外回転術の方法やリスク・費用

外回転術は逆子を直す最終手段!成功率vs失敗時のリスク

外回転術で逆子を直すリスクとは?妊娠35週以降も直らない逆子(骨盤位)を頭位にする医療行為である外回転術の具体的な方法、失敗時のリスクや痛み、費用や保険の適応を解説。成功率は病院や医師によっても異なり、緊急帝王切開の覚悟は必須!逆子をどうしても直したいと考える方、必見です。

外回転術は逆子を直す最終手段!成功率vs失敗時のリスク

外回転術で逆子は直る?費用や失敗時のリスク

赤ちゃんが逆子だと知った方の多くは、逆子体操や鍼灸治療など、あらゆる方法を駆使して逆子を直そうと試みるでしょう。しかし、どうしても逆子が直らない。そんな時に最後の手段として挙げられるのが「外回転術」です。

外回転術はリスクや痛みを伴うため、万人におすすめできる方法ではありません。逆子体操などに比べると、逆子の直し方としては最もハードルが高く、費用もかかります。また、最近では実施できる病院や医師も少なくなってきています。

今回は、外回転術とはなにか、成功率や失敗時のリスク、具体的な方法、費用を解説します。

逆子の直し方・自宅と病院で赤ちゃんがクルッと回る方法
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逆子を直す最終手段!外回転術とは?

外回転術とはなにか、成功確率や失敗時のリスク、費用や痛みなど、逆子に悩む妊婦さんに向けた情報をまとめました。

どうしても逆子を直したい。施術を受けるかどうかはともかく知識として知っておきたい。逆子に悩む妊婦さんは参考にしてください。

外回転術とは?

外回転術のことを考えている妊婦さんのイラスト

外回転術とは、妊婦の腹部を医師が押すことで、子宮内の胎児を回転させ、骨盤位(逆子)を正常な状態である頭位に戻す医療行為です。外回転術は「がいかいてんじゅつ」と読みます。

外回転術は、逆子の妊婦全員に行われる行為ではなく、希望者のみに施術されます。最近では、リスクを考えて、逆子の場合は外回転術をせずに帝王切開を勧める医師や病院も多く、外回転術を実施できる医療機関は限られています。

外回転術の成功率

外回転術によって、逆子が直る可能性は一般的には60~70%と言われています。
外回転術を行っている医療機関では分娩統計を公開しているケースもあり、国立成育医療研究センターでは初産婦71%、経産婦86%という数字が記されています(注1)。

外回転術を行う時期

病院で女医の診察を受けている妊婦さん

外回転術を行う時期は、病院や医師の方針にもよりますが、妊娠35週以降が一般的です。

妊娠26週以前の胎児は、羊水の中で一時的に骨盤位=逆子の状態になるのは珍しい現象ではなく、正産期に入る妊娠37週の時点で逆子なのは全体の約3%程度です(注2)。そのため、あまり早期に外回転術を行うのは、正産期前にまた逆子になる可能性があり、おすすめできません。

また、外回転術にはリスクも伴い、そのまま緊急帝王切開となる可能性もあります。例え緊急帝王切開になったとしても、障害や後遺症が残らないように、胎児の成長速度から、外回転術の施術時期は慎重に判断されます。

外回転術リスク

成功すると逆子が直る外回転術ですが、母体の子宮を圧迫し、胎児の態勢を力づくで変えることにより、常位胎盤早期剥離、胎児の心拍数の悪化、へその緒が胎児の身体に巻き付く臍帯巻絡、破水、出血などのリスクも伴います。

外回転術を行う際は、エコーで胎児の様子や心拍数を確認し、異常が見られたら緊急帝王切開に移行します。アメリカでは施術を受けた妊婦で緊急帝王切開に切り替わったのは1%未満、日本の報告では3%未満というデータがあります(注3)。

また、逆子の原因が羊水過多症、羊水過少症、前置胎盤など、羊水や胎盤の異常である場合、妊婦に帝王切開の経験がある場合は外回転術の実施は難しいでしょう。

逆子の原因とは?逆子になりやすい赤ちゃんと母体の特徴
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外回転術の方法~一般的な流れ

外回転術を行う際の、施術前、施術内容、施術後の一般的な流れを解説します。

1.外回転術・帝王切開などの同意書を提出

逆子を直すための外回転術は、リスクを伴い、施術が必ず成功するという保証もありません。また、母体や胎児に異常が見られた場合は、緊急帝王切開への移行となります。

外回転術、緊急帝王切開、帝王切開時における輸血など、施術を受ける前には、あらゆるリスクについて説明された同意書への記名が必要不可欠です。

そのまま出産となる可能性も考慮し、外回転術時には、家族の立会いを勧められるケースもあります。

2.施術前は飲食禁止

外回転術は、腹部(子宮)を強く圧迫しますし、帝王切開に切り替わるケースも考え、施術前には胃を空にしておく必要があります。

3.エコーを見ながら、胎児の位置を確認

産婦人科のエコー検査で胎児の位置を確認している妊婦さん

施術前にエコーを見ながら、胎児の位置を確認します。逆子が自力で直るのは一般的に妊娠33週までですが、まれに妊娠37週、38週など帝王切開の手術日直前に直るケースもあります。もちろん、逆子が直っていたら、外回転術の必要はありません。

逆子はいつまで直せば帝王切開を回避できるのか
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4.子宮収縮抑制剤を点滴し、麻酔を投与

