マタハラ許さん

許すまじマタハラ・原因や妊娠出産×会社のトラブル対策

マタハラは正社員の女性5人に1人は経験しているという、ワーキングママにとっていつ起きてもおかしくないハラスメントです。マタハラは何故起こるのか?マタハラをする側の心理や環境、マタハラにあってしまったらどうしたらいいのか、マタハラの正しい知識をつけて不当な扱いに対処しましょう!

許すまじマタハラ・原因や妊娠出産×会社のトラブル対策

マタハラ絶対に許さん!妊娠出産×会社でのトラブル「こんなときどうする?」

妊娠出産は家族にとって、とっても嬉しいライフイベント。女性もどんどん社会進出している中で、夫婦共働きの家庭は少なくありません。子供を持ちたいと考えたとき、働きながらの出産、育児を選択する女性も多いでしょう。しかし、そんな幸せな妊娠出産に水を差すような「マタハラ」が依然として社会問題になっています。

どんなトラブルがマタハラになる?

ここ数年よく耳にするようになった「マタハラ」という言葉、聞いたことはあるけど詳しい内容はわからないという人も多いのではないでしょうか?妊娠はすべての女性に起こる可能性があることで、それによって妊娠した女性が不快な思いをするというのは本来あってはならないことです。

マタハラとは、「マタニティハラスメント」のことで、女性が妊娠出産や育児をきっかけに、精神的・肉体的な嫌がらせを受けたり、妊娠してからは妊娠前と同じように働けなくなることを理由にして解雇や降格、企業から自主退職を強要されたりと不利益を被ることをさします。

解雇など明確な不当処分がなければマタハラだと声を上げられないのか?というとそうではなく、あなたが「嫌だな」「不快だな」と思った時点からハラスメントにあたります。
妊娠したことで職場で嫌な思いをしたら、一人で我慢せずに信頼できる上司や厚生労働省の相談窓口に相談してみましょう。

マタニティハラスメントに泣き寝入りしない対策や相談先
マタニティハラスメントに泣き寝入りしない対策や相談先
マタニティハラスメントは育児と仕事を両立させたい働き続けたい女性の社会進出を妨げる社会問題。マタニティハラスメントの定義や実際の事例、女性の子育てと仕事を守る制度などの知識を身につけ正しい対策を!

マタハラのタイプと根底にある心理

マタハラは、その根底に大きく4つの心理が隠れています。

マタハラ典型タイプ

マタハラのタイプ

長時間働くことのできない妊婦を解雇や雇いやめ、自主退職を強要するタイプの典型的なマタハラです。被害も一番多く、多くの女性が泣き寝入りしてしまっています。
たとえば、「今まで産休・育休を取った人はいない」「妊娠出産で休まれては業務に支障が出る」「残業できないなら他の人の迷惑になる」などと、子供を産むなら辞めてくれと退職を勧められたり、契約更新はできないという風に退職に追い込んでいきますが、もちろん不当です。

悪意しかないいじめタイプ

妊娠、出産や育児を理由に以前と同じように働けなくなった女性に対して周囲の従業員が不満を持ち、それの不満を会社ではなく、妊婦さん本人にあてつけて発散するいじめです。

男性よりも子供を持たない女性や子育てを終えた女性から受けることが多く、「同性で気持ちがわかるはず」とどこかで思っている分、裏切られたような気持にもなります。
「○○さんは妊娠出産のときも会社に来れていたのに、あなたは休みが多いから自分たちの仕事が増えて迷惑だわ」「妊婦だと忙しいときでも簡単に休めていいわね」などと言ったり、あからさまな態度をとったりと精神的に追い詰めるような言動は許されるべきものではありません。

パワハラタイプ

特に残業(サービス残業)を当たり前かつ美徳とする風潮のある職場では、会社組織的に妊娠出産を理由に欠勤することを良しとしません。
また、「ほかの人が残業して頑張っているのに、妊婦だからといって特別扱いはしない」などと言って制度としての産休育休も取得しにくかったりなど、妊娠出産、子育てを控えた女性が働きにくい環境変革を考えようともせず、女性の一方的な不利益を傍観し当たり前と考えるタイプです。

現代の社会情勢・風潮に理解が追い付いていないタイプ

昔の日本で多かった「男性は外で働き、女性は家を守る」という前時代的な考えから、女性は妊娠や出産を機に退職すべきという価値観を押し付けてくるタイプ、これもマタハラ。
女性の社会進出が少なかった年配の方ほどこういった思考を持っていることが多く、また、本人は善意のつもりで言っているという場合もあります。

たとえば、「旦那さんが稼いでるんだから、君まで無理に働かなくてもいいんじゃないの?」「お母さんが家にいたほうが子供にも良いと思うよ」などと、遠回しに仕事を辞めたら?と促されたりします。

マタハラが起こる理由・・・会社や人の意識改革が問題!

