赤ちゃんのストロー練習の方法

赤ちゃんのストロー練習の時期は?上手に飲めるお手伝い

赤ちゃんにストローを教えたいけど教え方が分からない、練習をしているけど飲まない・飲めない・こぼすといったトラブルに困ったママやパパのために、赤ちゃんがストローを覚える意味・上手な教え方や練習法、正しい洗い方など解説します。

赤ちゃんのストロー練習の時期は?上手に飲めるお手伝い

ママも楽になる!ストローの始め方や練習方法

そろそろ麦茶や果汁ジュースを始めたいけど、コップはまだ早いし哺乳瓶じゃちょっと…と思ったら、ストローを教えてあげてはいかがでしょうか?
ストローを覚えるとママが補助しなくても自分一人で飲めるようになる赤ちゃんも多くママも助かります。早速、赤ちゃんとストローについて一緒にみていきましょう。

ストローで飲む赤ちゃん

卒哺乳瓶は赤ちゃんの大切な成長過程

哺乳瓶に慣れている赤ちゃんは哺乳瓶に麦茶など入れて飲ませればこぼさないし、月齢の進んだ赤ちゃんだと自分で飲んでくれることもあり、ママはつい他の飲み物でも哺乳瓶を使ってしまうことがありますよね。
小児歯科学のことばで「哺乳瓶齲蝕(ほにゅうびんうしょく)」というものがあります。これは赤ちゃんの月齢が進んでも、ジュースやイオン飲料といった糖質を含む飲み物を哺乳瓶で与えていた結果、虫歯になってしまう症状をいいます。

もちろん普通の授乳に関しては、母乳ならWHO(世界保健機構)が2歳までは必要と提唱していますし、小児歯科学でも1歳半くらいまでに卒哺乳瓶を理想としているので、授乳のあとに白湯を飲ませたり、上下の前歯を軽くふくといったケアをしていれば、あまり気にし過ぎなくて大丈夫といわれています。
ただその他の飲み物に関しては哺乳瓶を卒業してストローやコップに移行していくことが、スムーズな卒哺乳瓶につながり、赤ちゃんにとって大切な成長過程の1つとなるのです。

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ストローの練習に最適の時期は生後6ヶ月以降

赤ちゃんがストローの練習を始めるのに適した時期というものがあります。それは赤ちゃんの口の筋肉や動きが発達してくる生後6ヶ月以降といわれています。
その中でも離乳食の中期に入り「モグモグ噛む」「ごっくんと飲み込む」といった上あごと下あごの動作がうまくできるようになる生後8ヶ月頃からスタートすると成功しやすいとされています。

ただし個人差も大きいので、月齢よりは、離乳食をしっかり噛んでモグモグしているかといった様子で判断すると無理なくはじめられます。

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ストローの教え方・練習仕方

ストローで飲む赤ちゃん

ストローの教え方といっても「チューって吸うのよ」と言葉で教えるわけにもいかないので、多くのママたちが一度は困ったというお悩みポイントの1つです。ここでは専門家や先輩ママたちの声を参考におすすめのストローの教え方や練習の仕方をご紹介します。

スパウトやストローマグを使う

「赤ちゃん用マグ」「ベビー用マグ」と呼ばれる赤ちゃん専用のマグが数多く販売されています。赤ちゃん用マグとは赤ちゃんが持ちやすいように両側に取っ手がついている哺乳瓶とコップの間のようなものです。
マグはフタがきっちりしまった状態で、赤ちゃんはそこから出たストローなどから飲む形となるので倒れたりしてもこぼれにくいのが特徴です。
ちょっとしたお出かけの水分補給にも最適です。

飲み口は成長に合わせて変えられるので赤ちゃんの状態に応じて長く使えます。ただし同じメーカーの同じシリーズのマグでないと取り替えられないので、はじめて買う時は、成長した時にどういった飲み口のシリーズがあるのか、先にチェックしてから選ぶのが賢明です。ではその飲み口の形状について一緒にみていきましょう。

