マタニティブルーとは?

マタニティブルーは2週間の辛抱?悪化させず乗り切る方法

マタニティブルーはいつからいつまで見られる症状なのか?気分の落ち込みや疲労感など、マタニティブルーの特徴を紹介。ホルモンバランスの乱れや育児不安が原因で、マタニティブルーは誰でも陥る可能性がありますが、悪化すると産後うつに繋がるので要注意!乗り切るためには妊娠中の対策も重要です。

マタニティブルーは2週間の辛抱?悪化させず乗り切る方法

マタニティブルーとはどのような症状?診断する4つのポイント

マタニティブルー(マタニティブルーズ、マタニティーブルーズ)とは、出産直後から産後10日までの女性に見られる、気分の落ち込みを中心とした特定の精神状態のことです。
「マタニティ」という言葉から、妊娠中の様子を想像する方もいますが、正確には「マタニティブルー」は出産直後の女性に起こる症状を指す言葉です。

マタニティブルーは、基本的には一過性の症状で、症状が表れてから数日で消失しますので、特に投薬やカウンセリングといった治療は行いません。

日本では産婦全体の約3割、欧米では約5~8割に見られるマタニティブルー。具体的な診断基準を見ていきましょう(注1)。

マタニティブルーの診断基準

医師の診断を受ける女性

厚生省研究班による診断基準では、次の4つの状態を同時に満たすこととされています。
産後に1と2のような症状があること、そして、3と4のように、その他の精神疾患等が疑われない場合に、「マタニティブルー」と結論づけられるのです。

1.出産後5日以内に特定の症状が見られること

急に泣きたくなったり実際に泣いてしまったりすることが、出産後5日以内に見られ、産後2週間以内には完全に消失します。また、泣くだけでなく、抑うつ感も同時に感じます。

2.6つの症状のうち、2つ以上が同時に見られること

次の6つの症状のうち、2つ以上が同時に見られるかどうかを判断します。

マタニティブルーのチェック項目

  • 過度の不安や心配感
  • 緊張感
  • 落ち着きのなさ
  • 疲労感
  • 食欲不振
  • 集中困難

3.精神障害ではないこと

定型うつ病や双極性障害、恐慌性不安障害(パニック障害)、強迫性障害、摂食障害などの精神障害には分類されないかどうかを確認します。

4.器質的疾患や人格障害でないこと

内科的あるいは外科的な疾患(器質的疾患)のために引き起こされている症状でないことも確認します。また、ものの捉え方や考え方、衝動のコントロール、対人関係などが一般的に予測されるものとは異なるために起こる障害(人格障害、パーソナリティ障害)ではないことも確認します。

マタニティブルーになる理由

マタニティブルーは産後2週間に見られる一過性の症状ですので、療養する必要もなく、多くの場合、すぐに症状はなくなります。そのため、なぜマタニティブルーになるのかについての研究や治療法の解明もあまり行われていません。

一般的にマタニティブルー理由については、次のように推測されています(注2)

ホルモンバランスの急激な変化

ホルモンの量が大幅に変わる

妊娠中はエストロゲンやプロゲステロン等の性ステロイドホルモン(女性ホルモン)が大量に分泌されていました。ですが、出産して胎盤が体外に排出されると、分泌されるホルモンの量が大幅に変わり、精神的にも不安定な状態を生み出してしまいます。そのため、ちょっとしたことで悲しくなったり、気分が滅入ってしまったりしやすくなるのです。

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産婦自身の体調の悪化

出産してから体調が優れなくなる産婦もいます。合併症が表れるなどさまざまな理由で産後の入院が長期化すると、気分が滅入り、抑うつ状態が見られるようになります。

赤ちゃんの健康に問題がある

赤ちゃんが病気で生まれた場合や低出生体重児などの特別なケアが必要な場合。心労のあまり情緒不安定になってしまう方もいます。特に同室で過ごすことができないケースや抱っこすることもできないケースでは、お母さんの精神状態にマイナスの影響を与えてしまいます。

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夫の協力が少ないもしくは夫婦仲が悪い

夫婦喧嘩が絶えない

分娩時や出産後に夫の協力を感じることができると、産婦は精神的にも安定を得やすくなり、マタニティブルーと判断される症状が出にくくなります。反対に、夫の協力を得られない場合や夫の協力を得ていないと産婦が感じる場合は、ストレスを多大に感じることにもなりますので、マタニティブルーの症状が出やすくなります。

また、夫婦仲の悪さも、マタニティブルーを引き起こす原因となります。このまま夫婦として暮らしていくことを大変に感じているときに赤ちゃんが生まれ、自分はこれからどのように行動すればいいのかと思い詰めることになるのです。

経済的危機やその他の産婦を追い詰める状況

経済的な況も、マタニティブルーを引き起こす1つの要因となります。特に産前産後は仕事をして収入を得られませんので、経済的困窮が一定期間以上続くことにもなります。

また、出産前後に家族の病気などの不幸な事態が起こったときも、産婦のストレスは高まり、マタニティブルーになりやすくなります。

産後2週間経ってもマタニティブルーが改善されないときは

マタニティブルーは一過性の症状ですので、通常は産後2週間経つと、気分の落ち込みは改善します。ですが、悲しい気分や落ち着きのなさといったマタニティブルー特有の症状が産後2週間を超えても見られる場合は、産後うつの可能性があります。

産後うつとは?

