妊婦の腹帯は冷えを防ぐアイテム

妊婦の腹帯にはどんな効果がある?メリットと着用の注意点

妊婦は腹帯を巻くべき?妊娠中の体を冷えから守る効果が期待できる腹帯。しかし、締め付けが嫌な方も多く、またきつく締め付け過ぎると妊娠高血圧症のリスクを上昇させる可能性もあります。腹帯をするべきか迷っている妊婦さんは、メリットと注意点を見比べてみましょう。腹帯の種類もご紹介します。

妊婦の腹帯にはどんな効果がある?メリットと着用の注意点

妊婦は腹帯をした方がいい?

腹帯とは、妊娠中期に入り、お腹の目立ってきた妊婦さんが下腹部につける帯のような腹巻きのことです。

妊娠中に腹帯を巻く習慣をお母さまから聞いたり、安産祈願をする『戌の日』について調べる過程で、腹帯について知ったという妊婦さんもいらっしゃるでしょう。

しかし、現代の妊婦さんにとって、腹帯はあまり馴染みのある存在とも言えません。実物を見たこともなく、どんな効果があるのかわからないという方も多いはずです。

腹帯

果たして妊娠したら腹帯をした方がいいのでしょうか?
腹帯をするとどんなメリットがあるのか、腹帯のメリットや巻くときの注意点、腹帯の種類についてご紹介します。

『戌の日』に腹帯を巻く日本の文化

鳥居

妊娠5ヶ月に入った最初の『戌の日』に神社やお寺で安産祈願をするという文化が日本にはあります。この『戌の日』は、『帯祝い』とも呼ばれ、妊婦のお腹に腹帯(さらし布の帯で「岩田帯」とも呼ばれます)を巻く儀式があるのです。

腹帯は、かつては、妊婦さんの実家が代々受け継いだものを使用する、実母から娘に贈るなどの慣習がありました。

しかし、現代では、妊婦さん購入した腹帯を身に着けて参拝に行ったり、持参してご祈祷してもらったり、腹帯を神社で購入することも可能です。また、『戌の日』のみ腹帯を儀式として身に着けるものの、それ以降は使用しない妊婦さんも増えています。

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腹帯のメリット~妊婦の腹帯にはどんな効果がある?

『戌の日』の帯祝いなど儀式としての腹帯の役割は別にして、腹帯は身に着けるとどんな効果があるのでしょうか?
母親など上の世代に聞いても、「赤ちゃんのため」「お腹を守るため」など、曖昧な回答が返ってくることもしばしばです。腹帯を巻くメリットを紹介します。

妊娠中の体を冷えから守る

冷えを感じる女性

女性の体は妊娠する、とても冷えやすくなります。その冷えから妊婦さん自身と赤ちゃんを守るために、腹帯はとても効果です。

妊婦さんの体が冷えやすい理由としては、

  • 筋肉量の減少
  • ホルモンバランスの変化
  • むくみによる血行不良

などが挙げられます。

妊娠すると、つわりで食事が喉を通らないことも多く、運動をする機会も少なくなり、筋肉量が減ってしまいます。また、ホルモンバランスが変化し、自律神経が乱れると、血管が縮みやすくなり、血の巡りが悪くなるのです。

妊婦に冷えは大敵!4つの悪影響

女性にとって体の冷えは、生理痛が重くなるなど多くのデメリットがありますが、妊娠中だとその影響はより深刻です。

1.子宮が収縮する

体が冷えると、子宮が収縮することが多くなります。体が冷えると、筋肉は縮んで熱を作ろうとするからです。

子宮が収縮すると、下腹部がキューと絞られるようなお腹の張りを感じます。
臨月や正産期にお腹が張るのは正常な出産の合図ですが、それ以前にお腹が頻繁にあるのはあまりよい兆候とは言えません。ママは痛みを感じますし、赤ちゃんにもストレスがかかります。

2.便秘になりやすくなる

妊娠すると、便秘になりやすくなります。ホルモンバランスの変化やつわりによる食生活の変化、ストレス、運動不足、また子宮が大きくなると腸が圧迫されるので、便の進みが悪くなるのも原因になります。体が冷えてしまうと胃腸の働きが弱まってしまい、さらに便秘を悪化させます。

