赤ちゃんに果汁はいつからOK?

赤ちゃんへの果汁は生後6ヶ月まで待って!与え方のコツ

赤ちゃんへ果汁はいつから与えていいのか、離乳食開始前に果汁を与えるデメリットと、なぜ昔は生後3カ月~4か月頃に果汁を与えていたのか解説。生後6ヶ月以降、はじめての果汁におすすめの果物や与え方の注意点、作り方も紹介。便秘解消など、果汁を育児に上手に取り入れるコツをお伝えします。

赤ちゃんへの果汁は生後6ヶ月まで待って!与え方のコツ

赤ちゃんに果汁はいつからOK?おすすめの果物&与え方

赤ちゃんに果汁はいつから与えていいんだろう?

  • 赤ちゃんのおばあちゃんたちは「早く飲ませたほうがいい」と言う。
  • でも、小児科や保健師さんからは「特になにも言われなかった」。

こんな時、どうしたらいいか迷いますが、離乳食を開始する前の赤ちゃんに、果汁を与える必要はありません!

なぜ祖父母世代は果汁をおすすめするのに、現代では「必要ない」と考えられるようになったのか。赤ちゃんの果汁を与える時期に関する疑問を解決!

はじめての果汁デビューにおすすめの果物、果汁の作り方・与え方もお伝えします。

果汁とは?

赤ちゃんに与える果汁とは、果物をそのまま絞った果汁を、湯冷ましで2~3倍に薄めたものを指します。
加熱したり、砂糖などで味付けをしたものは「ジュース」と呼ぶのが一般的です。

オレンジを半分にカットして搾る

赤ちゃんの果汁はいつから?昔と今の育児常識の違い

現代では離乳食前の赤ちゃんには、果汁は与えなくてよいと指導されています。
赤ちゃんに果汁を与えるのは結局いつからOKなのか、離乳食前に果汁を与えるデメリットともに解説します。

赤ちゃんに果汁を与えるのは生後6ヶ月以降!

現代では、赤ちゃんへ果汁を与える時期は、離乳食開始後の生後6ヶ月以降が目安です。

アメリカ小児科学会『子どもに果汁を与えるリスクと適切な摂取方法についての勧告』(注1)でも、「果汁は生後6ヶ月以降」としています。

おかゆの離乳食

日本では、早い子では生後5ヶ月頃から離乳食を開始しますが、まずはお米、その後に人参やかぼちゃ、かぶなどの苦味や酸味のない野菜を試す方法が一般的です。果物には食物アレルギーを引き起こしやすい種類もありますから、お米や野菜などに慣れてから、果物という順番で進めると安心です。

こうしたスケジュールなら、自然に生後6ヶ月以降の摂取となるでしょう。

果汁を与えるデメリット|赤ちゃんへの果汁が推奨されなくなった理由

離乳を始める前、生後6ヶ月以前の果汁は、赤ちゃんに良くない影響があることもわかってきています。

厚生労働省のガイドラインでの「果汁」の位置づけ

2007年3月に更新された厚生労働省のガイドラインには、以下の点がまとめられています(注2)。

  • 果汁に栄養学的な意義は認められない
  • 離乳前の乳児にとって最適な栄養は母乳(育児用ミルク)である
  • 果汁の過剰摂取は低栄養や発育障害の恐れがある

ガイドラインには、果汁は赤ちゃんにとって「必要ない」だけでなく、果汁の摂取によって母乳(育児用ミルク)の摂取量が減少すると、赤ちゃんにとって必要な栄養素であるたんぱく質や脂質、カルシウム、亜鉛など、必要な栄養素が不足する恐れがあることを指摘しています。

その他、離乳開始前の赤ちゃんに果汁を与えるデメリット

厚生労働省のガイドライン以外にも、現代では離乳食開始前の果汁の摂取には、次のようなデメリットが指摘されています。

アレルギー発症の可能性を増大
発達途中である赤ちゃんには、果汁は刺激が強く、未熟な消化器官に負担をかけ、アレルギーを引き起こすリスクを増大させます。

実は果物には、アレルギーの原因物質となりえる種類もあり、果物を食べたり、果汁を含んだジュースを飲んだあとに、喉や口の中にかゆみを感じる口腔アレルギー症候群という病気も存在します。口腔アレルギーの症状が重い人は、嘔吐や下痢など消化器官に症状がでることもあります。

アレルギーの赤い斑点が顔で出た赤ちゃん

赤ちゃんの味覚には刺激が強すぎる
果汁を与える目的のひとつに、赤ちゃんに色々な味を覚えさせるというものがあります。しかし、果物の甘みは赤ちゃんには刺激が強く、薄味の離乳食を食べなくなる恐れがあります。

昔と今の育児常識の違いはなぜ起こった?

