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妊娠中に葉酸を摂取する食材

妊娠中に葉酸を摂って神経管閉鎖障害&つわりのリスク低減

妊娠中に葉酸を摂取することで、赤ちゃんの異常、流産、妊娠初期後期のつわりを防止してくれる効果があることを知っていましたか?妊娠中に摂取しておきたい葉酸はどのような栄養素なのでしょうか。葉酸を効果的に摂取する食品、調理方法、サプリメントの選び方もご紹介します。

妊娠中に葉酸を摂って神経管閉鎖障害&つわりのリスク低減

妊娠初期に必須の栄養素!葉酸にまつわるあれこれ

日本では今まで妊婦さんの葉酸の摂取についてあまり重要視されていませんでしたが、日本で二分脊椎の発症率が増加傾向にあることが報告されたため、葉酸を積極的に摂取するように言われ始めました。欧米では葉酸の研究が進んでおり、妊娠を考えている女性に対して葉酸の摂取量を増やすべきだと声だかに言われています。

それでは葉酸とはどのような栄養なのでしょうか?妊娠中に積極的に摂りたい葉酸について詳しく解説します。

葉酸の特徴

葉酸たっぷりのほうれん草

葉酸はビタミンB郡の水溶性ビタミンで、ほうれん草の葉っぱから発見されたことにより「葉酸」と名付けられました。葉酸は緑黄色野菜、果物などの身近な食品に多く含まれ、お腹の赤ちゃんが成長するうえで重要な働きをたくさん担っています。

葉酸の働き

葉酸は高血圧や動脈硬化の対策や、美肌、ダイエット効果など幅広い働きを担っています。その中でも特に妊婦さんにとって重要な働きをご紹介します。

神経管閉鎖障害のリスク低減

妊婦さんが葉酸を摂取する必要性は、葉酸を毎日適正な量摂取することでお腹の赤ちゃんの神経管閉鎖障害を約70%も低減できることがわかっているためです。妊娠前・妊娠中の女性にとって特に必要とされるビタミン群。日頃の食生活やサプリメントを上手に活用して、正しく摂取するようにしましょう。

神経管閉鎖障害とは?

脳や脊髄などのもとが作られる妊娠4~5週頃に起こる先天異常です。日本での神経管閉鎖障害の発症率は生まれてきた赤ちゃん1万人に対して、約6人の割合でみられます。
生まれつき脊椎の一部が形成されない「二分脊椎症」、脳に腫瘤のある「脳瘤(のうりゅう)」や、脳の発達ができていない「無脳症」などがあります。無脳症の場合、流産や死産の割合が高くなります。神経管閉鎖障害は妊娠検診でそのほとんどが判明します。

ダウン症のリスク軽減

核酸(DNA、RNA)は、遺伝情報通りに細胞を作るよう指示を出す物質です。葉酸はこの核酸の合成にかかわっているため、葉酸が不足すると正常な細胞が作られなくなります。
ダウン症はDNAの異常によって起こりますが、葉酸が不足するとDNAの異常が起きやすくなります

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流産の防止

貧血は鉄分の不足によって起きると知られていますが、実はヘモグロビンの入れ物となる赤血球の異常や不足も、貧血の原因になります。正常な数・形の赤血球を作り出すためには、葉酸、ビタミンB12、ビタミンB6、たんぱく質などが必要になります。

妊娠中はたくさんの血液が必要になります。葉酸が不足すると血液の流れが悪くなるため、赤ちゃんにも新鮮な血液を送ることができなくなってしまい、この状態が続くと流産のリスクが高まってしまいます

つわりを軽くする効果も期待

つわりは妊娠で増えるホルモンの分泌量の変化によって起きると考えられていますが、葉酸とビタミンB12を共に摂取することにより自律神経を整える作用があるため、つわりを軽くする働きがあると言われています。

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特に葉酸を摂取したいのは妊娠前〜妊娠初期

葉酸を積極的に摂る妊娠中の女性

先天異常の多くは妊娠直後から妊娠10週以前に発生します。特に中枢神経系は妊娠7週までに発生するため、妊娠してから積極的に葉酸を摂るのもいいですが、妊娠前から摂取していた方が効果的だとされています。

特に必要な時期は妊娠の1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月までです。この時期は赤ちゃんが健全に育つためにも特に健康管理が重要です。葉酸を始めとした、ビタミンなどを多く含む食生活を心がけましょう。

