保活のやり方

保活とは?成功に導くポイントアップのやり方

保活は働くママにとって職場復帰できるかどうかがかかっている大切なイベントです。予定通り職場復帰するためには妊娠中から保活を行うことが大切です。保活を行う時期や方法、ポイント制、最近話題の保活コンシェルジュなど、気になる保活について詳しく解説します。

保活とは?成功に導くポイントアップのやり方

保活とは?

「保活」という言葉を聞いたことはありますか?あまり聞きなれない言葉ですが、いざ子どもが生まれて職場復帰を考えたときに大きく降りかかってくるのがこの「保活」の二文字です。

近年働くママが増えたことにより保育園の入所希望者が保育園の定員を大きく上回り、待機児童が増加しました。入所選考に有利になるために就労条件を変更したり、職場への復帰時期を早めたりとママが涙ぐましい努力を行うことを「保活」と呼んでいます。

今話題の「保活コンシェルジュ」って何?

最近では、「保活」を成功させるためにサポートしてくれる専門家、「保活コンシェルジュ」の存在が話題です。

子どもの預け先が見つからないとママは復職できないため、会社にとってもママにとっても深刻な問題となります。中には、保育園に入れなかったことで退職の道を選択せざるを得なかったママもいます。

ベビーベッドの前で悩む母親

そこで、企業とママが一丸となって保育園探しを行うために取り入れているサービスが「保活コンシェルジュ」です。

「保活コンシェルジュ」は、住民票のある自治体から近隣の自治体まで幅広く情報を収集し、新しい保育園の設立など情報をいち早くキャッチします。保育園選びのアドバイスから書類記入の指導まで、きめ細やかなサポートを行ってくれます。

保活はいつから始める?待機児童にならないためにやるべきステップ1〜7

予定していた時期に職場復帰するためにも、働くママにとって早めに保活を行うことは必須です。保活に対して漠然としたイメージしか持っていないママでもわかりやすいように、4月の0歳児クラスの入園を目指すための準備時期と内容をステップに分けて、どんな時期にどんなことをすればいいかわかりやすくまとめました。

ステップ1:産休に入ったら保育園を下調べしよう

産休の女性

特に都市部では子どもの数に比べて保育園が不足しがちなので、待機児童は深刻な問題になっています。待機児童の多い自治体は保育園の新設に向けて動いていますが、それ以上に働くママが増えて保育園の入園を希望する家庭が増えています。

増え続ける需要に対して供給が全然追いついていないのが現実です。そのため、産休中の早めのリサーチは必須だと言えるでしょう。

居住地や職場の自治体のウェブサイトをチェックし、どんな保育園があるか把握しつつ、募集状況などをまとめておきましょう。

子どもが産まれてからではなかなか時間を捻出するのも難しく、保活のことまで考えられない状況になってしまうパパやママも多いです。保育園の情報収集は、産休中の早い時期から始めることをおすすめします。

認可、認可外とは?/まずは認可保育園から探し始めるのが基本

保育園の種類には国から許可を受けた「認可保育園」と、そうでは無い「認可外保育園」の2種類に分けられます。認可保育園は、施設設備や保育士の資格や人数など国が定める厳しい基準をクリアする必要があり、無認可保育園に比べて保育料が安い点が特徴です。

保育園によっても様々ですが、認可外保育園は保育の需要の増加を受けて設立されたものが多く、ビルの1室に設置されているような施設も少なくありません。

保活を行うときは、まず認可保育園から探し始め、難しい場合に認可外保育園に入園させるという流れが一般的です。

入園時期はいつがいい!?入園しやすいのは0歳児クラス・4月入園

比較的、保育園に入りやすいとされているのが0歳児クラスの4月入園です。ママたちの間では「0歳児でないと今後の入園は絶望的」という考え方が常識になりつつあり、もともと1年間の育児休暇を予定していたとしても、職場復帰を早めて保育園に入園させるケースが目立っています。

0歳児を抱く母親

しかしながら、特に都市部では同じタイミングで職場復帰を考えているママも多く、0歳児クラスでさえ入所が難しい傾向にあります

0歳児保育の影響とは?赤ちゃんの負担を最小にする方法
0歳児保育の影響とは?赤ちゃんの負担を最小にする方法

そのため、ニュースなどで耳にしたことのある「待機児童」という言葉が突然我が身に降りかかってしまい、「こんなにも保育園に入れるのは大変なことなのか!」と焦りながら保活を行うママがたくさんいます。

待機児童にならないためにも、産休中から保育園の情報を集めることで、保活の対策を練っておきましょう。

早生まれの保活は厳しいって本当!?

