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過期産のリスク&対処法

過期産のリスクとは?出産予定日を過ぎたら行う検査と対応

過期産に対して不安を抱いているママにとって、過期産の正しい知識を持つ事は、出来るだけゆったりとした気持ちで出産にのぞむ為にも大切な事です。そこで今回、過期産のリスクや対処法など、妊娠中にママが心がけると良い事などを紹介します。

過期産のリスクとは?出産予定日を過ぎたら行う検査と対応

過期産のリスクと対応方法とは?いつから過期産?

妊娠出産には不安は付き物で、初産の場合はなおのことでしょう。出産予定日が迫ってくるにつれて、いつ産まれて来るのか?と気持ちがソワソワしてしまいますよね。37週に入り早産の心配が無くなったと思ったら、今度は、予定日頃にちゃんと産まれて来るかな?予定日過ぎたらいつまで待っていればいいんだろう、と漠然な不安を抱いている方も居るかもしれません。

わからないという不安を取り除く為にも、過期産についての正しい知識を身につけましょう。

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過期産の定義~妊娠何週目から過期産?

過期産とは、妊娠週数42週以降の分娩の事を言います。そして妊娠42週以上の週数を妊娠している状態を、過期妊娠と言います。

過期産の原因はほとんどが原因不明

過期産の原因については、お腹の中の赤ちゃんの体に何らかの問題がありそれが原因で過期産となる場合がありますが、ほとんどの場合は原因不明です。ことさらママが○○をしたからまたは○○をしなかったから過期産になる、という様な事は言い切れません。

よく、運動をしないのが原因だと言われる事もありますが、必ずしもそうではありません。基本的にウォーキングやスクワットなどの運動をすると、子宮が収縮したり、子宮口が柔らかくなるので産道が開き易くなり、そのために赤ちゃんが生まれて来やすくなるはなるでしょう。しかし、運動したから必ず正期産や安産となる訳ではなく、例え適切な運動をしていたとしてもなる時にはなってしまうのが過期産なのです。

運動すれば過期産にならないという訳では無い

妊娠や出産には個人差があります。ママはもちろんの事、まだお腹の中に居る赤ちゃんにも既に個性があるので、こうするとこういう事になる等、一概には言えません。
ただ、体重管理や栄養バランスの管理、問題がなければ適度な運動をするなど、担当のお医者さんと話し合いながらしっかりと自己管理するなど、安産により近づける努力はしたいものです。

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妊娠42週以降の過期産の出産リスク

さて、過期産にはどのようなリスクがあるのでしょうか?

過期産に入ろうとしている妊婦

一番リスクが低い分娩は、39週から40週に行われる分娩です。
早産については、未熟なまま生まれて来るというリスクがありますが、過期産については、胎児仮死や、何らかの障害が残ってしまうという赤ちゃんのリスク、そして母体のリスクとして、帝王切開のリスク、経膣分娩の場合は、膣や外陰部の裂傷などの負担が、通常よりも大きくなる可能性が高い事などが挙げられます。
以下では過期産による様々なリスクを詳しく紹介します。

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過期産のリスク1.胎便吸引症候(MAS)

通常、胎児は排尿をしますが排便はしません。しかしへその緒の圧迫による酸欠や、赤ちゃんが何らかのストレスを感じると、お腹の中で便をすることもあります。これを胎便というのですが、胎便はそのまま羊水の中を漂うと赤ちゃんにリスクが生じます。

赤ちゃんは羊水と一緒に胎便を飲み込んで、胎便が肺や気管に詰まってしまうことがあるのです。出産で赤ちゃんがお腹の中から出て初めて肺で呼吸をした時に、飲みこんだ胎便が原因で呼吸不全を起こしてしまう状態を胎便吸引症候群(MAS)と言います。

胎便吸引症候群の危険性と処置

もし呼吸不全となった場合、低酸素状態となりチアノーゼを起こしたり、命にかかわる危険な状態になります。また、肺に胎便が及ぶと肺炎の原因にもなり、肺が破裂してしまう事もあります。

胎便吸引症候群となった時にとられる一般的な処置は、まず早急に赤ちゃんの鼻や口、気管や肺の中の胎便を吸引などで取り除きます。そして肺炎等の予防のため抗生剤の投与も行われ、その後、保育器に入り酸素を注入しながら様子を見ます。

処置が迅速に行われると症状が軽い場合が多く、大抵は重症にならずに治るのですが、気胸など何らかの合併症を発症してしまう、低酸素状態が続き仮死状態になったり、また脳に一時的に酸素が足りなくなったために何らかの後遺症が残ってしまうなど重症化する可能性もあります。

