赤ちゃんの言葉の発達を促す方法

赤ちゃんが言葉を話しだすのはいつ?発達を促す語りかけのコツ

赤ちゃんが言葉を理解し話すのはいつからか、クーイング・喃語など声を出し、発語するための練習プロセスを解説。赤ちゃんの言葉の発達を促すには、親の言葉かけが重要ですが、実は「まんま(ごはん)」などの赤ちゃん言葉での語りかけがオススメです!言葉が遅いと悩んでいる方も実践してみましょう。

赤ちゃんが言葉を話しだすのはいつ?発達を促す語りかけのコツ

赤ちゃんが言葉を話すのはいつ?言葉の理解・発達のプロセス

赤ちゃんが話す言葉のうち、初めて喋る意味のある言葉は「初語(しょご)」と呼ばれています。この初めての言葉である初語が聞かれる時期は、日本語だけではなく、世界中のどの言語においても、1歳前後です。これは、ちょうど、歩き始めと同じ時期にあたります。
よく「1歳を境に、急に色々なことができるようになった」と耳にしますが、初語も歩き始めも、まさに大きな変化ですね。

しかし、赤ちゃんが寝返り・ハイハイなどと徐々に成長するように、言葉も突然身に付くものではありません。毎日繰り返し続けてきたパパやママとのふれあい経験が赤ちゃんの言葉の発達に影響を与えているのです。
赤ちゃんがどのように言葉を理解し、発語していくのか、それを形作る親子のコミュニケーションはどのように取ればいいのかを紹介します。

赤ちゃんが言葉を覚える&話すのはいつ?言葉の理解と成長

ママとは話したくて近づく赤ちゃん

赤ちゃんの成長と共に表情や動きが豊かになるように、初語を発するまでにもさまざまな形で言葉を理解・習得しようとしている様子が見られます。

月齢でみる赤ちゃんの言葉の理解・成長

  • 0~1ヶ月…無意識の中、生理反射として泣く・笑う・うなるなどで声を発します。
  • 2〜3ヶ月…機嫌が良いときなど、喉の奥で「くー」という音(クーイング)を立てます。
  • 4ヶ月…「あー」「うー」など、母音の喃語(なんご)が始まります。
  • 5ヶ月…「ばー」「ぶー」など、子音を含む喃語が始まります。
  • 6〜7ヶ月…「だーだー」「ままま」など、反復する音の喃語が始まります。
  • 8〜9ヶ月…発音がより明瞭になります。低いうなり声や高い声、唇を振るわせるなど、出せる声の種類も増えてきます。
  • 9〜10ヶ月…発声だけではなく、身振りも加えて意思を伝えようとします。喃語は少しずつ減り、ときに、言葉に近い音を発することもあります。
  • 10~12ヶ月…「まんまんまん」など、何となく意味が分かる言葉を発するようになります。
  • 1歳〜…自分の名前を認識し、呼びかけに反応を示し始めます。「まんま」「ぶうぶう」「わんわん」など、意味が通じる言葉を発するようになり、これが初語となります。

赤ちゃんの初めての言葉ランキング!

何か遠いものを見つめる赤ちゃん

2008年に発表された、NTTコミュニケーション科学基礎研究所の調査結果によると、赤ちゃんの初語の第1位は「まんま(ごはん)」でした。以下のランキングをみても、パパやママが赤ちゃんのお世話をする上でよく使う言葉や、家族でのコミュニケーションの様子が伺える言葉が並んでいます。赤ちゃんが一生懸命に伝えようとした言葉の数々をみると、なんだか微笑ましくなりますね。

順位:初めてしゃべった言葉

1位
まんま(ごはん)
2位
おっぱい
3位
いないいないばぁ
4位
ママ
5位
はーい(返事)
6位
ワンワン
7位
ねんね
8位
パパ
9位
バイバイ
10位
よいしょ

赤ちゃんが言葉を喋るまでのプロセス!声を出すにも練習が必要!

