40歳で初産のリスク

40歳で初産は珍しくない!? リスクと体調管理を知っておこう

40歳以上で初産する人は増加傾向にあり、二人目・三人目を含めると、40歳代での出産は珍しいものではなくなっています。ですが、高齢出産はダウン症の確率や帝王切開のリスクが上がるのは確かです。「ハイリスク妊娠」と呼ばれる40歳以上の初産婦さんへ、体調管理や病院選びのポイントを解説します。

40歳で初産は珍しくない!? リスクと体調管理を知っておこう

意外と多い40歳以上で初産の女性たち

初産が40歳以上の女性が増えてきています!
医療技術の進歩などもあり、トラブルなく出産できる女性も多くいる反面、妊娠中の合併症などのリスクが大きいことは否定できません。

40歳以上での初産する場合のリスク、妊娠中~産後にかけて気を付けたい生活のポイントをご紹介します。

40歳以上で出産する女性が増加傾向に!

現代では、40歳以上で出産する女性が増加しています!
厚生労働省の統計によると(注1)、全体の出生数に対し、初産婦・経産婦問わず母親が40歳以上で出産した割合は以下のように推移しています。

40歳以上の出産の比率グラフ

40歳以上で「出産」した女性の割合

1985年:約0.6% 約143万件の出生数中約8500件
1995年:約1.1% 約119万件の出生中約13000件
2005年:約1.9% 約106万件の出生中約20000件
2015年:約5.4% 約101万件の出生中約54000件。

40歳以上で「初産」する割合は?

40歳以上の出産が増えているだけでなく、それが初産である女性も増加傾向にあります。
厚生労働省の統計によると(注2)、第一子出生数における40歳以上での出産割合も着実に増えているのです。

40歳以上で「初産」した女性の割合

2012年:約3.3% 約48万人中16000人
2013年:約3.8% 約48万人中約18000人
2014年:約4.1% 約47万人中約20000人
2015年:約4.4% 約48万人中約21000人

なお、初産年齢の平均を見てみると、1975年は25.7歳でしたが、1985年は26.7歳、1995年は27.5歳、2005年は29.1歳、2015年は30.7歳と年々高くなっていることが分かります。

初産の平均年齢は30歳!年齢が影響する妊娠・出産のリスク
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40歳以上で二人目を生む女性も増えている

初産年齢が高くなっていると言うことは、二人目を生むときの母親の年齢も当然高くなります。
第二子出生数全体における40歳以上の出産割合は以下の通りです(注3)。

40歳以上で「二人目」を出産した女性の割合

2012年:約4.1% 約38万人中約16000人
2013年:約4.7% 約38万人中約18000人、
2014年:約5.2% 約36万人中約19000人
2015年:約5.5% 約36万人中約20000人

40歳以上の自然妊娠の確率

現在、35歳以上で初産することを『高齢出産』と言います。わざわざ『高齢出産』と、他の出産とは区別して述べると特別な印象を与えますが、実際には2015年の第一子全出生数は約48万件中ですが、そのうちの10万件、つまり約21.4%が高齢出産ですので、特別珍しいというわけではありません。

夫婦が並んで散歩している

ですが、やはり40歳以上では自然妊娠する確率は低いといわざるを得ません。
理論的には、閉経を迎える50歳頃まで自然妊娠の可能性はあるのですが、10年前の40歳の時点で自然妊娠の可能性は低く、不妊治療をはじめるなら一刻も早い方がよいでしょう。

40歳以上での初産は『ハイリスク妊産婦』と呼ばれる

一般的に、40歳以上で初産を迎える女性を『ハイリスク妊産婦』と呼びます。
ただし、ハイリスク妊産婦とは、40歳以上で初産を迎える妊産婦だけを指す言葉ではありません。ハイリスク妊産婦の定義や病院選びについて説明します。

ハイリスク妊産婦の定義

『ハイリスク妊産婦』『ハイリスク妊娠』の定義は、正式に定められたものではありません。
しかし、厚生労働省の診療報酬上の評価では(注4)、以下のような妊産婦はハイリスク分娩として取り扱われ、慎重な分娩管理が必要です。

