産後の悪露とは?

産後の悪露とは?正常な状態と異常な悪露の見分け方

産後には悪露と呼ばれる出血が見られますが、人によって量や続く時期には個人差があり、「これって正常?異常?」と悩む方も多いでしょう。そのため、悪露はいつまで出るのか、量はどのように変化するのか、正常な悪露と異常が隠された悪露の見分け方を解説します。悪露の上手な対策方法も参考に!

産後の悪露とは?正常な状態と異常な悪露の見分け方

産後の悪露とは?正常な状態と注意すべき症状

出産後の出血は、悪露(おろ)と呼ばれるもので、赤ちゃんを産んだ人なら例外なく見られるものですので特に心配はいりません。

ですが、初めて出産した人にとっては、「いつまで出血が続くの?」「においが強いけど、もしかして異常?」と疑問の多い現象なのも事実です。

今回は、悪露が出る理由や時期、量など、正常な産後の悪露の状態を解説。
悪露の量が減らない、悪臭がするなど、なんらかの異常のサインの可能性がある悪露の状態についても説明します。

悪露とは?悪露がでる理由や時期

悪露とは、出産直後から産後1~2ヶ月にかけて、子宮や産道から排出される分泌物です。
より詳細な悪露の出る理由、いつまで続くのか、量はどの程度なら正常なのかをご説明します。

悪露が出る理由

胎盤に繋がった胎児

赤ちゃんが子宮内にいたときは、胎盤に多くの血管が繋がった臍帯経由で、母体から赤ちゃんに養分や酸素を送っていました。しかし、赤ちゃんと胎盤が体外に出てしまうと、胎盤に繋がれていた血管は不要となります。そのため、中に入っていた血液を悪露として排出し、徐々に止血を完成させます。

子宮内の不要物や胎盤周りの不要な血液などが悪露となり、体外に排出されていきます。すべての悪露が体外に排出され、子宮は妊娠前の状態に戻っていくのです。

悪露が出る時期

出産によって不要になったものや胎盤の周りの血管から排出された血液は、時間をかけて体外に排出されていきます。個人差は大きいですが、長くても1ヶ月ほどで終わりますので、悪露が出ている間は産褥パットや生理用ナプキンなどを下着につけるようにしてください。

帝王切開の悪露は長引く傾向に

帝王切開による出産の場合は、悪露が2ヶ月ほど続きます。これは切開によって、産後の自然な子宮の収縮が妨げられていることが原因です。

ですが、2ヶ月以上経っても悪露が続く場合は、一度、産婦人科で検査してみることをおすすめします。

悪露の量

一般的には、産後直後から3日間は生理2日目と同じか、それよりも多い量の悪露がでます。
産後1週間が経つと通常の生理ぐらいの量に、産後2~4週目はかすかにナプキンが汚れる程度に悪露の量は減少していきます。

ただし、悪露の量は個人差が大きく、産後1週間くらいまで大量に出てシーツを汚してしまう人もいれば、出産直後から生理と同じかそれ以下と、軽く済む人もいます。

産後の悪露の気になる症状と関連する病気

悪露が1~2ヶ月続くことは異常ではありませんが、次のような状態が見られるときは病気などに罹患している可能性が考えられます。

悪露の量が減らない・増えている

トイレで苦し気な表情の女性

悪露の量は、徐々に減っていくものです。にもかかわらず、いつまで経っても悪露の量が減らないときや、反対に量が増えているときは、何か別の原因で子宮内から出血が起こっていると予測されます。すぐに産婦人科を受診して、出血の原因を突き止めましょう。

子宮復古不全

赤ちゃんが生まれると子宮は自然に収縮して元通りになります。ですが、なかなか子宮が元に戻らないこともあり、このような状態を「子宮復古不全(しきゅうふっこふぜん)」と呼びます。

子宮復古不全のときは、出血もすぐには止まりません。産後2週間過ぎてもナプキンに鮮血がつく場合や悪露の量が減らない場合、悪露の量が1週間を超えても増えている場合は、子宮復古不全の可能性を疑います。

黄色っぽい色の悪露が出る

悪露は初めは生理のように赤い液体として出ますが、徐々に色がかすれてきて、最後は白っぽい透明のおりもの状のものが出て終わります。ですが、黄色っぽい色の悪露が数日以上続けて出る場合は、子宮内で何らかの細菌感染が起こったと予測されます。