楽しくおしゃべりしている赤ちゃん

普段大人は意識していませんが、声を出すには実にさまざまな動作を同時に行っていますので、赤ちゃんは言葉を発する前に声を出す練習が必要です。。
声を出すにはまず横隔膜を引き上げ、肺から息を出し声道へと送り、声帯を振るわせる必要があります。声帯とは、声道にある一対の“ひだ”のことで、普段はそれぞれが離れていますが、声を出すときには声帯が閉じ振動する仕組みです。振動した空気は、口腔や鼻腔で反響して音が大きくなり、さらに口や舌の動きで音を調整すると母音と子音が組み合わさり、声として生まれるのです。

赤ちゃんが、生まれてすぐにしゃべられない理由は、このような声の出し方を知らないだけではなく、喉の構造が大人と違うという点にもあります。そして、いつか言葉をしゃべるときに備えて、意味のない音を発して、声を出す練習をしているのです。
では、赤ちゃんがしゃべれるようになるには、どのような過程を辿るのでしょうか。

息を声に変える「クーイング」

生後2〜3ヶ月頃には、喉の奥で「くー」「うっくー」という音を発します。それらの音は、鳩の鳴き声「coo」によく似ていることから、「クーイング」と呼ばれていますが、赤ちゃんがご機嫌なときに聞かれる音なので、「プレジャーサイン」とも呼ばれています。
クーイングは、赤ちゃんが息をコントロールして、初めて発することができる音声なので、声を出す過程の大きな第一歩なのです。

■赤ちゃんがはっきりと発音できない理由は喉の構造にある

生後3ヶ月くらいまでの赤ちゃんは、明瞭な音声を発することができません。それは、口や喉の構造が大人とは違うからです。

大人の喉頭は、気管と食道の入り口にあり、他の哺乳類と比べてもかなり下の位置にあります。これにより、何十種類という複雑な声を出せるようになります。
赤ちゃんの喉頭は大人の喉頭よりも高い位置にあり気管と食道は分離しています。そのおかげで赤ちゃんは鼻で呼吸をしながら母乳やミルクを飲み続けられ、誤って気管に入ることも防げるのです。

しかし、この喉の構造では声は鼻から抜けてしまうためうまく反響できません。また、神経回路が未熟なために、舌や唇の動きをコントロールして音の調整をすることもできません。そのため子音を作れずにはっきりとしない発音になってしまいます。

赤ちゃんの喉頭は、生後4ヶ月頃から成長と共に下がってきて、3歳頃には大人とほぼ同じ位置に落ち着きます。そして、頬や舌、唇などの筋肉や神経が発達してくると共に、少しずつ音を調整できるようになります。

喃語は声を出す練習

イスに座りご機嫌な赤ちゃん

喃語とは、赤ちゃんが言葉を発する前の、意味のない音声のことです。
生後4ヶ月頃から、赤ちゃんの喉頭は下がり始め、意識して声帯を使えるようになり「あー」「うー」など、母音の喃語が始まります。
生後5ヶ月頃になると、息を出すと同時に唇や舌を使って音を調整し、思い通りに音声を作れるようになり「ばー」「ぶー」など子音を含む喃語が始まります。
このように、赤ちゃんが喃語を発することで、声を出すという意識を持って、声帯と息をコントロールし、音声を出す練習をしているのです。

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言葉を聞く・言葉を理解するためのステップ

ガラガラで一人遊び中の赤ちゃん

赤ちゃんが成長と共に、自然に言語を習得するには、決まった順番がみられます。

言葉の習得ステップ

1.言葉を聞く
2.言葉を理解する
3.言葉を話す
4.文字を読む
5.文字を書く

赤ちゃんは、ママのおなかの中にいる頃から聴力が身に付きます。それはとても早く、妊娠20週頃には、ママの血液の流れや心臓の音を聞けるようになり妊娠28週を過ぎる頃には外の世界の音や声が聞こえ始め、イントネーションや音の違いなども認識できるようになるといわれています。

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このように、赤ちゃんは生まれる前からさまざまな音や言葉に触れ、生まれてからクーイングや喃語でしゃべる練習をしている間にも、たくさんの言葉をインプットし理解することで、準備が整ったタイミングで初語を発せられるようになります。

言葉の発達を促すには「赤ちゃん言葉」が効果大!

