Loading

高齢出産のリスク&安産対策

高齢出産のリスクを乗り越える!何もしないよりした方がいいこと

高齢出産のリスクは赤ちゃん、母体、出産など様々なものが考えられます。しかし高齢出産に限らずどの年代でも出産にトラブルはつきもの。高齢を理由に不安になりすぎるのではなく、高齢出産に考えられるリスクの種類と回避方法をきちんと知れば、安産になりますよ!

高齢出産のリスクを乗り越える!何もしないよりした方がいいこと

高齢出産のリスクは?赤ちゃん、母体、出産の心配/高齢出産の年齢

一般的に高齢出産は35歳以上で初産をする妊婦さんを指します。最近は20代で出産する女性が減り、30歳を超えて初めて出産をする女性が増えています。高齢出産は30年前に比べると今は約2倍。約25%のママが高齢出産を経験しており、35歳を過ぎてから初めて出産することは珍しくありません。40歳以降のお産も2万人を超えました。

高齢出産になると赤ちゃんや母体へのリスクもあります。しかしこれらのリスクは様々な要因があり、高齢でなくても起こるものです。高齢出産のリスクについて正しい知識を身につけ、食事や健康管理に気をつけることで、高齢出産でも自然分娩にのぞむことも可能です。

二人目の高齢出産は何歳から?

任活中の高齢女性

WHOによると、経産婦さんの場合は40歳以上を高齢出産と定義しています。
ですが、二人目の出産でも赤ちゃんや母体にかかるリスクは初産婦さんと変わりません。育児に追われる経産婦さんはついつい無理をしがちですが、出産に関わるリスクをきちんと把握して、日々の中でしっかり休息が取れるように家族や職場の方から協力を得られる環境づくりを行うことが大切です。

赤ちゃんのリスク

高齢出産はおなかの赤ちゃんに異常が起きるリスクが高まることがあります。ダウン症などの先天異常や流産などがありますが、その多くはもともと染色体に異常があったことが原因になる場合が多いとされます。高齢出産で考えられる赤ちゃんにかかるリスクの症状や原因を解説します。

ダウン症の確率

ダウン症になる確率は、20歳が0.06%に対し、35歳は0.26%、45歳は3.3%と年齢が上がるにつれて高くなります。
ただし、染色体異常が起こる原因は明確ではありません。年齢がその確率を上げるひとつの要因ではあるものの、直接的な原因ではなく、何ら問題のない20代夫婦からダウン症など染色体異常の子が生まれることもあります。

ダウン症の確率が高まる理由の一つとして、卵子が関与する事実があげられます。実は卵子は生まれた後にすぐに生産され、身体が出産可能な年齢に達したときにひとつずつ排卵されていきます。つまり、それ以後は新しく作られることはありません。卵子は幼少期から生涯にかけて、徐々に減少と老化を始めます。この現象は卵子老化と呼ばれていて、妊娠のしにくさや胎児の染色体異常にも影響を及ぼすとされます。

『ではいつから卵子老化が始まるのか?』これに対しては明確な線引きはなされていませんが、不妊症に悩む人の年代割合を見てみると30代後半から急速にその数は増えていく事実から、妊娠しにくさが浮き彫りになっていると言えます。

ダウン症の原因は?ママの年齢や遺伝による染色体の変化
ダウン症の原因は?ママの年齢や遺伝による染色体の変化
ダウン症の原因は高齢出産や遺伝など確率によります。21トリソミーと呼ばれるダウン症児が生まれる原因や確率、何故染色体異常が起きるのか、近年行われている遺伝子解析について解説します。

出生前診断は受けるべき?

高齢出産のリスクを知り悩む女性

超音波検査や、血液や羊水の採取によっておなかの赤ちゃんに染色体異常があるか調べることができます。
しかし、出生前診断で全ての異常がわかるわけではありません。
また、羊水検査は子宮に針を刺すため、精神的にも、身体的にも負担が大きくなります。羊水検査が直接的に流産の原因となるわけではありませんが、羊水検査をしたうち、約300人に1人程の割合で流産を経験している事実もあることから、検査の負担と共に年齢とともに高くなるであろうそのリスクは懸念されるところです。

検査を受ける場合は万が一異常があるとわかったらどうするのか、夫婦でよく相談した上で受診を決めましょう。

旦那さんが高齢のリスクは?