昔と今では育児方法はずいぶん変わってきています。

10年ほど前まで、母子健康手帳にも「(離乳食開始前の赤ちゃんに)薄めた果汁やスープを飲ませていますか」という項目があったほどです。これは、祖父母などが生後3カ月、4か月の赤ちゃんに果汁の摂取を勧める大きな根拠にもなっています。

なぜかつては果汁の摂取が勧められていたのか解説します。

早期の果汁推奨は「ビタミン補給」のため

昭和の時代の板壁とポスター

かつて生後3カ月~4か月頃の赤ちゃんに、果汁の摂取が勧められていた最大の理由は、ビタミンの補給が目的です。

母乳は非常に優れた栄養価がありますが、ビタミンDなどの含有量は残念ながら少な目です。また、当時の粉ミルクは、ビタミンを配合することが技術的に困難でした。

ビタミンは、胎盤を通して母体から赤ちゃんへ移行できない性質を持っています。そのため、赤ちゃんのビタミン不足を防ぐために、生後3ヶ月頃から果汁の摂取が勧められていたという経緯があります。

おばあちゃんたちの理解は「色々な味を覚えさせる」ため

医学的には「ビタミンの補給」という目的があった果汁ですが、祖父母世代が赤ちゃんに果汁を飲ませるたがる理由としては、「母乳やミルク以外の味を覚えさせる」という意識も強いようです。お風呂上りの水分補給という人もいます。

しかし、母乳は母親の食べたもので味が変わり、また飲み始めと飲み終わりでも味が異なります。また、果汁は赤ちゃんには味が濃いため、薄味の離乳食を食べなくなるリスクも指摘されています。

2008年に母子手帳からも削除

現代の育児用粉ミルクは、改良が進み、栄養成分としてビタミン類を含むことが可能でとなりました。母乳の場合も、昔に比べて母親の栄養状態は改善されていますし、新生児にビタミンK2シロップを飲ませるなどの対策がとられるようになりました。

厚生労働省の指針にもあるように、果汁には母乳やミルクを上回るようなメリットはなく、過剰摂取は健康上のリスクに繋がるため、「離乳食前の果汁は必要なし」と結論付けられています。

粉ミルクの缶と哺乳瓶

2008年には、厚生労働省が自治体に、母子健康手帳から「薄めた果汁やスープを飲ませていますか」という項目を削除するように通達しました。

しかし、それ以前に母子手帳を使っていた方々の中には、そうした変更を知らず、「生後3カ月~4か月の赤ちゃんには果汁を与える必要がある」と考えている方もおり、それが現代のママ達とのジェネレーションギャップとなっています。

赤ちゃんに果汁を与えてみよう!おすすめの果物や与え方の注意点

生後6ヶ月以降で、離乳食を開始したなら、赤ちゃんに果汁を与えてOKです。
果汁の作り方やおすすめの果物、与える際のコツや注意点を紹介します。

果汁の作り方

赤ちゃんに与える果汁は、季節の果物を絞ったり、つぶしたりして出た果汁を、白湯で2~3倍に薄めます。以下の点にも注意してください。

果汁を作るときの注意点

  • 皮は農薬がついていることがあるので、厚めにむく
  • 種はきちんと取り除く
  • 味が濃すぎないか、薄めた果汁は味見をする
  • 清潔な環境で作る

りんごやなしなどの硬い果物

  • よく洗ってから皮をむき、すりおろし器でおろします。
  • おろした果物を、きれいな布巾やガーゼ、茶こしなどでこします。
  • 白湯で2~3倍に薄めます。

みかんなどの柑橘系の果物

  • よく洗ってから横半分に切り、しぼり器などでしぼります。
  • しぼった果汁を、きれいな布巾やガーゼ、茶こしなどでこします。
  • 白湯で2~3倍に薄めます。

いちごやぶどう、スイカなど柔らかい果物

  • よく洗ってから皮やヘタを取り除き、茶こしなどに入れて、スプーンでつぶします。
  • つぶした果物を、きれいな布巾やガーゼなどでこします。
  • 白湯で2~3倍に薄めます。

初めての果汁におすすめの果物は?

赤ちゃんの果汁デビューにおすすめの果物を紹介します。ただし、どんな果物でも、はじめは少量から与えて、その後の反応をしっかり観察するようにしてください。

りんご

リンゴを顔の前に持つ女性

胃腸にやさしく、刺激がないので初めての果汁にオススメです。
ビタミンは他の果物に比べると少ないですが、整腸作用のあるペクチンが豊富に含まれているので、便秘にも下痢にも効果があります。

体調を崩し、食欲がない時などにも、よいでしょう。皮の部分に栄養が多く含まれるので、皮ごとすりつぶすほうが効果的ですが、農薬が使われていることがほとんどです。無農薬の場合は皮ごとでもいいですが、そうでない場合は、皮をむきましょう。