ママパパと一緒にお喋りできて嬉しい赤ちゃん

先の説明のように、赤ちゃんが言葉を話す前段階としての、「言葉を聞く」「言葉を理解する」時期には、特に、多くの言葉に触れさせてあげることが大切です。しかし、やみくもに言葉を聞かせれば良いというわけではありません。実は、赤ちゃんの言葉の発達を促したいなら、まんま、わんわんなどの「赤ちゃん言葉」が効果大なのです。

1対1で「赤ちゃん言葉」で話しかけた子供ほど語彙力が伸びる!

乳児の言語習得の研究を行っている、ワシントン大学学習脳科学研究所の発達心理学者パトリシア・キュール氏の発表によると、「子どもの言語発達を促すのは、親が1対1で“赤ちゃん言葉”で話しかけること」だというのです。

研究内容は、親が赤ちゃんと1対1で語りかけているか、第三者もいる状況で話をしているか、大人の言葉で語りかけているか、“赤ちゃん言葉”で語りかけているかなど、さまざまな状況を観察・分析するというもので、親がゆっくりとした高い声色で“赤ちゃん言葉”を使い語りかけた赤ちゃんは、喃語をしゃべる回数が多かったという結果がみられたのです。

そして、成長を追って2歳になった時点で、語彙力を調べてみると、親が“赤ちゃん言葉”で語りかける機会が少なかった赤ちゃんは平均169語だったのに対し、親が1対1で“赤ちゃん言葉”を使い語りかけた赤ちゃんは平均433語と、大きな差が生まれていたのです。

使ってみよう!赤ちゃん言葉の一覧

パパにトーストを分けてもらう赤ちゃん

赤ちゃんのお世話をするとき、赤ちゃんの身の回りにあるもの、さまざまなものに“赤ちゃん言葉”があります。赤ちゃんの言葉の発達を促すために、積極的に“赤ちゃん言葉”を使って語りかけてあげたいですね!

人の赤ちゃん言葉

・パパ:ぱー、ぱーぱ、ぱ
・ママ:まー、まーま、まんま、ま
・おじいちゃん:じいじ、じい
・おばあちゃん:ばあば、ばあ
・お兄ちゃん:にぃに
・お姉ちゃん:ねぇね

動物の赤ちゃん言葉

・いぬ:わんわん
・ねこ:にゃんにゃん、にゃー
・さる:きっき
・うし:もーもー
・うま:んま、おんま
・ライオン:がおー、がーがー
・ねずみ:ちゅー、ちゅーちゅー
・にわとり:こっこ
・あひる:がーが
・はと:ぽっぽ
・すずめ:ちゅんちゅん
・さかな:とっと、とと
・虫:むいむい

からだの赤ちゃんの言葉

・頭:おつむ
・目:おめめ、めんめ
・手:てて、おてて
・足:あんよ
・おっぱい:ぱいぱい
・お腹:ぽんぽ、ぽんぽん

食べ物と飲み物の赤ちゃん言葉

・ごはん:まんま
・おにぎり:にぎー
・麺類:ちゅるちゅる、ちゅーちゅー
・牛乳:にゅーにゅー、みー、みーく
・水:みじゅ、おみじゅ
・にんじん:じんじん

身の回りのものの赤ちゃん言葉

・帽子:あっぽん、しょっぽ
・洋服:べべ、おべべ
・靴:くっく
・靴下:たった、たんたん、たーたー
・お風呂:たんたん、たーたー、おぶちゃ、ぼちゃ
・お湯:おぶ
・電話:でんでん
・滑り台:すー
・車:ぶーぶー、ぶーぶ
・汽車:ぽっぽ、ぽっぽー
・電車:でんでん
・飛行機:こーき

