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ダウン症の原因となる染色体変化

ダウン症の原因は?ママの年齢や遺伝による染色体の変化

ダウン症の原因は?高齢出産や遺伝により21トリソミーと呼ばれるダウン症が発症するとされていますが、原因はそれだけではありません。確率により誰でもダウン症児が生まれる可能性もあります。最新の遺伝子解析やダウン症が治療可能になる可能性についても紹介します。

ダウン症の原因は?ママの年齢や遺伝による染色体の変化

ダウン症の原因は染色体異常?具体的な原因を紹介

ダウン症は染色体に異常が起こることが原因です。染色体異常が起こる原因ははっきりと分かっているわけでなく、今のところ、受精する際に何らかの異変が起こっていると考えられています。

染色体異常について説明し、さらにそうした染色体異常と妊娠中のママの生活習慣との関係について関係があるのかどうかを説明します。

染色体異常は特別なものではない

頭を抱えてママを見る新生児

染色体異常は受精とその後の受精卵の細胞分裂の段階で起こっています。染色体異常のある卵は数個~10個に1つぐらいはあると言われており、お産が流れる場合は約8割が染色体に異常が見られると言われています。
もともとの精子や卵子に異常がなくても細胞分裂の段階で異常を来す可能性はあるので、精子や卵子を調べた際に異常がなかったのに、染色体異常の赤ちゃんが生まれることもあります。

このように染色体異常は特別なものではないのですが、そもそも染色体異常とは何なのでしょうか。また染色体異常とダウン症の関係はどうなっているのでしょうか。

染色体異常の種類|ダウン症やその他の染色体異常と特徴
染色体異常の種類|ダウン症やその他の染色体異常と特徴
染色体異常の種類は染色体の数と構造の違いにより細分化されます。ダウン症や18トリソミーをはじめとする染色体異常の種類とそれぞれの症状や胎児の異常の有無を調べる出生前診断について分かりやすく解説。

染色体異常とは数や構造に異常がみられること

染色体は通常、23対46本ですが、染色体の数が異なったり、構造に異常があったりする場合に染色体異常と呼ばれます。
ほとんどの染色体異常の場合、妊娠を継続できませんが、染色体の本数が1本多いトリソミー、1本少ないモノソミーの場合、新生児として生まれてくる場合があります。

しかし、その異常が見られる染色体は限られていて、トリソミーで言えば、13トリソミー、18トリソミー、21トリソミー、X染色体、モノソミーで言えばX染色体のみだと言われています。

染色体異常とダウン症の関係

お腹をなで生まれてくる赤ちゃんを思う妊婦

前述した染色体異常の中でダウン症になる染色体異常は21トリソミーであり、その代表的な型は標準型、転座型、モザイク型の3つです。

なぜ染色体の数が増えるのかは今のところはっきりとは分かっていませんので、誰にでもダウン症児を妊娠する可能性はあると言えます。ただこの中で転座型だけは構造的な問題がある染色体異常ですので、両親のどちらかに転座型の染色体異常が見られます。

標準型

全体の90~95%を占め、ダウン症児のほとんどがこの型に当てはまります。人間の体には全部で60兆個ほどの細胞がありますが、その全ての細胞の21番染色体が1本過剰の3本になっているのが標準型です。
両親は正常な染色体を持っている場合が多く、偶然起こるものだと言われています。

転座型

全体の5~6%を占め、21番目の染色体のうち1本が他の染色体にくっつくことで、一部の染色体だけ異常が見られる状態です。
この場合は、両親のどちらかが染色体の異常を持っています。転座型の場合、標準型とモザイク型と違い、染色体数は46本と正常と同じです。そのため見た目は健常者と変わらないことが多いと言われています。

モザイク型

全体の1~3%でかなり少ない割合の染色体異常です。正常な染色体を持つ細胞と21番目の染色体に異常がある細胞が混合しているのが特徴で、この場合は両親の染色体は正常です。また、モザイク型の場合、染色体の異常数が標準型と比べて少ないため、ダウン症の症状が軽いと言われています。

ママの生活とダウン症の関係

出産間近の臨月の妊婦

赤ちゃんがダウン症であると診断されると、ママはどうしても自分のことを責めてしまいますが、果たして妊娠中のママの生活とダウン症に関係があるのでしょうか。

妊娠初期でダウン症かどうかは決まっている

ダウン症であるかどうかは妊娠初期の段階で決まっています。妊娠が分かった時にはダウン症であるかどうか決まっているのですが、検査がまだできなかったというだけです。
妊娠中の生活習慣が悪かったのではないか、妊娠中のストレスが原因ではないかといろいろ考えるかもしれませんが、そうしたこととダウン症には関係がありません。ただ妊娠中のストレスは胎児にもストレスになりますので、ストレスがある場合はストレスを解消するようにしましょう。

