帝王切開の費用の平均と内訳

帝王切開にかかる費用と自己負担を減らす5つの制度

帝王切開にかかる費用の平均と内訳、帝王切開の自己負担を減らすための制度とは?手術費、分娩料、入院費など帝王切開における健康保険と高額療養費制度の適応範囲、双子の分娩料や出産一時金の金額も解説。帝王切開の出産費用は、自然分娩と変わらず、医療保険に入っていると黒字の可能性も!

帝王切開にかかる費用と自己負担を減らす5つの制度

帝王切開にかかる費用は?内訳や高額療養費制度を知っておこう

帝王切開は費用がかかる?
手術が必要な帝王切開は、自然分娩(経膣分娩)に比べて、医療費が高くなると思われがちです。

しかし、自然分娩が健康保険の適応外で、全額自費診療であるのに対し、帝王切開の手術は健康保険が適応されます。また、高額療養費制度など、帝王切開だからこそ利用できる制度もあります。

帝王切開における出産費用の平均や内訳、費用負担を減らすための制度を解説します。

帝王切開での出産費用はどのくらい?

日本は国民皆保険制度がとられています。乳幼児の医療費助成、高齢者や低所得者への医療費控除制度などを利用しない場合、現代の日本では医療費は総額の3割が自己負担として、患者本人に支払い義務が生じ、7割は私たちが普段支払っている国民健康保険料・社会保険料などの健康保険によって賄われています。

通常、出産に関しては健康保険の適応外で、全額自費診療です。しかし、帝王切開の手術に関しては、健康保険が適応されます。この点が出産費用における自然分娩との大きな違いです。

帝王切開にかかる平均費用

産婦人科の診察券とお財布

詳細な金額は、病院により異なりますが、帝王切開にかかる費用は、平均約40万~100万円です。
ちなみに自然分娩(経膣分娩)にかかる費用は、おおむね50万円以内で全額自己負担です。

帝王切開の場合、手術そのものは健康保険の適応範囲ですが、術後の入院期間が自然分娩より長く、その分のベッド差額料や食事代など、健康保険適応外である「自費診療」が高くなる傾向があります。

ただし、手術自体だけでなく、手術に関わる検査や処置、投薬には健康保険が適応されますので、入院日数による負担増はあっても、高額療養費制度などを用いた結果、自然分娩とあまり大差のない金額に抑えられたという方も多くいます。

出産までにかかる費用ってどれくらい?平均額と節約方法
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帝王切開の費用の内訳を詳しく見ていこう

帝王切開は手術そのものには、医療保険が適応されます。
しかし、全体の出産費用は、「保険診療」と「自費診療」の2種類が存在します。

実際に帝王切開でかかる医療費は、医療機関によって大きく異なりますが、参考までに帝王切開にかかる費用の内訳をご紹介します。

手術費(保険診療)…一律22万円

帝王切開の手術費は、保険診療における医療行為です。医療費の公正価格というべき診療報酬点数が定められており、保険診療、自費診療は、1点あたり10円で計算します。

帝王切開の手術自体は、医療報酬点数により「緊急帝王切開22,200点、選択帝王切開20,140点」と決まっています(注1)。つまり緊急帝王切開22万2000円と、選択帝王切開20万1400円という意味です。
このうちの3割が自己負担分で、以下のように計算します。

  • 22万2000円×0.3=66,600円
  • 20万1400円×0.3=66,420円

分娩料(自費診療)…25万円~70万円

手術そのものには医療保険が適応される帝王切開ですが、分娩に関する費用は別料金かつ自費診療です。分娩料は、帝王切開、経膣分娩の両方とも全額自己負担であり、医療機関によって大きな差があります。

また、自然分娩や緊急帝王切開の場合は仕方ありませんが、深夜や休日などの出産は割り増し料金になるケースもあります。予定帝王切開は、手術日を事前に決められるので、こうした割り増し料金がかからない日が手術日に設定されるのが一般的です。

入院費(自費診療)…1日1.5万円程度

入院している妊婦さん

帝王切開後の入院日数はだいたい6日~10日が目安です。経膣分娩だと3~5日程度で退院する方が多いので、帝王切開で費用がかさむ部分です。

入院費(食費込み)は、自費診療で1日1.5 万~の病院が多いですが、個室になると更に1日1万円以上上乗せされることも珍しくありません。また、最近では、セレブ産院といって、1泊5万~など、上を見ればキリのない価格幅です。

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新生児管理料(自費診療)…1日1万円程度

生まれたばかりの元気な赤ちゃんの入院費といって差支えないでしょう。1日7,8千円~1万円程度です。赤ちゃんの健康面に問題が生じて医学的な措置が取られた場合は、その日から医療保険の対象となります(注2)。

双子で帝王切開の時の費用はどうなる?

