Loading

微弱陣痛の原因と症状および予防

微弱陣痛の定義と原因、症状と対処法および予防法

微弱陣痛について、その原因、種類・症状と特徴、および分娩経過における対処法を解説します。微弱陣痛は通常の陣痛とは何が違うのか?分娩にどう影響するのか?前駆陣痛との違いについても説明します。また、微弱陣痛になるのを防ぐためにできる予防法も紹介します。

微弱陣痛の定義と原因、症状と対処法および予防法

微弱陣痛って聞いたことはあるけど、どんなもの?

マタニティ雑誌の体験記を読んでいると、「微弱陣痛」という言葉をよく目にしますよね。聞いたことはあるけど詳しくは知らない、という方も多いことと思います。微弱陣痛とは、いったいどんな症状のことを言うのでしょうか?

赤ちゃんを押し出そうとする痛みが陣痛

そもそも、陣痛は何のために起こるのでしょうか?
内臓をハンマーでたたかれるような痛みとか、男性には耐えられない痛みとか、様々な痛みに例えられる陣痛。特に初めてお産を経験するママには、想像できない痛みに恐怖を感じている方も多いでしょう。

陣痛に苦しむ臨月に入った妊婦さん

でも、陣痛は赤ちゃんが無事に生まれてくるためにはなくてはならないもの。10ヶ月近く、ママのお腹の中で大きく育ってきた赤ちゃんを、安全に外の世界に出してあげなくてはいけないのです。そのために子宮は規則的に収縮を繰り返し、赤ちゃんを押し出そうとする時に感じる痛みが陣痛です。

言い換えれば、陣痛の痛みがあるからこそいきむことができ、赤ちゃんを生み出すことができるのです。陣痛は通常、一度始まるとどんどん痛みが強くなり、痛みの波が来る間隔も短くなっていきます。

微弱陣痛の症状の特徴とは?定義と診断

陣痛で大切な3つの要素は、子宮の収縮力持続時間周期です。微弱陣痛とは、子宮の収縮力が弱く、陣痛の持続時間が短く、陣痛の周期が長い状態をいいます。

微弱陣痛の症状を調べる若く幸せな夫婦

陣痛は通常、一度始まるとどんどん痛みが強くなり、痛みの波が来る間隔も短くなっていきます。微弱陣痛の場合はこの陣痛の進行が著しく遅くなりますが、それには、産道または赤ちゃんの位置や体勢の問題が原因の場合と、陣痛の強さが十分でないことが原因である場合があります。

微弱陣痛の特徴は陣痛の弱さ

通常の陣痛では痛みがだんだん強く、間隔が短くなってお産が進んでいきますが、微弱陣痛になると陣痛が弱いため、分娩時間が長くなり、疲労からまた陣痛が弱くなる、するともっと時間がかかり疲労がたまる・・・という悪循環に陥ります。分娩時間が長くなると、母体と赤ちゃんの両方に大きな負担がかかり、時には命にかかわることもあるので、迅速な診断と対処が必要となります。

微弱陣痛の診断方法は内診と超音波

診断には、内診と超音波検査、必要であれば骨盤のX線検査が用いられます
また、母体の腹壁に圧力計を設置し、子宮収縮の強さと持続時間を測定することもあります。圧力計は一般的な胎児の心拍数のモニタリングの際に同時に装着できます。この検査で陣痛の周期と進行具合を総合的に判断する必要があります。

微弱陣痛と診断される目安としては、子宮口が7~8cmに開いているのに陣痛の間隔が6分以上開く場合(通常は2分30秒程度)、また、子宮口が9~10cmに開いているのに4分以上間隔が開いている場合(通常は2分程度)です。一回の陣痛の持続時間も、通常は60秒程度なのに対し、微弱陣痛の場合は30秒ほどしかありません。

微弱陣痛と前駆陣痛の違いは子宮口の開き

前駆陣痛とは、本陣痛が始まる前に来る腹部の痛みで、妊娠36週ごろから始まることが多く本陣痛の予行演習ともいえます。前駆陣痛は個人差が大きいので、全く感じない人もいます。

