産後ガルガル期を乗り越える方法

産後ガルガル期の心理状態ややりがちな言動とは?

ガルガル期とは?産後、赤ちゃんを他人に触らせたくない。旦那に無性にイライラする。実母や姑の親切が鬱陶しい。こんな心理状態に陥っている方はガルガル期の可能性があります。産後のガルガル期は対応を間違えると離婚の危機も!ガルガル期の原因と夫婦で乗り越える方法を解説します。

産後ガルガル期の心理状態ややりがちな言動とは?

ガルガル期の心理状態や言動とは?乗り越えるための方法

無性にイライラする。他人に赤ちゃんを触らせたくない。情緒不安定で、泣きたくなる。
産後すぐにこのような症状が見られたら、ガルガル期に突入した可能性が濃厚です。

ガルガル期とは、産後ママが陥りがちな精神状態で、動物としての本能とも呼べるものです。
ガルガル期に見られる言動や心理の特徴とその原因、夫婦でガルガル期を乗り越える方法を解説します。

旦那や姑、実母に赤ちゃんを触らせたくないというママ。ガルガル期なんて甘え、言い訳だと思っているパパは、ガルガル期の心理状態や原因を1度よく読んでみてください。

ガルガル期とは?

覆いかぶさって赤ちゃんの顔を見てる母親

ガルガル期とは、産後まもない母親が「赤ちゃんを守りたい」という気持ちが強くなるあまりに、他人に対して攻撃になったり、無性にイライラする心理状態です。他人というのは、赤ちゃんの父親や血縁者である夫や姑、実母なども含まれます。

産後の母親の精神状態や言動が、動物が自分の子供を守ろうと他の生き物へガルガルと威嚇する様子に似ていることから、「ガルガル期」と呼ばれるようになりました。

これがガルガル期?産後ガルガル期の言動や心理状態

赤ちゃんを守ろうという気持ちゆえに起こるガルガル期。そんなガルガル期に特徴的な産後のママの言動や心理を紹介します。

赤ちゃんを触らせたくない

旦那、姑、実母など周囲が赤ちゃんをチヤホヤし、抱っこしている姿を見て、赤ちゃんを自分から取り上げようとしていると感じる。赤ちゃんを自分以外の人間に触らせたくない。これは典型的なガルガル期の心理状態です。

赤ちゃんが誕生すると、旦那さんは当然、その家族や自分の家族も、「赤ちゃんを一目見たい」「抱っこしたい」とお見舞いや自宅にやってくるでしょう。赤ちゃんの誕生を喜んでくれるのが嬉しい一方で、産後すぐのママはホルモンバランスの急激な変化や出産の疲れで、特にガルガル期を発症しやすい状態にあります。

夫婦二人の子供ではなく、私の子!

山田希子(30代後半)


私のガルガル期は赤ちゃんが生まれてすぐから1歳半くらいまで続きました。その精神状態はといえば、本当に異常だったと思います。とにかく夫には触らせない。「私が一人で面倒を見る!」という気持ちでいっぱいでした。

夫の帰りが夜8時位だったのでそれまでに全てお世話を済ませ、夫が帰ってくる前に赤ちゃんは寝かせて夫には起きている時間に会わせないように…。夫だって父親なのに、「育児には参加させない!」という思いが強かったです。

気づけば引きこもり育児になっていた

みはな(30代半ば)


当時の私は、初めて生まれてきた我が子の扱いに過剰に敏感になっていました。無菌で衛生的な環境で育てたいとの思いから、子供の一歳半検診までは公園にも行かず、家に引きこもっていました。

食料品の買い物にも行けないので、週末に一週間分をまとめ買いする生活をおくっていました。義実家までは車で二時間弱かかることから、子供を連れて行くのが嫌で行きませんでした。

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イライラし、攻撃性的な言動をとってしまう

とにかくイライラする。周りの人の好意が好意に見えなくなる。同情や心配がどれも額面通りに受け入れられない。そうした攻撃性の高まりもガルガル期の心理状態の特徴です。

育児経験者である姑や実母の好意によるアドバイスも、すべて余計なお世話で鬱陶しく感じます。

イライラした結果、普段なら決してしないような言動をとってしまい、時には夫や姑、実母との関係に深刻な亀裂が入るケースもあります。

母が抱っこして泣き止んだ姿に…

かりちゃん(30代後半)