ストローデビューはスパウトがおすすめ

スパウトで飲む赤ちゃん

赤ちゃんのストローデビューは「スパウト」がおすすめです。スパウトとはベビー用マグを初めて使う赤ちゃんに向いている飲み口の名前で、ちょうど哺乳瓶とストローの中間にあるものです。
柔らかいシリコンでできていて小さな富士山のような形状をしています。スパウトのマグを赤ちゃんが傾けて噛んだり吸ったりすると飲み物が出てくる仕組みです。

赤ちゃんは哺乳瓶以外で飲み物が出てくるということを知らないので、それが何だかわからないまま拒否反応を示し全く飲まなかったという失敗例を聞きます。「マグは飲み物が出てくる嬉しいものだ」と早い段階で赤ちゃんが認識できるかでマグを喜ぶか嫌がるかが決まるといっても過言ではありません。

ですから初チャレンジの日は、飲み物が出てきやすいように中身を少し多めに入れておき、大人がうまく傾けたりスパウトの飲み口を指で押してみたりしながら、飲み物がスムーズに出てくるように準備しておくことが成功の秘訣です。
ママも事前に練習しておくと安心でしょう。

赤ちゃんによっては、シリコンの感触や口に入る異物の感覚をどうしても嫌がって飲まない赤ちゃんもいます。そんなときは一度練習をやめて、もう少し成長した後に再チャレンジするなどマグ自体を嫌いにならないよう赤ちゃんの様子を観察しましょうね。

飲み口を清潔に保てるストローマグ

赤ちゃんマグのシリーズで飲み口がストロータイプになっているものです。ストローの飲み口を覆うように上からカチッとフタが閉まる形状なので飲み口を清潔に保つことができます。
ストローも柔らかいシリコン製だから、顔にあたってもケガをしにくいのが嬉しいところです。

また最近は大人の携帯用マグのように魔法瓶式のストローマグも登場しています。より漏れにくく、夏場でも飲み物がぬるま湯化しにくいと人気です。

ストローマグからはじめて、いきなりストローで飲めるようになる赤ちゃんは少数派かもしれません。理由は、ストローは「吸う」と飲物が出てくるものだということが分かっていないからと推測されています。

ストローマグで飲む赤ちゃん

一度試してダメなようなら無理強いせずに、吸い口をスパウトにしてみたり、この後ご紹介する赤ちゃん用の紙パック飲料で練習してから再チャレンジしましょう。

紙パック式の赤ちゃん飲料を活用する

ベビー用の紙パック飲料は「吸う」行為を知らない赤ちゃんに「吸うと飲み物が出る」ということを実感させてあげられる最適の練習アイテムです。
理由は、紙パックを大人が少し押してあげると、実際には赤ちゃんが吸えていなくてもストローからぴゅーと飲み物が出くるからです。

ストローの意味を赤ちゃんに分からせることで、すんなり吸えるようになったというママの声が多い裏技です。
スパウトやマグでうまくいかない時は、一度紙パック飲料で練習してみるとうまくいくかもしれません。紙パックのストローは固くて赤ちゃんの目を傷付ける可能性もあることに注意しましょう。

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大人がストローをつかう・おもちゃで「吸う」を覚える

大人や上の子がストローをつかって飲む姿を見せるのも良い方法です。「あー、おいしい!」と言いながら少し大げさに「吸う」姿を見せると、まねっこ時期の赤ちゃんには効果的です。
また、息を吐くだけではなく吸ったときも音が出るラッパのおもちゃが販売されています。

どちらの場合も、吸ったときに「チュー上手!」など「吸う」行為と「吸う」に関する言葉を関連付けていくことがポイントで、それが積み重なるとストローのときに「チューしてごらん!」と声掛けするだけで赤ちゃんが「吸う」行為をすることにつながります。
その際は「吸う」に対する表現を「チュー」「スースー」など家族で1つに統一しておくことが大切です。

ストローがうまく飲めない!どこがいけないの?