双子の場合、母体と胎児の健康状態に配慮し、予定帝王切開を選択するケースは珍しくありません。例え、自然分娩を希望していても、状況によっては即座に緊急帝王切開に切り替えられます。

帝王切開での双子の出産費用は、60万円~が目安です。
帝王切開の手術自体は保険診療で費用も一律ですが、分娩料は多くの病院で胎児1人につき加算され、赤ちゃんの入院費である新生児管理料は双子では純粋に2倍となります。

ただし、後述する出産一時期金42万円は、赤ちゃん2人分の84万円支給されます。また、仮に双子の赤ちゃんや母体にトラブルがあって医療行為がとられた場合は、保険診療の対象となります。

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帝王切開の自己負担分を減らす5つの制度

帝王切開の自己負担分を減らす制度

妊婦検診が公費によって補助されるように、出産にかかった費用も同じように公的な助成金が存在します。帝王切開・自然分娩の両方で対象となるもの、帝王切開だからこそ対象となるものの2種類がありますので紹介します。

1.出産一時金

健康保険法に基づく保険給付として、健康保険の加入者又は被扶養者が出産した場合に、赤ちゃん一人あたりに42万円が支給される制度です(産科医療補償制度に加入していない機関での出産は40.4万円)。帝王切開、経膣分娩の差異なく、支給されます。

双子なら84万円が支給され、この制度のおかげで双子出産でも高額な出産費用を支払わなくてすみます。

「直接支払い制度」と呼ばれ、出産した本人の代わりに医療機関が国に請求を行い、お金の受け取りが可能です。そのため、病院の窓口で高額な医療費を支払う必要もありません(注3)。

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2.高額療養費制度

健康保険が適応される帝王切開だからこそ利用できる制度です。
高額療養費制度とは、1世帯において1ヶ月の間に支払った医療費(健康保険適応の自己負担)が限度額を超えた場合、その超過分の費用を支給する制度です。

限度額は年齢や所得に応じて変更になりますが、例えば年収370万~770万未満の世帯の場合、80,100円が限度額となります(注4)。

有難い高額療養費制度ではありますが、注意するべき点もありますので、正しく理解しておきましょう。

限度額の計算は毎月1日~月終わりまでで区切られる

高額療養費は、毎月1日~月末までの1ヶ月間の支払い金額によって計算されます。そのため、帝王切開の手術日が月末で、術後の医療措置が月を跨いで翌月にとられた場合は、帝王切開に関する一連の費用をその月ごとに別計算しなくてはなりません。

差額ベッド料・食事料は対象外

高額療養費制度は、健康保険が適応とされる部分のみが対象となります。入院中の食事代、差額ベッド料などは、もともと健康保険の適応外である自費診療であるため適応外です。

窓口での支払い金額を抑えたいなら「事前認定」を受ける

病院で限度額適応認定証について聞いている妊婦さん

出産一時金と違い、高額療養費制度は、一度病院の窓口でかかった医療費の総額を支払う必要があります。

もし、窓口での支払いを抑えたい場合は、事前に医療機関窓口へ申請書を提出し、「限度額適応認定証」を受け取りましょう。会計の際に「限度額適応認定証」を提示すると、規定の自己負担額までの支払いで済みます。

高額療養費の請求は、診療日の翌月1日から2年間有効です。申請には、医療機関の領収書が必須ですので、紛失しないように注意してください。産後は慌ただしいものですから、忘れないうちに早めの申請を心がけましょう。

3.出産手当金

社会保険に1年以上加入している産休中の女性なら、帝王切開、自然分娩関係なくもらえるお金です。いくらもらえるかは、直近12か月間の標準報酬日額、つまりその人の普段もらっていたお給料によって異なります。

出産後、会社の健康保険組合に書類を提出。およそ2週間~2ヶ月で振り込みがあるはずです。

産休中の出産手当金給付条件|いつもらえる?いくらもらえる?
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4.加入している医療保険

帝王切開の手術そのものは、健康保険の適応範囲であると同時に、民間の医療保険の保障範囲です。そのため、手術への保障がある保険に加入している場合、帝王切開なら給付金を受け取れます。保険の内容によっては、帝王切開の出産だと、トータルで黒字になることもありえます。

ただし、医療保険は妊娠中は原則として加入できません。
また、帝王切開をした場合、その次の出産でも帝王切開になる可能性が高いため、一度保険金を受け取ると、2度目は支払われないなど、制限がついている保険商品が大半です。

5.医療費控除

確定申告の書類を作ってる女性

医療費控除とは、世帯における年間の医療費が10万円を超えた場合、又は年間所得が200円未満で医療費が所得の5%以上になる場合、所得金額から医療費分を差し引き、払い過ぎた税金の差額が戻ってくる制度です。

医療費控除の適応範囲は、帝王切開・自然分娩に限らず、検査や定期検診はもちろん、通院のためのタクシー利用なども対象となります(注5)。医療機関や交通機関の領収書などは、捨てずに保管しておきましょう。

医療費控除を申請する場合、サラリーマンでも自分での確定申告が必要です。

「帝王切開=高額な費用」とは限らない!

帝王切開は、健康保険かつ高額療養費制度の適応範囲です。自然分娩との1番の差異である手術という医療行為に関して、健康保険や公的制度が適応されるため、実際は自然分娩と費用面ではあまり変わらないケースも見受けられます。

また、帝王切開、自然分娩に限らず、出産一時金や出産手当金などの制度によって、出産における費用の自己負担はかなり減額されます。予定帝王切開の人は準備に余裕を持って、緊急帝王切開になってしまった人も一定の猶予期間がありますから、忘れずに申請しましょう。

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