過期産のリスク2.胎盤機能不全症候群

過期妊娠となると、羊水の量も減り、胎盤の機能が衰退してくると言われ、クリフォード症候群とも呼ばれます。
胎盤機能が衰退すると、栄養や酸素が胎児に十分に届かないため胎児にストレスがかかり、胎便吸引症候群の原因となったり、胎便によって羊水が黄色く汚染されるため、胎児の肌の色もそれによって黄緑色に汚染されます。

胎便機能不全症候群の危険性と処置

こういった症状を胎盤機能不全症候群と呼び、生まれてくる赤ちゃんが老人の様に痩せて表皮にシワができたり、多血症、低血糖など合併症も併せ持っていることもあります。多くの場合は胎児にとって非常に危険な状態となるため、妊娠40週~妊娠41週で胎盤の機能をチェックします。
胎盤の機能の低下がみられたら分娩を誘発したり、胎児の状態によって帝王切開で対応することになります。

過期産のリスク3.巨大児になる?

4,000gを超える胎児を巨大児といいます。過期妊娠においては、巨大児となる割合が高いとされています。

巨大児で誕生してもスクスク育つ赤ちゃん

予定日が近づくと、ママの骨盤の産道の大きさと、赤ちゃんの頭の大きさを測り、経膣分娩が可能かどうかの判断がされますが、巨大児でも可能であれば経膣分娩になる事があります。

巨大児のリスクと処置

出産の際には胎児が骨盤に引っかかる事は無くとも膣や外陰部が傷付いてしまうことがあるため、巨大児に限らず会陰が裂けるのを防ぐための会陰切開はよく行われる処置ですが、巨大児となると会陰を大きく切開する事になったり、二箇所を切開したりします。

また、産道を通るのに時間がかかり難産になったり、それを避ける為に帝王切開となる場合もあります。

過期産の具体的な対処法

妊娠42週以降になると、赤ちゃんとママが危険にさらされる状態になる確率がぐっと上がるので、通常は過期産となる前の妊娠41週には誘発分娩に持ち込んで出産となる場合が多いようです。また、誘発分娩にも色々な方法があり、その時のママと赤ちゃんの状態に合った処置が行われます。

臨月で出産間近の幸せな女性

以下で予定日を過ぎて行われる検査や処置を詳しく紹介します。

予定日を過ぎたら行われる検査1.妊娠週数の再確認

過期妊娠の診断が下されるまでには、基礎体温や排卵検査薬の記録からの排卵日の推測や、妊娠8週から妊娠12週の胎児の頭殿長(CRL)の数値から考えて、出産予定日が本当に正しいかどうかの見直しがされます。

予定日を過ぎたら行われる検査2.胎児Well-being検査

胎児Well-being検査とは、お腹の中の赤ちゃんが元気なのか、胎児機能不全などでは無いかを確認する検査で、胎動の確認、超音波検査、NST(ノンストレステスト)などの総称です。

過期妊娠に限らず、基本的に妊娠34週〜妊娠36週から出産までに全ての妊婦さんが数回受ける検査です。出産はママにとっても大変なことですが、赤ちゃんにとっても初めての大仕事。とても体力を使い、ストレスもかかるために「赤ちゃんが出産に耐えられる状態か?」を出産前に確認する為の検査なのです。

超音波検査

胎動の確認は、ママへの問診や超音波検査での確認となります。

超音波検査は、経腟超音波検査と経腹超音波検査があり、一般的に経膣超音波検査は、まだ胎児が小さい妊娠初期、経腹超音波検査は妊娠中期以降の検査方法になりますが、病院によって違いがあります。超音波検査には2D、3D、4Dと色々なタイプがありますが、画像が平面か立体的に見れるかや、胎児を動画で見る事が出来るかなど機械の違いで、検査の内容・目的は同じです。

経腹超音波検査はお腹に超音波検査用のジェルを塗り、その上からプローブと呼ばれる超音波の出る機械を当てて診ていきます。胎児の大きさ、胎児の向き、胎盤の位置、羊水の量、胎児に形態異常が無いか、そして胎児の数などを確認します。

NST(ノンストレステスト)

NST(ノンストレステスト)とは、陣痛や前駆陣痛が始まっていない(子宮収縮が無い)状態の胎児の心拍を確認する検査です。お腹に胎児の心拍を感知するセンサーと、お腹の張りを感知するセンサーを貼り付けてモニタリングします。
胎児は大体20分から40分の間隔で眠っているのですが、眠っている時は正しく測定が出来ないので、お腹をさすってみたり、大きな音を聞かせたりして赤ちゃんを起こしてから検査を再開します。