なぜ、マタハラが起きてしまうのか?
それは、女性の人生が多様化していることに対し、認識が追いついていない人々が一定数以上いるからです。

「男性は外で働き、女性は家で家事や子育てをする」という一昔前の日本の家庭では一般的だった明確な分業をする価値観が根底にある人がまだ多いこと、そして男性社会では「残業して当たり前」の、長時間勤務が一般的になってしまっていて有給すら堂々と取得できない社会環境が、マタハラを産む大きな要因なのです。

妊娠出産育児を抱える女性(家庭)が欠勤リスクが高いことに対して・・・

妊娠中は体調を崩しやすい

妊娠、出産、育児、と子供を産み育てるということは、自分の頑張りだけではどうにもならないことも出てきます。とくに、まだ免疫力の弱い乳幼児はすぐに風邪をひいてしまったりと、急に仕事を休まなくてはならない状況もでてきます。

しかし、そういったことに職場の理解や対応が足りておらず、その女性に対して周囲がマタハラをしているような状況を他の女性社員たちが見てきたとしたら、その会社に勤めながら安心して子供を産もうと思えるでしょうか?安心して子供を産み育てられない環境なら、子供を作らないという選択肢を選ぶようになりますし、もっとキャリアを積んでからと高齢出産を選択するかもしれません。

そんな環境なら妊娠をきっかけに仕事をやめてしまう女性も多いでしょう。マタハラは、妊娠した女性だけが対象になるハラスメントではなく、そういった環境すべてをさした、働く女性全体に対してのハラスメントなのです。

産後もトラブルの連続…『マミートラック』

産休、育休を取得することができたママさんでも、その後マミートラックと呼ばれる問題に直面する可能性があります。これは、子育てと仕事の両立が可能になっても、時短勤務を利用して働くために業務の補佐的な仕事に就かせせられるなど「昇進・昇格とは程遠いキャリアコース」に乗せられてしまうものです。「解雇される」という明確なマタハラを避けられたとしても、可能な限り積極的に働きたいというワーキングママには大きな問題です。

しかし、これらの問題を解決していくには雇用側と被雇用者側の双方の努力が必要です。職場は根底にある「子育ては母親がするもの」という概念から覆さなければなりませんし、雇用される女性側もなるべく働き方が不安定にならないように夫や祖父母に頼ったり、保育サービスや家事代行などのサービスを利用し、仕事に集中することのできる環境を整える必要があります。

有給を取得しにくい組織も問題

ワーキングママの時短勤務や急な欠勤に非難が集まりやすいのは、「長時間労働が正義」という考え方により、欠勤はおろか労働者の権利であるはずの有給すらも取得しにくい組織であることが原因にあげられます。
有給を取りにくい負のループが「自分も休みを取りたいのに認められない」という鬱憤を生み出し、「妊娠したからといってカンタンに休みを認められるのはズルい」というマタハラ論に陥ってしまいがちなのです。

有給も労基法で守られています

本来、有給とは一定期間勤続した労働者に対して業務から離れて心身を休めることを目的として労働基準法で定められた休暇です。6ヶ月以上で全労働日の8割以上勤務した人であれば正社員だけでなく、パート、アルバイト勤務でも有給を取得できます。労働者の権利として認められている休暇なので、会社に申請すれば会社はそれを認めなくてはなりません。

ほんの数名の「有給をとると給与に影響する」という意識が「みんな働いているから有給を申請しにくい」という風潮を生み出します。をみんなが持ってしまうと、有休取得に罪悪感を感じたり有給をとりにくい職場になってしまいます。堂々と心身ともにリフレッシュする必要性を尊重し、みんなが有給を消化できるような職場にしていくことが求められます。

有給休暇を取得しよう

2017年1月から職場におけるマタハラ、セクハラ対策が事業主の義務になりました!

職場内へのハラスメント相談窓口の設置や、妊娠・出産・育児において使用できる制度の周知、それにおけるハラスメントがあってはならない旨の通知、ハラスメントがあった場合の厳正な対応の周知などが、職場におけるハラスメントの発生を防止するために、事業主が必ず行わなければならないものとして厚生労働大臣の指針として定められています。(注1)

妊婦さんとママを守るための法律や制度はしっかり浸透させるべし!

法律はとっくの昔に妊婦さんと働くママをバックアップする体勢に変わっています!知識を正しく身に着けて自分を守りましょう!

