厳しい親のしつけ

厳しい親のしつけが子どもに与える影響

親が厳しく子どもをしつける理由は何なのでしょうか。今回は、親の厳しいしつけが子どもにもたらす影響を考えます。どうして厳しくしつけをするのか、厳しいしつけを受けた子どもはどんなふうに育つのか、正しい厳しさとは何なのかをご紹介します。

厳しい親のしつけが子どもに与える影響

厳しいしつけをする親に育てられた子どもはどう育つ?

子どもをどのようにしつけるべきかは、どの時代においてもパパやママを悩ませる問題です。昔は頭ごなしにしつけるのが当たり前の風景でしたが、最近は「褒めて伸ばす」という考えをテレビや本でよく目にします。

同じ日本においても時代によってしつけの方針が異なるため、何が正解なのか悩んでしまいます。今の時代、厳しい考えに基づいた親にしつけられた子どもはどのように育つのでしょうか。厳しい子供のしつけについて考えていきましょう。

厳しい親に育てられると子どもはどうなる?

子供に向かって怒っている母親

人に迷惑がかからないように甘やかさず厳しく育てたいと思い、子どもに厳しく接したいという親の考え方は間違っていません。しかし、間違った厳しさで接してしまうと、子どもの心の成長に良くない影響を与えてしまうかも知れません。

子どもの自信が育たない

厳しいしつけをする親は、何かを伝える時に「~しなさい!」「どうして出来ないの?」「~しないとダメ!」という言い方をする傾向が見られます。いつもそのような言い方をしてしまうと、親の言うとおりにやらなかった時、自分が何かをしてできなかった時に「親から叱られる」という恐怖が芽生え、常にびくびくするようになります。

親の顔色を伺いながら、親の前では良い子に振る舞うという子に育ちやすくなってしまうのです。こうなってしまうと、子どもは自分の挑戦による小さな成功体験の積み重ねができません。いつまでたっても自分に自信が持てず、ただ良い子を演じるだけの子どもになってしまいます。

親の愛情を感じない

子どもがいつも親の顔色をうかがうのは、親を信頼していないと言う証です。親に愛されていない、大切にされていないというように愛情を実感できずに成長すると、人を愛することが難しくなります。

人に心を開けずに本音で人とコミュニケーションをとることが難しい人は、恋愛や友人関係、職場での人間関係などでも苦労をしがちです。うつやパニックなどの病気になったり、引きこもりになってしまう可能性も否定できません。

自分で考えることができない

子供の成長にとって一番の学ぶ場は、親との時間です。人として大事な事を親から学びますが、自分でしなさい、1人で遊びなさいという考え方の厳しい親の元で育つと、分からないことは分からないままで考える習慣が身に付きません。

1人で遊んだり、ミスをした時にただ否定をされるだけの環境だと、今日はダメだったから次はこうしようと思わなくなるので、大きくなっても自分で考えるということが出来ないまま育ちます。

公の場でのマナーや協調性、正しい言葉遣いが身につく

親が子どもに厳しくしつけをすることで、スーパーやファミレスで騒いだり走ったりしない、汚い言葉を使わないなど、公共のマナーや正しい言葉が身に付きます。

それはそれでとてもいいことですが、大切なのはなぜそうしなければならないのかを、子どもがちゃんと理解しているかどうかです。親に怒られるのがいやだから、ただ言いなりになっていい子を演じているだけなら何の意味もありません。

どうして親は子どもに厳しくしてしまうのか

親が子どもを厳しくしつけるのは、ちゃんとした人に成長してほしいと言う願いがあるからです。でも、厳しすぎるのはよくありません。親は、どうして厳しくしつけようと思うのでしょうか。

ちゃんとした人に成長してほしいと言う気持ちが強すぎるから

ちゃんとした人に成長してほしいと言う気持ちが強すぎると、「ちゃんとした人」の定義が、親がなってほしいと思う「理想の人」に置き換えられてしまうことがあります。

いつのまにか、「親が理想とするちゃんとした人」に育てようと目的が変換されてしまうと、子どもをしつける意味を客観的に考えられなくなります。こうなると、親が考える厳しさのハードルがどんどん上がっていくため、厳しさがエスカレートしていきます。

甘やかすのは良くないと思っているから

子どもは優しく言っても言うことを聞かないと考えている親は、子どもに厳しく接します。厳しくしつけた方が将来子どものためになると思っているのです。もしかしたら、しつけに厳しい祖父母の手前、ちゃんとしつけをしている姿勢を見せたいのかもしれません。

子どもが言うことを聞かないから

言うことを聞かないで泣いてしまった男の子

成長過程にある子どもは、親の言うことを素直に聞き入れません。子どもにとって、社会のルールを理解することはまだまだ難しいので、教えたからと言ってすぐにできるわけではないのです。

「これをやってね」「これはしてはいけません」と言っても、すぐにできない場合、親はやってくれない子供に怒りを覚え怒ります。そして、その怒りは、言うことを聞かない子どもに向けられます。

