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ジカ熱に妊婦が感染する危険性

ジカ熱に妊婦が感染する危険性|赤ちゃんを守る「蚊」対策

ジカ熱に妊婦が感染するとどうなるの?リオ五輪開催とともに、心配されている中南米でのジカ熱の流行。そもそもジカ熱とはどのような病気なのか、妊婦や胎児への深刻な影響とは?WHOや厚生労働省などの公式見解をもとにまとめました。日本での流行の可能性や自衛のための「蚊」対策・予防法もご紹介。

ジカ熱に妊婦が感染する危険性|赤ちゃんを守る「蚊」対策

リオ五輪開催に向けて心配されている「ジカ熱」

最近、何かと話題の多いオリンピックですが、2016年8月に開幕が迫っているのがリオ五輪ですね。4年に1度の大きなイベントなので、楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。

一方で、心配なのが開催国であるブラジルを含む中南米で脅威を振るっている「ジカ熱」という感染症です。ジカ熱の流行が原因で、リオデジャネイロで開催予定のオリンピックを延期するか別の場所で開催した方が良いという話まで出ています。

世界中の研究者や医師らによって作られたチームからは、世界保健機構(WHO)に開催地変更か延期を求める文書が提出されています。これに対しては、WHOは「現状はリオ五輪の中止や延期、開催地変更をする公衆衛生上の正当な理由がない」として予定通りの開催を容認する発表をしています。

その他にも、オリンピックに出場が濃厚な選手からも不安の声や代表に選ばれても辞退する可能性を匂わせている選手もいるくらい事態は深刻です。

政府インターネットテレビ“知っておきたい”ジカウイルス感染症の基本情報|政府インターネットテレビ

リオ五輪、開催地変更か延期を ジカ熱で専門家150人が公開書簡|AFPBB News

ジカ熱とはどんな病気なの?

ジカ熱とは、ジカウイルスによる感染症です。ブラジルなどの中南米で流行し、話題になっています。
ジカ熱自体の症状はそれほど重いわけではないのですが、問題になっているのは妊婦が感染した場合の胎児に与える影響の方です。妊婦がジカ熱に感染した場合、小頭症などの脳障害を起こす可能性があると言われています。

出典:www.youtube.com

ジカ熱の感染経路は日本にもいる「蚊」

ジカウイルスはヤブカ属の数種の蚊によって媒介されます。代表的な感染源とされているのがネッタイシマカという種で世界中の熱帯・亜熱帯地域に生息しています。その他にも、日本にも生息しているヒトスジシマカという種類の蚊がジカ熱を媒介することが出来ることが分かっています。このヒトスジシマカは、他にもデング熱などの感染症も媒介する上に、日本のほとんどの地域の藪、庭、公園など身近なところに生息しているため注意が必要です。

2016年6月13日現在、日本国内では海外で感染し、帰国後に発症する輸入症例が10例報告されています。そのうち昨年5月以降、中南米における流行後に確認されたのは7例です。
現在日本での流行はないものの、日本にもジカウイルスを媒介することが出来るヒトスジシマカが生息していることから、海外でウイルスに感染して発症期にある人が、国内で蚊に刺されて、その蚊が他の人を指した場合には国内でも感染者が発生する可能性が出てきます。ジカウイルスは感染してから発症するまで2日~12日の潜伏期間があると言われています。

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ジカ熱の一般的な症状

妊婦がジカ熱に感染したときの危険性

ジカ熱の症状は、軽度の発熱や筋肉痛、関節痛、頭痛、発疹、結膜炎、その他にはまれに嘔吐、下痢、腹痛などの症状が出ることもあるようです。
ジカ熱と同じように蚊を媒介して感染するデング熱の症状にも似ていますが、デング熱に比べると症状は軽く4日~1週間くらいで症状が終息します。ジカ熱によって入院するようなひどい症状が出ることはほとんどなく、今のところはジカ熱が直接の原因となるような死亡例も出ていないようです。

ジカウイルスの潜伏期間は2日~12日くらいで、ジカ熱に感染したとしても発症するのは20%程度で、あとの80%くらいの人は感染しても発症せずに、感染にも気が付かないようです。
外務省では、ジカ熱の流行地域からの帰国時に発熱などの心配な症状がある場合は、空港の検疫所に相談、また帰国後に症状が出た場合は保健所に相談の上、医療機関を受診するよう注意喚起をしています。

世界中で注意喚起!妊婦がジカ熱にかかるリスク

ジカ熱の危険性を学ぶ妊婦

ジカ熱そのものは大人が感染してもそこまで重篤な症状を引き起こすことはありません。しかし、妊婦がジカ熱にかかると、ジカ熱そのものの症状よりも胎児への深刻な影響が問題となっています。

