赤ちゃんの指差し・時期や意味

赤ちゃんの指差しの意味、指差しが始まる時期やしない理由

赤ちゃんの指差しはいつから?言葉の未熟な赤ちゃんにとって自分の意志を伝える指差しは1歳半健診での発達の指針ともなる重要なアクション。月齢で見る赤ちゃんの指差しの種類と意味、可愛らしい指さしコミュニケーションを促す練習方法の解説とともに赤ちゃんが指差しをしない理由にも触れています。

赤ちゃんの指差しの意味、指差しが始まる時期やしない理由

赤ちゃんの指差しの意味・赤ちゃんの発達と指差しコミュニケーション

赤ちゃんの指差しは可愛いだけのアクションではありません。指差しは子供の成長にとって欠かせないものですし、言葉を覚える前の赤ちゃんにとって指差しは、自分の意思をパパママに伝える大事なコミュニケーション方法の1つでもあるのです。何より、パパママに伝えたいことがある!というのはしっかり発達している証拠です。

「指差しは言葉のはじまり」といういうぐらい乳幼児のコミュニケーションや言語発達には重要な意味を持ちます。赤ちゃんの指差しはいつから始まるのか、指差しの種類や練習方法などを確認していきましょう。

赤ちゃんの指差しはいつから?赤ちゃん発のキャッチボールが待ち遠しい!

赤ちゃんの指さしはいつから?

赤ちゃんが指差しを始めてはじめてコミュニケーションらしい相互のコミュニケーションをなんとか成立させることができます。パパママにとっては待ち遠しい瞬間ですよね。
その分、我が子がなかなか寡黙だと「同月齢の子供達は指差しをしているのに、うちの子はなかなか指さしを始めない。もしかしたらできないのかしら・・・」と何となく不安を感じてしまうこともあるでしょう。

しかし、生後1、2年間は子供の成長はその子その子で違うもの。身長や体重、性格に個人差があるように、赤ちゃんの指差しの開始時期にも違いがあることを覚えておきましょう。

赤ちゃんが指差しをし始めるのは生後9、10ヶ月頃。遅くても焦る必要はない

一般的には、生後9、10ヶ月頃に指差しを始める赤ちゃんが多いといわれていますが、直前にもお伝えした通り赤ちゃんの成長、発達は個人差が目立ちやすいもの。あくまでも目安ですから「今日で9ヶ月。指差しをしないんだけど・・・!」「もう10ヶ月後半なのに指差ししないってもしかしてやばい?」などと焦る必要はありません。

生後4、5ヶ月頃に始まる喃語がコミュニケーションの素地を築く

「バー」「ブー」「あーうー」といった生後4ヶ月ころから始まる赤ちゃんのおしゃべりは喃語と呼ばれています。喃語はパパママに伝えたいことがある・・・というよりは自分の発する音を楽しんでいる状態。ですが、赤ちゃんの喃語にパパ・ママが繰り返し応えてあげているうち、赤ちゃんはやり取りで意思を伝えられるのかもしれない・・・と認識するようになります。そう、この頃はコミュニケーションの素地を築いて「楽しい!」と思ってもらうことが大切。

喃語のピークは8ヶ月頃。その後は伝えたいことを伝えようと必死にボディランゲージや指さしを駆使するようになると徐々に喃語は消えていきます。

赤ちゃんと喃語でコミュニケーション!言葉の成長を促すには
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相互コミュニケーションの第一歩!赤ちゃんの指差しにはちゃんとリアクションしよう

まだまだ身体が小さい赤ちゃんでも、日に日にいろいろな物事を覚えていきますし、それらへの興味が湧くに伴い意思も発達していきます。「あれがやりたい」「これを取って」という伝えたいことはたくさんはあるのに、まだうまくおしゃべりできない赤ちゃんにとって、指差しは気持ちを伝える大切な手段と言えるでしょう。

ちなみに赤ちゃんの指差しは子供の心身の健全な成長をチェックできるアクションの1つとなるため、1歳半の乳児健診でも保健師さんから「指差しはしますか?」と質問されたり、あらかじめ配布される問診票の質問項目に含まれています。

赤い車を指差しで教えてくれる男の子

赤ちゃんが指さしをしてパパやママに何かを訴える→それに気が付いたパパやママが反応して答えるという一連の流れによって、会話が成立する―――赤ちゃんから発信される指さしは、スルーすることなく優しく反応を示してあげることが大切です。
赤ちゃんが「ブー!!!」と指差しをしたら「本当だ、赤い車だね」などと、返答してあげるようにしましょう。まさにこれが相互の会話の第一歩。それを繰り返していくうちに、赤ちゃんは少しずつ言葉を覚え、成長とともにどんどんと複雑化していくコミュニケーションに順応していくようになるのです。

赤ちゃんの指差しには種類がある?指さしのスタイルにも赤ちゃんの個性が光る

赤ちゃんが指差しをするときは、ひとさし指を使うのが当たり前と思っていませんか?指さしの開始時期だけではなく、指差しのバリエーションも1人1人の赤ちゃんによって違います。赤ちゃんの中には中指や親指を使った指差しをする子もいますし、指差しではなく手を開いた状態で合図をする赤ちゃんもいます。

