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出産育児一時金の申請&支給額

出産育児一時金で損をしない!制度や申請方法/支給額と時期

出産育児一時金は高額になりがちな入院分娩費用の金銭的負担を和らげてくれる公的補助です。出産育児一時金の支給金額に国保と社保で違いはあるのか、申請・支給条件、医療費控除との兼ね合いや直接支払制度や受け取り代理制度の出産育児一時金をスムーズに出産入院費用にあてがう方法を紹介!

出産育児一時金で損をしない!制度や申請方法/支給額と時期

妊娠出産のときの公的補助「出産育児一時金」の利用方法

日本では「妊娠は病気ではない」という理由から、妊娠出産にかかる病院費用は原則健康保険適用外の自費診療。

ですが病気ではないとはいえ妊娠出産は、非妊娠時とは比べ物にならない体の負担を伴います。民間の医療保険でも妊娠判明してからの加入は部位不担保などの条件が付くことからも、そのリスクは病気同様のものと推測できますね。

このことからも母体と赤ちゃんが10ヶ月の妊娠期間を無事に過ごし、無事出産に至るには【定期健診】が欠かせなくなるのですが、妊娠出産が健康保険適用外であることからまともに全額自費負担で支払っていけば出産までの費用総額は相当なものになってしまいます…。

ですが、もちろん妊娠出産にまつわる費用をまともに全額自己負担するケースはないに等しく、多くの人が妊娠が判明してから、公的補助を利用して定期健診なり通院なりをこなしていくことになります。このような妊娠から、出産子育てに至るまでに生じる負担をサポートする行政の補助はたくさんあります。

今回は、その公的補助のひとつである「出産育児一時金」という制度についてちょっと詳しくご説明していきます。

幾らもらえる?出産育児一時金はこんなお金です!

出産育児一時金は、出産時に一律42万円支給される制度です。
国保、社保で支給金額に違いはあるのか、いつ頃支給されるか、出産費用の支払い方と合わせてみていきましょう。

出産育児一時金の支給金額はいくら?

出産育児一時金について検索しているママ

出産育児一時金は、産科医療補償制度に加入している医療機関で出産した場合、出産時に一律42万円が支給される制度(産科医療補償制度に加入していない医療機関では、40.4万円※後述)。

赤ちゃんひとりに対して支払われるお金なので、多胎児の出産はひとりあたりの支給額に赤ちゃんの数だけ掛け算した金額が支給されます。双子であれば94万円、3つ子であれば126万円となります。

なお、産科医療補償制度加算対象ではない医療機関等で出産した場合には、40万4千円支払われます。

産科医療補償制度とは…

全ての妊娠出産が安全という保障はどこにもなく、基本的に妊娠出産は母子ともに体への負担、もしものリスクを抱えている状態です。母子ともに無事に妊娠出産を終えられるのは、医療の発達もあれど奇跡と言えます。

産科医療補償制度は、分娩時には医療事故が起きることもしばしばで、過失の有無の判断が難しく裁判ではトラブルに発展する事例も多かったことが産科医不足の原因となっているのではという経緯から、2006年11月に創立された制度です。

産科医療補償制度

分娩が起因となって子どもが申請期限の5歳になるまでに脳性麻痺など重度な障害を負うことになったとき、治療や介護などの経済的負担を軽減する為に最大3,000万円までをご家族に給付する保険制度。
1.6万円の掛け金が出産費用に上乗せされ請求されます。

現在の産科医療補償制度の加入状況は、設置医療機関の約99.9%、制度未加入の医療機関はごく少数ですが、出産予定にしている病院が産科医療補償制度に加入している医療機関か確認するようにしましょう。
加入している産科には『産科医療補償制度加入機関』という表示を入り口や受付などに提示しています。

支給金額、国保と社保の違いはあるか

出産育児一時金の申請が終わった女性

出産育児一時金は国保、社保といった健康保険の種類に関係なく同額が支給されます。
ママが社保に加入している場合(一年以上)はママの会社で申請し、旦那様側の扶養に入っているケースではパパの会社で申請、自営業の場合は国保なのでお住まいの市町村役場で申請します。

■社保の場合、保険組合によっては『付加金』があることも

出産育児一時金自体の費用の違いはありませんが、出産育児一時金を受ける保険組合によっては、『付加金』があることも。付加金はお祝い金のようなもので、金額は多くは2~5万円のようですが、保険組合によって支給があるかどうかや、その金額には違いはあるようです。

もちろん付加金を受けるにも条件があります。
基本は健康保険組合へ加入している本人、または扶養家族が対象となり、なお付加金を支給する対象が本人か扶養者かによって、金額が上下する健康保険組合もあります。「社会保険喪失(妊娠出産を機に職場復帰しないなど)の場合は、支給されない」などの詳細は保険組合で確認しましょう。