みかん

柑橘系の果物には便がゆるくなる成分が含まれているので、便秘にとても効果的です。またビタミンが豊富なので、風邪予防にもおすすめです。

薄皮は消化不良を起こす可能性がありので、取り除きましょう。酸味が強いので、嫌がる赤ちゃんもいますので、様子をみながら与えましょう。

柑橘系の果物に含まれるクエン酸は、弱った胃壁を刺激するので、体調の悪い時は避けた方がよいでしょう。

いちご

皿に盛られたいちご

りんごと同じくらい消化に良いいちごですが、赤ちゃんは少し酸っぱく感じるようです。
ビタミンC・ペクチン・キシリトールが豊富です。ビタミンCは、赤ちゃんの脳の発達に必要な鉄分の吸収を助ける作用があります。

ぶどう

脳を活発にする働きがあるブドウ糖や、免疫力を高めるビタミンが豊富に含まれています。なかでもレスペラトールという栄養素は食物アレルギーを抑制させる働きがあります。

とはいえ、ぶどうもアレルギー症状が出る場合がありますので、赤ちゃんに初めて与えるときは、注意してください。皮は消化に悪いのでしっかりむきましょう。種は喉につまらせる恐れがあるので、きれいに取り除いてください。

初めて与える時は特に注意が必要な果物

アレルギー症状が起きやすく初めての果汁にはお勧めできません。

  • メロン
  • キウイ
  • マンゴー

果汁の与え方

赤ちゃんにはじめて果汁を与えると、驚いて飲まずに出してしまうこともあります。
嫌がる時は無理強いせず、機会を改めましょう。

果汁を飲んだ場合、その後のアレルギー反応の有無に注意しましょう。極端に機嫌が悪くなった場合は、アレルギーの症状が出ている可能性もあります。

果汁を与えるときの注意点

  • 季節の果物を、スプーンをなめる程度与える。
  • 必ず白湯で2~3倍に薄める。
  • 飲ませた後、アレルギー症状が出ていないか口の中に異変がないか確認する。
  • 1日1回、30㏄以下の量に抑えること。

市販の果物ジュースを与える時の注意点

市販の乳児用ジュース

市販の果物ジュースといっても、大人用の果物ジュースではなく、赤ちゃん用の果物ジュースです。大人が飲む果汁100%ジュースは、甘みに手が加えられているものがほとんどなので、赤ちゃんには不向きです。

選ぶ時のポイントは、1パックの量が少なめのものを選びましょう。衛生面から考えても、少量パックがおすすめです。

赤ちゃんが試したことのある味を選ぶと、アレルギー症状を気にしなくて済みますし、知っている味なので受け入れやすいはずです。成分表示をみて、できるだけ添加物の少ないものを選んであげてください。

赤ちゃんに果汁を与えるメリット~上手な果汁の取り入れ方~

果汁は赤ちゃんに絶対に与える必要のあるものではありませんが、上手に取り入れれば育児の負担を軽減できます。

果汁は便秘解消に効果あり

離乳食が始まると、赤ちゃんは便秘になりやすくなります。
果物はビタミンやミネラルが豊富です。整腸作用もある食物繊維も多く含んでいるので、便秘の解消に役立ちます。

オレンジやみかんといった柑橘系の果物は、便が柔らかくなる成分が含まれているので特におススメです。

効果があるとはいえ、たくさんの量を飲ませることは赤ちゃんの胃腸に負担がかかるのでやめましょう。1度にたくさん飲ませるのではなく、毎日少しずつ飲ませることで、腸内環境を整えましょう。

離乳食のトレーニングに!?「果汁おしゃぶり」

果汁おしゃぶり

「果汁おしゃぶり」という、ちょっと変わったアイテムを知っていますか?
昔からあるおしゃぶりと同じようなものですが、「自分で食べる力を育てる」をコンセプトに作られた製品です。

赤ちゃんが握りやすいように持ち手が輪になっていて、しゃぶる部分はシリコン製になっているので、その中に切った果物や茹でた野菜を入れられるようになっています。

赤ちゃんがおしゃぶりをチューチューしゃぶったり、カミカミすることで、自分で果汁を吸うことができます。

離乳食を始める前の赤ちゃんに、果物の果汁をそのまま飲ませるのは味が濃すぎるので、はじめは柔らかく煮た野菜から始めましょう。キャベツは柔らかく煮ると甘くなるのでオススメです。

しゃぶったり、すったり、かんだりすることで味が出るので、離乳食のトレーニングになります。スプーンを嫌がったりする場合などに、試してみてはいかがでしょうか。

離乳食期の楽しみとして!果汁は虫歯になりにくい!?

果物には「果糖」が含まれているので、果汁を与えることで虫歯になるという人もいます。確かに果糖も糖分なので、虫歯になる可能性はありますが、お菓子などに含まれている、精製された砂糖に比べるとリスクは格段に低いです。

果物は繊維質が多く、歯にくっつきにくいという性質があります。また、いちごなど虫歯予防に効果的なキシリトールが含まれている種類の果物もあります。

「おっぱいが大好き」で離乳食に興味を示さない。そんな赤ちゃんには、果汁を離乳食の一環ととらえ、赤ちゃんに食事の楽しさを覚えてもらいましょう!

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