特に初めての妊婦さんは、前駆陣痛と本陣痛の違いが分かるかどうか不安に思う方もいるでしょう。前駆陣痛では痛みはあっても子宮口はまだ開いていません。また、痛みの強さや、痛みが続く長さ、間隔も不規則で、体勢を変えることにより収まったりします。痛みは弱いが間隔がある程度一定で規則性がある場合には、本陣痛が始まっている可能性もありますので、産院に連絡して相談してみてください。

前駆陣痛から本陣痛、本陣痛から出産までの流れ
前駆陣痛から本陣痛、本陣痛から出産までの流れ
前駆陣痛から本陣痛まで、本陣痛に入ってから出産するまで、ここを読めば流れがしっかりわかります。出産の流れや陣痛の様子をお伝えすることで、リラックスした出産をサポートします。

微弱陣痛の種類毎の特徴

微弱陣痛には原発性微弱陣痛と続発性微弱陣痛と言う種類があります。それぞれの特徴やなぜ起こるのかを探って行きましょう。

微弱陣痛にならないために呼吸を整える妊婦さん

原発性微弱陣痛の原因と特徴

原発性微弱陣痛とは、お産の最初から陣痛が弱いことをいいます。陣痛が始まってから赤ちゃんが出てくるまで、なかには2日以上かかる人もいます。考えられる原因としては以下のようなものがあります。

子宮筋が伸びている

多胎妊娠、羊水過多、赤ちゃんが大きいなどの理由で子宮筋が伸びていると、子宮が十分に収縮できず、陣痛が弱くなることがあります。検診の際にわかることもあるので、事前に陣痛促進剤を使うか帝王切開にするか決めることもあります。

妊娠中の太りすぎ

子宮周りに脂肪が多すぎると子宮筋の動きが悪くなり、陣痛が弱くなる原因になることがあります。

慢性疾患

貧血、栄養失調、糖尿病などの慢性疾患があると、原発性微弱陣痛がおこることがあります。

疲労・睡眠不足・ストレス・過度の緊張

体力が落ちていたり、ストレスや緊張により筋肉の働きが悪くなると、子宮の収縮が弱くなる原因になります。

続発性微弱陣痛の原因と特徴

続発性微弱陣痛は、最初はちゃんと陣痛が来ていたにもかかわらず、長引くにつれ途中から陣痛が弱くなったり止まってしまったりする症状のことをいいます。

続発性微弱陣痛には以下のような原因が考えられます。

母体側が要因の通過障害

骨盤や産道が狭く、赤ちゃんがスムーズに下りて来られなかったり、下りてくるのに時間がかかりすぎると、途中で陣痛が弱まることがあります。

胎児側が要因の通過障害

赤ちゃんの位置や姿勢に異常があったり、赤ちゃんが大きかったりすることにより起こります。母体側が原因の場合同様、時間がかかりすぎると陣痛が弱まる原因になります。

疲労・睡眠不足

分娩が長引くことによる疲労/睡眠不足からくる疲労により、途中で陣痛が弱くなることがあります。もともと体力のないママは続発性微弱陣痛になりやすい傾向があるようです。

以上、原発性微弱陣痛と続発性微弱陣痛の原因を見てきましたが、実際の原因は分からないことも多いようです。

分娩経過における微弱陣痛の危険と対処法

微弱陣痛になりお産がなかなか進まない場合、まずは赤ちゃんの状態を確認することが何より重要です。赤ちゃんの心音が確認でき、状態に問題がないようなら、分娩ステージにより様々な対処法が考えられます。

微弱陣痛の危険性と対処法を本で調べている妊婦さん

主な処置の方法は、人工破膜、陣痛促進剤、帝王切開の3つです。緊急帝王切開になるのは、赤ちゃんが一刻を争うような状態になったり、陣痛促進剤を投与しても効果が弱い、また母体の疲労が著しいような場合です。

分娩第1期における微弱陣痛

分娩第1期とは、規則的な陣痛が始まってから子宮口が全開大(10cm)になるまでのステージを指します。初めてのお産の場合には平均で12時間から16時間ほどかかります。