 一般的な「ハイリスク妊産婦」の定義

  • 40歳以上の初産婦
  • 娩前のBMIの数値が35以上の初産婦
  • 妊娠高血圧症候群において重症と判断された妊婦
  • 前置胎盤・胎盤の早期剥離
  • 妊娠22週~32週未満の早産 など

ハイリスク妊産婦の病院選び

女医と看護師

ハイリスク妊産婦は、妊娠中や出産時に何らかのリスクを抱える可能性が高い妊産婦です。自分がハイリスク妊産婦に該当する場合は、適切な病院を選ぶことで問題が生じたときにスムーズな対応を期待できます。ハイリスク妊産婦が病院を選ぶ際のポイントは次の通りです。

 ハイリスク妊産婦の病院選びのポイント

  • できれば総合周産期母子医療センターや地域周産期母子医療センターであること
  • 自宅から近い、もしくは実家などの援助を得られる場所から近いこと
  • 24時間体制で来院することができること

総合周産期母子医療センターとは

妊婦用の集中治療室が6床以上、新生児用の集中治療室が9床以上あり、出産前後のあらゆる可能性に対応する設備やスタッフが常在する施設を指します。なお、総合周産期母子医療センターに準ずる施設を地域周産期母子医療センターと呼んでいます。

総合周産期母子医療センターも、地域周産期母子医療センターも、すべての都道府県に複数施設が配置されているので、居住地域に関わらず妊娠期や出産期に不安を抱えるすべての女性が利用できるようになっているはずです。

40歳以上で初産のケースで起こり得るリスク

40歳以上で初産の妊婦は、『ハイリスク妊産婦』に該当するとご説明しましたが、具体的にはどのようなリスクがあるのでしょうか。

妊娠高血圧症候群などの合併症リスク

頭を抱える妊婦と励ます医者

高血圧や糖尿病、動脈硬化などのいわゆる生活習慣病は、年齢が高いほど罹患するリスクが高い病気です。特に血圧が高いわけではない人でも、妊娠中は高血圧になりやすく『妊娠高血圧症候群』として、母体のみならず胎児の疾病罹患リスクも上昇してしまいます。

妊娠高血圧症候群にかかりやすい条件は、高齢であることだけではありません。二回目以降の妊娠よりも初産時になりやすいですので、高齢かつ初産である人は特に注意しなくてはならない疾病です。

また、BMIが25以上の人や元々血圧が高めの人(妊娠していないときや妊娠初期の収縮期血圧が130mmHg以上もしくは拡張期血圧が80mmHg以上)も妊娠高血圧症候群にかかりやすいことが分かっています。

妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)とは?症状と予防&対処法
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子宮外妊娠や帝王切開のリスク

40代以上の高齢妊娠の場合、子宮外妊娠のリスクは10代の約3倍というデータもあり、妊娠初期は慎重な経過観察が必要です。また、高齢出産は、陣痛や分娩によるトラブルも起きやすく、帝王切開が必要になるケースも多いのが特徴です。

子宮外妊娠の原因と子宮外妊娠のリスクを上げる5つの要因
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もちろんいずれの症状も、年齢だけが理由でリスクが高まるわけではありません。ですが40歳以上で初産を迎える方は、さまざまな可能性を検討し、心の準備をしておく必要があるといえるでしょう。

ダウン症児が生まれる可能性が増える

胎児の染色体異常の1つであるダウン症も、母体の年齢が上昇するほど発生率が高まります。

母親の年齢によるダウン症児の妊娠確率

20歳:1667分の1
25歳:1250分の1
30歳:952分の1
35歳:385分の1
40歳:106分の1

年齢に比例して確率は上がりつづけ、
45歳で出産するときは約30分の1、49歳では11分の1となります(注5)。

産後の体調や生活に支障が出る可能性も無視できない

染色体異常や妊娠高血圧症候群もお母さんや赤ちゃんの命を脅かす問題ですが、特に何の問題も起こらなかったとしても、妊娠や出産自体が母親の身体に大きな負担をかけてしまいます。