葉酸の1日の摂取量

通常時の葉酸摂取は、1日に240µgを推奨されていますが、妊婦さんはそれよりも多い440µg必要だと言われています。葉酸はお腹の赤ちゃんにとっても大切な栄養素。

平成10年に行われた調査によると、20~30歳代の女性で1日平均約300µgの葉酸をとっていることがわかりました。妊娠中は葉酸を多く含んでいる食材を意識的に選んだり、サプリメントを上手に活用したりして、毎日440µg以上摂れるように心がけましょう。

葉酸が不足する危険性

葉酸が不足している症状として、口内炎や食欲不振、下痢などの症状が現れることがあります。妊娠中に葉酸が不足してしまうと、お腹の赤ちゃんに障害が出る危険が高まります。妊娠初期は胎児の細胞増殖が盛んであるため、この時期に葉酸摂取が不足すると神経管閉鎖障害の発症リスクが高まるのです。

過剰摂取のリスク

葉酸を過剰に摂取することで発症する病気は特に知られていません。そのため、普通の食事をしていれば過剰症の心配はありません。しかしサプリメントに関しては、記載されている摂取目安量以上を長期服用すると過剰症がみられることもあります。

葉酸を効果的に摂れる食材、調理方法、サプリメント

葉酸は体内に蓄積されづらいため、毎日摂取することが必要です。しかし葉酸は水に弱い性質を持っているので実際に体内に吸収されるのは50%以下まで下がってしまいます。そのため、葉酸を効果的に摂取するには食材選びや調理方法を知っておく必要があります。
食事の中で葉酸をしっかり摂るのが難しい妊婦さんは、サプリメントの活用もおすすめ。安全なサプリメントの選び方もご紹介します。

食材

葉酸とビタミン豊富なキウイフルーツ

葉酸は緑黄色野菜を始め、豆類、果物など身近な食品に多く含まれています。具体的にはどのような食品があるのでしょうか?つわりに悩む妊婦さんでも手軽に葉酸を摂れる食品を中心にご紹介します。

キウイ

100gあたり36µgの葉酸を含むキウイフルーツは、葉酸と相互に作用するビタミンCも含んでいるので、バランスよくビタミンB群を摂取できる食品です。食物繊維も多いためお腹の環境を整えてくれる効果も期待されます。

バナナ

フルーツも葉酸をたくさん含んでいますが、特にオリゴ糖を多く含むバナナは、お腹の中のビフィズス菌を増やして、腸内細菌を良質なものに変えてくれます。便秘がちな妊娠初期に妊婦さんにとっても、腸内環境が整うことでお通じがよくなります。

ナッツ

ナッツは葉酸が豊富に含まれているので、おやつがわりに食べる食品としてナッツをおすすめします。特にどこでも売っているアーモンドは、特に栄養価が高いことで知られています。

ゆでたまご

ゆでたまごは調理過程で失われる葉酸の量が10%~15%と少なく、安価な上に調理も簡単なので妊婦さんにおすすめの食材のひとつです。

納豆

葉酸は大豆製品にもたくさん含まれており、納豆は100gあたり120µgの葉酸を摂ることができます。納豆は調理が必要なく、妊婦さんでも手軽に食べやすい食品。手作りでごはんを作るのがむずかしい日は、1日1パック納豆を食べるだけでも葉酸摂取量にプラスの効果があります。

のり

のりも100gあたり1,900μgと葉酸を豊富に含む食材です。その上、低カロリーなので食べ過ぎを気にする必要もありません。

調理方法

食事に出されるサラダを運ぶ妊婦

葉酸は熱や水に弱いため、調理中に失われやすい栄養素。ゆで汁にも溶け出してしまうため、葉酸が溶け出したゆで汁ごと食べられるスープやお味噌汁、鍋料理がおすすめです。実は電子レンジで調理するのも葉酸を失いにくい方法です。
フルーツやナッツ類など調理せずに生で食べられる食品を選んでもいいでしょう。ミキサーにかけてジュースやスムージーにすると、たくさんの野菜や果物を摂取できますし、消化吸収率も高まります

一緒に摂りたいビタミンB群

ビタミンB群は相互に補い合って働くため、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンCなどがなければ葉酸はうまく作用しません。ビタミンB6、ビタミンB12は動物性食品、ビタミンCは果物などに多く含まれているため、葉酸を効果的に吸収するためにはバランスのいい食事が大切です。

ビタミンAの過剰摂取に注意

葉酸を多く含んでいる代表的な食材にレバーが挙げられますが、レバーは妊娠中に摂りすぎるとよくないビタミンAもたくさん含んでいます。ビタミンAを過剰に摂取しすぎると、赤ちゃんに悪影響を及ぼす危険性が指摘されています。妊娠初期にビタミンAの摂取量が1日あたり2700µgを超えてしまうと危険です。ビタミンAを多く含む食材を毎日食べ続けないように注意しましょう。