知っておっくべき経済的支援

出産育児一時金

加入している国民保険、もしくは社会保険から支払われるもので、出産時一人につき42万支払われます。
日本では妊娠出産は全額自費診療。一般的に病院で出産する場合、分娩代・入院費など保険が効かなく高額な費用が発生するため、それを補うための制度として出産育児一時金があります。受け取ったお金は病院に直接支払う方法と、本人がお金を受け取って病院に自分で支払う方法があります。

出産手当金

出産により働くことのできない間の給与の補助として、出産日以前42日間(予定日を過ぎた場合は予定日から)と、出産日の翌日以降52日までの範囲で、会社から給料の支払いがない場合に手当金を受け取ることができます。一日当たりの支給額は、支給開始日以前の12ヶ月の標準報酬額を平均したものの、3分の2にあたります。

育児休業給付金

産後休暇の終わったあとの育児休業中の給与の補助として、雇用保険から支払われるもので、最初の180日は給与の67%の額で、181日目からは給与の50%が支給されます。

社会保険料の免除

産前産後休業中や育児休業中、社会保険料は被保険者・事業主ともに免除されます。免除される期間は、産前産後休業では休業開始の月から休業終了日の前月(休業終了日が末日のときは産前産後終了月)まで、育児休業中は育児休業の開始の月から終了した月の前月までとなります。

産休・育休中の社会保険料の免除は自動的に行われるわけではないので、育児休業に入ったら会社に手続してもらいましょう。

妊娠出産で受けられる支援を調べる

休業制度

産前、産後休業

産前6週間、産後8週間、出産のために休業することのできる制度です。正社員として働いている人だけではなく、パートアルバイトとして働いている女性でも申請することができます。

育児休業

女性の場合は産後休業後から、男性の場合は出産日の翌日から子供が1歳になるまで育児休業を取得することができます。これも育児休業法という法律で定められているので、会社の規定に定められていなかったとしても取得できます。

事情があれば1歳6ヶ月まで引き延ばして休業することもできますが、一人の子供につき一度しかとることが出来ないので注意してください。

その他

傷病手当金

傷病手当金とは、病気などで休業した場合の生活をサポートしてくれる制度ですが、妊娠中にひどいつわりで仕事を休んだ場合や切迫流産のため入院や自宅療養が必要になった場合にも受け取ることが出来ます。仕事を4日以上休んだ場合に、4日目以降休んだ日数分、平均給与の3分の2が支払われます

母性健康管理指導事項連絡カード

これは、妊婦さんの健康状態から、休業や時短勤務が必要であると医師が判断した際に、医師から事業主にそれを伝えるためのカードです。診断書と同等の効果がありますが、診断書よりも安値で作成してもらえるのが特徴です。自分から会社になかなか申し出にくい場合もこのカードで申請すると伝えやすいですよ。

マタハラが起こりがちなタイミングと職場のためにできること

マタハラにはきっかけになるタイミングがあります。これらのタイミングで誠意の見える対応をすることも意外に大切だったりします。
また、マタハラの心配がある職場環境の場合は、トラブルを予期しておくと今後の対応も冷静に行っていけるため、これらの避けきれないタイミングから慎重に対処していきたいですね。

妊娠を報告するとき

信頼できる上司に妊娠を報告する

妊娠を報告するときは、なるべく直属で信頼できる上司から報告するようにします。話しやすい同僚がいればつい同僚から妊娠を報告しがちですが、上司も報告を受けていない妊娠を噂で聞くのは心証がよくありません。妊娠中は、つわりなどで体調が悪くなることもありますし、突然仕事をやすむことになることもあることをまずは直属の上司に伝えるようにしましょう。

産休育休を取得するとき

産休育休を取得するときは、自分の後任になる相手にしっかりと引き継ぎを行って、業務がスムーズに流れるよう整理をしてから休業に入るとベストです。また、突然のトラブルなどで育休、産休中に会社から連絡があった際は、可能なタイミングでしっかり対応していきましょう。

復帰するとき

いざ会社に復帰する、となったときスムーズに周りと溶け込むためには、復帰前の事前のあいさつと、復帰当日のあいさつが重要です。
復帰前には、直属の上司や同僚にメールなどでいつから復帰するのか、迷惑をかけたことの謝罪、休業させてもらったことへの感謝などを添えて挨拶をしましょう。

復帰するときにはなるべく手土産を持参し、直接お礼と、今後も迷惑をかけるかもしれない旨を先んじて謝罪しておくと角が立たずに復帰することができるかも知れませんね。

実際にマタハラ被害にあったら・・・マタハラとの戦い方

日本では女性の社会進出で働く女性が増えたことに伴って、昨今にマタハラが注目されるようになりましたが、アメリカやフランスなどの海外ではもう何十年も前に問題視されてきた課題であり、取り組みも進んでいます。
日本の現状は、社会がまだ女性の社会進出に対して理解できていないということも表しています。実際に妊娠報告により不当な扱いやいじめを受けているなどのトラブルは抱え込むのではなく、冷静かつ公然に対処していくべきですが、ひとりVS職場では何かと不安もあるでしょう。
「マタハラかな?」と思ったとき、どのように戦っていけばよいでしょうか?