ガルガル期は出産してからだいたい産後3ヶ月前後まで続きました。なんだか感情の起伏が激しくて、実母に子育てについて指摘されると、とてつもなく腹が経ちました。

私が赤ちゃんを抱っこしても泣き止まないのに、実母が抱っこしたら泣き止んだ時には激しく八つ当たりをしてしまいました。

このガルガル期に関しては、実母も夫も理解を示していたようで、怒られるようなことは全くありませんでした。今思えば、ひたすら申し訳なかったです。

旦那と上の子にイライラする

佐々木はな(20代後半)


二人目の出産後すぐから産後半年ぐらいまで、常に夫にイライラしていました。上の子に対しても、出産前なら笑って許してあげられていたようなことでも、出産後は怒ってしまい、自己嫌悪に陥りました。

一度子供たちが眠ってから、ゆっくり夫婦で話し合いをして、夫は理解しようとしてくれました。離乳食を始めて、授乳の回数が減ると、だんだんとイライラはマシになっていきました。

情緒不安定で、涙が出る

頭を抱えて悩んでいるママ

なんでもないことで泣いてしまう、感情の揺れ幅が大きく情緒不安定になるのもガルガル期の特徴です。他人に対しての攻撃性の裏側には、「赤ちゃんを守れるのは自分だけ!自分がしっかりしないと!」という母親としてのプレッシャーや気負いがあります。

ガルガル期のママは、他人に対して攻撃的になると同時に、孤独感や強い不安を覚えています。

理由も分からず、涙が出る半年間

田中(28歳)


ガルガル期は、退院してからすぐにはじまりました。思い返すと、夫は色々気遣ってくれていたと思いますが、当時はただ一緒にいるだけでイライラし、善意からの言動にも噛みついていました。そして、何故か泣いていました。自分でもよく分からないんですが、涙が溢れてくるんです。こんな精神状態が半年ほど続きました。

特にきっかけはなく、時間の経過とともにガルガル期はなくなっていました。当時はいつも悲しくて寂しくて、とにかく孤独感が強かったんです。今は子供が本当に可愛いく、夫とも協力して毎日を送れています。

ガルガル期の原因

ガルガル期とはなにか、ガルガル期に見られる言動について説明しましたが、そもそもガルガル期はなぜ引き起こるのでしょうか?

ガルガル期の原因や大きく関係するホルモン、ガルガル期を引き起こしやすい産後の環境を解説します。

1.ホルモンバランスの変化

ガルガル期の原因は、産後のママ自身にもコントロールできないホルモンバランスの変化です。ガルガル期というのは、人間もまた動物であり、それゆえの本能行動とも理解できます。

保護感情を引き起こす「オキシトシン」の分泌過剰

ガルガル期の原因には、オキシトシンというホルモンが大きく関わっています。オキシトシンは、陣痛を促し、母乳を分泌させるなど、哺乳類の出産・子育てに大きく関わり、「幸せホルモン」「愛情ホルモン」という呼び名もあるほど、母性や愛情行動に関与するホルモンでもあります(注1)。

しかし、オキシトシンが分泌され過ぎると、「赤ちゃんを守りたい」という保護感情が増幅し、他者への攻撃性を高める結果となります。これがガルガル期の正体です。

エストロゲン・プロゲステロンの急激な減少

女性の身体は妊娠~出産時にかけて急激なホルモンバランスの変化が起こります。

妊娠中に、体内で大量に分泌されていたのは、卵胞ホルモンのエストロゲンと、黄体ホルモンのブロゲステロンですが、この2つは出産と同時に急激に低下します。

出産を経験したどの妊婦の体にも起こる自然現象なのですが、ホルモンバランスが崩れると、身体的な不調はもちろん、精神的にも安定しません。

2.産後ママへのケア不足

ガルガル期の直接的な原因は、動物的な本能行動という見方が強いです。しかし、一方で、ガルガル期を引き起こしやすい環境というものが存在します。

例えば出産直後、パパも待ちに待った赤ちゃんとのご対面、祖父祖母にとっても嬉しい出来事ですが、ママの出産の大変さよりも、赤ちゃん誕生に目が行ってしまいがちです。そんな中、ママは体力が回復する暇もなく、新生児の育児が始まります。

ガルガル期は動物的な本能ともいえるものですが、動物は手負いの時には自分の身を守るために攻撃性が増します。産後のママは、赤ちゃんと自分を守らなくてはならないというプレッシャーの中で、相手が自分や赤ちゃんの味方なのか、敵なのか、無意識的に判断しています。

統計的なデータはありませんが、出産後の休息や周囲の手伝いなど、産後ケアの有無によってガルガル期の症状の程度や期間には差がでる可能性があります。

ガルガル期はいつまで続く?

