妊婦は自転車に乗ってもいい?

妊婦は自転車にいつまで乗れる?初期・中期・後期の危険性

妊婦が自転車に乗ることは、転倒や事故の危険を伴います。しかし、通勤など自転車がないと日常生活が送れない人もいますし、逆子になる可能性や振動による胎児への影響はほとんどありません。妊娠中の自転車運転はいつまで可能か、初期・中期・後期の自転車運転の危険性、乗るときの注意点を解説。

妊婦は自転車にいつまで乗れる?初期・中期・後期の危険性

妊婦の自転車運転はいつまで?妊娠中に自転車に乗る際の注意点

妊婦さんが自転車に乗るのは絶対ダメ?
妊娠中の自転車は、乗らない場合比べて様々なリスクがあるのでおすすめはできません。ですが、自転車に乗らないと通勤や買い物など日常生活に大きな支障があるという方もやはりいるはずです。

生活する上でどうしても自転車を使う必要があるという妊婦さんは、自転車に乗る際のリスクや注意すべき点をよく理解し、慎重で安全な運転を心がけましょう。

妊婦が自転車に乗るときの注意点、妊娠初期・中期・後期のいつまで乗れるのか、自転車に乗るのをやめるべき症状を解説します。

妊婦の自転車は絶対NGではない?妊娠中の自転車移動のメリット&デメリット

運動用のバイクマシンに乗っている妊婦さん

おすすめはできませんが、妊娠中の自転車=絶対ダメという訳ではなく、アメリカなどでは妊娠中の運動として自転車は推奨されているという側面もあります。

転倒のリスクがあるので十分に注意しなくてはいけませんが、条件によっては短時間で自転車で用事を済ませた方が妊婦さんの身体にとっては、負担が少ないこともあるでしょう。

妊婦が自転車に乗る際のメリットとデメリットを紹介します。

妊婦が自転車に乗るメリット

妊娠中の自転車には、メリットもあります。

適度に体を動かして筋力がつく

昔は「妊娠中は安静に!」と言われてきましたが、最近では妊婦さんが適度な運動を行った方が体重管理や体調管理になり、出産時のリスクを下げられるという考えが主流になりました。運動は妊娠高血圧症などの予防にも効果があります。

妊婦スポーツの安全基準によると、妊娠経過に異常がない場合、妊婦さんは妊娠12週以降、妊娠4か月の段階でスポーツを行って良いとされています。もちろん妊娠中ですから激しすぎるスポーツはNGで、目安としては自分で「ややきつい」と感じない程度が適切です(注1)。

息が切れるほど一生懸命走らないなら「自転車を漕ぐ行為」そのものに問題はなく、妊娠中の健康管理、安産効果が期待できます。

妊娠中の運動で安産&快適マタニティライフ!おすすめ運動
妊娠中の運動で安産&快適マタニティライフ!おすすめ運動

移動時間が短くなり、体への負担を軽減できる

自転車は、徒歩で移動するよりも格段に移動時間を短くできます。徒歩で30分以上かかるスーパーに買い物に行く場合、自転車だと10分程度で到着しますし、重い荷物を持って長時間歩く必要もありません。

自転車を利用して、短時間で済ませてしまったが結果として負担が軽く済むというのはメリットと言えるでしょう。

妊婦が自転車に乗るデメリット

妊婦さんが自転車に乗るデメリットには、以下の4つの点が挙げられます。

事故のリスク

妊娠中は、ホルモンバランスや自律神経のバランスが崩れるため体調面に支障をきたし、注意力も散漫になりやすいという特徴があります。そのため、とっさの時に急ブレーキや急ハンドルが切れず事故にあう危険が高まります。

また、妊婦さん自身に過失がなくても、他の車や自転車の運転に反応できず、事故に巻き込まれる危険も無視できません。

転倒の危険

自転車には転倒するリスクがつきものです。障害物に躓いたり、タイヤのスリップなどで簡単にバランスを崩して倒れてしまいます。

特に、妊娠後期のお腹が大きい時期は体のバランスが取りづらく、いつも通りの体勢を維持して運転するだけで一苦労なはずです。

もし転倒してしまったらとっさに受け身をとれず、妊婦さん自身のケガや赤ちゃんへの影響が心配です。

腹圧がかかってお腹が張りやすい

出先で座ってお腹を触りながら休んでいる妊婦さん

妊婦さんが自転車を漕ぐとき、ペダルを踏むたびにお腹に力を入れるため、お腹が張ってしまうこともあります。軽く漕ぐだけなら問題のない運動強度ではありますが、長時間や体調が悪い時の自転車はやはり控えるべきでしょう。