ストローだと赤ちゃんが飲まない、吐き出しちゃうというお悩みはとても多いです。ストローになるとどうしてもうまく飲めない、飲まないというのは赤ちゃんの個性が関係します。

ストローが使えるようになるまでの時期には個人差がある

ストローが飲める、飲めないはとても個人差が大きいといわれています。一般には1歳前後で飲めるようになる赤ちゃんが多いのですが、母乳の赤ちゃんの方が慣れるまで時間がかかる傾向があるともいわれています。
また1歳半になってようやくという赤ちゃんもいれば、コップが先でストローが後という赤ちゃんも実際にはかなりの数でいます。赤ちゃんがストローを拒否する場合は、時間をかけて焦らず対応しましょう。

赤ちゃんマグをコップスタイルに変更してみる

ストローが飲めない!とママが必死になると「ストロー=ママの怖い顔」となって、ますます悪循環に陥ることも考えられます。どうしても口に異物が入る感覚が苦手な赤ちゃんもいるので、同じ赤ちゃんマグでも、飲み口を「コップスタイル」(口をマグのフチにつけて飲むコップ形式。飲み物の出る量がねじで調節できフタも閉まる)に変えて、マグ自体が気に入ってうまく飲めるようになってから、吸い口をストロータイプに戻してみるとすんなりできるようになることもあります。

コップスタイルのマグを持つ赤ちゃん

一気に飲み過ぎる

むせる、吐き出すことの1番の原因は、飲み物が一気に口に入り過ぎてしまったことが考えられます。赤ちゃんが母乳やミルクを飲むような感覚で一気にごくごくしている様子なら、しばらくは大人が手を添えて「1・2・3~!でお休み」と一度、口からストローを離してみましょう。
それを繰り返すことで、休みながら飲むということを覚えます。

マグを持ち上げすぎる

哺乳瓶のように逆さに持ち上げるようにして飲んでいるような場合は「ストローは下でごっくんだよ」などと声をかけながら、ママがマグを手でおさえ持ち上げなくても飲み物が出てくることを優しく教えてあげましょうね。

喉が渇いていない・中身が好きじゃない

ストローができるようになって楽しくてぐんぐん飲んだけど、飲んでみたらお腹いっぱいで実はいらなかったというとき、飲み物の中身が嫌いというときに、自分からべーっと吐き出すこともあるようです。

喉が渇いた、乾いていない、ちょっと乾いたという判断は意外と高度なものです。
麦茶を白湯にしたら飲んだという例もあります。赤ちゃんがどんなときに吐き出すのか、よく観察してママがうまく管理してあげましょう。

ストローだとこぼす

紙パック飲料の困った点は、赤ちゃんが強く握るとピュッと飲み物がこぼれてしまう点です。そんな時は「紙パックホルダー」という商品があります。
これは紙パック飲料をそのまますっぽり入れられる箱状のもので、両脇に取っ手がついていることが最大の特徴です。
この取っ手の方を赤ちゃんが持つことで紙パック飲料を握ってこぼしてしまう心配が減ります。

大手メーカーからは赤ちゃん用紙パック飲料なのに、握っても落としてもこぼれにくいというすぐれものの商品も販売されています。
こういったものをうまく活用していくとママも楽になりますね。

赤ちゃん用紙パックスタイル

ストローを噛んでしまう

噛んでしまうのは、飲み物がでてくるとわかっていないことが考えられます。これには先ほどご紹介した紙パック飲料を使って飲み物とストローの関係を教えてあげることで解決することも多いです。

またすでに喉が渇いていない、噛んだ感覚がおもしろい、といった遊びの要素が強い様子なら、早々に切り上げ、遊び飲みはしないよう優しくしつけをすることも大切です。

ストローを清潔にする洗い方・管理の仕方

赤ちゃん用ストローマグはとても便利な商品ですが、正しい洗い方・管理の仕方をしないと、とても危険な状態になってしまうことがあります。赤ちゃん用ストローマグを清潔に保ち赤ちゃん安全にストローを使える洗い方と管理方法です。