子宮内感染症

出産の際に生じた傷口から細菌が入り込んで、感染症を引き起こしている可能性があります。悪露の色が黄色っぽくなるだけでなく、臭いが強くなることもありますので、色と臭いをこまめにチェックするようにしましょう。もちろん、子宮復古不全が疑われるときと同じく、早めに婦人科を受診するようにしましょう。

また、子宮内が何らかの細菌に感染している場合は、悪露に異常が見られるだけでなく、発熱や腹痛などの症状が表れることもあります。いずれかの症状が見られるときも、すぐに病院で調べてもらうようにしてください。

悪露に悪臭がし、2日以上38℃以上の高熱が続く

発熱で床に伏せる女性

悪露の量が多い、悪臭がすると同時に、産後24時間が経ってから10日以内に、38℃以上の高熱が出ることもあります。このような熱が2日以上続くことを「産褥熱(さんじょくねつ)」と呼び、出産によって疲弊した母親の身体にさらなるダメージを与えるものとなります。

産褥熱の原因は、1つに特定することが難しいことも少なくありません。分娩時に子宮内や産道に傷が生じ、そこから細菌に感染することもありますが、医師による内診や会陰切開・会陰縫合時に傷が生じて細菌感染を引き起こすこともあります。その他にも、膀胱や虫垂炎などの他の臓器の炎症から感染するケースや子宮内に胎盤の一部が残って炎症を引き起こすケースもあります。

近年では抗生物質もありますので、迅速に対応して熱を下げることが可能です。

生理中のような腹痛が続く

悪露とともに、生理中のような重だるい感じの腹痛が続くこともあります。これは主に子宮収縮によるもので、短い人は2日ほどで治まりますが、長い人は1ヶ月ほど続くこともあります。子宮が収縮しないと身体は元に戻りませんので、子宮収縮による腹痛は身体が回復する印でもあると言えるでしょう。

ただし、腹痛が1ヶ月以上続き、鮮血が混ざった悪露も1ヶ月以上続く場合は、子宮収縮がスムーズに行っていない「子宮復古不全」の可能性が考えられます。なるべくすぐに婦人科を訪れ、医師の診察を受けるようにしてください。

血の塊がまじる

早めの受診をすすめる女医

子宮内の不要物や胎盤排出と共に不要となった血管由来の血が出ることが悪露ですので、不要物がまとまって出るときは塊状となって出ることも珍しいことではありません。

ですが、悪露の量が徐々に減っているにも関わらず血の塊が出てくるときや、産後1ヶ月を超えても塊状の悪露が出てくるときは、異常が発生している可能性があります。

血の塊状の悪露が続くときは子宮復古不全の可能性

産後1ヶ月を超えても血の塊状のものが出てくるときは、子宮が充分に収縮できていない子宮復古不全の可能性があります。出血量が多くなると貧血状態に陥るリスクがありますので、何日か連続で血の塊が出てきたときは婦人科を受診してください。

白もしくは黄色の塊が出るときは子宮内感染症の恐れ

白や黄色の塊状の悪露が出ること自体は正常なことですが、連続して何日も白もしくは黄色の塊が出るときは、子宮内に細菌感染が起こった可能性が考えられます。すぐに婦人科を受診しましょう。

ナプキンで触れる部分がかゆい

肌が弱い人は、生理期間中にもかゆみを感じやすいものですが、悪露は生理と違い、1~2ヶ月もナプキンを装着しているため、かゆみなどのトラブルはひどくなりがちです。
ですが、ナプキンを取るわけにもいきませんから、こまめにナプキンを交換したり、通気性が高い(蒸れにくい)ナプキンやショーツを利用し、対処していくしかありません。

白っぽいポロポロとしたおりものが出るときは膣カンジダの可能性も

かゆみがあるだけでなく、白っぽいポロポロとしたおりものが長く出ている場合は、膣カンジダに感染している可能性が考えられます。カンジダは、健康な女性でも膣や皮膚、口の中にいる常在菌の一種です。

もともと誰でも発症する可能性がある病気なのですが、免疫力が低下している出産直後は特に発症しやすい状態にあります。産婦人科での洗浄や薬により、数日~数週間で治癒しますので、心配はいりません。

産後の悪露はどうやって対策したらいい?