年齢により差があるダウン症の確率

一般にダウン症児が生まれてくる確率は1,000人に1人だと言われていますが、ダウン症の発症確率は年齢によって変化します。ママの年齢が20歳の場合、1,667人に1人がダウン症だと言われていますが、それが40歳になると100人に1人がダウン症児として生まれてくると言われています。29歳でだいたい1,000人に1人ですので、年齢が10歳違うだけで確率が10倍になります。

それではなぜ高齢出産だとダウン症児が生まれる確率が増えるのでしょうか。また、初産婦と経産婦ではダウン症児を生む確率が変化するのでしょうか。

初産婦と経産婦で確率は変化する?

染色体異常によるダウン症について医師と相談する妊婦

初産婦と経産婦ではダウン症児の生まれてくる確率が異なるという人もいますが、実際にはどうなのでしょうか。
初産の際にダウン症児が生まれていないのなら、次の妊娠出産でもダウン症児は産まれないと言えるのでしょうか。

初産婦と経産婦で確率は変わらない

実際には初産婦と経産婦では確率は変わりません。前述した通り、ダウン症児が生まれるのは転座型以外、偶然の出来事です。
一人目がダウン症だから二人目もダウン症であるということは基本的にはありません。転座型以外は両親の遺伝的要因はありません

ただし当然ではありますが、初産の時の方が妊婦の年齢は若いです。そのため、初産の際には高齢出産にはならなかった方も、経産婦としては高齢出産になるということはあります。
その際には初産婦と経産婦でのダウン症児の妊娠確率ではなく、妊娠した際の年齢でその確率を考える必要があります。年齢によるダウン症児の妊娠確率は次の項目で説明します。

経産婦の出産にみられる傾向や注意点とお悩み対策
経産婦の出産にみられる傾向や注意点とお悩み対策
経産婦の出産スピードは早い、に代表される経産婦さんの出産特有の傾向やそれに対する注意点、経産婦さんだからこそ抱えがちな上の子可愛くない症候群に関するお悩みなどについて触れていきます。

高齢出産とダウン症の関係

パパの膝枕でリラックスする高齢の妊婦

「卵子の老化」というタイトルでの放送がなされてから、出産と年齢の関係、卵子と年齢の関係など世の中に知れ渡るようになりました。高齢出産とダウン症の割合に関係があるというのは段々と知られてきています。
年齢が上がるにつれてダウン症児が生まれる可能性が高くなります。それではなぜ年齢が上がるとダウン症児を妊娠する可能性が増えるのでしょうか。まず晩婚化と高齢出産の現状について紹介し、その上でその原因を説明します。

晩婚化と高齢出産

晩婚化や高齢出産の割合が増えているという話はよく聞くと思いますが、それと比例して実際にダウン症児の数が過去15年間で約2倍に増えたと言われています。
現在、第1子の平均出生時年齢は2011年で30.1歳です。1975年には25.7歳でしたので5歳ほど高齢化していると言えます。特に東京は31.5歳で第1児出産年齢が最も高くなっています。

最も低いのは福島県で28.5歳です。仕事をする女性が増えたことで出産よりも仕事を選ぶ女性が増えたことが原因だとも言われています。
また、医療技術の発展により、高齢でも出産できるようになったことも高齢出産が増えた原因でしょう。

高齢出産というのは初産で35歳以上、経産婦では40歳以上のことを指します。なぜこの年齢かというと、この年齢になって急に妊娠・出産が難しくなると言う訳ではなく、この年齢ぐらいからホルモンの分泌が衰え、子宮の機能が低下してくるからです。

初産婦と経産婦で年齢が違うのは、経産婦の方が、子宮口が開きやすく、出産の時間が短くて済むからです。確かに時間だけを見ればその通りなのですが、ダウン症児が生まれる割合は初産婦でも経産婦でも変わりません。

高齢出産でダウン症の確率が上昇

染色体異常がないか心配するお兄ちゃん

高齢出産でダウン症の確率は上昇します。29歳では1,000人に1人がダウン症の可能性があると言われていますが、35歳になると300人に1人、40歳になると100人に1人がダウン症の可能性があります。
年齢が上がるにつれて、染色体の異常発生率が高まります。なぜこのような状況が起こるかというと、年齢が上がることで卵子が損傷している可能性が高まるからです。