基本的に4月に一斉に入園して、その時点で定員が埋まるケースがほとんどです。例えば、3月生まれの子が「0歳児クラス・4月入園」を目指そうとしても、受け入れ月齢に達していないため入園は難しいからです。また、入園申し込みが行われる時期にはまだおなかの中にいるため、早生まれの子は4月以降に入園したくてもできないという現状があります。

ステップ2:市役所や区役所でも情報収集を

保育園のことを説明している市役所職員

自治体でも保育園の情報を提供してくれます。例えば、お住いの地域から通いやすい立地にある保育園をピックアップしてくれたり、待機児童の人数を教えてくれたりします。足繁く通った方が保育の重要性をアピールできて、通りやすかったという体験談をもつ方もいます。

12月に提出する申込書は自治体の窓口で貰えます。申請書類は記入する欄も多く、会社から取り寄せる証明書などもあるため、把握するためにも産前にもらっておくことをおすすめします。

ステップ3:出産後10月〜11月は保育園見学&説明会の参加

本格的な保育園の応募が始まるのは10月頃からです。気になる保育園を3〜5つ絞っておき、直接電話をしてアポイントを取ったあとに見学を行いましょう。

小さな我が子を預けるかもしれない保育園です。見学を行うことによって、保育園の雰囲気や指針を直接肌で感じることは必須です。説明会などを開催している場合は、情報収集をこまめに行なって積極的に参加しましょう。

認可保育園に入れなかったときのために、この時期から認可外保育園の情報を収集しておくことが大切です。

見学予約を行うときは事前に電話でアポイントを

見学は10〜11月頃に行うのがいいですが、保育園激戦区にお住いの場合は、見学予約の電話は9月頃には行うようにしましょう。時期が遅れてしまうと、電話をした時点ですでに見学を締め切っていた…ということがあるからです。

電話を行う時間帯は、子どもたちが登園して少し落ち着いている午前10時〜11時頃がおすすめです。保育園に直接電話をかけるのは少し緊張するかもしれませんが、保育士さんは慣れた様子で優しく対応してくれますよ。

保育園見学ではここを見て!/園の雰囲気、子どもの表情

万歳ポーズの幼児の笑顔

保育士さんや子どもの態度、表情を見れば、その園の雰囲気が伝わってきます。特に上のクラスの様子を見ると、よりわかりやすいでしょう。

厳しくしつけてくれる園、個性を伸ばしてのびのび遊ばせてくれる園など、園によって雰囲気がガラリと変わることもあるので、自分がどのように子育てをしたいかを考えて、それに合った保育園を見つけることがベストです。

保活では、保育園に受かることが最重要課題ですが、本当に子どもを預けても安心できるかどうかを見極めることも大切なポイントです

保育園に無事合格したとしても、子どもが保育園に入園してからが本番です。疑問を持ちながらも、職場復帰を優先して入園した保育園に対して結局不信感をぬぐいきれず、転園や自主退園を選択した…というママが増えているのも事実です。

ステップ4:見学した保育園の中から優先順位をつける

自治体によって異なりますが、保育園の申込書には、第1希望から第5希望までを記入します。このときに、どう優先順位をつけるかが非常に重要なことです。保活に勝ち抜くために受け入れ人数の多さで選ぶか、立地や雰囲気で選ぶか、選択基準を設けて絞るようにしましょう。

保育園選びはシミュレーションが大事!

忙しいママにとって、保育園の立地は意外に重要になります。家や職場に近い場所、職場に近い場合はパパもお迎えできるのか、といった生活習慣を考えて決めましょう。特に最初のうちは、子どもがよく病気をするので頻繁にお迎えが必要になることがあります。

保育園までの道のりは徒歩、自転車、車なのか、雨の日はどうするかといった細かなところまでシミュレーションすることが大事です。

子供を後ろに乗せた自転車の影

6年間通う保育園なので、「歩けるようになったら…」「イヤイヤ期が始まったら…」と、子どもが大きくなってからのシミュレーションが重要です。

ステップ5:出産後12月は保育園の申し込み

指定された申込書は必要書類を揃え、市区町村に提出します。申し込み順と登園できる可能性は関係ありませんが、不備があったときのために、締め切りギリギリよりも余裕を持って提出した方が安心です。

どんな書類が必要?

