赤ちゃんの喘息の症状とケア

赤ちゃんの喘息の原因は?注意すべき乳児喘息の症状

赤ちゃんの喘息の症状の特徴や喘息発作の原因、乳児喘息、小児喘息の治療、赤ちゃんを喘息発作から守るホームケア、喘息発作に伴う呼吸困難や息苦しさからの不安を軽減する発作時の対処法についてわかりやすく解説。喘息の診断方法、治療の進めかた、処方されるお薬や完治の可能性についても紹介。

赤ちゃんの喘息の原因は?注意すべき乳児喘息の症状

赤ちゃんの喘息(乳児喘息)の症状や原因と正しいホームケア

風邪だと思っていた赤ちゃんの咳が良くならなくて、病院へ行ってみたらまさかの喘息との診断…!赤ちゃんが喘息と診断されると、ショックや不安が大きいですが、発作に苦しむ赤ちゃんにいち早くケアできるのはお家の人しかいません!

喘息は激しい発作症状がたびたび起きる病気ですが、それ以外にはどのような症状があるのか、なぜ喘息発作が起きるのかはあまり知られていないものです。喘息とはどのような病気で、どのような原因で起こるのでしょう?

ここで紹介する赤ちゃんの喘息の特徴や原因を参考にして、正しいホームケアの方法を身に着けましょう。

喘息ってどんな病気?

喘息の治療を行うママ

喘息は正式には「気管支喘息」といって、気管支の炎症が慢性的に起こることで気道が過敏になり、咳などの症状がみられることをいいます。ここでは、乳児喘息の基礎知識として、症状や発症する時期について解説していきます。

見逃してはいけない赤ちゃんの6つの症状

小さな赤ちゃんは喘息の発作が起こっても、言葉で「苦しい」と伝えることができません。そのため、次のような症状がみられる場合は、喘息の症状の可能性があることから、かかりつけ医に相談するなどの対応が必要です。(注1)

喘息の発作が疑われる赤ちゃんの症状

1.機嫌が悪い・よく泣く
2.母乳やミルクを飲まない
3.激しい咳・咳がひどくて眠れない
4.咳による嘔吐
5.呼吸が荒い・早い
6.顔色が悪く唇や爪に赤みがない
7.息を吐く際に喘鳴が聞こえる
8.息を吸う際に胸がへこむ・動きがおかしい
9.意識がもうろうとしている

喘鳴(ぜいめい)とは、呼吸の際に「ゼーゼー」「ゼロゼロ」「ヒューヒュー」などの音がすることで、喘息の代表的な症状です。ただし、赤ちゃんは大人に比べて気道が狭いため、喘息の発作以外でも喘鳴が聞こえることがあります。

特に、次のような場合にも喘鳴が起こることから、喘鳴を繰り返す場合は、早めにかかりつけ医を受診して、原因を特定することが重要となります。

・気管支炎や肺炎
・風邪やRSウイルスなどの感染症
・食物アレルギー
・胃液や飲み込んだ母乳・ミルクの逆流
・ピーナッツやボタン電池などの誤飲
・心臓に異常がある

病院を受診する際は「どんな時に聞こえるのか」「どんな音がするのか」「喘鳴以外にどんな症状があるのか」という3点を伝えることで、診断がしやすくなります。

赤ちゃんが咳をして吐くときのケア・原因と受診目安
赤ちゃんが咳をして吐くときのケア・原因と受診目安
赤ちゃんが咳をして吐く。咳が原因の嘔吐か、咳とは別の嘔吐なのか見極める必要があります。咳や嘔吐の原因となる病気や受診目安、少しでも赤ちゃんの咳を楽にする、嘔吐の時に気をつけるケア方法を紹介します。

赤ちゃんの喘息はいつから?

15歳までに起こる小児喘息のうち、歳未満の赤ちゃんの喘息のことを「乳児喘息」といいます。6歳までに9割が発症する小児喘息は、全体の6割が3歳まで発症することから、乳幼児の喘息の発症率は極めて高いのです。(注2)

ただし、喘鳴を発症する赤ちゃんがなりやすい病気が多いことから、低月齢での喘息の診断は難しいといわれています。また、小児喘息は3歳くらいで治る子もいれば、治療によって一旦症状が治まっても、何らかの原因で再発する恐れがあることから、油断せずに見守ってあげることが大切です。

喘息の原因とは?

