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乳幼児突然死症候群SIDSとは

乳幼児突然死症候群(SIDS)リスクから赤ちゃんを守るには

乳幼児突然死症候群(SIDS)とは赤ちゃんが睡眠時に突然呼吸が停止してしまう原因不明の病気のことで乳幼児突然死症候群の発症確率を上げるリスク要因には両親の喫煙やうつぶせ寝等が指摘されます。知らぬ間に呼吸が止まってしまう恐ろしい病気の発症リスクを下げから赤ちゃんを守るために出来ることとは?

乳幼児突然死症候群(SIDS)リスクから赤ちゃんを守るには

乳幼児突然死症候群(SIDS)について正しく知ろう

赤ちゃんを育てているママなら誰もが心配する、乳幼児突然死症候群。乳幼児突然死症候群は、ついさっきまで元気だった赤ちゃんが、眠っている間に亡くなってしまう現時点は原因不明の病気です。

乳幼児突然死症候群に関しては、様々な情報が流れており、中には間違った情報も数多くあります。
まず、一番重要なポイントを押さえておきましょう。それは、「乳幼児突然死症候群の原因は未だに解明されていない」ということです。
乳幼児突然死症候群に関する情報を収集する際は、この大前提の下で行うようにしましょう。

SIDSは原因不明で確実な予防方法はない

泣き叫ぶ生まれたばかりの新生児

病気の予防は、原因が解明されてこそできるものです。では、乳幼児突然死症候群の発症を予防することはできないのでしょうか?

残念ながら、現段階では「完全に予防することはできない」というのが答えです。

乳幼児突然死症候群について現在わかっていることは、「統計的なリスク要因」です。統計的なリスク要因とは、「あることをした赤ちゃんにおいて、乳幼児突然死症候群の発症件数が多くみられた」という事実のみを言います。

例えば、有名なリスク要因のひとつに「うつぶせ寝」がありますが、これは、赤ちゃんをうつぶせ寝にすると乳幼児突然死症候群を引き起こす…という意味とは違います。
「うつぶせ寝していた赤ちゃんの乳幼児突然死症候群の発症件数が仰向けの赤ちゃんよりも多かった」というデータが収集されたに過ぎません―――つまり、それぞれのリスク要因とSIDS発症の因果関係は明確に証明されているとは言い切れないのです。

SIDS発症の確率を下げるために出来ること&こんなときどうする?

仰向けに寝かされ不安そうな表情の赤ちゃん

予防できないなら、何も対策ができないの?と不安になってしまいそうですが、全く対策ができないわけではありません。原因は不明ですが、SIDS発症の確率を高くする「リスク要因」はいつくかピックアップされているため、リスク要因となる行動を避けることがSIDS発症の確率を下げることに繋がります。

全てのママにとって、乳幼児突然死症候群は絶対に避けたいもの。原因がわからなくても、少しでも「発症の確率を下げる可能性がある」ことがわかっていれば、その対策を講じることは無意味ではないのです。

これから紹介する対策は、国の調査により「この条件で育児をした場合に乳幼児突然死症候群の発症確率が低かった」というもの。「予防」できるわけではありませんが、「確率」を下げるため推奨されている。

1.両親ともに禁煙する

妊娠中から喫煙している場合、授乳中に喫煙している場合ともにSIDS発症率は高くなり、両親が喫煙している場合、発症確率は4.7倍とも言われます。
ちゃんにとってタバコは害でしかありません。赤ちゃんの周りで喫煙していないから大丈夫―――本当にそうでしょうか?

喫煙者の呼気中の一酸化炭素濃度は、非喫煙者(喫煙から数時間経過後)の15倍以上の数値で検出されます。厚生労働省が定める環境基準の数値は10 ppm以下、非喫煙者の呼気の一酸化炭素濃度は1~2ppm、喫煙から数時間経過しても呼気の一酸化炭素濃度は15 ppm以上。
喫煙直後だと環境基準をはるかに上回る一酸化炭素濃度であることに加え、赤ちゃんにとっての有害物質も含まれることが考えられます。

タバコは大人の嗜好品でしかありません。そのために赤ちゃんの健康や命を犠牲にしますか?赤ちゃんの命を守るためににタバコは吸わない―――これは、子育てにおいて非常に大切なことと言えるのではないでしょうか?