指差しは赤ちゃんにとって伝えたいことを伝えるツール「ボディランゲージ」の一種ですから、身振り手振りに必至で指差しどころでない子もいて当然。赤ちゃんが何となく行きたい方向や、興味のあるものに手を伸ばし始めたら、もしかしたら上手に指差しができる日も近いかもしれませんね。

月齢に見る指差しの意味

赤ちゃんの成長は、日進月歩!1日1日が目まぐるしく変化していきます。
赤ちゃんはある程度の言葉を習得するまでの間、指差しやボディランゲージを含めてコミュニケーションを図ります。指さしとひとくくりに言っても、「指さしスタート期」と「指さしなんておてのもの期」では指さしの内容や、子供が伝えようとするものごとの意味も異なるものになってきます。
赤ちゃんの指さしの内容が月齢によって変化していくことを十分に理解していると、目まぐるしい日々の中で我が子の成長を発見したり驚きと感動を覚えることも多くなるかも知れませんねっ!

10ヶ月頃の赤ちゃんは、興味がいっぱい指さし

「あーあー」「まーまー」と自分が行きたい方向や興味があるものに対して、シンプルに指差しをするようになるのが生後10ヶ月ごろです。

筆者も0歳と4歳児のママをやっていますが、上の子が生後10ヶ月の頃はとにかく色んなことに興味があったので、指差しも激しかった記憶があります。抱っこしてお外をお散歩していると、常に右手の人差し指がピーンと立っている状態。興味があるのは結構なのですが、身を乗り出して指差しをするので抱っこをしているのも一苦労、そんな毎日に腹筋も鍛えられました。

そのとき単純に目に付いたものを指差ししているだけであることが多いので、「あれは何か?」などはパパママが教えてあげましょう。

1歳になると「これとって!」の要求の指差し

指さしでこれ取って

1歳になるとこちらの言う言葉の意味もわかっていたりするので何とかお話も出来るようになりますが、赤ちゃん自身は自分が使える意味を持つ単語の語数もはそんなに多くはないので、知っている単語+指差しで懸命に要求を伝えようとしてきます

時期的に離乳食が後半戦に差し掛かり食べられる食材のバリエーションが増える分、自分が好きな食べものや食べたくない食べものを覚えて一丁前に離乳食を拒否しだすなど、生後10ヶ月ころは自我の発達が目まぐるしくもあり、赤ちゃんは自分が何をしたいかをパパやママに知らせようと、ひっきりなしに指差しをしてくれるでしょう。

赤ちゃんビスケットが目の前にあると、赤ちゃんビスケットを指差ししながら「とって!」を表現するでしょうし、遊びたいおもちゃがあると「一緒に遊んで!」と言わんばかりに指差ししたりします。「赤ちゃんが欲しいものを指差ししてパパやママが取ってくれる」―――この繰り返しで赤ちゃんはコミュニケーション能力を磨き、親子間の信頼関係も築き上げられていくのです。

1歳過ぎると「パパやママに教えたい」という共感の指差し

筆者の息子はバスが大好きでしたので、私もバスが通るたびに「ほら!バスだよー」と話しかけていました。息子もバスが通ると「バーバー」と言って、「バス!バスおるんやけど!」と教えてくれるようになったのです。
これは、指差しの種類に分けると「共感」になります。自分の好きなものを見つけたときの嬉しさ、興味のあるものを発見したときのワクワク感を、パパやママに教えて一緒に味わっていきましょう。

赤ちゃんはパパやママも嬉しそうな顔をしてくれたり、「そうだね、バスおったねえ」と反応してくれることで、楽しいことや嬉しいことを共有する喜びを感じ覚えていくはずですよ。

1歳半ごろは、選択・理解の指さしになる

1歳半になると、赤ちゃんの指さしはおおよそ大人と同じような使い方ができるようになります。
例えば、2種類のお菓子を見せて「どっちを食べる?」と聞くと、どちらか1つのお菓子を指さすようになってくるのがこの時期です。絵本を開いているときに「うさぎさんはどれだろう?」と聞くと、指さしで教えてくれたりもするでしょう。

赤ちゃんがこのように反応してくれるようになると、子育てが華やぐようでますます絵本の読み聞かせに気合が入りますよね。親が全てを決めてしまうのではなく、幼い頃から「どっちがいい?」と指差しで決断をゆだねるコミュニケーションを取り入れることも赤ちゃんの発達にはとても重要です。

●目の前になくても指さすことが出来るようになる

今までは、目の前にある対象物に対して、指差し行動をおこなっていた赤ちゃんですが、1歳半を過ぎると目の前に対象物が無くても指差しができるようになります。

例えば、パパの出勤中に「パパはどこに行ったのかな?」と聞くと、パパが歩いて行った方向を指差したり、「○○ちゃんのお口はどこ?」と聞くと、自分では見えないけれども口を指さす行動がみられるように!これは、赤ちゃんにとってとても大きな進歩なんですよ。