動きの赤ちゃん言葉

・立つ:たっち
・座る:えんちょ、ちゃんこ、おっちん、えんこ
・歩く:あんよ
・寝る:ねんね
・食べる:もぐもぐ、まんま、ごっくん
・飲む:ごっくん
・噛む:かみかみ
・痒い:かいかい、かきかき
・片付ける:ないない
・捨てる:ぽい、ぽいぽい
・洗う:きれいきれい、ジャー
・おしっこをする:しっし、しー、ちっち
・うんちをする:うーん、もー、もーもー
・抱っこ:だー、だっだー
・おんぶ:おんも
・汚い:ばっちい
・だめ:め!
・お参りをする:なむなむ、あーん

赤ちゃんの言葉の発達を促す語りかけ(言葉かけ)のコツ

赤ちゃんが言葉をしゃべるようになるのに大切な「語りかけ」。赤ちゃんが言葉をしゃべる前から“赤ちゃん言葉”で話しかけること以外にも、ちょっとしたコツや注意したいことがあります。

意味と一緒に覚えられるように絵本の読み聞かせをする

絵本を読んでいる最中にカメラ目線になる赤ちゃん

絵本の読み聞かせは、赤ちゃんの言葉の発達にとても良い影響を与えます。言葉は、「音」+「イメージ」のセットで覚えると、より記憶に残り、習得しやすいといわれているからです。
また、赤ちゃんの興味を引き出したり、集中力を身に付けられたり、パパやママとの絆を深めるなど、メリットが多いので、たくさんの絵本を読んであげたいですね。

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TVやDVDなどに頼りすぎず、生の声で話しかける

テレビに夢中になる赤ちゃん

このことに関しても、パトリシア・キュール氏が、乳児の言語習得の研究による成果を発表しています。それによると、「赤ちゃんの言語習得には、TVやDVDなどのメディアを通してではなく、生で言葉をしゃべる人との、社会的接触が重要」だというのです。

研究内容は、アメリカ人の乳児に、中国人の保育士が「直接絵本を読み聞かせる」方法と「絵本を読む様子を録画し、TV画面を通して鑑賞させる」方法の2通りで、外国語である中国語に接する機会を与えるというものです。すると、中国語の音の聞き分けができた赤ちゃんの割合は、後者では55%に留まったのに対し、前者では実に65%という結果が出たのです。

家事の間など、TVに頼ることは決して悪いことではありません。しかし、長時間の使用は避け、できるだけママの「生」の言葉でたくさん話しかけてあげてくださいね。

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赤ちゃんが聞き取りやすいように、言葉はゆっくり・はっきりと発音する

ママパパに喃語で話しかける赤ちゃん

生まれる前から聴力が身に付いているといっても、大人と同じように聞こえるようになるのは、生後8〜9ヶ月頃といわれています。その頃になったとしても、初めて聞く言葉や音を理解するのはとても難しいものです。
赤ちゃんが聞き取れるように、ゆっくり、はっきりとした発音で、語りかけをしてあげましょう。

単語だけではなく2〜3語で語りかける

例えば、「まんま(ごはん)」と名詞1語だけを使うより、「まんま、食べる?」「まんま、おいしい!」などと、動詞や形容詞などと組み合わせて、2〜3語の短い文章で語りかける方が、より「まんま」自体をイメージしやすく、また、「まんま」に結びつく語彙力も増えていきます。

「お花、きれいね」「お花、いいにおい!」「お花、だいじだいじ」など、連想ゲームのように、色々な種類の言葉で語りかけてあげたいですね。

指示代名詞(あれ・これ・それ)よりも名詞を使う

赤ちゃんに語りかける保育士

「あれがいいの?」「これにしようか?」「それほしい?」など、指示代名詞は赤ちゃんにとって、距離感や違いの区別がつかず、非常に分かりにくいものです。

「ぶーぶーがいいの?」「イチゴにしようか?」「おみず、ほしい?」など、指をさしたり、手に取りながら、具体的な物の名前で語りかけてあげましょう。

赤ちゃんの言葉が遅い原因は?