自治体や各家庭によって提出書類は異なりますが、準備する書類は基本的に以下の3種類です。会社から証明書を取り寄せたり、記入する内容が多かったりと時間がかかるため、早めに準備を行うようにしましょう。

  1. 自治体指定の申請書類
  2. 在職証明書(基本的に提出締め切りの3ヶ月前が有効期間になっているため、10月頃から準備を始めましょう。)
  3. 育児休業復帰申立書
  4. 入所申込書

ステップ6:産後2月に結果発表

自治体から「入園承諾通知」が届いたら、保育園に無事合格したということです。その後は入園に向けて説明会、面接、健康診断が待っていたり、お昼寝布団や通園カバンなどのグッズを揃えて全てに記名したりと、様々な準備が待っています。

ステップ7:不合格だった場合に行うべき3つのこと

保育園に入れなかった場合、自治体から「不承諾通知」が届きます。この時点で、待機児童になってしまったことが確定してしまいます。できるだけ早く職場復帰できるようにするには、どんな手を打つべきでしょうか。認可保育園を待機しつつ、やるべき3点を解説します。

2次受付に提出

1次受付で不合格となってしまった場合、2次受付を行なっている地域があります。保育園の空き状況をホームページにアップしている自治体などもありますが、一度窓口まで足を運んで情報収集を行いましょう

直接訪問して調べる女性

4月入園で入れなければ難しいのは事実ですが、4月以降でも引越し、出産、退職など親の都合による退園や転園はあるため、空きが出れば随時新しい子どもが入園できる仕組みになっています。

認可外保育施設やベビーシッターなど他の預け先を探す

4月から復職を行う場合は、認可保育園以外で子どもの預け先の検討、申し込みを行う必要があります。すでに予約や見学をしている施設があれば、再度電話で空き状況を問い合わせましょう。

入園競争の激しい都市部では、認可外保育園でさえも定員がいっぱいで入園が難しい場合があるため、考えていたエリアから広げて探してみるのもいいでしょう。

復職の延長

勤務先に「不承諾通知」が届いたことを報告し、復職を延期してもらう必要があります。最長で1歳6ヶ月までは育児休業の延長が認められていますので、職場に確認をしてください。

育児休業給付金延長の申請方法|もしも保育園に落ちたら…
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保活ポイントアップのコツ!これは検討して損はない!

保育園に入園できるかどうかは、パパやママが子どもを保育できない時間や頻度を点数化し、「どれだけ保育を必要としているか」という基準によって決まります。得点が高い人ほど入園しやすくなっており、自治体によって点数化を行う項目が異なっています。

基本は「両親ともにフルタイム勤務」で満点ですが、ほとんどのママは満点の状態で書類を提出します。そのため、保活では少しでも加点ポイントを上げられるかどうかにかかっているといっても過言ではありません。ここでは、入園につながるポイントアップのコツを見ていきましょう。

ポイントアップ1:フルタイムのまま働き続けて!

子供の傍で書類を書く女性

子どもの出産を機にフルタイムで働いていたママは、パートタイムに切り替えることを検討する方がいるかもしれません。

しかし、保育園に入所させる世帯はほとんどが両親共にフルタイム勤務です。パートタイムに切り替えたせいで得点が低くなり、不利になってしまうことがあります

昼休みも含めて、就労時間が1日8時間以上、1ヶ月160時間であることが基本の条件です。

ポイントアップ2:認可外保育園に入園させる

認可外保育園に預けている場合、保育の必要性があるとみなされるため、加点される自治体もあります。そのため、認可保育園に4月入所させるために、少し早めに認可外保育園に入園させるママもいます。

ポイントアップ3:祖父母との同居は避けて

65歳以上の祖父母と同居をしている場合、保育者がいるとみなされるため、ポイントが減点されて不利になってしまいます。この項目は、どの自治体でも設定されていると考えていいでしょう。

番外編:世帯の所得もポイントの対象に/高齢出産の壁

世帯所得もポイントの対象になり、ポイントの順位が変わらなければ、「前年度市民税所得割額の低い世帯(つまり収入の低い世帯)から選考する」と、選考基準に明記している自治体もあります。

割合的には、若年層よりも年齢が上がって、キャリアアップを図っている年齢が上の女性の方が不利になるという現実があります。

保活は早く行動することが鍵!妊娠中から動き始めよう

厚生労働省が2016年に公表した調査結果によると、待機児童は約2万4千人にものぼります(注1)。特に都市部では、保育園に入園するのは厳しい現状にあり、職場復帰が叶わず頭を抱えているママたちが存在するのが事実です。

待機児童問題の現状と対策|子供を保育園に入園させる方法
待機児童問題の現状と対策|子供を保育園に入園させる方法

認可保育園に入れず、泣く泣く高いお金を払ってベビーシッターなどにお願いするものの、何のために働いているのかわからなくなってしまうママもいます。女性たちは、自分のキャリアを築くために涙ぐましい努力をしているのです。

本来であれば、希望する人数分保育園の数が揃っているのが理想ですが、数年で状況が改善される見込みはありません。ママ自身のキャリアを諦めないためにも、まだ時間的にも体力的にも余裕のある産休中から情報を集め始めるといった、早めの行動が鍵となるでしょう。