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マタニティハラスメント対策

マタニティハラスメントに泣き寝入りしない対策や相談先

マタニティハラスメントは法律で禁止される違法行為。育児と仕事を両立させたい女性の社会進出を妨げる社会問題となっているマタニティハラスメントですがその定義や実際にどのような事例があるのか、女性の子育てと仕事を守る制度など正しい知識を身につけマタニティハラスメント対策を行いましょう!

マタニティハラスメントに泣き寝入りしない対策や相談先

マタニティハラスメントを知っていますか?

マタニティハラスメントは、セクシャルハラスメントやパワーハラスメントに並ぶ3大ハラスメントの1つです。女性の社会進出が急激に進む反面、妊娠・出産やそれに挑む女性に対してまだまだ会社の環境や周りのモラル意識が追いついておらず、厚生労働省の調査によると、正社員の5人に1人、派遣社員の2人に1人がマタニティハラスメントを受けたという結果が出ている事実は非常に悲しいことです。

さらにマタニティハラスメントを受けた約1割の働く女性がハラスメントを原因に離職したという調査結果も。ですが、実際にはもっと多くの女性が被害にあっていると考えられ、不当に肩身の狭い思いを強いられている妊婦さんやママは決して少なくはないのです。

都道府県労働局雇用均等室に寄せられるマタニティハラスメントに関する相談件数は年々増加しています。マタニティハラスメントは決して女性だけの限定的な問題ではなく、日本全体で考えなくてはならない社会問題と言えます。

マタニティハラスメントの定義

マタハラに悩む女性

マタニティハラスメントは妊娠、出産、産前産後休業、育児休業などを理由とした解雇などの不利益な取り扱いや、上司や同僚などの嫌がらせのことを言います。
これらは原則として「男女雇用機会均等法」「育児・介護休業法」に違反する違法行為です。

妊娠、出産のための産前産後休業、育児休業は働く女性の権利。法によってそれが規定されている以上、一般的には管理者の「病気でもないのに妊娠出産で休業とは勝手だ、迷惑だ」といった見解は、ひとえに上司のモラルの低さ、管理能力不足の問題です。
このような職場の管理者のモラルの低さは、女性だけでなく、女性の妊娠や出産・育児に伴う、父親の育児休業取得率にも影響を及ぼしているとも考えられますね。

要注意!マタニティハラスメントと認定されない例外もあります

ですが、一見妊婦さんや子育てをしながら働く女性に対して不利益な取り扱いをしているようでも、マタニティハラスメントにならない例外が2つだけあります。

業務上、必要性がある

経営状況が著しく悪化しており、被雇用者に対して解雇などの不利益な取り扱いをしなければ業務運営に支障が生じてしまう場合は、例外と見なされることがあります。このとき不利益な取り扱いを回避するための努力がなされたかと、人員選定が妥当な必要があります。

また、妊娠前から能力不足が問題とされており、改善の機会を与えたにもかかわらず改善の見込みがない場合も含まれます。

客観的な理由が存在する

不利益取扱いによる影響について事業主から妊婦さんやママに対して十分な説明があり、十分理解した上で応じるかどうか判断した場合も例外と見なされます。

マタニティハラスメントが及ぼす妊婦さんと赤ちゃんへの影響

妊婦さんにとってストレスは厳禁ですが、マタニティハラスメントによって受ける心の疲労が悪い影響を及ぼすことも考えられ、マタニティハラスメントは大きな問題になっています。

つわりや妊婦さん特有の病気が発症したときに、仕事内容の配慮が十分でなかったり、妊婦健診を受けるための時間の確保ができなかったりする場合、おなかの赤ちゃんや妊婦さんの健康に影響を及ぼす可能性は十分に考えられます。

あなたの職場は大丈夫!?マタニティハラスメントが起きやすい職場

女性への差別がある職場

「男は仕事、女は家庭」という昔の日本に強く根強いていた意識が未だに残っている職場はまだまだあります。このような職場では「女性は妊娠したら退職して家庭を支えるもの」と考えるスタッフが多い傾向にあり、特に上司や管理職がこの考えを持っていると悪気なくマタニティハラスメントを行ってしまうというケースがあります。

その他にも長時間労働が前提になっている職場では、遅くまで働けなかったり、働き方に制限が出てしまう妊婦さんやママの存在に対し、うとましいような振る舞いをしてしまう問題もあります。
その結果、育休切りのような不利益な扱いや、同僚からの嫌味を受けてしまうハラスメントが起きやすくなっています。

実際にあったマタニティハラスメントの事例

マタニティハラスメントはどんな女性でも受ける可能性があると言えます。
実際にはどのような場面で起る可能性があるのでしょうか?妊娠中、産休・育休中、復職後のシーンに分けてご紹介します。「これ言われたことがある!」と当てはまる事例があるかもしれません。