ハウスダストを出さないように掃除機をかけるママ

赤ちゃんの喘息の症状や特徴が分かったところで、次にどうして喘息になってしまうのか、喘息の原因について解説していきます。赤ちゃんの喘息の原因としては、主に次のようなものがあげられます。(注1)

1.アレルゲン

アレルギーの原因となるアレルゲンによって、気道で炎症が起こり喘息を発症します。主なアレルゲンには、ダニやハウスダスト、カビ、動物の毛やフケなどの、赤ちゃんが日常的に暮らす環境にみられる物質があります。

2.タバコの煙

小さな赤ちゃんはとても敏感なので、アレルゲンのほかに、タバコの煙によって気道が刺激を受けて、炎症につながるケースがあるのです。タバコの煙の粒子はPM2.5よりもさらに小さく、気づかないうちに体内に取り込まれてしまう恐れがあるため、十分に注意しましょう。

3.ウイルス感染

風邪などのウイルスに感染することで、気道に炎症が起こりやすくなります。風邪のほかに、RSウイルスやインフルエンザウイルス、ライノウイルスなどが原因なりやすいことから、流行期は外出を避ける、ママやパパは手洗いをしっかりする等、普段からしっかりと予防を行いましょう。

4.大気汚染や天候

PM2.5などの大気汚染物質のほかに、急激な気温の変化や台風などにより喘息の発作が起こりやすくなります。特に、季節の変わり目は体調を崩しやすいため、服装には十分に気をつけて、直接外気にあてないなどの工夫をしましょう。

喘息は遺伝するの?

みんな喘息がある家族

結論からいえば、喘息になりやすい体質は遺伝します。親が喘息の場合は、その子供も喘息になるやすいのです。

しかし、両親のいずれかが喘息だからといって、必ずしも子供が喘息になるとは限りません。反対に、喘息は遺伝以外に環境が大きな要因となることから、両親が喘息ではなくても子供が喘息になる可能性は大いにあります。

特に、次の条件にあてはまる赤ちゃんは喘息になりやすいため、十分に注意しましょう。

喘息になりやすい赤ちゃんの特徴

・男の子
・アトピー性皮膚炎や食物アレルギーを発症している
・両親のどちらかが喘息
・両親のどちらかが特異的IgE抗体を持っている
・家で犬や猫などのペットを飼っている
・タバコを吸っている家族がいる
・PM2.5などの大気汚染物質に触れる機会がある

特異的IgE抗体とは即時型アレルギーの原因となる抗体のことで、IgE抗体を持っていると、気管支喘息のほか、アレルギー性鼻炎、花粉症、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなどの症状が起こりやすくなります。

赤ちゃんのアレルギー検査の時期は?検査方法・内容・費用
赤ちゃんのアレルギー検査の時期は?検査方法・内容・費用
もし赤ちゃんにアレルギーのような症状がみられたらどのような検査を行うのでしょうか。そもそも専門科に行った方がいいの!?わからないことだらけのアレルギーの検査について解説しました。

赤ちゃんの喘息の診断方法

もし赤ちゃんが喘息と診断されてしまったら、適切な治療のほかにホームケアが大切になります。どのような検査によって、喘息と診断されるのでしょう。

赤ちゃんの喘息を診断するためには、診察では、どのような症状がいつから続いているのかなど、具体的な症状の経過や、家族の病歴、生活環境についての問診が行われ、さらに、他の病気と見分けるために、血液検査や胸部レントゲン撮影、気道の状態を調べる検査などが行われる場合があります。

血液検査では、どんなアレルゲンに対して症状が起こるのかを知るために、特異的IgE抗体値を調べます。

赤ちゃんの喘息の治療に使われる薬

息子の看病をするママ

残念ながら、赤ちゃんが喘息と診断された場合、喘息の治療が行われます。ここからは、具体的にどのような治療を受けるのかを見ていきましょう。

喘息の治療では、主に次のような2つの種類の薬が使われます。

1.炎症を抑える薬

喘息の原因となる気道の炎症を抑えて、発作が起こらないようにするために、ステロイド薬を吸入するほか、ロイコトリエン受容体拮抗薬という薬を服用します。これらの薬は、発作を防ぐための長期管理薬のため、症状が出ていなくても毎日続ける必要があります。

2.気道を広げる薬

発作が起きてしまった場合、気道を広げて呼吸をしやすくするために、気管支拡張薬を使います。早く発作を抑えるためには、飲み薬よりは吸入器タイプの方が効果的。発作がひどくなる前に、できるだけ早めに吸入することが大切です。

赤ちゃんにステロイド薬を使って大丈夫?