骨盤が歪む

妊娠すると、出産に備えて赤ちゃんが出てこられるように骨盤が徐々に緩くなります。その状態で自転車に乗ると、骨盤がサドルに圧迫されてしまい、骨盤が歪んでしまう可能性があります。

骨盤がゆがむと、腰痛や恥骨痛が起こりやすくなり、難産になりやすいとも言われますので、やはり妊娠中ずっと自転車に乗り続けるのは控えた方が良いでしょう。

妊娠中の自転車は逆子の原因になる?

妊娠中に自転車に乗ると、振動で赤ちゃんが逆子になってしまうという話がありますが、実はこれには根拠はありません。赤ちゃんはお腹の中で羊水の中に浮いているので、自転車を漕ぐ振動程度ではは逆子になることはありません。

逆子になる原因としては、骨盤や胎盤の形や羊水の量、母体の冷えなどが挙げられますが、偶発的で避けられないものも多く、仮に逆子になってしまったとしても、それが自転車のせいとは言い切れません。

妊婦の自転車はいつまで?妊娠初期・中期・後期の危険性

妊娠中、自転車はいつまで乗ってもいいのか?
体調やお腹の大きさも人それぞれ違いますので、いつまで乗るべきかは自分自身で見極める必要がありますが、自分だけだと危険に気が付かず、大丈夫と過信してしまっては危険です。

妊娠初期・中期・後期に自転車に乗ると、具体的にどんな点が危険なのか、その時期ごとに説明します。

妊娠初期は体調の急変に注意~異変を感じたらすぐに下りる!

妊娠初期は、赤ちゃんの身体を作る大切な時期です。できるなら妊娠12週までは安静に過ごした方が良いですが、自転車の振動が胎児に影響する可能性は低く、妊娠に気が付かず乗っていたとしても大きな心配はありません。

ただ、妊娠初期はママの身体も赤ちゃんを育てるために胎盤が作られたり、悪阻があったりと体調の変化が大きい時期です。

まだ妊娠前と比べてお腹は大きくなっていませんが、ホルモンや自律神経のバランスが崩れやすいので、とにかく無理をせず、体調に異変を感じたら自転車を押して歩く。自転車を置いて、どこかで休むなどの対策をとりましょう。

もし事故等に巻き込まれても、見た目から妊婦だと気が付いてもらえません。母子手帳やマタニティマークを携帯しましょう。

妊娠中期は油断大敵!お腹は毎日大きくなっています!

妊娠中期に入ると胎盤も完成して、比較的身体は楽になる安定期に入ります。少しずつお腹が膨らみはじめ、妊婦さんだと見た目にもわかりやすくなります。

お腹が膨らみ始めると、身体のバランスが変わって転倒しやすくなります。お腹の膨らみ方、膨らむ速度には個人差があり、妊婦さんによっては早いうちからかなり大きくお腹が膨らむ人もいますので、「妊娠6か月だからまだ大丈夫」「この前と同じように運転すればいいだけ」といった油断は禁物です。

妊娠後期は転倒のリスク増!バランスがとりづらいなら

散歩の途中で草むらに座って休んでいる妊婦さん

妊娠後期に入るとかなりお腹が大きくなり、自転車運転中の姿勢は妊娠前とはまったく異なっているはずです。自転車に乗る姿勢が苦しいと感じているなら、そろそろ限界。そういった状態では、咄嗟のアクシデントに対応できません。

バランスがとりづらく、転倒の危険性が高まります。また、凸凹した道を走ると振動が子宮に伝わり、お腹が張ってしまう可能性もあります。

もし転倒してしまったら直接お腹の赤ちゃんに影響が出てしまう可能性が高いので、よほどのことがない限り自転車に乗らないほうが良いでしょう。もしどうしても乗るなら、スピードを落として、安全に最大限配慮しながら道幅が広く、凸凹がない道を選びましょう。