加入している健康保険組合へ「出産育児一時金付加金申請書」を提出し、後日出産育児一時金と一緒に給付されます。

産休中の出産手当金給付条件|いつもらえる?いくらもらえる?
産休中の出産手当金給付条件|いつもらえる?いくらもらえる?
産休期間の手当をしっかり受け取りましょう。出産手当金の申請、給付の条件やいつもらえるか、いくらもらえるか時期や金額を詳しく解説。産休期間中は給与の支払いがないことも多いため、事前の準備が大切です。
■産休期間は『出産手当金』が受けられる

もうひとつ、社会保険にはママが会社勤めをしていて妊娠出産により産休に入る場合には『出産手当金』という独自の給付がプラスされることがあります。

出産育児一時金とは性質が違いますが、国保にはない制度です。

出産育児一時金の支給条件

産後の一時金で買い物に行く主婦

出産育児一時金を申請する(受ける)には、いくつか条件があります。
基本的には以下の二つ。

■胎児の月齢

妊娠4ヶ月(85日)以上であれば、子供一人につき42万円(※産科医療補償制度に加入している医療機関での出産)が支払われます。
この対象期間を超えている場合には人工中絶や死産、流産などの場合も含まれます。

■国保・社保への加入

出産育児一時金を受けるには、出産時には国民健康保険に加入しているか、会社勤務なら社会保険に加入している必要があります。

社会保険の加入期間が一年以上かつ退職後6ヶ月以内なら、それまで加入していた社会保険か国保かを選ぶこともできます。
ママが会社勤務なら勤務先が加入する保険組合、扶養に入っている場合は保険の種類に合わせてお住まいの市町村役場もしくはパパの会社で申請をします。

いつもらえる?申請方法と支給時期

出産育児一時金を直接出産費用として病院に支払う「直接支払制度」を利用するか、直接支払制度を使用せず産後に申請するかといった申請方法によって、申請の流れや支給時期が変わってきます。

産後申請

出産した病院に出産育児一時金を使った出産費用支払い(会計)をお願いしないタイプの申請の流れです。

出産後に自力で出産育児一時金を申請するため、直接支払制度を利用したときに差し引かれる手数料がかからないメリットがありますが、退院時には分娩費用や医療費、入院費用は自力で支払う必要があります。
出産育児一時金は、申請してから1~2ヶ月程度で指定口座に支払われることが多いようです。

申請場所

出産時に加入している健康保険によって申請する場所が変わります。国民健康保険であれば各自治体、社会保険であれば加入している各健康保険組合への申請となります。
ただし、社会保険加入が1年に満たない場合には各自治体への申請となるケースもあります。

申請の流れ

一時金の入金を確認する産後のママ

申請期限は出産の翌日から2年間。忘れないとは思いますが忘れずに申請・支給を受けましょう!
申請に必要な書類はおおよそ以下。

出産育児一時金の申請に必要なもの

・出産育児一時金支給申請書(病院から渡されます)
・母子手帳など出産の事実確認ができるもの
・産院から発行される領収書・明細書(直接支払制度を使用していない証明)
・死産・流産のときは医師の証明書
・健康保険証
・印鑑
・通帳

■出産育児一時金の不支給証明

稀に出産育児一時金の不支給証明書を添付するように指示されるケースがあります。

出産育児一時金は原則として一つの健康保険からしか支給されません。家族の扶養で社会保険に入っている場合でも、加入から1年未満のケースや退職後6ヶ月未満(以前加入していた企業の健康保険組合がある)のときには、現在加入している企業の健康保険組合や役場へ一時金の不支給の証明を提出するよう求められることがありますが、これは重複支給を防ぐためです。

限られたケースとなりますが申請の必要書類の詳細については、ご加入の健康保険組合へ確認の上で申請をしましょう。

このほかにも産院との直接支払制度の利用のする・しない旨をとりきめた合意書のようなものが必要になることも。必要書類は病院や申請場所に必ず確認するようにしてくださいね。

■国保の保険料の滞納はありませんか?

自治体や条件により違いますが、国保の場合、保険料滞納しているケースでは額面通りの支給額が受け取れなかったり(滞納分差し引いての給付)、申請自体ができないこともあります。
国保の未納分がないかも確認し、どうしても費用に困る場合は住民票を置いてある役場に相談しましょう。

直接支払制度

直接支払制度は、出産育児一時金の42万円を協会けんぽなどの保険組合や国から医療機関へ直接支払う制度です。
退院時に巨額の現金を用意する必要や自分で申請するときの手間はなくなりますが、病院側に手続きをやってもらうため、数千円~万単位の手数料が差し引かれます。

また、出産費用に差額があればもちろん支払わなければいけませんが、42万円の範囲で収まった場合には後日差額分が支給されます。

差額分振り込みの時期

直接支払制度を使用したあと1~2ヶ月で出産育児一時金を病院へ支払いました、という内容の支配決定通知書が届きます。その後差額分についての申請を行うので、実際に差額分が支払われる時期は産後数月かかってしまうこともあります。

受け取り代理制度

出産時に必要なお金について話し合うママとパパ

受け取り代理制度も直接支払制度同様退院時の支払いを差額分のみとするものですが、出産育児一時金の申請書自体は基本的に自分で行います。
産院によっては直接支払制度を利用できる病院と、できない病院があるため、直接支払制度を利用できない産院でも、差額分の支払いを可能とする制度です。

ただし、受け取り代理制度も利用できる病院できない病院はあること、また、事前(出産予定1ヶ月前)の申請が必要です。

出産費用を用意できないとき【貸付制度】

出産目前、入院分娩費用関連で急な対応が必要になるときもあります。
病院によっては、直接支払制度、受け取り代理制度を利用できない病院もあります。出産育児一時金は産後に申請し、支給までには1ヶ月はかかることもあり、支払いは直接支払制度を利用しようと思っていた…というときは慌ててしまいますね!