赤ちゃんを抱きながら落ち込む女性

一般的には出産後1ヶ月までに発症するうつ症状を「産後うつ(産後うつ病)」と呼びます。出産後1週間経って病院を退院する頃からうつ症状が顕著に表れはじめ、育児に対する不安や母親としての自信喪失、赤ちゃんの成長や健康に対する過剰なまでの不安などを訴えるようになります。

育児や赤ちゃんに対する不安、母親になることに対する心配事などは誰にでもあることですから、入院中も、医師や看護師、助産師、家族などにも特に異常とは認識されないことが多く、また、時期的にもマタニティブルーと重なり、一過性のものと見逃されてしまいやすいのです。

「産後うつ」は、気付いたときには重症化していたということも珍しくありません。重症化すると脳の機能不全を招き、正常な判断ができなくなります。「自分は産後うつかもしれない」と思った時は、専門医を受診するなど、早急な対応が今後の回復の鍵となります。

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マタニティブルーを乗り切る方法

マタニティブルーは多くの女性に見られる症状ですから、「マタニティブルーになったらどうしよう」と、過剰に心配する必要もありません。

ですが、わずか数日で終わるとはいえ、長引くと産後うつなどに転じることもありますので、できればマタニティブルーにならずに、なったとしてもごく軽い症状で済む方が良いのは確かです。

マタニティブルーの時期を乗り切るヒントをいくつか紹介します。

マタニティブルーについて理解しておく

妊娠中から、マタニティブルーについての情報を取り入れておきましょう。
出産後は情緒が不安定になるのが普通であること、わけもなく悲しい気分に襲われても数日経てばなくなること等を知っておくなら、産後に気分が滅入っても、「これがマタニティブルーね。数日経てばなくなるのね」と冷静に自分自身を見つめるきっかけとなります。

妊娠初期から出産に関わる不安点を解消しておく

産後に急に不安になることがないよう、妊娠初期のうちから経済的な支援や就労についての問題を解決しておきましょう。

出産育児一時金や出産手当金、育児休業給付金などの受け取れる手当について、働いている妊婦さんは、産前産後休業や育児休業などの出産前後の勤務形態について、会社などに問い合わせておきましょう。

不安なく出産を迎えることで、マタニティブルーのリスク要因を減らすことができます。

ママ友を作っておく

マタニティヨガで友達作り

出産前のプレママたちが参加するマザーズ教室やマタニティヨガ、マタニティエクササイズなどのクラス等を通して、ママ友を作っておくこともマタニティブルーを回避する方法の1つとなります。

産後すぐのイライラしている時期は、赤ちゃんを産んでいない夫やその他の家族が「大変なのは分かるけど…」と言う度に、「分かるわけないでしょ!」と反発したい気持ちが生じやすい時期です。ですが、同じ時期に赤ちゃんが生まれたママ友なら、嬉しさや不安、大変さを共有しやすくなるでしょう。

自分だけの時間を確保する

毎日は無理でも、1週間に1度は自分だけの時間を確保するようにしましょう。夫や親、兄弟姉妹、友人に赤ちゃんを任せ、ショッピングに出かけたりゆっくりとお昼寝したりしてください。

専門家を頼る

赤ちゃんの身体の気になることやお世話で分からないことなど、疑問が生じたらすぐに出産した病院や地域の保健所、その他の相談所などに電話などで質問しましょう。

「こんなことを聞いたら迷惑かも…」と一人で抱え込むよりも、一生の間に赤ちゃんのお世話や体調について悩む機会はそう多くはないのですから、どんどん質問して疑問を解消していくようにしてください。多くの地方自治体では、妊産婦専用の電話相談窓口を設けています。積極的に活用しましょう。

マタニティブルーになっても、思い詰めない!

初めての出産のときや赤ちゃんに病気があるとき、不安に思うのはお母さんとして自然なことです。「わたしだけ苦労している」「母親に向いていないのかも」と思い詰めないで、周りに積極的にサポートを求めるようにしてください。

また、マタニティブルーになったとしても、それは特別なことではないということも知っておいてください。

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