妊婦のジカ熱感染による胎児へのリスク

比較的症状が軽いとされているジカ熱ですが、妊婦がジカ熱に感染すると胎児が小頭症や脳障害になってしまうリスクが高いとされています。
2016年3月4日ブラジルとアメリカの研究チームがアメリカの医学誌「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に、ジカ熱に感染した妊婦から産まれた胎児の3割が小頭症や脳障害などの異常が見つかったと発表しており、ジカ熱と小頭症を含む脳障害への因果関係を言及しています。
2016年4月13日には、米疾病管理予防センター(CDC)によって、ジカウイルス感染が小頭症及びその他の重症な胎児の脳障害を引き起こす原因であると結論づけたと発表されています
妊婦のジカ熱感染と小頭症を含む脳障害の因果関係は、現在も研究が続けられています。

ジカ熱感染の妊婦の約3割 胎児に異常見つかる|NHK「かぶん」ブログ

「小頭症」とはどんな病気?

小頭症とは、脳の発育が正常に行われず、頭蓋が正常な大きさにならない病気のことで、頭囲が小さいだけでなく知能や運動機能に障害が起こります。
今のところ、小頭症に関する有効な治療方法はなく、出ている症状に対する対処療法が中心となっています。

WHOからはジカ熱に関する緊急事態宣言

ジカ熱の恐怖に頭を悩ませるママ

WHOは、ブラジルにおける小頭症やその他の神経障害の急増が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」として、「ジカウイルスの伝播がある地域等への(からの)渡航や貿易についての一般的な制限はない」ものの「妊婦はジカウイルス感染症が発生している地域への渡航をしないように」との勧告を出しています。

厚生労働省でもWHOの勧告を受けて「妊娠中のジカウイルス感染と胎児の小頭症との関連が示唆されていることから、妊婦及び妊娠の可能性がある方は、可能な限り流行地域への渡航を控えて下さい」と呼びかけています。また、妊婦のパートナーがジカ熱の流行地域へ滞在した場合も注意が必要としています。

外務省でも感染症危険情報レベル1(十分注意して下さい。)を発令し、「特に妊娠中の方又は妊娠を予定している方は、流行国・地域への渡航・滞在を可能な限りお控え下さい」と注意喚起しています。
これらの情報から世界的にもかなり深刻な状況ということが伝わってきます。

ジカウイルス感染症に関するQ&Aについて|厚生労働省

影響がある時期は妊娠何週頃?危険なのは妊娠初期?後期?

妊婦がジカ熱に感染すると危険な時期はいつ頃か、日本の専門家によって「妊娠初期のジカ熱感染が小頭症のリスクを高める」と言われていました。
しかし、最近になって「妊婦が妊娠17週目頃にジカ熱にかかることと小頭症の赤ちゃんが産まれることに強い関係がある」とブラジルとアメリカなどの研究グループによって理数分析を使って分析された研究成果が発表されています。妊婦のジカ熱感染と胎児への影響はまだまだ研究段階です。この結果からも、妊娠初期だけでなくそれ以降でも妊婦はジカ熱感染に十分に注意をするべきだということが言えるでしょう。

妊娠初期、中期、後期、週数に関わらず、感染をしないように予防対策をしましょう。特に、これからの季節は蚊が出てきますので、妊婦の方は日頃から蚊に刺されないように気を付けた方が良いでしょう。

ジカウイルス感染症に関するQ&Aについて|NHK「かぶん」ブログ

リオ五輪まであと少し!ジカ熱が日本で流行する可能性

赤ちゃんがいるお腹を守るママとパパ

多くの場合、妊婦さん自身やパートナーはブラジルや中南米に行く予定はないことと思われます。しかし、リオ五輪の開催に合わせて、日本からも多数の観光客がブラジルへ向かうはず。その後の国内での流行の可能性はどうなのでしょうか?
結論からいうと、日本国内でジカ熱が流行する可能性は低いとされています。しかし、感染する可能性は絶対にないとは言い切れません。
あまり神経質になるのも良くないと思いますが、なぜ流行の可能性は低いのか、しかし感染しないとは言い切れないのか、しっかりとした根拠を見ていきしょう。

リオ五輪開催後のジカ熱は感染拡大の可能性は低い?日本への影響は?