赤ちゃんを後ろから抱っこしている母親

ガルガル期の症状の程度と同じく、いつまで続くかも非常に個人差が大きい部分です。
基本的な原因は、オキシトシンなどのホルモンの影響によるものなので、ホルモンバランスが整いしだい、少しずつ落ち着きを取り戻します。

産後、ホルモンバランスが安定するタイミングとしては、次2つが大きく関係するでしょう。

  • 母乳分泌の安定
  • 生理の再開

程度の差はあれ、産後半年~1年程度でホルモンバランスは落ち着き、同時にガルガル期も治まります。
「以前より自然に笑えるようになった」「赤ちゃん以外の家族との時間を楽しく過ごせるようになった」という状態に落ち着いたら、ガルガル期を乗り越えたと考えて良いでしょう。

夫婦でガルガル期を乗り越える方法

動物的な本能行動ともいえるガルガル期ですが、実際にガルガル期真っ只中のママは、自分の心理がガルガル期によるものかもしれないと思っていても、感情のコントロールが難しい状態にあります。また、パパやその他の家族に至っては、ガルガル期の存在を知らないことも多く、仮に知っていたとしても対処の仕方まではわかりません。

ガルガル期は、産後数ヶ月間の出来事といっても、その間の言動が原因で夫婦の間に修正不可能が亀裂が入り、最悪の場合、離婚という事態もあり得ない話ではありません。

ガルガル期を夫婦で乗り越えるために、お互いにできること、するべきことをお伝えします。

ガルガル期のママに心がけてほしいこと

ガルガル期を受け入れ、家族に説明しておく

出産後、赤ちゃんを触らせたくないと感じる、イライラする、情緒不安定になりがちといった状態が続いたら、「自分は大丈夫、自分には無縁の話」と否定せずに、素直にガルガル期であると認めましょう。

夫や実母など周囲の人にも「ガルガル期かもしれない。自分でイライラが抑えられない自覚がある」と正直に伝えましょう。ホルモンが不安定な時は、休息を取るだけでは、どうにもならない場合もあります。

姑へは「育児で疲れている。そっとしておいて」と、夫から伝えてもらいましょう。

「ガルガル期だから仕方ない」はNG

笑顔の夫婦の間にいる赤ちゃん

ガルガル期について調べて、自分が納得した産後ママの中には、夫へのイライラや八つ当たりを「ガルガル期だから仕方ない」と自己正当化してしまう人がいます。

産後、感情的になるのは確かに仕方ない面もあります。しかし、だからとって相手の気持ちを考えなくていいというものではありません。妻がそういう時期なのだと理解している夫でも、理不尽に当たられて良い思いがする人はおらず、夫婦間の信頼関係や愛情が根本的に揺らいでしまう可能性もあります。

「言い過ぎた」「あの行動は良くなかった」など、少し冷静になって自分の非を認められた時には、できるだけ反省の気持ちが冷めないうちに、メールや手紙などでもいいので、素直に謝りましょう。

産後数ヶ月は、離婚など重大な決断をしない

とにかく夫にイライラする、自分や赤ちゃんに触れられたくない、愛情を感じない。ガルガル期には夫に対してこうした感情を抱く方も少なくありません。

しかし、ガルガル期は感情の起伏が激しく、冷静な判断ができない可能性があります。そのため、産後数ヶ月は離婚などの重大な決断をするのはおすすめできません。後から思い返せば些細な出来事に過ぎないのに、取り返しのつかない選択をしてしまっては後悔するだけです。

また、「夫が育児に非協力的」という意見もありますが、産後数ヶ月は夫からすると、産前との妻の態度の違い、赤ちゃんへの接し方がわからないなど、やりたくないのではなく、戸惑いが大きく「どうしたらいいかわからない」というのが本音です。自分がなにをするべきか理解すれば良きパパになってくれる人も多いので、焦りは禁物です。

ガルガル期にパパはどう対処する?