高齢男性との間の妊娠出産のリスクは女性の高齢出産よりも知られていませんが、父親の年齢も全く関与しないことはないのでは?という見解もあります。

男性の場合、精子はその都度作られるため、卵子のような老化現象はありませんが、年齢が上がるにつれて、精子の質は劣化してしまいます。これによる影響か?は定かではないものの、父親の年齢が高齢だと子どもが自閉症や統合失調症になる確率が増すとされ、50歳以上になるとその確率は急に跳ね上がり、30代男性と比較すると5~6倍になるというデータも。
詳しいメカニズムはまだ解明されていませんが、精子の劣化が関係しているのではないかという説が有力です。

ダウン症や染色体異常以外の先天異常の確率

子供が欲しいが高齢のため踏み切れない女性

高齢出産の場合、ダウン症以外にも先天異常のリスクがあります。先天異常には様々な種類がありますが、特に多いのが脊椎の一部が形成されない「二分脊椎症」、脳の発達ができていない「無脳症」などを指す「神経管閉鎖障害」です。
いずれも体にとって重要な部位に起こる先天異常で、発症して生まれてきてしまうと健康的に長く生きることは難しくなります。ダウン症以外の染色体異常児の確率は、20歳で0.2%、35歳は0.5%、45歳は4.8%です。

神経管閉鎖障害のリスクを減らすために葉酸を摂取

葉酸(ビタミンB9)を毎日摂取するなら、赤ちゃんの神経管閉鎖障害を約70%も低減できることがわかっています。推奨されている摂取量は1日に440µg
葉酸は緑黄色野菜、果物などの身近な食品に多く含まれているため、日頃の食生活やサプリメントを上手に活用して毎日摂取するようにしましょう。

流産の確率

年齢に関わらず流産の可能性はありますが、高齢出産の場合は確率が上がってしまいます。
全妊娠の自然流産率は10~15%ですが、35歳以上では約20%、40歳以上は40%。主な原因は赤ちゃんの染色体異常で、高齢出産の場合はおなかの赤ちゃんの染色体異常が増えるというデータがあります。

流産は8割以上が妊娠12週までの初期に起こっています。流産のサインになるのは、出血と下腹部の痛み。妊娠12週まではナイーブな時期なので、ハードな仕事や旅行などを避け、少しでも体調の変化に気づいたときはすぐに横になって慎重に過ごすようにしましょう。

母体のリスク

高齢出産の場合は母体へのリスクも高まります。妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、子宮筋腫など20代でもかかる可能性はありますが、年齢が上がるにつれて可能性が高くなります。
ひどくなってしまうとお腹の赤ちゃんの発育や出産に影響を及ぼしてしまうことがあるので、日頃の健康管理が特に重要です。

妊娠高血圧症候群

様々な高齢出産のリスクを目の当たりにする女性

普段は正常な血圧だったのに、妊娠20週以降に初めて高血圧を発症した場合のことを「妊娠高血圧症候群」と言います。症状が出やすいのは妊娠8ヶ月以降の後期で、約1割程度の妊婦さんが発症しますが、妊娠中期など早い時期に発症した方が悪化する傾向があります。重症になると母子共に大変危険な状態になります。

高血圧になって仕舞うと、心臓や血管に負担がかかり、母体のトラブルが出やすくなります。胎盤に十分な血液が送られないこともあり、赤ちゃんの発育に影響してしまうこともあります。高年出産の方は妊娠糖尿病などの病気を併発してしまうリスクや、早産のリスクも出てしまいます。

妊娠高血圧症候の原因ははっきりとわかっていませんが、妊娠にうまく対応できないと考えられています。妊娠初期の胎盤が作られる時期に、体が妊娠にうまく対応できず、それが妊娠後期になってから症状となって現れると考えられています。

妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)とは?症状と予防&対処法
妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)とは?症状と予防&対処法
妊娠高血圧症候群とは数年前まで妊娠中毒症と呼ばれていた病気ですがかかるとママや赤ちゃんにどのようなリスクがあるのか、食餌療法などの治療法や妊娠高血圧症候群発症のリスクを下げる生活の注意点を解説。