特に臨月に入ると、いつ破水や陣痛が来てもおかしくありません。移動は自転車ではなく、徒歩圏内で行ける範囲にしておきましょう。

妊婦が自転車に乗るときの注意点

妊婦さんに自転車をおすすめできないのは、自転車を漕ぐ行為や振動そのものが悪いのではなく、事故や転倒によるリスクが原因です。

妊娠すると、妊娠前は普通にできていた自転車に乗るという行動も十二分に注意が必要になります。

自転車に乗らず徒歩や公共交通機関を利用できるのならそちらを利用したほうが良いですが、どうしても妊娠中に自転車に乗る必要があるという場合は、安全対策をしっかりと行って、危険を少しでも減らして乗るようにしましょう。

サドルは両足がつく高さに

サドルはできるだけ低くして、両足が完全に地面につく高さにしましょう。両足が地面につけば、万一バランスを崩して転倒しそうになっても足をついて支えられます。

つま先が地面につく程度の高さにすると、バランスを崩した時に踏ん張りがきかず、そのまま転倒してしまいます。

体調が悪い時は乗らない

妊娠中は、日々体調が変わります。体調が悪い時に自転車に乗ると、注意力が散漫になって、事故の原因になります。
また、振動が下腹部に伝わるので、お腹が張って苦しくなる可能性もあります。

お腹の張りを感じたらすぐ休む

自転車は下半身の筋肉を使って漕ぐため、下腹部に力が入って、お腹が張ってしまうことがあります。お腹の張りは、身体を休めて安静にすると次第に収まりますので、自転車に乗っていてお腹の張りを感じたら、すぐに自転車から降りて体を休めるようにしてください。

交通量が少ない道、広い道を選ぶ

渋滞している道路

事故にあう危険を避けるため、人の多い道や交通量の多い道は避けるようにしましょう。通勤・通学ラッシュなど、時間によって混み合う道もあります。通勤時は時間に余裕を持つか、遠回りでも空いている道を選びましょう。

坂道やでこぼこな道は体への負担が大きいため、なるべく平坦な広い道を走ったほうがいいでしょう。

スピードを出さない

どんなに急いでいても、妊娠中に自転車に乗る場合は絶対にスピードを出さないようにしましょう。突然人や車が出てきたり、道が悪くタイヤがとられてしまったら、事故に繋がる可能性、転倒時に受ける衝撃も大きくなります。

何か異変があったらすぐに止まれるよう、ゆっくりとしたスピードで走りましょう。

こんな症状の時は自転車に乗るのはやめましょう

不正出血

自転車に乗った後に不正出血があった場合はすぐにかかりつけの産婦人科を受診するようにしてください。不正出血は、切迫早産などのサインでもあります。診察の結果、安静が言い渡されたら、当然今後の自転車はNGです。

下腹部痛やお腹の張り

妊娠中期以降のお腹の張りは、妊婦さんが動きすぎた時に起こりやすいです。

自転車は振動が下腹部に伝わり、漕ぐには力も必要です。重いものを持つとよくお腹が張りますが、それは自転車も同じで、お米や水など重量のあるものを籠に入れて走った時は、ペダルが重くなり、思いのほか身体の負担となっています。

下腹部痛やお腹の張りを感じたら、すぐに自転車を降りて身体を休めましょう。

胎動を感じない

お腹を触っている妊婦さん

胎動は、妊娠中期頃から感じられます。胎動は赤ちゃんの様子を知るバロメーターですから、自転車に乗った後から赤ちゃんの胎動を感じなくなったという場合は、すぐに産婦人科を受診してください。

胎動を感じない?不安を感じた時の対処法、病院受診の目安
胎動を感じない?不安を感じた時の対処法、病院受診の目安

妊娠中の自転車利用は「リスク」をどう考えるか

妊婦さんが自転車に乗るのは絶対にダメ!という訳ではありませんが、事故や転倒などママと赤ちゃんにとって危険を伴う行為なのは確かです。ただ、人それぞれ事情がありますので、そのリスクをどう受け止め、妊娠中に自転車に乗るか乗らないか、いつまで乗るか、決めるのはあなた自身です。

おすすめコンテンツ