2.仰向けで寝かせる

うつぶせ寝の場合、仰向け寝に比べて発症確率は3倍とも言われています。

直してもどうしてもうつぶせ寝になってしまう

寝返りをするようになると自分からうつぶせ寝になる赤ちゃんは増えますし、せっかくなおしてあげてもうつぶせ寝が好きな赤ちゃんも多くいます。
乳幼児突然死症候群が心配で何度も仰向けに戻すというママも少なくありません。

寝返りができるなら、苦しくなったら動けるから大丈夫だよ!とアドバイスをしてくれる人もいますが、一理あるものの根拠はありません。赤ちゃんがぐっすり寝たのを見計らい、赤ちゃんのねんねを妨げすぎない程度に仰向けにしてあげると安心ですね。

それでもどうしてもうつぶせになってしまうのであれば、昼寝の際は頻繁に赤ちゃんの様子を見てあげましょう。また、柔らかい布団に寝かせず、固めのマットレスに寝かせることも重要です。

3.母乳栄養にする

ミルク育児の場合、発症確率は4.8倍とされます。

ただし、母乳育児が乳幼児突然死症候群のリスクを下げると言われても、母乳不足やママの服薬等避けきれない状況においてミルク栄養を選択するママだってたくさんいます。
これも、我が子がミルク栄養だからといって、乳幼児突然死症候群になりやすいわけではなく、り母乳栄養に対する数値にしかすぎません。ミルクにはミルクのメリットは確かにあるのです。

ミルクの成分が悪いわけではない

ミルク育児で乳幼児突然死症候群の発症確率が上がる理由として、日本新生児学会は「ミルクの場合、飲ませる際の温度が母乳に比較して高い傾向にあり体温が上がりやすい」ことを指摘しています。確かに、ミルクは調合の際に高い温度のお湯を使用するために可能性は捨てきれません。
他にも、ミルク育児の場合は、母乳育児に比べて腹持ちが良いのでぐっすり眠る子が多いので、赤ちゃんの異変に気付くのが遅れるケースがある、という見解もあります。

今のミルクの成分は母乳に限りなく近づけてあるものが多く、これらのミルクの成分が赤ちゃんに良くないわけではないと考えられています。乳幼児突然死症候群が心配な場合は次の2つの点に注意しましょう。

1.ミルクをあげる時には、温度に充分注意しましょう。ひと肌になるまでしっかり冷めたことを確認してから与えるようにしましょう。
2.赤ちゃんがぐっすり寝ているからと言って長い時間目を離さないようにしましょう。

その他の推奨されるSIDS対策

バンザイをして熟睡する赤ちゃん

日本国内の研究において乳幼児突然死症候群の発症確率が下げる可能性が検証され、対策として推奨されている方法以外にも、SIDSのリスクを下げる対策として特に海外で推奨される対策もあります。

就寝時に気を付けること

  1. 固めのマットレスに寝かせる
  2. 添い寝や腕枕をしない
    ママの横にベビーベッドを置いて寝かせるのが望ましいとされています。
  3. 赤ちゃんの足がベビーベッドの枠につく位置で寝かせる
    下にさがって布団が顔にかからないようにするためとのこと。
  4. 赤ちゃんが寝ているところの周りには何も置かない。
    枕も不要とされます。
  5. 羽毛布団を使わない
    かけ布団は薄手のものにしましょう。
  6. ストーブのそばやエアコンの真下に寝かさない

普段の過ごし方で気を付けること

  1. 寝ている時も頻繁に様子を見る
  2. 赤ちゃんを暖め過ぎない

服装は大人より1枚少なくが基本です。また、熱いお風呂に長く入れないようにしましょう。

検証が続く「ベビーグッズ」とSIDS

おしゃぶりをしながらパンダのきぐるみを着た赤ちゃん

乳幼児突然死症候群は、何とかその原因を究明しようと数多くの研究者が研究に明け暮れ、様々な実験を試みています。

次に紹介する対策は、乳幼児突然死症候群の発症確率がさがったと検証されたものですが、その因果関係は明らかになっていません。その点を理解したうえで、対策方法を知っておくようにしましょう。

扇風機を回すと発症率が下がる?