赤ちゃんが、初語を発する時期の平均は1歳前後で、ほとんどの赤ちゃんが1歳3〜4ヶ月までには1語以上をしゃべるようになります。それは、厚生労働省が10年毎に行っている「乳幼児身体発育調査」からみられる結果です。

しかし、中にはなかなか初語がでなかったり、初語の数が増えずに言葉の数が増えずに、1歳半健診などで言葉の遅れを指摘される子供もいます。言葉の発達はとても個人差の大きい部分ですが、原因を考え、環境面を見直すことは大切です。

一般調査による乳幼児の言語機能通過率

赤ちゃんは何歳から言葉を話すのか考えているママ

この調査は、1語以上の言葉をしゃべる乳幼児の割合を示したものです。平成28年8月現在、平成22年に行われた調査が最新のものです。

年月齢:1語以上の単語をしゃべる割合

7〜8ヶ月:2.2%
8〜9ヶ月:6.5%
9〜10ヶ月:9.0%
10〜11ヶ月:21.3%
11〜12ヶ月:40.9%
1歳0〜1ヶ月:57.6%
1歳1〜2ヶ月:69.9%
1歳2〜3ヶ月:79.1%
1歳3〜4ヶ月:86.1%
1歳4〜5ヶ月:88.8%
1歳5〜6ヶ月:89.1%
1歳6〜7ヶ月:94.7%

年々遅くなる初語の月齢。核家族化により言葉の遅い赤ちゃんが増えた?

言葉を話さない赤ちゃんを心配するママ

この「乳幼児身体発育調査」は、昭和25年から始まり、半世紀以上に亘って行われています。実は、長年の調査から、初語が年々遅くなっていることが分かってきたのです。
特に、近年その傾向が強く現れていて、90%以上の赤ちゃんが初語を発する月齢を比較すると、平成2年で約14.5ヶ月、平成12年で約15.5ヶ月、平成22年で約17ヶ月と、ここ20年の間で、約2.5ヶ月も遅れがみられるのです。

その原因は、核家族が増え、パパやママ以外の大人と過ごす時間が減少したり、TVやDVDなどメディアに触れる機会が増加するなど、赤ちゃんが育つ環境の変化が大きな影響を与えていると考えられています。

だからといって「家で私といつも二人きりだから」とママが自分を責める必要はありません。二人でいるときも積極的に赤ちゃんに話しかけたり、子育てサロンなどにお出掛けしたりして、少しずつ環境を変えていきましょう。

男の子は女の子に比べて言葉が遅い

一人で水遊びをする女の子

「男の子に比べ、女の子の方が言葉を早くしゃべるようになる」といわれています。それは、「男性脳」「女性脳」と呼ばれているように、脳の使い方の違いがみられるからです。脳は、左脳と右脳に分かれていて、左脳は言語、右脳は感性、それぞれ司る分野が異なります。
言語機能において、「男性脳」は左脳と右脳を使い分けるのに対し、「女性脳」は左脳も右脳も活発に働かせることができ、女の子の方が言葉を習得することが得意だとされているのです。

バイリンガルは言葉が遅れてみえやすい

また、国際結婚の両親を持つ子どもは、言葉の習得スピードが遅い傾向にあります。言葉を身に付け始める頃は、脳の中に蓄えられる語彙には制限があり、それを100としたときに、モノリンガルの子どもは100全てが1つの言語で埋まりますが、バイリンガルの子どもは、割合こそ変化しますが、両親のそれぞれの母国語が50ずつで埋まることになるため、1つの言語の習得が遅れているように感じるのです。

その他、赤ちゃんを取り巻く環境が、言語習得スピードに大きな影響を与えるため、言葉の遅れは珍しいものではなく、それが個性の場合もあります。

赤ちゃんの言葉の発達には親子のコミュニケーションがカギ

まだ、しゃべられない赤ちゃんが発する、意味を持たないクーイングや喃語も、大切な言葉の成長過程のひとつです。ぜひ、その音を褒めて、受け止めて、反応してあげてください。それだけで、赤ちゃんは喜び、しゃべることを楽しいと感じ、もっとしゃべりたいと意欲が湧いてくるものです。
「いつママって呼んでくれるかな?」「早く会話をしてみたいな」赤ちゃんがしゃべる様子を想像するだけで、ワクワクしてきますね!いつか来る、赤ちゃんが初語を発する日を楽しみに、いっぱい語りかけてあげましょう!