する必要のない原因だけでなく、深刻な病気で起こることから、ママは赤ちゃんの血便について正しい知識を身につけておくことが大切です。

赤ちゃんの血便の原因は?病気が疑われるうんちの色や硬さ

赤ちゃんの血便の原因は?便に血が混じるのはどんな病気?

赤ちゃんのうんちは、成長とともに緑色や黄色から大人と同じような色に変化していきますが、毎日のオムツ替えの中で、うんちがいつもと違う血が混じったような赤い色をしていたら驚いてしまうはず。うんちは健康のバロメーターといわれていることから、赤ちゃんに血便がみられる場合、体の中で異常が起こっているサインかもしれません。

ここでは、赤ちゃんによくある血便から病気が疑われる血便まで、色などのうんちの特徴、血便の原因となる病気について解説していきます。どんなうんちが出た時に病院に行く必要があるのか、しっかりチェックしておきましょう。

赤ちゃんによくある血便の原因と対処法

血便になっている赤ちゃん

最初のご紹介するのは、赤ちゃんなら誰にでもみられる血便についてです。病気が原因というわけではないので、それほど心配をする必要はありませんが、もしも血便が治まらない時は、かかりつけ医への相談が必要です。

赤ちゃんに起こりやすい血便の原因には、主に次の2つがあります。

1.便秘による裂肛(切れ痔)

便秘によってうんちが固くなってしまったうんちが肛門よりも太い場合、粘膜や皮膚を傷つけることで肛門が裂ける裂肛(れっこう)が起こり、血便が出ることがあります。裂肛による血便は、排便時の出血によって起こることから、うんちの表面に鮮血が付着しているのが特徴で、熱や嘔吐、下痢のような他の症状がみられません。

肛門が裂けてできた傷は比較的早く治りますが、裂肛を繰り返すと裂けた部分に「見張りいぼ」と呼ばれるポリープができてしまう場合があります。また、裂肛による痛みがあると、うんちをするのを嫌がって、さらに便秘がひどくなる可能性があるため注意しましょう。(注1)

裂肛による血便を予防するために、日頃から次のような対策を行って便秘を改善する必要があります。

しっかり水分補給する

大人と同様に、赤ちゃんの便秘にも水分補給が大切です。普段飲ませている母乳やミルクのほかに、体を動かした後や散歩から帰ってきた時、お風呂上りなどに、白湯を冷やして飲ませてあげるといいでしょう。

お腹を優しく刺激して腸の活動を促す

お腹にうんちやガスが溜まって機嫌が悪いときは、次のような方法で腸を優しく刺激してあげると、便秘の改善につながります。
・お腹にゆっくり「の」の字を書くようにマッサージする
・仰向けの状態で両足首を持って、自転車をこぐようにゆっくり動かす

離乳食に便秘の改善につながる食材をプラスする

離乳食が始めることで便秘になりやすいことから、キャベツや大根、かぼちゃなどのような、水溶性食物繊維を多く含む野菜のほか、オリゴ糖などの便秘にいい食材を食事に取り入れることを心がけましょう。

ただし、いくら便秘にいいからといって、いきなり赤ちゃんにヨーグルトを与えるのはNGです。特に、ママとパパのどちらかがアレルギー体質の場合は、アレルギー症状が現れる可能性があるため、無糖のプレーンタイプを少量ずつ与えるようにしましょう。また、ハチミツは乳児ボツリヌス症のリスクがあるので、赤ちゃんが1歳をすぎるまではくれぐれも与えないよう注意が必要です。

2.リンパ濾胞増殖症(りんぱろほうぞうしょくしょう)

リンパ濾胞増殖症とは、腸管の表面にある「リンパ濾胞」という袋状の組織が増殖することで、腸の表面で出血することによって血便が出るのです。何か大変な病気のような印象を受けますが、出血の量が少なく、リンパ濾胞の増殖自体は特に問題ありません。(注2)

そのため、もし体調が良くない、体重が増えない、出血の量が増えたなど、気になる症状がみられる場合は、他の病気の可能性もあるので、念のためかかりつけ医を受診しましょう。

病気が疑われる赤ちゃんの血便の4つのタイプ

血便で切ない表情になっている赤ちゃん

赤ちゃんにみられる血便の中でも、ここで紹介する5つの原因は要注意。放っておくと赤ちゃんの成長だけでなく、命にかかわるものがあるため、それぞれの血便のタイプをしっかり覚えておくことが大切です。

1.粘液と血液が混じった血便~ミルクアレルギー

ミクルアレルギーとは正式には「新生児-乳児消化管アレルギー」といって、牛乳由来のミルクや母乳のほか、米、大豆、卵などの原因食物によって、血便や嘔吐、下痢などの症状を繰り返す病気です。通常の食物アレルギーと違って、必ずしも両親のアレルギー体質の遺伝が原因ではありません。

新生児-乳児消化管アレルギーには、炎症が起こっている場所によって、次のように異なる症状がみられるという特徴があります。(注3)

  • 消化管全体の炎症:嘔吐・血便がある
  • 上部消化管の炎症:嘔吐はあるが、血便はない
  • 消化管全体の炎症と小腸の障害:嘔吐・血便はないが、体重が増えない
  • 下部消化管の炎症:嘔吐はないが、血便がある

