育児休業の期間はいつまで?

育児休業の期間はいつまで?休暇中に受給すべき給付金3つ

育児休業の期間はどのくらいなのでしょう?はじめて育児休業する際、不安や疑問はつきないことから、少しでも解消して楽しい育児休業にするために、休業中による収入減を補うための給付金のほか、育児休業の対象となる条件、男性も休業できる「パパママ育休プラス」などについて紹介しています。

育児休業の期間はいつまで?休暇中に受給すべき給付金3つ

育児休業の期間はいつまで?法律で定められた休業のしくみ

出産後、一般的に「産休」と呼ばれる産前産後休業が終わったら、いよいよ育児休業のスタートです。育児休業は、ママと赤ちゃんのつながりを深めるための大切な時間だといえますが、その期間は一体どれくらいあるのでしょう?

ここでは、休業の期間のほかに、赤ちゃんのお世話に追われがちなママが知っておくべき、「パパママ育休プラス」や「育児休業給付金」など育児休業に関連する役立つ情報について徹底解説。これからママになる予定の方は、これを読んで素敵な育児休業をむかえましょう。

育児休業とは?

ママとパパに面倒を見てもらう赤ちゃん

育児休業とは、1歳未満の子供を育てるための休業のことで、親が育児をしやすくするための支援や、雇用主が対応すべき対策を決めた法律「育児・介護休業法」で定められている制度です。育児休業には、育児によって退職することがないよう、雇用が継続されることを目的としています。

育児休業は、子供が生まれたらいつでも取れるというわけではなく、また、休みたい時に細切れに休むことはできないため、まとまった期間に休業する必要があります。育児・介護休業法では具体的に、次のような育児休業の3つの期間が定められています。(注1)

育児休業の期間

育児休業の期間は、基本的に子供が生まれてから1歳の誕生日の前日までの間の、申出を行った期間と定められています。しかし、出産後の8週間は労働基準法で産後休業が義務付けられているため、実質的には、子供が産後9週に入った57日目から1歳になる前日までということになります。

育児休業の申出が可能な期間

育児休業するためには、休業を開始する1ヶ月前までに申出を行うことになっています。それなら、妊娠9ヶ月の入る前当たりに…と思われがちですが、赤ちゃんが出産予定日ピッタリに生まれると限らないので、申出は余裕を持ってできるだけ早めに行っておくと安心です。

育児休業の延長が可能な期間

保育所に応募していたけれど希望通り入所できなかった、面倒を見る予定だった人が病気になった等の理由により、子供が1歳になった以降も休業が必要と判断された場合は1歳6ヶ月まで延長が可能です。その場合は、2週間前までに申し出る必要があります。

最長2ヶ月延長!男性も休業できるパパママ育休プラスとは

赤ちゃんのお世話をする育児休業中のパパ

通常なら、子供の1歳の誕生日の前日までしか育児休業できませんが、パパとママが休業することによって、期間を2ヶ月延長することができる「パパママ育休プラス」という制度があります。さらにパパママ育休プラスでは、次のパターンのように休業を組み合わせることも可能です。

パターン1.ママとパパが連続して休業

1.パパ(1回目):出産直後の数日間
2.ママ:産後9週目から1歳の誕生日の前日まで
3.パパ(2回目):1歳の誕生日から1歳2ヶ月まで

パターン2.ママとパパが重複して休業

1.パパ(1回目):出産直後の数日間
2.ママ:産後9週目から子供の1歳の誕生日の前日まで
3.パパ(2回目):子供が1歳になる前から1歳2ヶ月まで

パターン3.ママとパパが間をあけて休業

1.パパ(1回目):出産直後の数日間
2.ママ:産後9週目から休業し、子供が1歳になる前に職場復帰
3.パパ(2回目):子供の1歳の誕生日から1歳2ヶ月まで

また、パパママ育休プラスでは、どちらかが専業主婦(主夫)の共稼ぎではない夫婦も休業することもできます。ただし、次のような場合は、子供の1歳以降の育児休暇が認められないため、注意が必要です。

パパママ育休プラスがNGとなるパターン

・パパの1回目の休業が、子供の1歳の誕生日の翌日以降の場合
・パパの育休開始日が、ママの開始日より遅い場合

育児休業の対象となるのはどんな人?