分娩第1期での微弱陣痛は、破水さえしていなければ、母体・胎児ともにほぼ危険はありません。分娩が進むのに備え、睡眠を取ったり食事を摂ったりして、疲労回復に努めるのが大切です。

ママの体力に問題がないようなら、陣痛を強くするために動いてみるのも効果があります。産院内を歩き回ってみたり、つらいけれどあえて痛い姿勢をとると分娩が進むこともあります。体の冷えも大敵なので、温かいものを飲む、足湯をする、マッサージをしてもらう、なども効果的です。
また、膀胱や直腸に尿や便がたまっていると胎児が下りてくる妨げになることがあるので、なるべく空にするといいようです。

分娩第1期でも、破水しているようなら子宮内感染のリスクが高まるので、破水後も陣痛が強くならないようなら早急に陣痛促進剤などの処置をしてお産を進める必要があります。

分娩第2期における微弱陣痛

分娩第2期とは、子宮口が全開大になってから赤ちゃんが生まれるまでのステージをいいます。この時ママはいきむことにより、赤ちゃんを少しずつ押し出します。初めてのお産だと通常2時間以内です。
全開大近くになっているのに破水していなく、お産の進行が止まってしまった場合は、状況により以下のいずれかの処置をとることになります。

人工破膜

人工破膜とは、赤ちゃんを包んでいる卵膜を人工的に破って破水させることで、羊水が多少流出し、子宮内の体積が減少することにより、子宮収縮を強める効果があります。特に二人目以降を出産の経産婦さんの場合は、人工破膜をすることにより一気にお産が進行するケースが多いようです。ただし、あまり早くに人工被膜をすると感染リスクが高まるので、タイミングには注意が必要です。

陣痛促進剤

オキシトシンなどの子宮収縮作用のあるホルモンを人工的に投与することにより、陣痛の促進を図ります。経口薬と点滴薬の2種類がありますが、効き目をコントロールしやすい点滴薬が使われることが多いようです。

赤ちゃんが下りてくる途中で陣痛が弱まってしまった場合は、赤ちゃんが産道を通過中なのでとても危険です。長時間産道に挟まれた状態だと窒息の危険性もあります。母体へも悪影響を与えるので、緊急帝王切開または鉗子分娩で出産となります。
帝王切開の手術は保険が適用されますが、入院日数は自然分娩より長くなります。民間の医療保険に加入している場合は、帝王切開手術も対象になる可能性があるので、事前に保険会社に確認しておくといいでしょう。

分娩第3期における微弱陣痛

分娩第3期とは、赤ちゃんが生まれてから胎盤が出るまでのステージを指します。いわゆる後産です。このステージで微弱陣痛になると、胎盤の排出に時間がかかり、また陣痛が弱いことにより胎盤がきれいにはがれないため剥離面から出血し、弛緩性出血を起こす恐れがあります。

微弱陣痛の予防法

ここまで見てきたように、お産に時間がかかってママがつらいだけでなく、赤ちゃんにも負担がかかる微弱陣痛。予防する方法はあるのでしょうか?ここでは特に妊娠後期に効果的な予防法を見ていきましょう。

安産に向けて軽い運動を習慣づける経産婦

体重管理をしっかりと

妊娠後期に関わらず、妊娠中の体重の増えすぎは禁物です。子宮の周りや産道に余分な脂肪がつきすぎると、陣痛をおこす力が弱まるからです。
つわりの時期を過ぎると無性に食べたくなる気持ちは分かりますが、なるべく規則的でヘルシーな食生活を送るよう心がけ、妊娠中期から後期を通じて、しっかり体重管理するようにしましょう。

妊娠中のダイエットの正しい方法、出産までの体重管理術
妊娠中のダイエットの正しい方法、出産までの体重管理術
妊娠中のダイエットの正しい方法とは?激しい運動や食事を摂らないといった自己流ダイエットは赤ちゃんを危険にさらす危険大妊娠初期・中期・後期の体重管理のコツ、食事や運動面での適切なダイエット法を紹介!

