離乳食の肉はいつから

離乳食の肉はいつから与える?注意点とおすすめメニュー

離乳食の肉はいつから、何から、どのように進めたらいいのか混乱しているママに、こちらでは段階別に食べてもいい肉の種類や部位をご紹介します。同じ種類の肉でも部位によっては食欲などにも影響が出ますので気をつけましょう。また、肉を使ったおすすめの離乳食メニューもご紹介します。

離乳食の肉はいつから与える?注意点とおすすめメニュー

離乳食に肉はいつから使える?知っておくべき肉のおかずの進め方

赤ちゃんの離乳食が進むと「そろそろ肉を与えようかな」と考えるようになります。でも、肉は調理しても形が残るため食べにくく消化も悪そうに思えます。一体赤ちゃんにはいつから、どんな種類の肉をどのように進めて行けばよいのでしょう。

今回は、離乳食で肉をいつから与えられるのかが詳しくわかるように、段階別の種類や部位、おすすめメニューや調理する際の注意点などの情報をお届けします。正しい知識を持ち、適切な時期に肉を与えて、赤ちゃんの健やかな成長を育んでいきましょう。

離乳食で肉はいつからOK?

離乳食で肉を与えられる時期は、赤ちゃんの月齢や離乳食の進み具合だけでなく、肉の種類や部位によっても異なります。肉の中でも消化しやすくアレルギーや食中毒を起こしにくい鶏肉の脂肪分の少ない部位なら離乳食中期からOKです。

鶏のささみ

離乳食で肉を与える順番

鶏肉→牛肉→豚肉

肉は調理によって潰すことができず形をなくしにくい食材なので、離乳食中期になって、舌と上あごを使って、食材をつぶして食べることに慣れてきた頃に与えるのが望ましいです。

ただ、食材のかたさ的には問題なくても、消化機能の発達具合も気にしないといけないので、離乳食中期になっても食べられる肉は限られています。さらに、脂肪分が少ない肉から徐々に慣れさせるため、食べさせる順番としては、鶏肉、牛肉、豚肉の順番にする必要があるのです。

時期別の離乳食に使える肉の部位

同じ種類の肉でも、部位によって性質がまったく異なるので、赤ちゃんに与えていい時期も変わります。そこで、離乳食の時期別に、赤ちゃんに食べさせてもOKな肉の種類と部位をまとめてみました。それぞれの調理法についても簡単に紹介していきましょう。

離乳食中期(生後7~8ヶ月)

生後7~8ヶ月の赤ちゃんが離乳食を食べる

離乳食中期は、食べられる食材も増え、食事に対する興味が出てくる頃です。舌を使ってもぐもぐする練習が必要なことから、食材は流動食からステップアップし、舌で押してつぶれるくらいの柔らかさを目安にしましょう。この時期に食べられる肉には、次のようなものがあります。

  • 鶏肉

赤ちゃんに最初に与える肉は、鶏ささみが望ましく、この時期に赤ちゃんが食べてもOKな肉はささみのみになります。ささみは、白いスジを取り除いて茹で、細かくほぐすのが基本的な調理の仕方です。もしくは、生のまま冷凍したささみを、解凍しないまますりおろして調理するのもおすすめです。

離乳食後期(生後9~11ヶ月)

ご飯を食べる赤ちゃん

離乳食後期になると、歯茎を使ってカミカミするようになるので、食材は指で押してつぶれるくらいの柔らかさを目安にしましょう。1日3回食になるので、栄養バランスがとれるように、いろいろな肉を食べさせたい時期ですね。この時期は、次のような肉なら食べることが可能です。

  • 鶏肉

鶏肉では、むね肉、レバー、ひき肉がOKになります。むね肉は、ささみ同様脂身が少ないので、赤ちゃんにおすすめの肉ですが、皮をしっかり取り除いて調理するようにします。鶏レバーは臭みがなくてレバーの中でも比較的食べやすいですが、鮮度が落ちやすいため注意しましょう。ベビーフードのレバーペーストなら簡単に取り入れられます。