産後なかなか日常生活に復帰できないケースや妊娠中に仕事などを続けることが難しくなるケースも少なくありません。

妊娠中~産後にかけて気を付けたい体調管理のポイント

女医の診察を受ける妊婦

40歳以上で妊娠し、出産を控えている方は、特に妊娠中の体調管理に気を付けましょう!
妊娠中にできること、やっておきたいこと、やめた方が良いことをご紹介します。

早めにかかりつけの病院を決める

40歳以上で初産の場合、一般的な助産院や個人の産婦人科では出産を受け入れてもらえないケースもあります。総合周産期母子医療センターや地域周産期母子医療センター、又はそれらと提携している病院での出産をおすすめします。

いつでも入院できるように準備しておこう

自分では妊娠経過に問題を感じていなくても、ハイリスク妊産婦は急に入院する可能性もありますから、万が一の事態に備えて『入院用セット』を作って、玄関やクローゼットに置いておきましょう。家族間の連絡はどうするかについても話し合っておくと安心です。

タバコやアルコールなどの好ましくない習慣を止める

喫煙すると血管が収縮し、赤ちゃんに充分な栄養や酸素が送られなくなってしまいます。また、アルコールを摂取すると胎児性アルコール症候群を引き起こすリスクが高まります。

これらの好ましくない習慣は、ハイリスク妊産婦はもちろんハイリスク妊産婦以外も控えるようにしましょう。

バランスがとれた健康的な食生活を実施する

妊娠中は、栄養バランスの良い食事を規則正しく食べて、体調を整えましょう。「妊娠中はたくさん食べなくてはならない」と考えている人も多くいますが、実際には食べる量をそこまで増やす必要はありません。

妊娠初期のうちは1日100~150キロカロリー程度を増やし、妊娠中期~妊娠後期は1日300キロカロリー程度を増やすだけで充分です。たくさん食べると急激な体重増をもたらし、妊娠高血圧症候群に罹患するリスクが高くなってしまいます。

適度なエクササイズも実施する

妊婦さんにオススメの色々なエクササイズのイラスト

40歳で初産だとしても、医師の指示がないならひたすら安静にする必要はありません。妊娠中の適度な運動は、体重管理や便秘・腰痛などのマイナートラブル予防の観点からも推奨されています。特に高齢出産となると、出産に耐えうる体力を維持することも重要です。

医師に、どの程度までなら身体を動かして良いか相談してみましょう。ウォーキングやお腹に圧力をかけない姿勢のヨガやストレッチなどは、負担も少なく、気分転換になります。

充分な知識を出産前に取り入れておこう

40歳で初産となると、色々な不安を抱えることにもなるでしょう。ですが、不安は正確な知識である程度カバーできます。

子どもが生まれてしまうと育児に忙しくなってしまいますので、子どもが生まれる前に、出産後に予想されるあらゆる不安な状況に対する解決策を調べておきましょう。

出産後も気を付けて!十分な休息を

トラブルなく出産できたらそれで終わりというわけではありません。体調がなかなか元通りにならなかったり、ホルモンバランスの急激な変化により産後うつのような症状が長く続いたりする可能性もあります。

出産したらすぐに元通りに家事や仕事、育児とこなせる人は稀ですから、自分自身を追い詰めないようにしましょう。ハイリスクな妊娠と出産を無事乗り越えたのですから、一定期間は自分と赤ちゃんのための休息を設けて、無理をしないようにしてください。

これからはじまる赤ちゃんとの新しい生活を楽しもう

ハイリスクな妊娠と出産、多くの不安を乗り越えると、待ちに待った可愛い赤ちゃんとの生活が始まります。赤ちゃんは敏感にお母さんの気持ちを察しますので、お母さんが「不安だ」「どうしよう」と考え込んでしまうと、赤ちゃんも楽しく暮らすことができません。
赤ちゃんの幸せのためにも、お母さん自身が育児と自分の生活を楽しむようにしてください。

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