体力をつける

出産はとにかく体力勝負。特に妊娠後期はお腹も大きく重くなり、つい動くのが面倒くさくなりがちですが、なるべく体を動かすようにしましょう。おすすめの運動はウォーキング
昔から、安産のためにはとにかく歩くこと、と言われています。毎日の日課に、気分転換もかねてウォーキングをとり入れてみましょう。ただしやりすぎは禁物。お腹が張るようなら休んだり、様子を見ながら行いましょう。

また、妊娠37週以降は、階段昇降もおすすめです。重力の下向きの力を加えることにより、赤ちゃんが下に向かって進みやすくなる効果があります。大きなお腹での階段の上り下りはバランスを崩しやすいので、必ず誰かに付き添ってもらって行いましょう。

妊娠中の運動で安産&快適マタニティライフ!おすすめ運動
妊娠中の運動で安産&快適マタニティライフ!おすすめ運動
妊娠中に運動は安産に繋がり、マタニティライフを快適に過ごすためにも大切です。いつからどのような運動法がおすすめなのか、理想の運動量や注意点は?妊婦さんでも気軽にできる運動のアイデア盛りだくさんです!

湯船につかる

冬場はもちろん、夏でもエアコンの影響などで体が冷えることが多い女性ですが、体が冷えると筋肉が固まって陣痛の妨げになります。湯船につかって冷えを防止するようにしましょう。
また、ゆっくりとお風呂に入るのはストレス解消にもなります。緊張しすぎたり、血流にストレスホルモンが分泌されると、子宮口が開きにくくなります。リラックスして出産を迎えるためにも、湯船につかるのはいいでしょう。

おっぱいケアをする

妊娠後期になると、助産師さんからおっぱいケアをすすめられる産院もあると思います。
赤ちゃんが吸いやすいおっぱいになるように、たくさんおっぱいが出るようにするのが目的ですが、おっぱいケアで乳輪や乳頭を刺激することにより、子宮が収縮して陣痛を促す効果もあります。

入浴時や入浴後にケアを行うとよいでしょう。とても効果が強いので、お医者様や助産師さんと相談し、指導のもとに行うようにしてください。

母乳にいい食べ物&避けたい食べ物|いいおっぱいが出る食事
母乳にいい食べ物&避けたい食べ物|いいおっぱいが出る食事
母乳にいい食べ物、悪い食べ物を食材からご紹介!おっぱいの質はママの食べ物で変わります。良い母乳を出す食べ物を積極的に摂り赤ちゃんにとって質の良い母乳育児とするため食材から食事への取り入れ方までご紹介!

ツボを刺激する

昔から、「安産のツボ」と呼ばれるツボがあるのをご存知ですか?三陰交というツボで、内側のくるぶしから指4本分上にあります。
三陰交は体の冷えを防ぎ、生理痛の緩和や、婦人科系疾患の改善にもよく使われるツボです。

この三陰交を温めたり、ゆっくりと押して刺激することにより、陣痛を促す効果が期待できます。ただし、とても効果の強いツボなので、妊娠初期や中期には刺激しないように。37週以降に始めるといいでしょう。

パパとしっかりコミュニケーションをとる

愛情ホルモンとか幸せホルモンなどと呼ばれる「オキシトシン」という物質は、その分泌が促されると幸せが実感できると言われていますが、なんとオキシトシンには子宮を収縮させ、陣痛を促す作用もあるんです。

オキシトシンは、スキンシップや人と会話などを通して触れ合うことによっても分泌されます。これから一緒に子育てをしていくパパに話を聞いてもらったり、お散歩に出かけたり、楽しい時間を過ごすようにしましょう。パパとスキンシップをしていい関係を保っておくことが安産につながるなんて、よくできていますよね。

お産が長引かないために微弱陣痛を理解することが大切

妊娠中は陣痛や分娩への恐怖ばかりに目が向きがちですが、陣痛は赤ちゃんが無事に生まれるために必要でなくてはならないもの。
その時になってあわてないように、妊娠中から微弱陣痛についてきちんと理解しておきましょう。

微弱陣痛になるとお産が長引き、ママにも赤ちゃんにも大変な負担です。妊娠中からしっかりと体調を整え、ぜひ予防法を実践してみてください。