ストローにカビが発生する可能性がある

水筒のゴムパッキンなどに黒い点が発生してしまったのを見たことがあるのではないでしょうか。それはスポンジで洗っても汚れがうまく落ちきらなかった細かい溝などに、飲み物のカスを栄養とするカビ菌などが増殖した結果と考えられています。

ストローも普通のスポンジでは筒の中までは洗うことはできず、麦茶やミルク、ジュースといった栄養たっぷりの飲みカスでカビ菌が繁殖する可能性が高い危険なエリアといえます。
カビ菌は目に見えるようになってからは、すでに深い根をはっているのでなかなか落ちません。カビ菌が発生する前に、隅々まで清潔にしておくことが重要です。

赤ちゃんが残した飲み物に注意する

赤ちゃんマグの管理に関することとして、ストローで飲む赤ちゃんマグは、大人がペットボトルを直接口につけて飲むのとほぼ同じように、食べかすや唾液が飲み物の中に逆流しやすいという点に注意が必要です。

フジテレビ系の調査で、人が直に口をつけて飲んだペットボトルの中身について、真夏の条件の元で調べたところ、ミルクコーヒーなどは4時間後から顕著な雑菌の増加が見られました。中でもショックなのは、赤ちゃんがよく飲む「麦茶」においては2時間後から雑菌の増加がみられるという結果に…。10時間後には麦茶で5万個を超える雑菌の増加がみられました。

食品安全委員会も、

  • 口をつけたらすぐに飲み切ること
  • 部屋や車の中に置き忘れないこと
  • 口をつけての飲まないで、コップなどにあける(ペットボトルの場合)

と指導しています。冬場でも最近はどこも暖房の効いた環境なので、赤ちゃんマグだけでなくコップなども含めて赤ちゃんの飲み物は2時間未満を目安にきちんと新しくするなど管理をすることが重要です。

安心してストローを使うための正しい洗い方

カビなどの雑菌が繁殖しないためには正しい洗い方で洗うことが大切です。また洗ったあと、中までしっかり乾かさないとジメジメを好む別の雑菌などが繁殖しやすくなります。洗い終わったら風通しのよい場所できっちり乾かしましょう。

キレイに消毒しよう

煮沸して雑菌を消毒する

昔から続く定番の殺菌方法ですが、煮沸消毒OKのストロー以外は破損したり溶けてしまう可能性があるので耐熱温度100℃以上かを確認してから行います。

ストロー専用ブラシで洗う

ストローの中を洗うために細長い形状になったブラシが、赤ちゃん専門店や大手ネット通販、100円ショップなどでも販売されています。
ストローマグ使用中なら必ず用意しておきたい1品です。その際の注意点はそのスポンジの衛生管理です。

スポンジは汚れた部分に直接ついてしまうため、雑菌が繁殖しやすく1ヶ月前後で取り換えるのが理想といわれています。日常的には、台所用アルコールスプレーなどで除菌して、週に1度は、次にご紹介する消毒薬などでストローと一緒に除菌すると安心です。

哺乳瓶用消毒薬で消毒する

哺乳瓶用の消毒薬があります。消毒薬を水でうすめて、大きめのボールやなべにストローやマグなどを入れ1~3時間つけこんで除菌します。
1週間に1度は行うと安心です。哺乳瓶のために作られたものだから赤ちゃんにも安心して使えることが特徴です。
ただストローによっては薬剤洗浄不可となっているものもあるので、表示をチェックしてからの使用をおすすめします。

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ストローを使うと赤ちゃんもママも笑顔が増える

自分でマグを持って、自分の好きなときに自分の意志で飲み物を飲めるということは、赤ちゃんにとっては大人の想像以上に嬉しくとても大きな自信につながる出来事です。
ストローでうまく飲めると飲み物をこぼさなくなるので、ママの手も空き笑顔が増えます。
ママの笑顔は赤ちゃんにとっては、とても嬉しいこと!ママも赤ちゃんも笑顔の育児ができるよう、ストローがうまくなるよう応援しています!