ひき肉は、脂身の少ない、むね肉やささみのひき肉を選ぶようにしましょう。お湯で茹でてザルにあげ、脂身を除去してから調理に使うと安心です。ただ、茹でるとパサパサして赤ちゃんにとっては嫌な食感になってしまうので、とろみをつけたりすりつぶしたりするなどして、食べやすく調理してあげるといいです。

  • 牛肉

この時期に食べてもいい牛肉は、脂肪分の少ないモモ肉やヒレ肉で、赤身ならひき肉もOKです。赤ちゃんが食べやすいように、細かく切って食べさせるようにします。口の中に残って、ペーっと吐き出してしまうようなら、とろみをつけてあげるなど食べやすくする工夫をしましょう。

離乳食完了期(生後12~18ヶ月)

バナナを食べる幼児

離乳食完了期になると、食べ物を口の中で左右に動かしながら歯ぐきで噛んだり潰したりして食べられるようになります。食材は、今までよりも少し大きめでもOKで、丸飲みを防ぐために、柔らかすぎず固すぎず、歯ぐきで噛んでつぶれるくらいのかたさを目安にしましょう。この時期は、次のような肉が食べられるようになります。

  • 鶏肉

離乳食完了期に入ったら、ささみ、むね肉の他に、脂肪分が多めのモモ肉も食べられるようになります。むね肉と違って固いですが、よく煮込むとやわらかくなって食べやすくなります。細かく切って皮を取り除いてから調理しましょう。大人用としてモモ肉の煮物を作る際に、赤ちゃんの分だけ味付けする前に取り分けておくと手間が省けます。

  • 牛肉

肉に慣れてきた時期ですが、離乳食で使用するのは、脂肪分の少ないモモ肉やヒレ肉を始め、肩やロースなど赤身のものにとどめておきましょう。薄切りの肉を千切りにして、炒めて食べることもできるようになります。一見大人と同じような食事になりますが、薄味を心がけるようにしてください。

  • 豚肉

豚肉は脂肪分が多いことから、鶏肉や牛肉に慣れてから食べさせるようにします。離乳食では、柔らかく脂肪の少ないヒレやモモなど赤身の部位を選ぶようにし、脂肪分の多いひき肉は赤身のものを選ぶようにしましょう。薄切りのものを、一度茹でて脂肪分をカットしてから調理するといいです。

  • ハム・ウインナー・ベーコン

ハムやウインナー、ベーコンは子供も好きで食べやすいですが、塩分が多いため食べ過ぎには注意です。添加物や香辛料を使用しているものは避けてください。必ず加熱してから食べさせるようにして、ベーコンは脂身が多いので、下茹でしてから炒めるなどしましょう。

ソーセージをかじる赤ちゃん

ウインナーは皮なしものを選ぶか、皮があるものは、取って食べやすくするといいでしょう。あらびきのものも、噛めないことがあるので避けた方がいいです。

ただし、コンビーフは塩漬けにしているため、赤ちゃんにとっては塩分が高すぎるので、離乳食ではNGです。

肉によって食物アレルギーの症状は起こるの?

肉の食物アレルギーは全体的に少ないのですが、鶏肉・豚肉・牛肉は、加工食品のアレルギー表示対象として推奨されている20品目に含まれていることから、必ずしも安全というわけではありません。基本的に、初めて食べさせる時は、一種類ずつ少量を与えるようにすると安心です。

加工品の場合はさまざまなものが含まれることから、肉以外の成分がアレルゲンとなって症状が起きる可能性があるため、注意が必要です。

食物アレルギーが出やすい特定原材料は、アレルギー表示が義務付けられていることから、見逃さないようにしたいものです。

離乳食の肉料理を作る際の3つの注意点

肉はタンパク質が豊富な栄養源として、赤ちゃんの成長には欠かせません。食への興味や好き嫌いが決まる離乳食期だからこそ、肉を上手く取り入れていきたいです。そのためには、肉料理を作る際に次のようなことに注意しましょう。