また妊婦さんは痔にもなりやすく、出産の衝撃で悪化させ、産後も痔に苦しむ方も少なくありません。

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3.母乳の出が悪くなる

授乳中の母親と赤ちゃん

妊娠中の体の冷えは、産後にも影響を及ぼします。体の冷えが原因で、母乳の出が悪くなったり、特に初産だと、出産後もなかなか初乳が出てこなくなります。

体が冷えていると血行が悪くなります。母乳は血液からできているため、血流が悪いと上手く分泌されません。冷えは慢性化しやすく、「妊娠中だから」と思っていると、出産後も体が冷えやすい体質になってしまっている可能性もあります。

赤ちゃんに栄養いっぱいの母乳をあげるためにも、体を冷やさないように心がけましょう。

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4.切迫早産のリスクが上がる

体が冷えてしまうと血管が収縮するため、お腹が張りやすくなります。そうすると、切迫早産となるリスクが高くなります。特に子宮頚管が短い、長時間立ちっぱなしの仕事をしている妊婦さんは要注意です。

切迫早産と診断されると、入院し、ベットの上で絶対安静となることもあります。もし正産期前の出産となると、赤ちゃんが低出生体重児(出生体重が2500g未満の赤ちゃん)として生まれてくる可能性も高くなります。

また、例え正産期の出産でも、栄養が十分に行き届いておらず、赤ちゃんの体重が思うように増えずに低出生体重児になるケースもあります。

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姿勢が悪くなるのを防ぐ

姿見で自分を映す妊婦

妊娠中は腹がどんどん大きくなるため、体の重心が傾いて姿勢が悪くなりやすいです。腹帯は大きくなるお腹を支えてくれるので、姿勢が悪くなるのを未然に防ぐ効果もあります。

妊娠中は腰痛に悩まされる方も多いですが、腹帯によって痛みが緩和されたと感じる人もいます。
また、妊娠中も正しい姿勢を保てていると、骨盤が歪まず、産後の体型が戻りやすいなどのメリットも期待できます。

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お腹に赤ちゃんがいることを実感させる

腹帯は、冷えを防ぐ以外に、妊婦さんに精神的なメリットをもたらします。腹帯をしていると、お腹に赤ちゃんがいるとより強く実感できるのです。

妊娠中は、体調が悪い日も多かったり、精神的にもストレスが溜まりがちです。そんな妊婦さんにとって、赤ちゃんのことを考える時間は、とても良い息抜きになります。

また、妊娠5ヶ月に入ったばかりの頃は、人によってはあまりお腹が目立たずに、つい無理をしてしまいがちです。自分のお腹には赤ちゃんがいることを常に実感していれば、行動にも気を付けられるでしょう。

腹帯を巻くときの注意点

腹帯を巻く時の注意点を解説します。
間違った巻き方は、腹帯のメリットを得られないだけでなく、赤ちゃんや妊婦さんの体にかえって悪影響を及ぼしてしまいます。

無理に着用するのは逆効果

暑がる妊婦

腹帯を巻く文化は日本特有のものです。海外では、妊娠したからといって、腹帯を巻く文化はありません。

実は、腹帯を巻くメリットとして「赤ちゃんが子宮の中で安定し、胎児の発育を助ける」という話もあるのですが、お腹を腹帯で支えることが子宮内の赤ちゃんに影響する医学的根拠はありません。

腹帯は、あくまで妊婦さんの冷えを予防するためのアイテムに過ぎません。腹帯の締め付けや暑い時期など、腹帯がストレスに感じるのなら無理に着用する必要はありません。

腹帯が妊娠高血圧症の原因になる?

日本人は海外に比べて妊娠高血圧症候群になる妊婦が多く、その原因のひとつに腹帯の影響が指摘されています。

腹帯をきつく締め付けると、子宮の中で赤ちゃんがママの背中側に押し付けられてしまいます。それによって大動脈が圧迫され、血の巡りが悪くなります。特に、下半身から心臓に戻る血流が滞ると、心臓に負担かかかり、血圧が上がってしまうのです。

腹帯を身に着けるときは、くれぐれもきつく締め付けすぎないように注意してください。

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腹帯の正しい巻き方

骨盤の下半分をしっかり締める

腹帯を巻く時はお腹をぎゅっとするイメージですが、お腹を締め付けるのは、血流を滞らせるのでNG。腹帯を巻く時は、お腹ではなく、骨盤の下半分を締めるように巻きましょう。

ふんわり柔らかくお腹を包み込むイメージ

骨盤の下半分をしっかり締めることで、お腹を柔らかく包み込む形になります。優しく守ってあげるイメージを持ってあげれば、腹帯をしても痛くなりません。

腹帯はどんな種類があるの?