妊娠糖尿病

妊娠をきっかけに血糖値が上昇することや、妊娠した後に血糖値の異常が見つかることを「妊娠糖尿病」と言います。妊娠中はホルモンの影響や食事の量が増えることによって、血糖値が上がりやすい体質になっています。それに加え不規則な食生活や糖分、脂肪分のとりすぎが妊娠糖尿病の原因になることもあります。

妊娠糖尿病になると妊娠高血圧症候群のリスク、早産のリスクが高まります。妊娠糖尿病を放置すると、巨大児が産まれる可能性が高まり、難産となる可能性も出てきます。

妊娠糖尿病の食事のコツ・食餌療法の目的とやり方&簡単レシピ
妊娠糖尿病の食事のコツ・食餌療法の目的とやり方&簡単レシピ
妊娠糖尿病と食事の関係を理解し、妊娠出産を通して赤ちゃんの健康と出産に挑む自分の体も守っていきましょう!妊娠糖尿病改善のために今すぐできる食事の内容、取り方の見直しや工夫したいポイントをまとめました。

子宮筋腫

子宮の筋肉にできる良性のこぶが「子宮筋腫」です。高齢出産では妊娠がわかったときに子宮筋腫が見つかるケースも。実は、子宮筋腫は現代の女性にとって一般的な病気で、赤ちゃんの発育に影響することはありません。
しかし大きさが4cm以上になると出産に影響が出る場合もあります。できた部位によっては赤ちゃんが逆子になったり、痛みが生じることも。

子宮の付近にできたときは、出産時に赤ちゃんが通る妨げになるので帝王切開の可能性も出てきます。また、子宮筋腫のある妊婦さんは微弱陣痛になりやすいことも分かっています。

お産時のリスク

高齢出産だと難産になりやすいと聞いたことがあるかもしれませんが、20代でも難産になることはありますし、2人目3人目なら高齢でもスムーズに分娩を終えるケースも多いので、一概には高齢出産が言えません。しかし高齢出産では分娩時間が長くなる傾向があり、帝王切開や吸引分娩になる傾向はやはり高いといえるのかもしれません。

難産になる確率

高齢出産に臨む女性へアドバイスを送る医師

高齢出産では子宮口が開きにくく、赤ちゃんがなかなか下りてこられないため出産予定日よりも出産が遅れる傾向にあります。その場合、陣痛の異常が起こりやすくなるので、母子の状態を見ながら帝王切開に切り替えることもあります。

早産になる確率

切迫早産は妊娠22週から36週までの間に赤ちゃんが生まれる状態のことです、すべての赤ちゃんの約5%が早産で生まれてくるデータがありますが、20代の妊婦さんでも早産になることはあり、高齢出産と早産の直接的な関係はわかっていません。しかし「妊娠高血圧症候群」や「子宮筋腫」などが早産のリスクを上げる原因になることもあるため、注意が必要です。

早産は出血やおなかの張り、下腹部の痛み、腰の痛み、おりものの増加など体がサインを出します。これらのサインに早めに気づくことができれば、早産を防げる確率も高まります。体の異常を感じた場合は次の妊婦健診を待たずに、かかりつけの産婦人科に相談しましょう。

微弱陣痛

陣痛が始まっても子宮収縮が弱く、お産が進まない状態が「微弱陣痛」。お産が進まないまま時間が経過してしまい、妊婦さんの体力だけが消耗されるため、難産につながる可能性が高くなります。

微弱陣痛の場合は、陣痛促進剤を使用したり、子宮口が全開しているときは吸引分娩を行ったりします。陣痛促進剤を投与しても陣痛が起こらないようなら、「緊急帝王切開」の措置をとることも。

微弱陣痛の定義と原因、症状と対処法および予防法
微弱陣痛の定義と原因、症状と対処法および予防法
お産を長引かせる微弱陣痛。その原因、診断方法、症状と対処法を解説します。また、微弱陣痛を予防して安産にするための方法も紹介します。

帝王切開になる可能性

高齢出産と帝王切開について説明する医師

出産で最も大切なことは、妊婦さんと赤ちゃんの命を守ることです。帝王切開は赤ちゃんを安全に出産する方法のひとつで、日本では約20%の赤ちゃんが帝王切開で生まれています

高齢出産では様々なリスクを避けるために、あらかじめ帝王切開を選択して計画的に行う「予定帝王切開」も少なくありません。また、自然分娩を行っていても、なんらかのトラブルがあり急遽切り替わる「緊急帝王切開」になる妊婦さんもいます。