発達の遅れが原因?赤ちゃんが指差しをしない理由

赤ちゃんが成長しても指さしをしない理由

先にも触れましたが、指差しは1歳半の乳幼児健診で子供の健全な発達の目安とする重要な観察ポイントとなっています。「可逆の指差し(三項関係の成立)」と呼ばれ、1歳半の時点で指差しを含めたコミュニケーションができないと要観察となることがあります。

子供の発達に関して不安や心配があるときは医師や保健センターに相談するようにしましょう。指差しは子供の成長過程に必要な言動ですが、性格的に好奇心旺盛で指差しも活発に行うコミュニケーションに積極的な赤ちゃんばかりでもありませんし、子供に合わせたより良い接し方の指針を示してもらえることもあります。

指さしを促そう!赤ちゃんとのコミュニケーション能力を育む接し方

赤ちゃんが指さしをしたら、コミュニケーションが本格化する時期に差し掛かっているサイン。
なんだかあいまいな身振り手振りであっても、細かいことにはこだわらず積極的にコミュニケーションをとっていきましょう。

「うちの子、まだ指さしをしてくれないの」「どうして、指差しができないのだろう?」と焦る必要はありませんが、指差しが遅い子には指さしの練習をしてみるのも良いかもしれませんね。

指さしコミュニケーションは大切

練習方法1.どっちがいい?欲しいものを教えて!

2つのおもちゃやお菓子を準備して、赤ちゃんにどちらが良いのか選ばせてあげましょう

パパやママは赤ちゃんのお気に入りのおもちゃや食べ物がなんとなくわかるでしょう。
指さしの練習をするときには、お気に入りのおもちゃとあまり好まないおもちゃ、また大好きな食べ物と嫌いな食べ物を準備して、できるだけ子供が迷わないで選べるようにしてあげましょう。

「『りんご(好き)』と『バナナ(そんなに好きじゃない)』どっちを食べる?」といった具合に『もの』の名前を教えながら気軽に取り組むことが秘訣です。

日常のあらゆるシーンにおいて赤ちゃんが自分の意志で選ぶ意欲を促していくように、お家にあるもので簡単に試してみることが出来ますので、意識的にチャレンジしていきましょう。

指差し練習の前に環境づくりも大切です

指さしの練習をする前に子供がパパママのお話に集中できる環境を作ることも大切です。子供に「これからパパやママが何かをするわよー」という雰囲気が伝わりやすいように、テレビや音楽は止めて、周りのおもちゃもできるだけ片づけましょう。
準備したものだけに集中できる環境を作ったら、最後にしっかりと目線を合わせます。子供の心の準備も整えてあげると、パパやママの方に意識を向けやすくなります。

練習方法2.指さし絵本の読み聞かせ

毎日、絵本の読み聞かせをしていますか?絵本の読み聞かせは、子供の集中力・想像力・思考力を高めるとても大切な時間です。親子で一冊の本に向き合えるとても貴重な機会でもありますから、忙しい時間の合間をぬって、毎日読み聞かせてあげましょう。

そして、その中に「指さし」を上手に取り入れてみましょう。やり方はシンプルに絵本の文章に合わせて画を指さしながら読んであげるだけです。
「ここに一匹の犬がいました」と読みながら犬を指さしてあげるようなイメージです。子供は耳で絵本の内容を聞きながら、目で画を確認し「犬はどういったものか?」を理解していきます。

注意点としてはお話の途中で「犬はどれかなー?」と言った指差しの促し方はしないこと。クイズ形式の読み聞かせは赤ちゃんのお話に対する集中力を削ぎ、読み聞かせの目的を失います。

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指さしの練習には、こんな絵本がオススメ!

絵本の読み聞かせを通して指さしの練習をするためには、分かりやすい絵本を選んであげることが大切。子供の月齢で分かるような単語(リンゴ・お花・いぬ・ねこ・ことり)などがハッキリと描かれ、色彩も美しい絵本をチョイスしてあげましょう。

赤ちゃんの指さしサインを大切にしてあげよう

今回は【赤ちゃんの指さし】についてまとめてみましたが、日常生活の中で赤ちゃんがコミュニケーションとして行う指さしは月齢によって指さしの意味が違ってきますが、赤ちゃんがパパやママに感じ取って欲しい想いがたくさん詰まっているアクションです。

赤ちゃんがいくら指さしをしてくれても、パパやママ、周囲にいる大人が反応してあげなければ意味がありません。赤ちゃんが「伝えたい!」という気持ちをしっかりキャッチして、パパやママがしっかりと反応を返してあげるようにしましょう。赤ちゃんは「パパやママが応えてくれた!」と感じると嬉しくて、それが心の安定につながりさらに指をさしでいろいろなことを教えてくれるようになるはずです。言葉にはならないたくさんの発見や感動を赤ちゃんと共有して下さいね!