2008年にカリフォルニア州の医師が、「扇風機を回した部屋で寝ていた赤ちゃんは乳幼児突然死症候群の発症確率が72%低かった」という調査結果を発表しました。

乳幼児突然死症候群は原因が解明されていないものの、呼吸機能がうまく働かなくなるためである可能性は高いと考える医師は多く、この医師も扇風機が効果的な理由として、風通しが良くなることで息苦しさを軽減し呼吸にストレスが生じないためではないかと考えているようです。

■衣服の着せすぎによる「うつ熱」に注意!

この研究結果について乳幼児突然死症候群に関する著書も出す久保田史郎医師は、扇風機によって赤ちゃんが「うつ熱」になりにくくなるため、乳幼児突然死症候群のリスクが減るのでは、との見解を示しています。

うつ熱とは、衣服の着せすぎなどによって身体に熱がこもって体温が高くなる現象。久保田医師は、うつ熱によって赤ちゃんは呼吸が上手にできなくなることがあると言います。

おしゃぶりの使用が効果的?

アメリカのいくつかの研究では、おしゃぶりの使用が乳幼児突然死症候群の確率を下げたという結果が出ています。
2009年、American Family Physicianという医療論文誌に掲載された研究によると、おしゃぶりの使用によって発生確率が0.39倍になったと報告されました。同様の研究結果が、アメリカの権威ある小児科学会誌「Journal of Pediatrics」や、イギリス医師会が発行している世界五大医学雑誌の一つである「British Medical Journal」にも掲載されています。

■おしゃぶりのメリットとデメリット

日本でも一般的におしゃぶりは舌と顎の発達を促し鼻呼吸を定着させるとされていますが、日本小児科歯学会では、長期的なおしゃぶりの使用によってかみ合わせが悪くなる、と注意を呼び掛けています。おしゃぶりを使っていた赤ちゃんにおいて、開咬(前歯が閉じない)が多くみられたとのことです。また、前歯が吐出すると今度は逆に口呼吸を誘発しやすくなってしまいます。

おくるみは発症確率を下げる?上げる?

夜泣きやグズグズに困っているママのお助けアイテム、おくるみ。
おくるみに関しては、乳幼児突然死症候群の発症確率を下げる、というデータと上げる、という両方のデータが出されていますが、現時点では乳幼児突然死症候群とおくるみにどのような因果関係があるのか、どちらが正解かは断定できません。

そこで、おくるみを使用したいママのために両方の研究結果について紹介します。その内容を参考に、おくるみを使用するかどうか、使用方法を検討しると良いでしょう。

■発症確率を「下げる」としている研究結果

2002年12月、小児科学会誌「Journal of Pediatrics」で発表された研究結果では、おくるみを使用して仰向けで寝かせた赤ちゃんにおいて乳幼児突然死症候群の発症確率が低かったとしています。

一説には赤ちゃんをおくるみでくるむことによって動きが制限され、寝返りをしてうつぶせになることが少ないからではないかと言われています。
おくるみには赤ちゃんのモロー反射を抑える効果や赤ちゃんが安心する姿勢を保つ効果があり、結果赤ちゃんの安眠を促すという大きなメリットもありますが、おくるみでくるまれたままうつぶせになってしまう可能性もゼロではなく、そうなってしまったら今度は仰向けに戻ることが困難になるため、逆にSIDSや窒息事故のリスクが高まってしまうとも言えます。

■発症確率を「上げる」としている研究結果

同じ小児科学会誌「Journal of Pediatrics」において、2016年5月には「おくるみは乳幼児突然死症候群の発症確率を上げる」との研究結果が報告されました。

この調査では、おくるみを使用した赤ちゃんは、使用しなかった赤ちゃんに比べて発症率が50%~60%高かったとのことです。さらにうつぶせ寝でおくるみを使用した赤ちゃんのSIDS発症リスクはさらに高まり、発症率が13倍にまで上がったというデータも。