帝王切開の痛みはいつからいつまで?術後の痛みの期間
帝王切開の痛みはいつからいつまで?術後の痛みの期間
帝王切開の痛みはいつからいつまで続くのか、時期と痛みを和らげる対処法を紹介します。帝王切開の痛みは自然分娩の痛みとは違う痛みがあります。一般的な痛みの種類、寝方などを工夫した痛みの緩和方法です。

帝王切開を選択するときはきちんと説明を受けてから

事前に帝王切開が必要だと判断され、予定帝王切開を行う場合は、お医者さんからなぜ手術が必要か、自然分娩は絶対に不可能なのか、自然分娩の場合はどれくらいのリスクがあるかなど、疑問に思ったことを全て質問しておきましょう。

妊婦さんにとっても赤ちゃんにとっても、ときとしていのちにかかわり人生の中で一番!と言っても過言ではない大切なお産なので、帝王切開を行う決断をするときは、ご家族がしっかり納得することが重要です。

吸引分娩

自然分娩にて分娩が進まず時間経過が危険な状態につながるときは、吸引分娩となることもあります。吸引分娩は金属製やシリコン製のカップを赤ちゃんの頭に吸着させて引き出す医療措置
子宮口が全開したのに赤ちゃんが降りてこないときや、赤ちゃんに何らかの危険があって早急に出さなければならないときに行われます。

めざせ安産!妊婦健診と自己管理

高齢出産によって起こり得る、赤ちゃん、母体、出産のリスクは、やはり少しこわくなってしまうもの。しかし、大切なのはリスクに怯えるのではなく、回避するためできる対策を行うことにあります。

そのために妊婦健診を欠かさずに受診することが重要ですね。エコー検査や血液検査などをきちんと行い、赤ちゃんと母体の様子を把握し、異常を早期発見することでリスクを避けられる確率が高まります。
もうひとつ大切なことはいつもに増して健康管理を行うこと。塩分控えめで低カロリー・高タンパクの食生活、適度な運動、そして異常を感じたときに無理をせずに休息できる環境づくりをしていきましょう。

睡眠と休息

リラックスして読書する高齢で妊娠した女性

疲労やストレスをためて体に負担をかけないように、しっかりと睡眠時間を確保するようにしましょう。お腹の張りや出血など、少しでも体に異変を感じたら休息をとれる環境を整えておくことも大切です。

バランスの良い食事

妊娠前から1日3食バランスの良い食事を心がけてください。塩分は控え目にして、特に炭水化物や糖質の摂りすぎに注意。高齢出産はどうしても脂肪がつきやすい体質になっています。
妊娠高血圧症候群や微弱陣痛を防ぐためにも、体重は12kg増までに抑えるよう、食生活に気をつけることが大切です。もちろんタバコとお酒は絶対に厳禁ですよ!「無事出産を終えるまで(正確には卒乳まで)、がまんがまん…」です。妊娠初期や貧血等の状況によりカフェイン摂取にも気を配りましょう。

適度な運動

出産は相当なエネルギーを必要とします。長時間に及ぶ場合は体力と持久力が必要になるので、なまった体は無理ない範囲で鍛えていきましょう。
マタニティヨガなどに挑戦してインナーマッスルを鍛えると分娩力が高まるそう!その他にもウォーキングや階段の上り下りなど、日常の中に取り入れられる軽い運動を毎日行うことも有効です。

出産予定日が近づいている妊婦さんは、臨月スクワットなど骨盤底筋を鍛えてくれる運動もおすすめです。

リスクを受け入れ、妊娠ライフを満喫して!

年齢に問わず妊娠、出産には妊婦さんそれぞれのトラブルがつきもの…それは、高齢出産だから必ずしも危険がつきまとっているということを指しているのではなく、妊娠出産自体がそれほど大変なことなのです。

出産を終えてからの育児の日々はむしろ、年齢を重ね、様々な経験を積んでからの出産には、精神的な余裕を持って育児に臨めるメリットもあります。
高齢出産でリスクが高まる合併症の予防や、出産時に向けた体力作りなど備えをすることは大切ですが、冒頭でも触れたとおりあまり心配しすぎてストレスを溜め込まないようにすることは何より大切です。未来に待っている赤ちゃんのいる生活を楽しみに、自信を持って妊娠生活を楽しめるといいですね。