子宮収縮抑制剤、いわゆるお腹の張り止めの薬を点滴します。施術中に陣痛を起こさせない、お腹の張りを和らげて胎児を回転させやすくするという2つの効果があります。

また、現在では、子宮収縮抑制剤と同時に麻酔を投与し、腹筋の緊張を和らげるのも一般的です。これも、胎児が回転しやすい状況を作るための措置です。

子宮収縮剤の副作用により、動悸やめまいを感じたり、喉の渇きを感じる妊婦さんもいます。

5.妊婦はお尻を高くし、頭を下げた体勢をとる

逆子(骨盤位)とは、子宮内で胎児の足が下を向いている状態です。胎児は頭が1番重たく、重力の流れに従うと、骨盤側に頭を向ける頭位が自然な状態です。

外回転術では、妊婦はお尻を高くして、頭を下にする姿勢をとります。普段はとることのない体勢で、胎児が回転しやすい環境を整えます。

6.医師による外回転術

エコーにより胎児の位置や心拍数を確認しながら、術者である医師が胎児の頭とお尻をつかむように回転させます。施術時間は10分以内で、胎児がすぐに回転すると2~3分で済むケースもあります。ただし、上手くいかない場合、休憩を挟んだ後に、再開される可能性もあります。

胎児の心拍に異常が見られるなどの症状があれば、外回転術は中止となります。

7.経過観察のため、1泊程度の入院

外回転術後に経過観察のため入院している妊婦さん

逆子が直っても、残念ながら治らなくても、外回転術御の後は経過観察のため1泊程度の入院が理想です。術後、食事はいつも通りのものを食べて構いません。

ただし、外回転術が成功しても、まれに再び逆子になる可能性があります。そうしたリスクを避けるために、施術当日は座ったまま眠ったり、寝方の指導をされます。

外回転術の痛みは?

外回転術は、子宮を強く押すため、妊婦さん自身は痛みを伴います。
腹筋の緊張を和らげ、胎児を動きやすくするために、麻酔が用いられるのが一般的ですが、それでも麻酔の効き具合・痛みの感じ方には個人差があります。

ほとんど痛みを感じず、くるりと赤ちゃんが回ったのを実感できる方もいれば、骨盤に胎児の身体の一部が挟まっていたために引き出すような痛みを感じたという方、押される痛みはさほどではないが皮膚を引っ張られるのが辛かったという方もいます。妊婦さんの痛覚だけでなく、胎児の体勢、そして医師の技術により、感じ方は異なるはずです。

また、外回転術の痛みだけではなく、子宮収縮剤による動悸や喉の渇きなどを辛いと感じる方もいます。

外回転術の費用

外回転術の費用は約2万~3万です。多くは成功・失敗を問わず料金は一律ですが、失敗の場合は8,000円程度という病院もあります。

外回転術後は、日帰り施術できる病院もありますが、胎児の心拍数確認などの術後の経過観察は必須で、できるだけ一晩の入院が推奨されています(注4)。入院の有無、そして麻酔の使用によってもかかる費用は異なりますので、施術内容とともに料金に関しても事前に聞いておきましょう。

外回転術は保険は適応される?

病院で女医に外回転樹が保険適用か確認している妊婦さんのイラスト

逆子を直すための医療行為である外回転術は、原則として健康保険の適応内です。しかし、適応外としている病院もあるので、事前に確認しましょう。妊娠後期であれば保険適応、後期以前であれば保険適応外などのケースもあります。

外回転術のメリットとデメリットをどう考えるか?

外回転術の概要についてご説明しましたが、実際に外回転術ができる環境が身近にある場合、外回転術をするかどうかは妊婦さんにとって、大きな悩みの種でしょう。

外回転術はリスクがあるのでやるべきではないという方針の医師や病院が多い一方で、外回転術のメリットはリスクやデメリットを上回ると考える医師や病院もおり、医療関係者の間でも意見が分かれています。

施術できる時期は病院の方針にもよりますが、外回転術後に再び逆子に戻るリスクが少なく、かつ胎児が十分に成長している時期は、妊娠35週以降です。外回転術を実施できる期間は、妊娠35週、36週、37週と考えると、施術を受けるかどうか考える時間は多くありません。

メリットは『逆子が直る!』の一言

外回転術の最大の目的であるメリットは、逆子が直ることです。確率は6~7割。これをどう受け取るかは意見が分かれるところですが、病院や医師、実施時期によっては8割を超えるケースもあります。

妊娠37週を超えても逆子が直らない場合、多くの病院では帝王切開が決定されます。もちろん帝王切開が悪いわけではありませんが、帝王切開にもリスクは生じますし、可能な限り経膣分娩したいという妊婦さんもいるでしょう。家族や主治医の先生とよく相談することをおすすめします。

帝王切開のリスクとは?術中・術後の母体と赤ちゃんへの影響
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デメリットは、母体と胎児へのリスク

外回転術のデメリットは、やはり母体と胎児へのリスクです。
先述した通り、常位胎盤早期剥離、胎児の心拍数の悪化、臍帯巻絡などのリスクがあり、破水・出血が見られた場合もそのまま緊急帝王切開へ移行します。

また、例え逆子を直したとしても、出産において必ず自然分娩できるかというのは別問題です。陣痛が来て、分娩に臨んだとしても、出産時になんらかのトラブルが発生すれば緊急帝王切開に切り替わります。

そして、ごくまれにですが、妊娠35週以降に外回転術を行い成功しても、その後にまた逆子に戻る可能性も絶対にないとは言い切れません。

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