妊娠中のマタハラ事例

妊娠中は体が急激に変化を遂げる妊婦さんにとって、思うように仕事を進められなかったり、つわりなどの理由から仕事を休むように医師から指示が出たりします。しかし妊娠に対する意識が低い職場では妊娠を歓迎されるどころか、休みをもらえない、退職をすすめられるなど問題が発生してしまうことがあります。

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上司に妊娠報告をしたら、自主退職をすすめられた

妊娠の報告を上司にしたところ「妊婦を雇う余裕はない」などの理由をつけて自主退職をすすめられた。

妊娠検査やつわりで休暇の取得を依頼しても休みをもらえなかった

つわりがひどく、医師から休業を指示されたので上司に伝えると「みんなに迷惑をかけるから休業は認められない」と言われた。

時間外労働の免除が受け入れられなかった

残業が多い部署だったので体の不調を感じ、上司に時間外労働の免除を相談したところ「周りはみんな残業しているのにあなただけを特別に定時退職させられない」と怒鳴られた。

業務の転換を願い出たら受け入れてもらえなかった

立ち仕事で体の負担がかかるので、軽易な業務へ転換させてくれないか上司に相談したところ「楽な業務に異動したいなら正社員からパートになるしかない」と暗に断られた。

産前産後休業・育児休業中のマタハラ事例

マタハラに悩み考える女性

産休育休取得者の勤務形態によっても異なりますが、産休は出産予定の6週間前から、育児休業は子どもが1歳になる日まで取得できることは労働基準法にしっかり記されています。
しかし、十分お休みを取得させてもらえなかったり、休業明けの不当な解雇などに頭を悩ませるママもいます。

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産休・育休を取得できない

上司に産休・育休の取得を希望したところ、「うちには産休・育休の規定はないから取得できない。会社に戻りたいなら一度辞めてから戻ってきてほしい」と言われた。

契約更新の打ち切り

契約社員として今まで更新されてきて、今度も更新を前提に話が進んでいたのに、上司に妊娠の報告をしたところ次回の契約更新はしないと打ち切られた。
(※期間の定めのある雇用契約でも雇用期間が一年以上であること、契約の更新回数に上限が設定されていない場合など一定条件を満たす場合は産休および育休を取得できます)

復職を確約してもらえない

産休に入るときに上司から「代替の正社員を募集するので、育休から復帰しても同じ席を用意できるかわからない」と言われた。
(※被雇用者に不利益な配置変更は禁止とされ、復職後は原職復帰に配慮することが原則)

復職後のマタハラ事例

職場の辛いマタハラに耐え切れず泣く女性

子どもを無事に保育園に預けることができ、久しぶりの仕事に期待と不安を感じながら復職してみると、予想と違う周りの対応に戸惑ってしまうこともあります。
小さい子どものママは短時間勤務や、子どもの病気などで子供のいないケースと比較すると圧倒的に休暇取得の頻度が高くなりますが、これに対しても理解のない職場では周りから嫌味を言われてしまうこともあります。

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育児で短時間勤務を利用していたら同僚から何度も嫌味を言われた

短時間勤務を利用していたら「お前は早く帰れていいよな」「あなたのしわ寄せがこちらに降ってくる」と同僚から何度も嫌味を言われた。

通常では考えられない部署へ配置転換をされた

同じ部署に復職できると思っていたのに、休業前とは職務内容や労働時間が全く異なる部署に配置転換された。

降格・減給された

出産前は役職がついていたのに、育休後は降格されて全く違う部署に異動させられた。
社員一律のはずだったボーナスも育休後は低い金額になっており、結果的に減給となってしまった。

マタニティハラスメントの対象は女性だけではありません!パタニティハラスメント

父親へのハラスメントはパタニティハラスメントと呼ばれています。育児にもっと積極的に関わりたいと思っている男性が増えている中、対応どころか理解すら示せない職場が多いことは明らかに問題といえます。

男性が育児休業を取得して夫婦で協力しながら育児を行うことや、保育園の送り迎えを男性が担当することは大きな意義がありますが、「なんで男が育児休業を取る必要があるんだ」「育児は奥さんに任せておけばいいじゃないか」「休業するなら人事考課で減点する」などと言われて制度を利用させてもらえなかったり、精神的に追い詰められてしまったりする場合もあるのです。

マタハラに泣き寝入りしない!マタニティハラスメントの対策と相談先

壁に悔しさをぶつける女性

マタニティハラスメントの被害者にならないように、妊娠がわかったら早めに対策を行うことが大切です。妊婦さん自身でもしっかりと正しい知識を身につけ、上司や同僚を味方につけることを目指しましょう!