ステロイド薬は毎日吸入することから、副作用が気になるママは多いかもしれませんが、基本的に正しく使い方をしていれば問題はありません。赤ちゃんの症状を改善するためには、回数や使い方を守って使うことが大切です。

喘息の発作が起きた時の対処方法4つ

喘息の赤ちゃんをあやすママ

いくらケアをして赤ちゃんの健康を守っても、発作が起きてしまう場合があります。そんなときには、発作の苦しさやパニックによる呼吸困難を回避するためにも、まずはおうちの人が落ち着いて対処をしましょう。

1.赤ちゃんを安心させる

不安からのストレスで悪循環を起こさないよう「苦しいね。でも大丈夫だよ」「吐いてびっくりしちゃったね」などと、抱っこして声をかけてあげてください。

2.呼吸が楽になる姿勢を探す

呼吸が楽になる姿勢を探し、その姿勢を取らせるようにします。横になっているよりも、縦抱きで楽になる子もいます。

3.薬の吸引・服用

発作が起きたかなと思ったら、早めに気管支拡張薬で呼吸を楽にしてあげましょう。その際、張り薬は効果が現れるのに時間がかかるため、服用薬や吸入薬を使って様子をみましょう。

4.救急受診や救急車の手配

気管支拡張薬を吸入・服用しても改善がみられない場合や、さらに症状がひどくなった場合は、速やかに救急外来を受診するようにしましょう。特に、唇や指先が青白くなるチアノーゼのほか、呼吸困難や意識障害が起こった場合は、取り急ぎ救急車を呼ぶ必要があります。

赤ちゃんの咳は音・時間帯をチェック&止まらない咳のケア
赤ちゃんの咳は音・時間帯をチェック&止まらない咳のケア
赤ちゃんの咳が止まらない…咳の音や咳や発作の起こる時間帯、鼻水や熱などといったほかの症状など病院受診で必要な観察ポイントを解説!長引くと赤ちゃんの体力を消耗させる咳は的確なおうちケアも必要です。

赤ちゃんの喘息発作を軽減するためのホームケア

綺麗に洗濯された毛布で寝る赤ちゃん

いつかは治るかもしれないと思っても、赤ちゃんがつらいのは今ですよね。そのつらさを少しでも軽減させてあげたい。そのためには一体どうしたらいいのでしょうか?赤ちゃんから喘息のつらさを少しでも取り除くために、次のような普段から気を付けるべきことがあります。

お布団やぬいぐるみは清潔に保ちましょう

お布団やぬいぐるみなどには、ほこりやダニなどのハウスダストがたくさんついています。特に、お布団という場所は、赤ちゃんの定位置でもあります。なので、お布団やぬいぐるみを小まめに干し、掃除機で小まめにハウスダストを吸い取るように心がけてください。

こまめに掃除をしましょう

生活をしていると、黙っていてもホコリは溜まっていきます。小まめに掃除を行い、なるべく赤ちゃんがほこりを吸い込まないように気を付けましょう。掃除機をかける前に水拭きをすると、ほこりが水分を吸い取り、掃除機の空気で舞い上がらないようになります。

なお、掃除のとき、一番気を付けるべきは掃除機からの排気です。排気のきれいな掃除機を選ぶ、掃除中の換気をしっかり行うなど、赤ちゃんへの影響を最小限に抑えることを心がけましょう。

煙草の煙から赤ちゃんを守りましょう

煙草の煙は吸い終わってから2時間は、喫煙者の体にまとわりつくと言われています。たばこの煙は赤ちゃんにとって百害あって一利なし。煙草を吸う人が家族にいる場合、有害物質を赤ちゃんに吸わせないためにも屋外で喫煙させるようにしましょう。

さらに、少量残ったたばこのにおいや喫煙者の呼気も刺激になりますので、空気清浄機を設置すると安心です。赤ちゃんの健康を守るため喫煙者側の我慢することが多くはなりますが、お互い妥協点を見つけ、でも赤ちゃんの体を優先に、家族にとってベストな解決方法を探してください。

喘息と診断されても慌てないで!喘息の症状改善はまず環境から!

喘息と診断されても、以上のことを思い出し、慌てずに赤ちゃんと接してあげましょう。できるだけ症状の起こらないように身の回りの環境を整えていくことが症状改善に一番大切ですが、いざ発作が起こったときパパやママが冷静に、優しく対処できると赤ちゃんは安心です。

喘息発作の症状が現れたときは呼吸の苦しさからパニックに陥りやすく、赤ちゃんは呼吸困難となる悪循環にはまりやすいと言えます。苦しくて怖い思いをしている赤ちゃんを守れるのはお母さんお父さんです。

我が子の突然の発作には不安にはなりますが、不安は赤ちゃんにすぐに伝わってしまいます。一度深呼吸して赤ちゃんを抱きしめてあげてください。そして家族みんなで協力し、赤ちゃんの過ごしやすい環境を作ってあげてくださいね。

おすすめコンテンツ