新生児-乳児消化管アレルギーでは、原因食物を除去することによって、消化管の炎症を抑えることができることから、牛乳由来のミルクが原因の場合は、治療用のミルクや母乳に切り替える必要があります。

2.タールのような黒っぽい血便~新生児メレナ

メレナとは、上部消化管の出血によって黒っぽいうんちが出ることで、「タール便」や「黒色便(こくしょくべん)」とも呼ばれます。特に、新生児の場合はビタミンKの欠乏が主な原因となるほか、胃や十二指腸の消化性疾患などによっても起こります。(注4)

そのため、ビタミンKの欠乏を予防するために、日本小児科学会のガイドラインでは、次のようなビタミンK2シロップの投与が定められています。(注5)

  • 1回目:出生後に数回の哺乳を確認し、1mlのシロップを10倍に薄めて投与
  • 2回目:生後1週または退院時に1回目と同様の量を投与
  • 3回目:1ヶ月健診時に1回目と同様の量を投与

3.イチゴゼリーのような血便~腸重積

おむつを替えられようとしている赤ちゃん

腸重積とは、小腸が大腸の中に入り込んでしまうことによって、血管が切れて「イチゴゼリー便」と呼ばれるドロドロした血便が出るほか、痛みが強くなったり治まったりするのを繰り返す、嘔吐などの症状がみられます。(注6)

腸重積は、放っておくと組織の壊死が進むことから、できるだけ早く施設の整った病院を受診して、発症から24時間以内に、高圧浣腸で小腸と大腸の重なりを元に戻す必要があります。最悪の場合は、回復手術によって壊死した部分の切除が必要になるため、早急な対応が求められる病気です。

4.発熱を伴う粘血便~細菌性腸炎

細菌性腸炎とは、腸管が細菌に感染して炎症を起こす病気のことで、血便のほかに、発熱・腹痛・嘔吐・下痢などの感染症に多くみられる症状が特徴です。特に、次のような細菌に感染した場合は、血便が起こりやすくなります。(注7)

  • O157などの腸管出血性大腸菌
  • カンピロバクター
  • サルモネラ菌
  • チフス菌
  • パラチフス菌
  • 細菌性赤痢

O157による腸炎は血便のほか、痙攣(けいれん)や意識障害がみられる脳症を引き起こす恐れがあるため注意が必要です。

赤ちゃんの痙攣の原因は?新生児にみられる発作の症状とは
赤ちゃんの痙攣の原因は?新生児にみられる発作の症状とは
赤ちゃんの痙攣は珍しいことではありません。新生児期や乳児期の痙攣の原因や症状などの知識を身につけることが大切です。いざという時のために、対処法や救急車を呼ぶタイミングをチェックしておきましょう。

細菌性腸炎を予防するためには、食材を調理する際はしっかりと加熱し、ママは生肉などに触れた際はきちんと手洗いを行うなどして、細菌による赤ちゃんの食中毒を防ぐ必要があります。

うんちが赤い!でも血便ではない2つのタイプ

血便で病院に通う赤ちゃん

ここまで、深刻な赤ちゃんの血便について説明してきましたが、実は赤ちゃんのうんちには、血便のように見えてそうでないものがあります。次のようなうんちは血便ではないため、慌てないようにご注意ください。

1.トマトなどの食べ物の色素で赤くなった

赤ちゃんのうんちが赤い場合、血液以外に、食べ物の色のせいで赤くなることがあります。特に、トマトやニンジン、スイカなどの赤い食べ物のほか、野菜ジュースやブドウジュースのような飲み物の色は、そのままうんちになって出てくるのです。

そのため、もしも赤ちゃんのうんちがいつもより赤いと感じたら、まずは落ち着いて赤ちゃんに何を食べさせたのか思い出してみましょう。

2.薬による影響

病院で処方された薬を飲んだ際に、赤ちゃんのうんちが赤くなることがあります。特に、感染症の治療の際に処方される「セフジニル」という抗生物質は、粉ミルクと併用した場合、うんちが赤くなるほか、おしっこも赤くなることがあります。(注8)

もしも、赤ちゃんが感染症で薬を処方してもらう場合は、薬が赤ちゃんに与える影響を事前に確認しておくと安心ですね。

医療機関を受診する際の注意点

退院してママに甘える赤ちゃん

赤ちゃんの血便で医療機関を受診する際、うんちの色や性状を言葉で説明するのは大変難しいことです。お医者さんに赤ちゃんの血便の正しい情報を知ってもらうためには、実際に赤ちゃんのうんちを見てもらうことが一番の近道です。

そのため、赤ちゃんが血便をした場合は、次のような対応をとりましょう。

  • 血便がついたおむつをチャック付きのポリ袋などに入れて病院に持っていく
  • スマホで摂った血便の画像を見せる

血便が続く時は早めにかかりつけ医に相談しましょう

赤ちゃんの血便は、特に心配がいらないものがあれば、早急に対応が必要なものがあるということが分かりましたね。もしも、オムツ替えの時に、赤ちゃんのうんちが血便だったら、まずは慌てずにうんちの色や硬さのほか、発熱や嘔吐などの赤ちゃんの状態をきちんと確認することが大切です。

深刻な血便ではない条件にあてはまる場合は、しばらく様子をみて、それでも血便が続く場合は、かかりつけ医に相談しましょう。

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