分娩を促す誘発分娩

予定日を過ぎ過期産になりそうだと判断されると、妊娠41週のうちに誘発分娩となるケースが殆どです。誘発分娩の方法として、陣痛促進剤の投与、帝王切開があります。

生まれてきた赤ちゃんを保育器に入れる看護師

陣痛促進剤の投与

経膣分娩が可能であると判断されれば、陣痛促進剤の投与によって陣痛をつけさせて分娩を開始させます。陣痛促進剤とは、陣痛を起こさせるために必要とされるオキシトシンやプロスタグランジンなどのホルモン剤で、経口摂取する錠剤と点滴があります。錠剤の方は効き目が緩やかで、点滴の方は効き目が早く、陣痛の痛みが急に強くなることが多いです。

また、陣痛促進剤で効果が薄い場合、バルーンという器具を子宮口に入れて時間をかけて膨らませ、子宮口を広げて陣痛をつけさせる方法も取られる事があります。バルーン挿入時は、痛みが無いと感じる方も居れば、痛みを強く感じる方も居て個人差があるようです。

帝王切開

経膣分娩が困難だと判断される場合は、帝王切開となります。
帝王切開は、基本的には局所麻酔で行われますが、持病などによっては稀に全身麻酔で行われる事もあります。帝王切開のリスクは、麻酔が体に合わないと吐き気がしたり嘔吐してしまう方もいること、そして術後は傷の痛みが強く、少し動くだけでも辛い人も少なくはないようです。

陣痛促進剤が効かない場合も帝王切開に

陣痛促進剤での計画分娩ですが、体質によっては陣痛促進剤を投与しても陣痛が付かない場合があります。その時は、帝王切開での計画分娩へと変更されるのが一般的です。

過期産における健康保険適用範囲

妊娠、出産において、赤ちゃんやママのリスクなどの不安もありますが、もうひとつの大きな心配事と言えば、お金の事ではないでしょうか?入院費用やその他諸々の費用は、病院によって大きく違ってくるので、お世話になる予定の病院にて費用を確認するのが一番良いです。

ママとパパに愛される過期産で生まれた赤ちゃん

また、高額療養費という制度があり、1ヶ月の医療費が一定額以上になると適応される制度で、その一定額を超えて支払った医療費が返ってくるというものです。こちらは所得によって自己負担限度額が変わります。全国健康保険協会のホームページにて世帯収入別の自己負担限度額が確認出来ます。

高額療養は申請が必要

高額療養費は勝手に手続きされるものでは無く、加入している保険組合に自分で申請しなくてはならないので、注意が必要です。全国健康保険協会のホームページで申請書のダウンロードが可能です。

入院が延びた際の費用

陣痛促進剤やバルーンを使用しての誘発分娩では、入院したその日に出産が出来ずに、2日以上かけての分娩になる事がよくあります。その際は、日数が延びた分だけ入院費用がかかり、基本的には自己負担となります。個室か大部屋かによっても費用が変わってきますが、大体1日に1万円前後の所が多いです。

陣痛促進剤の費用

陣痛促進剤は、病院によって、また使う量によって大きく差が出ますが、大体1万円程度から5万円程度で、こちらも基本的には自己負担となります。

帝王切開の費用

帝王切開は、健康保険が適応されます。費用は、地域や保険の種類にかかわらず、大体22万円程度で、その3割が自己負担となります。しかし、自然分娩よりも入院日数が大きく延びてしまうため、入院費用がかさんだ分に関しては基本的には自己負担となります。民間の保険は、入院費用を負担してくれるところが多いので、それを上手く利用出来ると、ほとんど出費が無いようにする事も可能です。

過期産のリスク回避は予定日以降の適切な対処が大切

近年、女性の社会進出の場も増えてきたのと比例して、高齢出産も増え、それに伴い妊娠や出産のトラブルも多くなりました。厚生労働省の調査によると、年々帝王切開での出産件数が増加しているようです。
医療の介入に抵抗を感じたり、出来るだけ自然分娩を望むママも多いと思いますが、誘発分娩も帝王切開も、自然分娩と同じように立派な出産です。

予定日を過ぎると、色々な不安が頭をよぎると思いますが、お医者さんはその時その時で最善の対処をしてくれます。その為にも、信頼できる病院や医師を選べるなら選び、不安に思った事をその都度質問して、心に出来るだけゆとりを持てるように出来れば良いですね。

赤ちゃんが無事に産まれて、ママも無事に出産を終える事が一番大事な事なので、予定日を過ぎても、焦らず、必要な情報を信頼出来る場所で得て、出来るだけどっしりと構えましょう。