世界中の研究者や医師のチームがリオ五輪を延期か別の場所で開催するように呼び掛けた文書をWHOに提出したところ、WHOは2016年5月28日に「リオ五輪の中止や開催地の変更は、ジカ熱の国際的な流行に大きな変化をもたらすことはない」として予定通りの開催を容認する発表をしています。

リオ五輪の組織委員会は2016年の6月7日にジカ熱に関する記者会見を行い、大会期間中は蚊が減少する冬場にあたり、影響はほとんどないという見解を発表しています。ジカ熱と同じように蚊を媒介して感染するデング熱に関するデータによると8月、9月には感染の報告例がほとんどないことやリオデジャネイロ州のジカ熱患者は、4月以降減少に転じていることからこのような発表になったようです。

しかし、もしリオ五輪で日本人が感染した場合、ジカウイルスを日本に持ち帰り、蚊によって媒介される可能性も考えられます。ジカウイルスの潜伏期間は2~12日と言われており、日本のほとんどの地域に生息しているヒトスジシマカという蚊によってもウイルスが媒介されることがわかっています。日本にウイルスが入ってきてしまう可能性は低いとはいえ、もし日本に入ってきてしまうと日本は8月なので、国内での感染者が増加する可能性は高くなるでしょう。

ジカ熱流行地域に滞在する際の注意

ジカ熱が流行している地域では、ジカ熱よりも症状が重いデング熱やチングニア熱などの同じように蚊を媒介する感染症の発生が報告されています。これらの感染症は重症するケースも多く、死亡するケースもありますので、渡航する方は蚊に刺されないように十分に対策をとりましょう
帰国した場合、帰国後少なくとも2週間は蚊に刺されないよう対策が必要です。ジカ熱は感染していても症状が出ない場合が約8割ありますので、万が一ウイルスを保菌していた場合、他の人に感染を拡大させてしまうリスクがあります。とくに蚊が多くなるこれからの季節は国内にウイルスを広めてしまうと、日本でも流行の危険性がないとは言えません。十分に注意して下さい。

ジカ熱を予防したい!ママと赤ちゃんを守る「蚊」対策

虫刺されを防ぐための蚊取り線香のケース

日本でジカ熱が流行する可能性は低いといっても、妊娠中でナーバスになっている妊婦さんは心配ですよね。
2014年に日本ではテング熱の流行がありました。テング熱とジカ熱の感染の原因となる蚊は「ヒトスジシマカ」という種類で、全国的に生息しています。政府もジカウイルスを含めた蚊による感染症を防ぐため、2016年6月を『夏の蚊対策広報強化月間』として、蚊に刺されないための予防法や対策の広報・普及活動を行っています。
これまで「蚊に刺される」ことは、日本では特に深刻になる必要のない出来事でしたが、今後は意識を変えて積極的に蚊への対策・予防をすることが求められています。今後、赤ちゃんが生まれた先のことも考えて、正しい蚊対策について知っておきましょう。

蚊に刺されない・蚊を増やさないのが1番の予防策

ジカ熱対策で用意された大量の蚊取り線香

ジカウイルスには有効なワクチンがなく、ジカウイルスに感染しないための予防法は、蚊に刺されないことが重要です。

蚊の多くいるような場所へ外出する際には肌の露出を避け、長袖、長ズボンなどを着用し、虫除けスプレーなどを使用する場合の効果は、蒸発や雨、汗によって持続性が低下するので、定期的に塗布しないと十分な効果が得られないことがあるので要注意です。室内でも電機蚊取器や蚊取線香、殺虫剤、蚊帳を使い蚊に刺されないための対策をしましょう。

ウイルスを媒介する蚊の繁殖を防ぐことも予防になります。蚊は植木鉢の受け皿や空き缶・ペットボトル、古タイヤ、バケツ、ペットの餌皿、おもちゃなどに溜まる水などによく発生します。植木鉢の受け皿には砂を入れ、屋外に水がたまるようなものを放置しないことも蚊に刺されないための対策になります。

妊娠中に気を付けたい虫除けスプレーの成分

虫よけスプレーの中の成分に良く含まれている「ディート」は国民生活センターの報告によると「一般的に毒性が低いとされているが、まれに体への影響がある」とされている成分で、使用には十分な注意が必要とされています。製品にも乳幼児に関しては、「1日に何回の使用が目安」という使用制限が書いてある場合も多いため、妊婦の方に影響があるかは不明ですが、大量に使用するのは避けた方が良さそうです。

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ジカ熱が日本で流行する可能性は低いものの妊婦は注意が必要

ジカ熱が日本で流行する確率は今のところ低いものの、妊婦の方は蚊に刺されないように注意するに越したことはないでしょう。
蚊によって媒介される感染症はジカ熱だけではなく、デング熱や日本脳炎などがあります。症状の重さや週数に関わらず、妊娠中は感染症にかからないのが一番です。なるべく蚊がいるような場所を避け、やむ追えない場合は長袖、長ズボンを着用し、蚊取り線香や虫よけスプレーで対策をしましょう。

リオ五輪を観戦やジカ熱が流行している地域への海外旅行を考えている妊娠中の方、妊娠を予定している方、またそのパートナーは渡航を見送ることも検討した方が良いのではないでしょうか。

お腹の赤ちゃんが健康で元気に育てるように、妊婦の方は健康管理に気を付けて下さいね。