腹帯には大きく分けて以下の4種類あります。それぞれの種類の腹帯の特徴を解説します。

  • さらしタイプ
  • 腹巻きタイプ
  • ガードルタイプ
  • サポートベルトタイプ

【さらしタイプ】元祖腹帯!戌の日につける定番

さらしタイプは戌の日に巻く腹帯というイメージが強く、岩田帯もさらしタイプの腹帯を指します。綿100%で作られているため、吸水性が抜群です。妊娠中のデリケートな肌でも安心できる腹帯となっています。

毎日自分で巻かないといけないのは妊婦さんにとっては大変だと思いますが、お腹が大きくなっても同じ腹帯で対応できるので、使い慣れると便利で経済的です。家の洗濯機で簡単に洗濯も可能です。

【腹巻きタイプ】とにかく楽で簡単!就寝中に使える商品も多い

腹巻きタイプの腹帯

腹巻きタイプは、現代の腹帯の代表ともいえ、多くのママが持っている腹帯の種類です。とにかく着けやすく、妊娠中はトイレに行く回数も多くなりますが、簡単に上げ下ろしできるので生活にも支障をきたしません。腹帯初心者の方なら、まずは腹巻ききタイプをおすすめします。

腹巻きタイプはどんな時でも活躍してくれますが、ゆったりした作りで就寝中もOKな商品もあります。また、腹巻きタイプにサポートベルトタイプを組み合わせて、腰痛予防に役立てることも可能です。

【ガードルタイプ】ショーツと一体型!産休前の妊婦さんにおすすめ!

ガードルタイプの腹帯は、ショーツと一体化した作りで、ボディラインがすっきり見える効果もあります。もちろん、腹帯としても、お腹をしっかり守ってくれます。

体をすっきり見せてくれて、お腹もしっかり支えてくれるガードルタイプは、まだまだ現役で働く妊婦ママに人気のある腹帯です。パンツにもカッコよく合う作りになっているので、産休に入るまで愛用する方も多い腹帯です。

【サポートベルトタイプ】骨盤ベルトとして産後も使用OK

「骨盤ベルトタイプ」とも呼ばれ、産後は骨盤矯正にも活用でき、使用期間が長い商品も多いです。サポートベルトだけだと、お腹を温める効果は薄いので、さらしタイプや腹巻きタイプの腹帯と組み合わせ使います。

下から履いたり、ギュっと締め付けたりするわけではなく、ワンタッチテープでピッと好きなキツさで止められます。締め付けすぎに注意し、体に負担がかからないように、長期愛用しましょう。

腹帯はいつから身に着けると良い?

妊娠5ヶ月から

腹帯は、帯祝いの儀式がある妊娠5ヶ月(妊娠16週~19週)頃から身に着ける方が多いです。妊娠5ヶ月は、ちょうど安定期と呼ばれる妊娠中期の開始月になります。

しかし、腹巻ききタイプの腹帯なら、お腹が目立っていない妊娠初期から身に着けても冷え予防として効果があります。

もちろん、つわりなどが辛い時期は、無理に身に着ける必要はありません。暑い時期に腹巻きタイプやガードルタイプの腹帯を身に着けると、体に熱がこもり、熱中症や脱水症状を引き起こすリスクもあるので、妊娠時期も考慮して着用しましょう。

腹帯は体を冷やさないためアイテム!

妊婦さんは、自分で思っている以上に体が冷えやすくなっています。
冷えやすい体をそのままにしておくと、ママの体だけじゃなく生まれてくる赤ちゃんにも影響してしまいます。

腹帯はママの体を冷やさないための優秀なアイテムです。冷えが気になるママは腹帯を試してみましょう。ただし、締め付け過ぎには注意してください!

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