まずは落ち着いて状況の客観視を!

不当な扱いは我慢すべきではありませんが、「被害にあった!」と騒いでもことを荒立ててしまうだけです。問題解決にはエネルギーが必要です。特に妊娠出産はホルモン変化による体調変動が大きく気が荒くなってしまう面もありますので、とにかく冷静を第一に!
以下3つのチェックポイントで現状を客観的にまとめていきましょう。

経緯をわかりやすく明確に記しましょう

問題の経緯をメモしておこう

「いつ、どういったことがあったのか」は、後からでも確認できるように記しておきましょう。どこかに相談する場合も、詳しい内容が求められますが、不利益を被ったときは憤りの感情が先走ってしまうことも。感情的に訴えるような言動はものごとを正確に伝えられませんので、その後適切に対応できないなどの結果につながります。感情が出来事を脚色してしまわないためにも有効です。

事例を調べましょう

自分と同じような経験をした人がいたなら、どんな解決方法を取ったか、裁判では判決がでているのか参考にすることが出来ます。それによって、企業との対応の仕方も変わってきますので、インターネットなどで調べてみましょう。

どういった制度があるのかを把握しましょう

妊婦さんやワーキングママを守るための制度はすでに存在しています。産前産後休業制度を取り入れるか否かは職場の裁量に任せられているのではなく、法律で権利・義務として公布されています。
自分の場合それを使用することが出来るのかどうか、自分の契約形態はどうなっているのかを把握しておきましょう。

相談する先を探しましょう!

マタハラにあった場合、一人で悩まずに信頼できる相手に相談することが重要です。
ひとりでは激昂したり悲観的になったりと感情に邪魔されてしまいがちですし、周りの力や知恵で乗り越えられることは多いはずです。

社内の相談機関や労務

2017年の1月から、すべての事業主に対してハラスメントの相談窓口を設置することが義務化されました。労務や規模が大きくなると独立した社内の相談機関もあるかも知れません。公平な視点で法的に判断してくれるので、そういった相談の窓口があるか調べてみましょう。

上司への相談の仕方

社内の相談機関に相談しにくい場合、上司に相談する方法もあります。その場合、誰に相談するのかが問題になってきます。「そんな事実はない」ともみ消されてしまう可能性のあるときは、先に行政窓口などに相談してみるのが良いかもしれません。

厚生労働省の相談窓口

厚生労働省にも、相談の窓口は存在します。社風自体がマタハラを助長していて、身近に相談できる相手がいない場合は、こういった窓口を活用していきましょう。

労働基準監督署や労働局雇用均等室

全国にある労働局に属する部門で、明らかに労働基準法に違反がある会社を監視・指導するための公的な機関です。男女の雇用均等化や、労働者が育児や介護と仕事を両立できるように支援を行っており、個人の相談もすることができます。

日本労働組合総連合会

労働条件、職場環境の維持改善の目的で結成された労働組合のナショナルセンターです。セクハラ、パワハラ、不当解雇など、働くことの悩みに対応してくれます。

マタハラnet

マタハラ被害にあった女性達が立ち上げた、マタハラに悩む女性のためのネットワークです。今までにあったマタハラの事例と照らして、相談内容から、公的機関や弁護士への紹介などを行ってくれます。

弁護士

マタハラによって受けた被害について企業と戦う場合、一人で戦うには時間もかかりますし、精神的にも疲弊してしまいます。妊娠中や産後の大事な時期にそういった負担は大変なため、費用はかかってしまいますが、弁護士にお願いするのもおススメです。

法テラス

法テラスでは、無料の弁護士相談や、弁護士費用の建て替えを行ってくれる可能性があります。無料相談を利用するには、収入が一定額以下であること、勝訴の見込みが有ること、相談内容が民事法律扶助の趣旨に適することを満たしている必要があります。

妊娠出産しても安心して働ける社会に変えていこう

高齢化、少子化がずっと社会問題として取り上げられていますが、女性が「仕事か」「子供か」の2択にしばられてしまっている限り現状は変わりません。
男性だけでなく、今は女性の労働力ももっと注目されねばならない時代です。女性が、結婚や妊娠、出産をしながらも働くことが選択できるように、日本社会特有の長時間労働が当たり前・残業美徳な意識を覆し、多様化した働き方に対応できるように一人ひとりが変わっていくことが大切ですね。

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