しかし十分な対策を行っていても、職場環境が悪ければやはりマタニティハラスメントの被害を受けてしまうこともあります。女性が泣き寝入りしないための相談先をご紹介します。

妊娠がわかったら…事前に対策しておきたいこと

妊娠が判明したら、マタニティハラスメントを受けないためにも上司に早めに伝えることが大切です。また、妊娠出産に関わる休暇取得に関しての制度や処理、一連の認識判断を職場の管理者に丸投げするのではなく、どのように対応されるべきなのか、どのような制度を使うべきか、自分でも正しい知識を身につけて、具体的に伝えられるように準備をしておきましょう。

ステップ1.出産予定日や休業の予定を早めに会社に申告しましょう

妊娠がわかったら、上司や総務に出産予定日や産休・育休の予定を早めに伝えるようにしましょう。妊娠の報告を受けた会社は、定期健診などのための必要な時間を確保する必要があります。
医師からつわりやむくみなどの症状に合わせて勤務時間の短縮や、作業の制限、お休みの必要性などを告げられた場合にも、速やかに上司に申し出て適切な対応をしてもらう準備を整えましょう。

ステップ2.どんな制度が利用できるかまずは自分で調べましょう

妊娠・出産に関わる制度はどのようなものがあるのか、休業制度はいつからいつまで取得できるのか、休業はパートやアルバイトでも取得できるのかなど、妊婦さんやママが使える制度について知っていますか?例えば産休パートやアルバイトでも取得できますし、育児の制度は男女ともに利用できます。

妊娠・出産に伴い、負担のない働き方を実現させるためにも、自分がどのような制度を利用できるか自分自身で正しい知識を持つことが大切です。

ステップ3.どのような制度を利用したいか明確に伝えましょう

妊娠中の体調は個人差があるので、上司には状況を具体的に伝える必要があります。医師から休業の指示が出ている場合は「母性健康管理指導事項連絡カード」を医師に記入してもらって伝えたり、体に負担がかかる仕事を行っている場合は「長時間立ち続ける仕事はおなかが張ってしまうので座李ながら仕事ができる部署に移動したい」など具体的に伝え、制度利用や適切な措置を求めましょう。

産休や育休に入るときにも、休業開始日や終了日などを明確にしておくことが大切です。会社に規定がない場合でも産前・産後休業は取得する権利があります。

ステップ4.会社への配慮も忘れずに

妊娠、出産、育児の様々な制度を利用する権利は法的に認められています。しかし、休業や短時間勤務を利用することによって、上司や同僚に影響を及ぼす場合があることも心に留めておく必要があります。

上司や同僚と密なコミュニケーションを図ったり、感謝の気持ちを表すなどして、妊娠や出産を応援してくれる環境作りができれば最高ですよね。

マタニティハラスメントを受けたときは…?相談先

マタハラを止める女性

マタニティハラスメントを聞き流してしまっては状況が改善されず、妊婦さんやママにストレスがたまってしまう一方です。妊娠、出産、育児をきっかけに嫌な思いをしたときは上司などにその状況をはっきりと伝えるようにしましょう。
上司からマタニティハラスメントを受けている場合は、会社の窓口や都道府県労働局などに相談してもいいでしょう。

会社の先輩ママに相談する

会社の同僚や先輩に出産や育児を行ったママがいれば、実際に相談してみることから始めましょう。同じような苦労話しや、どのように対処したか具体的なアドバイスをもらえるかもしれません。

会社の窓口に相談しましょう

規模の大きな会社になると、労働問題の相談を受け付ける窓口があるでしょう。個人情報は守られているところがほとんどですので、気兼ねなく活用してみましょう。

都道府県労働局

各都道府県の労働局ではマタニティハラスメントについての電話相談を平日の8時30分~17時15分まで受け付けています。本名を名乗る必要はなくプライバシーを厳守してくれます。
会社に対して法律や制度の説明を行ってくれたり、会社に事実確認を行って働きかけを行ってくれるなどの対応をしてくれるでしょう。

泣き寝入りせずに胸を張って出産&育児をしよう!

マタニティハラスメントは流産や早産につながる危険性もあります。しかし女性が権利を主張できずに泣き寝入りしてしまうケースが多いのが事実です。心ない言葉に傷ついたり、不当な扱いを受けている場合には、一人で悩まずに会社や労働局などに相談してみることから始めましょう。

出産や育児は、本来は歓迎されるべきことです。これから先の未来にママたちが働きやすい環境を作っていくためにも、利用できる制度を活用して、仕事と育児の両立を目指しましょう!

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