1.種類ずつ試しながら

初めて肉を与える際は、1種類ずつ、赤ちゃんに変化がないか確かめながら慎重に与えましょう。初めての食材は午前中に食べさせるようにすると、アレルギー等の異変があった時でも診療時間内に診てもらえて、すぐに対処できるので安心です。

2.ひき肉は自分で作ったものから

鶏のむね肉

最初は鶏のささみやむね肉を、包丁で叩いて作った自己流ひき肉を使うようにして、徐々にスーパーで売られているひき肉に変えていくようにすると安心です。スーパー定番の合い挽き肉は脂肪が多いため、離乳食完了期までは使用を避けた方がいいです。

3.脂分はできるだけ落として使う

赤ちゃんの離乳食で肉を調理する際には、肉の白い脂肪の部分や皮の部分はカットしたり、下茹でしたりするなど、脂肪をできるだけ落とすことを心がけましょう。また、調理中に脂が出てくる場合は、キッチンペーパーなどで拭き取るようにします。

離乳食におすすめの肉を使ったメニュー

ここでは、肉を使った簡単で作りやすい離乳食メニューをご紹介していきます。離乳食作りが初めてでも試しやすいメニューから挑戦していくことでメニューの幅が広がります。ぜひ作ってみてください。

離乳食中期(モグモグ期)

離乳食中期の肉メニューとしては、ささみペースト、ささみ団子がおすすめです。ささみペーストは、茹でたものを細かく切ってすりつぶし、だし汁を加えてなめらかにします。生のまま冷凍したささみをすりおろしたり、ミキサーでなめらかにしたりする方法もあります。小分けにして冷凍も可能なので、一度に沢山作っておくと便利です。

ささみ団子は、見た目も楽しく赤ちゃんの食も進みます。まず、ささみを包丁で叩いてミンチ状にしてから、赤ちゃんの一口サイズに丸めます。最初からささみのひき肉を使ってもOKです。団子を沸騰したお湯に入れ、浮いてきたら出来上がりです。あんかけにすると食べやすくなります。

離乳食後期(カミカミ期)

肉団子の入った離乳食

離乳食後期になると、いろいろな食感が楽しめる、肉じゃが、ハンバーグがおすすめです。肉じゃがには、牛肉の中でも最も脂身の少ないモモ肉を使います。脂身やスジを取り除いてから下茹でして、灰汁を抜きましょう。味付けは大人よりも薄味で、素材のおいしさを楽しめるようにしてください。

ハンバーグには、なるべく鶏ひき肉を使います。つなぎにはパン粉や卵だけでなく豆腐を加えると、ふんわりとして赤ちゃんにも食べやすくなります。赤ちゃんが手づかみで食べられるようなサイズにするといいです。ひじきを加えると食感にも変化ができ、栄養満点です。

離乳食完了期(パクパク期)

3回食になって家族で食卓を囲むことが多くなり、大人と同じような丼ものや炒め物に興味を惹かれる赤ちゃんも多いです。そこで、離乳食完了期には鶏そぼろご飯、豚のしょうが焼きに挑戦してみましょう。鶏ひき肉は下茹でしてから、醤油と砂糖で味付けします。鶏そぼろのパラパラした食感に慣れないうちは、そぼろをあんかけにするといいです。

豚肉の生姜焼きは、最初はモモ肉やヒレ肉を使いましょう。脂身をカットし細かく刻んで下茹でしてから、生姜、しょうゆ、砂糖で薄めに味付けします。炒めるのではなく炒め煮にするとやわらかく仕上がります。玉ねぎやピーマンといっしょに調理すると、見た目や食感も楽しめ、栄養バランス的にもよくなります。