赤ちゃんの安心・安眠を得られるメリットの大きいおくるみですが、くるまれたままうつぶせ寝になってしまう可能性があることと、おくるみでくるむことによって熱がこもり、体温が上がりすぎてしまうこと…など、おくるみによる「リスク」も同時に指摘されています。

とはいえ、SIDSと各原因の因果関係はまだ解明されていません。さらにおくるみの使用に関するデータは条件等はまだばらばらで、両親の喫煙やうつぶせ寝のデータようにリスク要因としてのまとまり切れていない面もあるため、おくるみが赤ちゃんにとって「危険なもの」と断定してしまうのは、甚だ極端な話になってしまうのです。

■おくるみを使う際の注意点2つ

うつぶせ寝はできれば避けたいリスク要因に含まれますが、おくるみはそこまでとは言い難い現状では、おくるみの使用はNGなのではなく「その間はよく注意してあげること」がSIDSのリスクを下げるために重要となります。おくるみ使用の注意点は以下。

1.体温が上がりすぎないように、室温が高い時には使用を避け、きつくくるみすぎないようにしましょう。
2.赤ちゃんの様子を常にチェックしましょう。
赤ちゃんがうつぶせになっていないか、呼吸をしているか、おくるみの中に熱がこもっていないか等は頻繁にチェックしましょう。

おくるみでくるんだまま、長時間赤ちゃんから目を離すことのないようにしてください。

乳幼児突然死症候群発症の月齢や特徴…4つの統計データ

眠気に負けうつぶせ寝をする赤ちゃん

乳幼児突然死症候群に関しては、様々な統計データがとられています。
発症確率や起こりやすい時期について知っておきましょう。

1.発症することが多い月齢

乳幼児突然死症候群の発症頻度が最も高い月齢は、生後2ヶ月から6ヶ月と言われています。兵庫県の加古川医師会の調査によれば、6ヶ月までに8割が発生、1歳以降の発症率は10%未満とのことです。

ただし、1歳を過ぎたら安心というわけではなく、3歳までは注意するようにしましょう。

2.発症することが多い時期・時間帯

厚生労働省の調査によれば、乳幼児突然死症候群は冬~春(12月~5月)に発症することが多いとされ、時間帯では早朝4時から午前中。

ですが、冬季に発症することが多いのは、衣服を着せすぎてうつ熱になることが多いため…との指摘も少なくありません。

3.発症した赤ちゃんに多く見られた特徴

厚生労働省が平成9年に行った調査では、乳幼児突然死症候群を発症した赤ちゃんは次の条件に当てはまることが多かったとのことです。

  • 男の子
  • 複産(双子・三つ子)
  • 出生体重2,500g未満
  • 妊娠期間36週未満
  • 母の年齢25歳未満

ただし、当てはまったからといって発症しやすいというわけでもないので、心配しすぎないことです。

4.発症確率

厚生労働省によれば、乳幼児突然死症候群を発症した赤ちゃんの数は、国による啓発活動を始めてから大幅に減少したとのことです。

平成8年には、乳幼児突然死症候群で亡くなった赤ちゃんの数は526人でしたが、平成26年には146人に減少しています。
平成26年の出生数は100万3,532人なので、発症確率は0.014%。6,874人に1人という計算になります。それでも、0歳児の死亡原因の第3位となっています。

ママは赤ちゃんをなるべく一人にしない努力を!

乳幼児突然死症候群の発症確率を下げるには、危険因子を取り除くことはもちろん、赤ちゃんからなるべく目を離さないようにすることがとっても重要です。

赤ちゃんのほんの少しの異変に気付いたことで、命を救えるケースもあります。これは、「ニアミス乳幼児突然死症候群」と呼ばれています。

あるママのケースでは、赤ちゃんがいつもと入眠の仕方が違うことに違和感をおぼえ病院に連れて行ったところ、乳幼児突然死症候群の可能性があり、状態は厳しいと言われながらも早期の処置によって助かったというものがありました。
その後は、何の問題もなく元気に成長しているそうです。

赤ちゃんの命を救うために、ママは普段から赤ちゃんの様子をよく観察するようにしましょう。