日常の注意点のパネルを指さす看護師

悪露そのものは心配のいらない症状ですが、生理のような状態が1ヶ月近く続くのは不便ですし、不快に感じる方も多いでしょう。下着や臭い、入浴など、悪露の対処法や日常の注意点をお伝えします。

悪露には産褥パッドがおすすめ

産後すぐは、悪露専用の産褥パッドか、生理用の夜用ナプキンで悪露対策をします。
できるなら産後1週間ぐらいまでは吸収力の高い悪露専用の産褥パットがおすすめです。形状は生理用ナプキンとほぼ同じですが、クッション性が高く、会陰切開の傷にあたっても痛みを感じにくいというメリットがあります。

会陰切開の痛みはいつまで続いた?体験談15
会陰切開の痛みはいつまで続いた?体験談15

悪露の量が落ち着き、会陰切開の傷もあまり傷まないようなら、生理用ナプキンに変えても良いでしょう。

産後すぐは体も痛み、トイレにはあまり行きたくないかと思いますが、パットやナプキンはできるだけこまめに交換した方が肌のトラブルを防止できます。

臭い対策には消臭効果のあるナプキン

悪露には血が混じっていますので、生臭いにおいがどうしてもしてしまいます。防臭効果のある産褥パットや生理用ナプキンを使用することで、ある程度臭いを抑えられるでしょう。

特に産後すぐ~1週間は臭いも強くなります。気になる人は、こまめにパットやナプキンを変えたり、衣類や下着に消臭効果のあるスプレーを振りかけましょう。

ただし、臭いがあまりにもひどい場合は、子宮内の異常の可能性もあります。通常は、悪露の量が減少するにつれて臭いも気にならなくなるはずですが、強い臭いが続く場合は、一度産婦人科を受診しましょう。

子宮内感染を防ぐためにお風呂は控える

産後の入浴は、1ヶ月健診を終えてからの許可となるのが一般的ですが、その理由としても、悪露が関係しています。

悪露が出ている間は、まだ子宮口が開いた状態となっています。その状態で入浴すると、お風呂の水を通して体内に細菌が入り込んでしまう可能性があります。子宮内感染症に罹患すると、悪露が続いたり、腹痛や発熱などの症状が現われる恐れがあります。

産後1ヶ月以内は体力も十分に回復してはいませんので、普段よりも細菌などに感染しやすくなっています。産後の抵抗力が落ちている状態かつ子宮口が開いた状態で入浴することは、敢えて子宮内感染症に罹患しやすい状況を招いているとも言えますので、非常に危険です。

シャワーはOKのことが多い

病院の方針や産婦の身体の状態にもよりますが、経過に問題がなければ出産の翌日からシャワーの許可が下りることが多いです。帝王切開による分娩の場合は、2~3日でOKのケースもあれば、傷口の回復具合によっては、抜糸前後まで許可が下りないケースもあります。

シャワーを浴びてバスタオルを着た女性

シャワーがOKだといっても、身体がまだ本来の調子まで戻ってはいないのですから、充分に注意をして身体を洗う必要があります。できれば10~15分以内に手早く済ませるようにしましょう。

また、シャワーの温度にも配慮して下さい。熱めのシャワーが好きな人でも、出産後すぐに熱いシャワーを浴びると、のぼせたり気分が悪くなったりすることがあります。

入浴OKになってもしばらくは注意が必要

医師に入浴OKと言われても、しばらくはいつも以上に注意をする必要があります。細菌感染を防ぐために、も次の3つに配慮して下さい。

細菌感染を防ぐための産後の入浴における注意点

  • 浴槽は常に清潔に保ちましょう。ただし浴槽掃除は体力を消耗しますので、家族の協力を得て下さい。
  • 一番風呂に入るようにしましょう。お湯を使い回すことも避けて下さい。
  • あまり長時間入ることも止めましょう。入浴は体力を大きく消耗します。

産後の悪露は異常を知らせる大切なサイン!

産後の悪露は、子宮内の異常や体の回復を知るために、非常に重要なものです。産後の1ヶ月健診でも、お医者さんから悪露の量や状態については必ず聞かれるはずです。

清潔に保つためにこまめにナプキンを交換することは当然ですが、ただ機械的にナプキンを交換するのではなく、色やにおい、量などをチェックするようにしてください。そして、異常が見られたときに病院で正確な情報を伝えるためにも、ノートなどに記録をとっておくことをおすすめします。

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