葉酸の働きを妨げる嗜好品

葉酸を

嗜好品の中には葉酸の吸収を阻害してしまうものもあります。妊娠中のお酒、タバコは絶対にNG。妊娠を考えている女性も極力避けましょう。緑茶などの嗜好品は1日に2回程度に抑えましょう。

お酒

アルコールを分解するときに葉酸が使われていることをご存知でしたか?アルコールを過剰に飲んでしまうと葉酸不足に陥ってしまいます。

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タバコ

タバコを吸うと細胞がダメージを受けてしまいます。このダメージを再生するときに血中の葉酸濃度が下がってしまい、葉酸不足につながります。

緑茶

妊娠中は緑茶を避けたほうがいいとよく聞きますが、これはカフェインが含まれているからではなく、葉酸の吸収を下げてしまうタンニンを多く含むからです。他にもタンニンを含む飲み物は、紅茶、コーヒ、ウーロン茶などがあります。

サプリメントも上手に活用して

葉酸サプリを摂取する妊婦

仕事が忙しかったり、つわりがひどかったりすると、毎日バランスの良い食事を作るのは難しいかもしれません。そのため、神経管閉鎖障害の発症リスクを低減させるためにも、厚生労働省は食事からの葉酸摂取に加えてサプリメントから1日400µgの葉酸を毎日摂取することを推奨しています。

しかしサプリメントは手軽に葉酸を摂取できる反面、過剰摂取につながりやすいリスクがあります。葉酸を過剰に摂り過ぎてしまうことで病気になってしまう可能性もあるため、葉酸摂取量は1日あたり1000µgを超えないように気をつけましょう。

サプリメントを利用する場合でも、妊婦さんにとって普段の食事から栄養をとることが基本です。できるだけバランスのよい食生活を心がけましょう。

サプリメントの選び方

葉酸は妊娠中に特に重要な栄養とされていることから、サプリメントも様々なメーカーから発売されています。価格帯や成分も様々でどれを選べばいいか悩んでいる妊婦さんに向けて、サプリメントの選び方をご紹介します。

葉酸を1日400µg摂取できる

厚生労働省はサプリメントから1日あたり400µgの葉酸を摂取することを推奨しています。この推奨量を摂取できないと、妊娠中にサプリメントを摂取する意味がなくなってしまいます。

添加物が使われていない

サプリメントの中にも、食品添加物が含まれているものがあります。食品添加物は基本安全とされていますが、妊娠中には気をつけたいものです。保存料、香料、着色料、甘味料などが含まれているサプリメントを選んでしまうと、必然的に毎日摂取することになり、妊婦さんにもお腹の赤ちゃんにとってもあまりおすすめできません

ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンCが配合されている

体内で葉酸がきちんと機能するには、葉酸と協力関係にあるビタミンB12と、葉酸を活性型に変換するビタミンCを同時に摂取することが大切です。栄養素は単体では吸収されにくく、他の栄養素との相互作用があって初めて有用に働くようにできているため、妊娠中に必要なビタミンがバランスよく配合されているサプリメントが好ましいです。

GMP認定の工場で製造されている

GMPとは適正製造規範の略で、原材料の受け入れから製造、出荷まで全ての過程でサプリメントが安全に作られ、一定の品質が保たれるようにするための製造工程管理基準のことです。
サプリメントは製造の過程で濃縮や混合などの作業が行われるため、成分量にばらつきが出たり、有害物質が混入する可能性を否定できません。そのため品質管理が徹底して行われている工場にのみGMP認定をしています。

サプリメントのパッケージにGMPマークがついているかどうか確認すれば、サプリメントの品質の良し悪しを判断することができます。

妊婦さん&赤ちゃんのためにバランスの良い食生活を

妊婦さんにとって、赤ちゃんの先天的な障害や流産、つわりを避ける効果がある葉酸は必要不可欠な栄養素です。しかし葉酸はビタミンB群と補うことによってはじめてうまく作用します。そのため、妊婦さんに重要なことは葉酸をはじめとした栄養をバランスよく取れる毎日の食事が必要です。
仕事やつわりなどで食事を作るのが難しいときは、納豆やナッツ、フルーツなど手軽に食べられる食材を選んで口にするようにしましょう。

妊娠の1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月までの間は特にバランスの良い食生活を心がけて、妊婦さんの健康と、お腹の中の赤ちゃんの健全な発達を保ちましょう!