育児休業できるのは、原則として1歳に満たない子供を育てるために働くパパやママで、正規労働者のほか、派遣社員やパート社員などの非正規労働者も一定の条件を満たせば休業できます。

雇用期間が定められている契約社員などは、同じ会社に1年以上雇用されていて、子供が1歳6ヶ月になる前日までに雇用期間が終了しない場合、休業することができます。そのため、子供が1歳6ヶ月になるまでに雇用が継続される見込みがなければ、休業はできません。

また、1日の労働時間が短いパート社員などは、週に3日以上勤務していて、雇用期間が定められている場合は育児休業することができます。

産前産後休業・育児休業中にもらえる3つの給付金と計算方法

遊び疲れて眠る赤ちゃん

妊娠や出産はケガや病気ではないため、健康保険の適用外となります。しかし、準備や出産には高額な費用がかかるうえ、産前・産後休業や育児休業中は、ほとんどの会社で給料が支払われないことから、経済的な負担が大きくなってしあいます。

そのような問題を少しでも解消するために、産休・育休中に国から給付金が支給される制度があります。お金の不安を少しでもなくすために、ここで紹介する3つの給付金を賢く利用しましょう。

1.出産育児一時金

出産育児一時金とは、出産時に健康保険の加入者や被扶養者に支給されるお金で、妊娠4ヶ月以降の出産であれば、1人につき42万円が支給されます。一般的な医療機関で出産する場合は、事前に申請することで健康保険から医療機関に直接支払われ、出産費用が42万円未満の場合は差額が支給されます。

また、このような支払制度を導入していない、助産所のような小規模の医療機関で出産する場合は、医療機関が保険の加入者の代理として一時金を受け取る「受取代理制度」があるため、出産前に医療機関と相談する必要があります。

出産育児一時金は重複して受け取ることはできないので、夫妻が別々に健康保険に加入している場合は、どちらかの一方の健康保険から受給することになります。

出産育児一時金で損をしない!制度や申請方法/支給額と時期
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出産育児一時金は本来は自費診療のため高額になりがちな入院分娩費用の負担を和らげてくれる公的補助。出産育児一時金の支給金額は国保と社保で違いはあるかや直接支払制度を利用したときの差額支払時期について解説。

2.出産手当金

出産手当金とは、出産のために休業することでお給料がもらえない場合、経済的な負担を軽減するために、健康保険の加入者や被扶養者に支給されるお金で、出産日以前の42日間と出産の翌日からの56日間が給付対象です。1日あたりの出産手当金は、次のような計算式で求めることができます。(注2)

出産手当金の支給額の計算方法

[支給開始日以前の継続した12ヶ月間の標準報酬月額を平均した金額]÷30日×2/3

標準報酬月額とは、基本給に役職手当や交通費、残業手当など成果に応じた歩合給などを加えた金額のことで、例えば標準報酬月額が20万円の場合、産前42日と産後56日の98日間で次のような支給額となります。

1日あたりの金額:20万円÷30日×2/3≒4,444円
98日間の合計額:4,444円×98日≒435,512円

出産手当金が支払われる期間は、出産日以前の6週間から出産の翌日以後の8週間までの範囲内で、出産が予定日より遅れた場合でもその分の手当金が支給されます。また、出産手当金は、契約社員やパートタイムでも個人で保険料を支払っている人のほか、退職後の人でも一定の条件を満たして入れば支給の対象になります。

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産休期間の手当をしっかり受け取りましょう。出産手当金の申請、給付の条件やいつもらえるか、いくらもらえるか時期や金額を詳しく解説。産休期間中は給与の支払いがないことも多いため、事前の準備が大切です。

3.育児休業給付金

育児休業給付金とは、育児休業中の経済的な負担を軽減するために支給されるお金のことで、休業期間中に支給されます。

対象となるのは、休業開始前に雇用保険に加入していて、2年間のうち1ヶ月に11日以上働いた月が12ヶ月以上あり、育児休業中に月給として、休業開始前の1ヶ月あたりの給与の8割以上が支払われていない人です。1ヶ月あたりの育児休業給付金は、次のような計算式で求めることができます。(注3)