ガルガル期を理解し、動揺しない

まずは、パパもママと同様にガルガル期について理解しておく必要があります。ガルガル期がひどい女性の場合、産前とはまるで別人のように感じるケースもあるでしょう。

ニコニコ笑顔が可愛かった妻が、ガルガルしている姿に戸惑うと思いますが、本人にもどうしようもないぐらい感情の起伏が激しくなってしまっている可能性があります。今はそういう時期なのだと理解し、一緒になって興奮したり、動揺せずに、どっしりと構えましょう。

母親が赤ちゃんと離れる時間を作れるようにサポート

笑顔で話をしている夫婦

赤ちゃんのお世話は本当に大変な仕事で、ママの頭の中は赤ちゃんのことで埋め尽くされています。パパは自分のことは自分で行い、家事や育児を協力し合い、二人で赤ちゃんを守っていく、育てていくという気持ちで接しましょう。

時にはママが育児から離れられるように、一人で外出させてあげてください。「この子には私がついていないと!」という保護感情は母親として自然なものではありますが、行き過ぎるとガルガル期が長引きます。母親と赤ちゃんに距離を置かせる機会も必要です。

許可なく人を招かない

可愛い自分の子供を見せたい、親しい人に祝福してほしいという気持ちは理解できますが、産後数ヶ月はできるだけゲストを家へ招くのは控えましょう。

「準備も自分が全部やるからいいだろ?」という問題ではなく、産後は掃除などの家事が大変ですし、体型が戻っていない、抜け毛がひどい姿を知り合いに見られたくないという女性も多いです。

また、赤ちゃんへの感染症のリスクを考え、不特定多数との触れ合いをストレスに感じることもあります。ママが自分から「やりたい!」と言っている場合を除いて、自宅に人を招くのはやめましょう。

ガルガル期における夫としての禁句を知っておこう

良かれと思った夫の言動がガルガル期のママの逆鱗に触れることは珍しくありません。
以下のような言動は避けましょう。

  • 「ガルガル期なんだよね?」

産前と違う妻の様子に、「ガルガル期のせいだよね?」と確認して、安心したい気持ちは理解できます。ただし、それを本人に確認するのは、産後のママの神経を逆なでする可能性が濃厚です。
本人が「ガルガル期だから理解してほしい」と事前に言っている場合でも、興奮・イライラ状態の時にそんなことを言われたら、火に油を注ぐ結果となるでしょう。

旦那さんの立場からすると理由なく怒られているように感じられるかもしれませんし、客観的に見てそうしたケースもありえます。しかし、当事者のママの心理としては、怒りには正当な理由があるのです。

(産後ママの声)私がイライラしているのはガルガル期だからではなく、あなたの態度そのもの!

  • 「〇〇さんの家はガルガル期なんてなかったらしいよ」

他人と比べられて愉快な気持ちになる人はいません。特に産後の体調や赤ちゃんのお世話の大変さなどは非常に個人差の大きいものです。「〇〇さんの旦那さんは、家事・育児が完璧で、本当に羨ましい」。そう言われたら、パパだって不愉快なはずです。

(産後ママの声)他人と比べないで!

  • 「母乳出てないんじゃない?」
  • 「もっとこうしなきゃダメじゃない!?」
  • 「おふくろ(義母)に聞いてみたら?」

特に初めての子供の場合、産後ママは「母親として頑張らなくてはいけない」と過度に自分を追い詰め、精神的に張り詰めた状態にあります。上記のようにママの育児姿勢を否定するような言い方はできるだけ控えましょう。

育児経験者であるお姑さんの話が現代では参考にならず、イライラを募らせるケースもありますし、ガルガルするのを通り越して、「自分は母親としては未熟なのだ」と産後鬱や育児ノイローゼの引き金になりかねません。

赤ちゃんのお世話に関して心配事があるときは、「自分も初めての経験だから」と不安な気持ちに共感し、一緒に本やホームページで調べたり、小児科医・保健師などの専門家を頼りましょう。

(産後ママの声)ダメ出しばかりで、気持ちをわかってくれない。

ガルガル期は甘え?言い訳?

ガルガル期は、産後、母親となったすべての女性に起こり得る症状です。

「ガルガル期は、甘え」であり、言い訳というのは間違いです。ホルモンバランスの変化や育児による心身の疲労によって、一時的に自分の感情をコントロールするのが難しい状態に陥ってしまう可能性は誰にでもあります。

一方で、「ガルガル期だから、夫にどんな態度をとっても許される」という考えは甘えであり、夫婦間に深刻な亀裂を引き起こすでしょう。一般的に、ガルガル期は産後数ヶ月で終わりますが、その時にできた夫婦間の溝が埋まらない場合、最悪離婚という事態も想定されます。

産後、半年~1年の時間は、育児においても、夫婦関係においても1番大変で、大切な時期です。力をあわせて乗り越えられれば、家族としての絆は一層深まるはずです。

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