確かに40歳の場合は生まれた子供の1%がダウン症児であることになりますが、あくまでも発症確率ですし、20代でもダウン症が生まれることはあるわけですから、過剰に意識する必要はありません。
ただし、年齢と出産、そしてダウン症児が生まれる可能性、さらに妊娠率は関係がありますので、何歳で妊娠して子供を育てるかということは考えておく必要があるのは間違いありません。

21トリソミーとは?名称の意味

ダウン症というと21トリソミーという言葉をよく聞きますが、その名称について詳しくご存じでしょうか。先ほども21トリソミーという言葉は出てきましたが、なぜ21なのか、またトリソミーとはどういう意味なのでしょうか。詳しく説明します。

21トリソミーとは染色体が3本ある状態のこと

ダウン症を表す染色体の画像

トリソミーとは染色体が通常2本であるところを3本ある状態のことを言います。ダウン症の場合、21番染色体に異常があるので、21トリソミーと言われるのです。
ダウン症の原因の中に標準型の染色体異常がありましたが、その割合が多いこともあり、標準型21トリソミーとも言われます。

イギリスのダウン博士の発見

そもそもダウン症という名前がついたのは、1866年に眼科医であるダウン博士が独立した疾患としてまとめたものをダウン症と呼ぶようになったことから始まりました。
もちろんそれまでもダウン症は存在していましたが、それをまとめたのがダウン博士でした。

ダウン症の約95%が標準型21トリソミー

異常もなく健康に育っている赤ちゃん

ダウン症児の95%は標準型21トリソミーです。その両親には染色体異常があるわけではなく、偶然発症する症状だと言えます。
染色体に異常が生じ、染色体が1本増えるというのは、その部分の遺伝子だけが1.5倍になったことを表しています。

そのため、遺伝子自体が変化したわけではなく、遺伝子の量が増えた遺伝性疾患だと言えます。近年行われている新出生前診断を始め、遺伝子解析では遺伝子の濃度を調べることになります。

21トリソミーと遺伝子解析

遺伝子解析の検査は新型出生前診断で使われています。ママの血液を遺伝子解析し、胎児の染色体と遺伝子を調べます。
母体血中の胎児に由来する遺伝子のうち、21番染色体の濃度が平均よりも多ければ、ダウン症の可能性があると判断できるようになりました。この検査で陰性という結果が出た場合は99.9%の確率でダウン症児ではないと言えます。陽性という結果が出た場合でも、的中率は75~95%ですので、羊水検査が必要になってきます。

このような遺伝子解析が進むことで、21番染色体の遺伝子が解析され、その働きが詳しく分かれば、その後の治療によってダウン症は治療することが可能になるのかもしれませんね。

遺伝子治療の可能性

遺伝子検査に使われる高性能な顕微鏡

ダウン症の原因と遺伝子解析が進んだことでダウン症が治るのではないかと思われている方もいるかもしれませんが、ダウン症は遺伝子そのものに異常があるわけではなく、遺伝子の数が多いことで作られるタンパク質が原因だとされています。
そのため、遺伝子そのものを治療するのではなく、タンパク質の量をコントロールする必要があります。

それは遺伝子解析によって21番染色体の遺伝子の働きが分かるようになれば、ダウン症の症状を改善できるのはないかと期待されています。
実際にマウス実験の段階では効果が出ている薬もあるようです。しかし、あくまでもマウスの段階での実験ですので、効果が確立され、実用化されるまでにはまだ時間がかかると言っても過言ではないでしょう。

また、2013年に新出生前診断が始まり、295人が陽性判定を受け、そのうち221人が中絶したという事実を考えるとダウン症の原因が分かっても、治療できないので中絶をするという流れになる可能性もあります。

自己判断はやめ専門家に相談することが大切

現代医学が進み、ダウン症であるかないかの判断はできるようになってきましたが、ダウン症だと分かったとしても治療はできないのが現状です。
ダウン症ではないかと疑われた時にダウン症であると自分で判断せずに、必ず医師に相談するようにしましょう。
ダウン症だと確定した場合、現代医学では完治させることはできませんが、療育をすることで成長を促すことは可能です。

そうした意味でも事前に判断ができるのであれば、それが分かった時点で出産後に準備できますよね。自己判断で決めてしまわずに必ず専門家に相談しましょう。