できない子供に何度も根気よく教えることより怒るのが簡単だから、「どうしてやらないの?」「ダメだって言ったでしょ!」と、ついつい厳しくしてしまうのです。

親がいつもイライラしているから

家事や子育てなどやらなければならないことがたくさんあるママは、いつも忙しく動き回らなければなりません。仕事が忙しいパパだって、疲れて夜遅く帰ってくることが多いです。そう、親はいつも忙しさでイライラしています。

そんな時、子どもが言うことを聞かないと、心に余裕がない親は、「言うことを聞きなさい!」とついつい厳しく言ってしまうのです。

子育てに関心がないから

あまり考えたくありませんが、中には子育てに興味を持てない親もいます。そんな親にとって自分の思い通りに動かない子供は、ただただ面倒な存在です。

子育てに関心がない親は、親が子供を育てなければならないことは理性では分かっていても、感情がそれを許さないので、厳しい口調で厳しい事を言い、あとは知らないふりをしてしまうのです。

間違った厳しさとは

ここでは、間違った厳しさを考えてみます。厳しくしつけようとする余りとってしまう、間違った親の行動とは、どんな事なのでしょうか。

怒鳴る

怒って怒鳴り散らしているママ

圧倒的に多いのは怒鳴ることです。怒鳴ることで親の力を子どもに見せつけ、服従させる方法が簡単だからです。子どもを親の言うとおりにさせるには、親が絶対的であることを子どもに理解させることが一番簡単です。

子どもは、自分一人で生きていく力がない事を本能で理解しているので、親が感情的に怒る姿を見ると、言うことを聞かざるを得なくなります。

親に怒鳴られた子どもは、しつけの意味を理解して親に言われたことをちゃんとやるのではなく、親に怒られないために、親に捨てられないために、自分を守るために言うことを聞いているのだと言うことを、親はしっかり胸に刻んでおく必要があります。

罰を与える

言われたことができなかった時、「今日のおやつはなし!」「おもちゃを買うのはやめます」「日曜日は遊園地に行きません」など、罰を与えることがあるかもしれません。

しかし、これは根本的な解決にはなりません。子どもは、罰を受けたという経験をすることで、もう罰は受けたくないと思います。そして、「罰を受けたくないから親の言うことを聞こう」という論理に発展します。

怒鳴って言うことを聞かせようという場合と同様、子ども自身が自分の身を守るために親の言うことを聞くという思考になるのは、もはや、子どもがしつけを学ぶ気持ちがないということですから本末転倒です。

子どもの行動が間違っていたら正しい厳しさでしつけよう

子どもが間違ったことをしたら、ちゃんと叱ってください。正しい厳しさを持って教えると、子どもはちゃんと答えてくれます。子どもが間違ったことをした時の理想的な対応ステップを見てみましょう。

子どもと向き合う

子どもが何か間違ったことをしたら、まずはちゃんと子どもと向き合います。このとき、感情的になりそうなら一呼吸ついて落ち着いてください。まっすぐ子どもの顔を見て、できるだけ笑顔を心がけることが大切です。決して責めないように注意してください。

理由を聞いてみる

どうしてそんなことをしてしまったのか、理由を聞いてみましょう。もしかしたら上手く答えられないかも知れません。その時は、「それは○○ちゃんのじゃなくて、お友達のおもちゃだよね」と言い、自分がしたことを理解させてください。

どうしてダメだったのか説明する

母親の説明を笑顔で聞いている女の子

たとえ子どもでも、してはいけない事をしたら、してはいけない事をしたということを説明してください。「それは○○ちゃんのじゃなくて、お友達のおもちゃだよ。遊びたい時は、勝手に遊ぶんじゃなくて、お友達に貸してってお願いしよう」と、ダメだった理由とこうすればよかった改善策を提案します。

謝らせる

してはいけない事をしたときは、迷惑をかけた人に謝ることを教えましょう。「ごめんなさい」が言えるようになるのは素晴らしい事です。ちゃんと「ごめんなさい」が言えたら、ほめることも忘れないでください。

もうしないと約束させる

自分のしたことが良くないことだったと子どもが理解したら、「そうだね、もうしないようにしようね」と、もうやらないことを約束させてください。ここで、またやってしまった時の対策を考えてもいいですが、もうやらないはずと子どもを信じてあげてもいいでしょう。

見守る

子どもが自分のしてしまったことが間違いだったと認識し、笑顔で対応を終われたなら後は見守るだけです。間違ってやってしまったことなど忘れて、楽しい時間を過ごしましょう。

厳しい親であっても愛情と節度があればいい

子どもにとって厳しい親であることは、必ずしも悪い事ではありません。愛情を持って正しい厳しさで接すれば、それが子どもに伝わり、必ず良い方向へ成長してくれるはずです。大切なのは、愛があることと厳しさが過剰にならないことです。

子育ては何歳になっても大変なことばかりで、ついイライラして簡単な方法で押さえつけてしまいそうになりますが、根気よく親子一緒に成長していきましょう。

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