育児休業給付金の支給額の計算方法

育児休業を開始してから180日まで:休業開始時の賃金日額×支給日数の67%
育児休業を開始してから181日以降:休業開始時の賃金日額×支給日数の50%

例えば、休業開始時の月給が30万円の場合は、次のような支給額になります。

育児休業を開始してから180日まで:30万円×67%=201,000円
育児休業を開始してから181日以降:30万円×50%=150,000円

ただし、育児休業給付金には、育休開始から180日以内は285,621円、181日以降は213,150円という上限があります。また、受給するためには、会社に必要書類を提出すればハローワークに申請してくれます。

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育児休業給付金の延長のための条件や手続きって何があるのでしょうか?延長が認められる条件は意外に細かく、必要書類は入手までに時間がかかります。申請方法を理解して、早めに動かないと大変なことになるかも!?

育児休業中は社会保険料が免除されます

ママに抱っこされて安心して眠る赤ちゃん

産前産後休業や育児休業によって収入がなく、健康保険や厚生年金保険などの社会保険料を納めることが難しいという人には、「育児休業保険料免除制度」が用意されています。社会保険料を免除してもらうためには、育児休業の手続きをする際に会社に申出をすることで、会社から日本年金機構に「育児休業等取得者申出書」が提出されます。(注4)

社会保険料が免除される期間

保険料の免除が受けられる期間は、育児休業等取得者申請書が提出された月から、育児休業終了日の翌日が属する月の前月までです。社会保険料の免除中は、被保険者としての資格についての変更がないため、育児休業前の標準報酬月給で保険が給付されます。

もらえる年金の減額を防ぐ「養育特例」とは?

出産のための育児休業の終了後、職場復帰した際に勤務時間を短くした場合、毎月の給料(標準報酬月額)が減ることで、将来もらえる年金の金額が少なくなってしまいます。厚生年金加入者が、出産によってそのような不利益を受けるのを避けるために、子供が3歳になるまでは出産前のままの標準報酬月額が適用される「養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置」があります。(注5)

「養育特例」と呼ばれるこのような措置は、3歳未満の子供の養育開始日から、子供の3歳の誕生日の翌日が属する月の前月までの期間が対象で、会社に申出をすることで、会社から日本年金機構に「厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書」が提出されます。

会社に拒否されたり不当な扱いを受けたりしたら

育児休業から復帰したママ

育児休業はきちんと法律で定められている制度で、会社が拒否することは禁止されています。また、妊娠・出産を理由に解雇や減給、昇進・昇格など、人事考課で不利益な評価をしてはいけないことになっています。もし、そのような不当な扱いを受けた場合は、泣き寝入りをせずに、各都道府県の労働局へ相談する必要があります。

そうは言っても、社員数が少ない小規模の会社に勤めている場合は、休業することに抵抗を感じてしまうかもしれません。また、収入の減少や、今後の仕事への影響など、育児休業を取りたいけど取れないというジレンマに陥ることもあるでしょう。

でも、そのような出産による不安や悩みを解消するためにも、「パパママ育休プラス制度」や社会保険料の免除、養育特例をうまく利用して子育て期間を楽しむことが、ママだけでなく赤ちゃんにもいい結果を招くはずです。

育児休業を有意義に過ごすために

育児休業は、子育て中のママが仕事と家庭の両立を図るための第一歩として、欠かすことのできない制度です。そのため、休業することによって経済的な負担が大きくなってしまったり、職場で不利益な扱いを受けたりすることのないよう、期間や手続きについて正しい知識を身につけておく必要があります。

また、育児休業することによって、自分だけが取り残されているように感じたり、早く職場復帰して遅れを取り戻したいと感じたりするママは少なくありません。しかし、子育ての合間に資格を取得しスキルアップして、ブランクを微塵も感じさせないママもいることから、育児休業をマイナスと捉えるのではなく、いろいろな制度を活用して育児休業にプラスの方向に向けていきましょう。

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