急にまとまったお金を用意できないときは、出産費用の貸付制度があります。出産のおよそ1ヶ月前に保険組合や市町村役場に確認しましょう。

出産育児一時金貸付制度の利用方法

出産育児一時金の利用方法を考えるママ

出産育児一時金が支給されるまでの間に、出産育児一時金の8割相当額(最大で33万)を限度に1万円単位で貸し付けを受けられる制度です(※貸し付けは無利子)。

貸し付け対象者は

  1. 出産予定日まで1ヶ月以内の方
  2. 妊娠4ヶ月(85日)以上で医療機関等に一時的な支払いの必要がある方

申し込みをするには1の場合、母子手帳のコピー(母親の氏名と出産予定日が確認できるページ)
2の場合、上記にあわせて医療機関等発行の出産費用の請求書等コピーが必要となります。

申請方法

出産育費貸付制度の申請は以下の書類を用意して行います。

  1. 出産費貸付金借用書
  2. 被保険者証又は受給資格者票等(原本提示・郵送の場合は写しで結構です)
  3. 出産育児一時金支給申請書
  4. 出産予定日あるいは妊娠4ヶ月(85日)以上であることを確認できる母子健康手帳の写し等の書類
  5. 医療機関等が発行した出産費用の請求書。ただし、出産予定日まで1ヶ月以内のときこの書類は不要です。
■申し込み後の流れ

一時金の申請について考えるママ

貸付制度を利用するときは、母子手帳のコピー(母親の氏名と出産予定日が確認できるページ)や医療機関等発行の出産費用の請求書等コピーが必要となります。

申し込みから約2~3週間程度で貸付金が指定の口座に振り込まれます。提出した書類のうち、「健康保険出産一時金支給申請書」が貸付金の振り込み通知とともにいったん返送されます。

出産育児一時金の貸付制度を利用したときは、直接支払制度、受取代理制度は利用できず、産後に出産育児一時金の42万円から貸付分を差し引いた残りの金額が一時金として支払われます。

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出産費用のそこが知りたい!出産育児一時金と医療費控除

特に国保では、確定申告時に医療費についても申告をしますね。出産育児一時金を受け取ったなら確定申告のときにはもれなく記載します。
ですが、実際に負担した医療費から出産育児一時金を差し引いた金額が10万円(年間所得が200万円以下の場合にはその5%を上限)を超えないと医療費控除の対象とはなりません。

医療費控除は生計を一にする人とその配偶者や扶養家族の総合計で控除が可能となるので、医療費明細は必ずその年の確定申告が終わるまでは、原則大事に保管しておきましょう。

医療費控除が適用されないのは?

出産に伴うお金についてアドバイスを貰う妊娠中の女性

医療費とは、病気やケガの治療に対して支払うお金ですよね。通常(医療行為を伴わない)の妊娠出産、まだ病気の治療段階にない予防接種、ダイエットや美容などを理由とした施術などは医療費控除の対象外となります。

出産育児一時金を給付されたなら、既に42万円分は医療費控除を前借しているイメージです。
その年の医療費が医療費控除の対象額+出産育児一時金を上回らない場合には、医療費控除の対象とはなりません。

ただし、妊娠出産でも帝王切開や分娩補助などの必要医療行為に対しては、ちゃんと医療費控除の対象となります。

高額療養費制度との違い

ちなみに、医療費控除と高額療養費制度は異なるものです。
前者は納税に関する申告で年間に支払った医療費を所得から差し引き、所得税や住民税の軽減や払いすぎた税金の還付を受けるものです。

これに対し、高額療養費制度は健康保険の支払額の上限についての申告です。
つまり、所得に応じて支払った医療費が一定額を超過した段階で、支払いすぎた医療費を還付する目的のもので、超えた分は1年間通して還付され、還付申請には行政窓口へその都度申請を出す必要があります。

出産後はややこしい手続きはどんどん増えるかも?!頑張って!!!

出産には非常に高額なお金が必要となります。出産育児一時金は金銭的な不安から生じるストレスも軽減できますね!

正直手続きは少し面倒ですが、出産後はさらにお金関連の必要手続きは増えていきます!こんな制度があるなんて知らなかった!というものが他にもたくさんあるかもしれません。もしかしたら、知らなかったから損をしていた?なんてことは…嫌ですよね~。

公的補助を活用するだけ、とくに出産育児一時金の場合は出産費用のほぼ7割近い金額が補てんされるので、かわいい赤ちゃんとの生活のためにもぜひ利用していきましょう!